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23『なにかもめてますよ』
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泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)
23『なにかもめてますよ』
宝くじを見つめる小菊の顔が歪んできた……やっぱヤバかった?
歪んだ顔は引きつって、ついに小菊は爆発した!
アハハハハハハ(≧〇≦)!
一億円の当選に気が触れたか!?
「あーーーおっかしい! これってさ、一字違いのハズレ券なんですけど」
「え…(゚o゚;;いや、そんなことはない」
当選番号はネットで検索して何十篇も確認した。俺には珍しく確信がある、断じて一字違いなどではない!
「お父さんがため息ついてオキッパしてたのに細工したんだもん」
「いや、だって……」
松ネエとシグマも覗き込んできた。松ネエはスマホで検索して当選番号を画面に出した。
「だって……E組 の……127448……間違いないわよ!」
「やだ、これはね、F組 127448なのよ。Fの下に一本引いてあるの。お父さん、一瞬心臓が停まるんじゃないかってぐらいにビックリしてた(^_^;)」
「「「ん……???」」」
葉書の大きさにも満たない宝くじに俺と松ネエとシグマの雁首が揃う。
「あーーーーーーーーFの下の線、微妙に色が違う!」
「そういうこと」
あ⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵(∩´﹏`∩)
三人のため息を、満足そうに睥睨する小菊。
そうなんだ、こういう時の小菊は鼻を膨らませてドヤ顔になる。
そのドヤ顔が息を吸い込んだ状態で固まってしまった。
「……どう……した?」
「……ま、まさか!?」
小菊はダッシュして合格発表の掲示板に駆け戻った。
「あ、小菊ちゃん、なにかもめてますよ」
シグマが指差したところを見ると、小菊が堂本ともめている。
「だめだよ、触っちゃ!」
「だって、48の8って、3の左半分書き足したのかもしれないでしょ! だって43が無いもん!」
人だかりがし始めているので、俺は慌てて駆け寄った。
「落ち着け小菊! おまえの前は47、後が49、48以外には入りようがないだろが!」
「でも43は!?」
「それは落ちた子の受験番号だからよ」
松ネエがしごく足り前な答えを言う。
「そ、そっか、やっぱホントに合格したんだ……」
四大現役合格者の説明に、やっと小菊は納得した。
「あれ、おまえの妹か?」
機嫌よく校門を出て行く後姿の小菊を顎でしゃくりながら堂本が聞く。
「え、あ、ま、一応」
「フン」
鼻息一発かまして堂本は校舎に消えた。
「じゃ、あたしバイトに行くわ」
松ネエも校門に向かい、駅方向の道へ急ぐ。
松ネエが居なければ、堂本の鼻息だけでは済まなかっただろう。
「なかなか可愛いところがあるんですね小菊ちゃん」
この騒動をひとり楽しんだシグマが締めくくる。
「えと、なんで合格発表の日に登校してんの?」
一年のシグマが合格発表に来る理由は無いはずだ。
「はい、新入生の勧誘です!」
Σに口を尖らせながら胸を張るシグマ。
「え?」
シグマって部活やってたのか?
「えと、作ったんです『サブカルチャー研究部』! ま、同好会だから、今のとこは研究会ですけど」
「そうなんだ、部員は?」
「あたし一人、だからこその勧誘なんです」
なるほど、そう言えば合格発表の日の午後の説明会から部活の勧誘とかやってたっけ。
「先輩のお蔭なんですよ。先輩もエロ……いやパソコンゲームに興味あるでしょ、この学校であたし一人だけかとしょぼくれてたんですけどね。それに、先輩んちで勉強会とかやらせてもらって、ちょっぴり人を相手にすることに慣れたんです!」
うん、それはいいことだ。
だけど、俺はエロゲファンでは断じてない。ないけどシグマには言えないよな、こんなにキラキラしてんのに。
俺は「がんばれよ!」のエールを送って学校を後にした。
で、一晩たった今朝、小菊に質問された。
「ね、あの宝くじ学校の茶封筒に入れといたはずなんだけど、どうして持ってたの?」
言葉に詰まる俺だった。
あ、それから、バイトから帰ってきた松ねえが言ってたんだけど。F組 127448は組違賞で、賞金5万円。
だけど、FをEに書き換えちまってるから無効……親父のビックリは、きっとそれなんだけど、娘に甘い親父は言えなかったんだ。
あ、これって内緒な。
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
妻鹿由紀夫 父
鈴木典亮 (ノリスケ) 高校二年 雄一の数少ない友だち
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉
ヨッチャン(田島芳子) 雄一の担任
23『なにかもめてますよ』
宝くじを見つめる小菊の顔が歪んできた……やっぱヤバかった?
歪んだ顔は引きつって、ついに小菊は爆発した!
アハハハハハハ(≧〇≦)!
一億円の当選に気が触れたか!?
「あーーーおっかしい! これってさ、一字違いのハズレ券なんですけど」
「え…(゚o゚;;いや、そんなことはない」
当選番号はネットで検索して何十篇も確認した。俺には珍しく確信がある、断じて一字違いなどではない!
「お父さんがため息ついてオキッパしてたのに細工したんだもん」
「いや、だって……」
松ネエとシグマも覗き込んできた。松ネエはスマホで検索して当選番号を画面に出した。
「だって……E組 の……127448……間違いないわよ!」
「やだ、これはね、F組 127448なのよ。Fの下に一本引いてあるの。お父さん、一瞬心臓が停まるんじゃないかってぐらいにビックリしてた(^_^;)」
「「「ん……???」」」
葉書の大きさにも満たない宝くじに俺と松ネエとシグマの雁首が揃う。
「あーーーーーーーーFの下の線、微妙に色が違う!」
「そういうこと」
あ⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵⤵(∩´﹏`∩)
三人のため息を、満足そうに睥