46 / 61
46『タケミカヅチ』
しおりを挟む
誤訳怪訳日本の神話
46『タケミカヅチ』
イザナギ・イザナミのミトノマグワイ(男女でいたすこと)の最後に生まれたのが火の神(ホノヤギハヤヲ)であることは、5『イザナギ・イザナミの神生み』で触れました。
イザナミを焼き殺したホノヤギハヤヲはイザナギによって切られてしまいますが、この時に使われた剣がイツノヲハバリで、このイツノヲハバリに着いた血から生まれたのがタケミカヅチです。
アマテラスにすると、母の仇の火の神をやっつけた特別な剣で、その剣が神として神格化したものですね。
アマテラスに命じらて出撃したのは息子に当るタケミカヅチです。
タケミカヅチはアメノトリフネに乗って出雲の國の伊耶佐の小濱(いぎさのおはま)に降り立ちます。
この時の現れ方が、赤塚不二夫の漫画風なのです。
最初に、このくだりを読んだ時は『天才バカボン』の一コマかと思いました。
岩の上に突き刺さったトツカノツルギの上で胡座をかいています。
ときどき、上下が逆さまになったりして、驚くオオクニヌシに凄いことを言います。
「オオクニヌシ、ここは豊蘆原の中国(トヨアシハラノナカツクニ)は天照大神のお子であるアメノオシホミミ(アマテラスの玉から生まれた)が治めることになった」
「え、初めて聞いたぞ」
「初めて言ったのだ」
「なんだ、それは!?」
「これまで、アマテラスさまは、三人の神を遣わされたが、ことごとく役に立たなかった」
「ワハハ、頼りない奴ばかりだったからだ」
「ちがうぞ、オオクニヌシ。アマテラスさまは、なるべく穏便に国譲りを果たそうとなさって、穏やかな神たちを遣わされたが、仏の顔も三度まで……神さまだけどな。もう、四の五の言わせねえぞ。俺は、イザナミノミコトを焼き殺した火の神をギッタギタにやっつけたイツノヲハバリの息子だ。でもって、親父よりも強いからな、逆らったらぶっ殺す!」
バカボンパパのようなシュールな現れ方だけでも不気味なのに、その出自を聞いて、オオクニヌシはビビってしまいます。
「えと……わたしはね、根の国粗忽国の……」
「粗忽な国なのか?」
「いや、底つ国だ。いちいち変換ミスを言わんでもいい(^_^;)、で、粗忽国……うつってしまった」
「底つ国がどーした?」
「底つ国のスサノオノミコトから頂いた土地だ、簡単には渡せるか」
「アホか。スサノオなんて、とっくの昔にアマテラスさまに負けとるぞ。んなのは無効に決まっとるだろーが。粗忽国なんてめじゃねえ」
「あ、また変換ミス」
「変換ミスは、おまえがバカだからだ、さっさと譲れ。譲ったら、ちゃんと神社たてて祀ってやるぞ。嫌なら、ここで死刑だ!」
「わ、分かった(;'∀')」
オオクニヌシは降参しますが、取り巻きの部下の神たちが剣を抜いたり、大岩を投げつけて抵抗しますが、タケミカヅチは特大の雷を落としてやっつけてしまいます。
ガラガラ ピッシャーーーン!!
タケミカヅチは剣の神でもありますが、雷神でもあります。
オオクニヌシは出雲の多芸志(たきし)の小浜に神社を建ててもらって隠居することになります。
こうやって、アマテラスは改めて息子のアメノオシホミミを遣わすことにします。
しかし、先にも書きましたが、このアメノオシホミミが、どうにも頼りない。
一番最初に、中つ国遠征を命じられた時も、あれこれ理由を付けて断っていました。
そのために、アメノホヒ → アメノワカヒコ → タケミカヅチ の三人が相次いで派遣され、その都度、アマテラスは気をもんで、皴の数を増やしてしまったのです。
話は、まだまだ二転三転の気配です。
46『タケミカヅチ』
イザナギ・イザナミのミトノマグワイ(男女でいたすこと)の最後に生まれたのが火の神(ホノヤギハヤヲ)であることは、5『イザナギ・イザナミの神生み』で触れました。
イザナミを焼き殺したホノヤギハヤヲはイザナギによって切られてしまいますが、この時に使われた剣がイツノヲハバリで、このイツノヲハバリに着いた血から生まれたのがタケミカヅチです。
アマテラスにすると、母の仇の火の神をやっつけた特別な剣で、その剣が神として神格化したものですね。
アマテラスに命じらて出撃したのは息子に当るタケミカヅチです。
タケミカヅチはアメノトリフネに乗って出雲の國の伊耶佐の小濱(いぎさのおはま)に降り立ちます。
この時の現れ方が、赤塚不二夫の漫画風なのです。
最初に、このくだりを読んだ時は『天才バカボン』の一コマかと思いました。
岩の上に突き刺さったトツカノツルギの上で胡座をかいています。
ときどき、上下が逆さまになったりして、驚くオオクニヌシに凄いことを言います。
「オオクニヌシ、ここは豊蘆原の中国(トヨアシハラノナカツクニ)は天照大神のお子であるアメノオシホミミ(アマテラスの玉から生まれた)が治めることになった」
「え、初めて聞いたぞ」
「初めて言ったのだ」
「なんだ、それは!?」
「これまで、アマテラスさまは、三人の神を遣わされたが、ことごとく役に立たなかった」
「ワハハ、頼りない奴ばかりだったからだ」
「ちがうぞ、オオクニヌシ。アマテラスさまは、なるべく穏便に国譲りを果たそうとなさって、穏やかな神たちを遣わされたが、仏の顔も三度まで……神さまだけどな。もう、四の五の言わせねえぞ。俺は、イザナミノミコトを焼き殺した火の神をギッタギタにやっつけたイツノヲハバリの息子だ。でもって、親父よりも強いからな、逆らったらぶっ殺す!」
バカボンパパのようなシュールな現れ方だけでも不気味なのに、その出自を聞いて、オオクニヌシはビビってしまいます。
「えと……わたしはね、根の国粗忽国の……」
「粗忽な国なのか?」
「いや、底つ国だ。いちいち変換ミスを言わんでもいい(^_^;)、で、粗忽国……うつってしまった」
「底つ国がどーした?」
「底つ国のスサノオノミコトから頂いた土地だ、簡単には渡せるか」
「アホか。スサノオなんて、とっくの昔にアマテラスさまに負けとるぞ。んなのは無効に決まっとるだろーが。粗忽国なんてめじゃねえ」
「あ、また変換ミス」
「変換ミスは、おまえがバカだからだ、さっさと譲れ。譲ったら、ちゃんと神社たてて祀ってやるぞ。嫌なら、ここで死刑だ!」
「わ、分かった(;'∀')」
オオクニヌシは降参しますが、取り巻きの部下の神たちが剣を抜いたり、大岩を投げつけて抵抗しますが、タケミカヅチは特大の雷を落としてやっつけてしまいます。
ガラガラ ピッシャーーーン!!
タケミカヅチは剣の神でもありますが、雷神でもあります。
オオクニヌシは出雲の多芸志(たきし)の小浜に神社を建ててもらって隠居することになります。
こうやって、アマテラスは改めて息子のアメノオシホミミを遣わすことにします。
しかし、先にも書きましたが、このアメノオシホミミが、どうにも頼りない。
一番最初に、中つ国遠征を命じられた時も、あれこれ理由を付けて断っていました。
そのために、アメノホヒ → アメノワカヒコ → タケミカヅチ の三人が相次いで派遣され、その都度、アマテラスは気をもんで、皴の数を増やしてしまったのです。
話は、まだまだ二転三転の気配です。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
半身転生
片山瑛二朗
ファンタジー
忘れたい過去、ありますか。やり直したい過去、ありますか。
元高校球児の大学一年生、千葉新(ちばあらた)は通り魔に刺され意識を失った。
気が付くと何もない真っ白な空間にいた新は隣にもう1人、自分自身がいることに理解が追い付かないまま神を自称する女に問われる。
「どちらが元の世界に残り、どちらが異世界に転生しますか」
実質的に帰還不可能となった剣と魔術の異世界で、青年は何を思い、何を成すのか。
消し去りたい過去と向き合い、その上で彼はもう一度立ち上がることが出来るのか。
異世界人アラタ・チバは生きる、ただがむしゃらに、精一杯。
少なくとも始めのうちは主人公は強くないです。
強くなれる素養はありますが強くなるかどうかは別問題、無双が見たい人は主人公が強くなることを信じてその過程をお楽しみください、保証はしかねますが。
異世界は日本と比較して厳しい環境です。
日常的に人が死ぬことはありませんがそれに近いことはままありますし日本に比べればどうしても命の危険は大きいです。
主人公死亡で主人公交代! なんてこともあり得るかもしれません。
つまり主人公だから最強! 主人公だから死なない! そう言ったことは保証できません。
最初の主人公は普通の青年です。
大した学もなければ異世界で役立つ知識があるわけではありません。
神を自称する女に異世界に飛ばされますがすべてを無に帰すチートをもらえるわけではないです。
もしかしたらチートを手にすることなく物語を終える、そんな結末もあるかもです。
ここまで何も確定的なことを言っていませんが最後に、この物語は必ず「完結」します。
長くなるかもしれませんし大して話数は多くならないかもしれません。
ただ必ず完結しますので安心してお読みください。
ブックマーク、評価、感想などいつでもお待ちしています。
この小説は同じ題名、作者名で「小説家になろう」、「カクヨム」様にも掲載しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
裏庭が裏ダンジョンでした@完結
まっど↑きみはる
ファンタジー
結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。
裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえれてしまう。
そこで知る憧れの世界の厳しく、残酷な現実とは……?
挿絵結構あります
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。
魔法少女の異世界刀匠生活
ミュート
ファンタジー
私はクアンタ。魔法少女だ。
……終わりか、だと? 自己紹介をこれ以上続けろと言われても話す事は無い。
そうだな……私は太陽系第三惑星地球の日本秋音市に居た筈が、異世界ともいうべき別の場所に飛ばされていた。
そこでリンナという少女の打つ刀に見惚れ、彼女の弟子としてこの世界で暮らす事となるのだが、色々と諸問題に巻き込まれる事になっていく。
王族の後継問題とか、突如現れる謎の魔物と呼ばれる存在と戦う為の皇国軍へ加入しろとスカウトされたり……
色々あるが、私はただ、刀を打つ為にやらねばならぬ事に従事するだけだ。
詳しくは、読めばわかる事だろう。――では。
※この作品は「小説家になろう!」様、「ノベルアップ+」様でも同様の内容で公開していきます。
※コメント等大歓迎です。何時もありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる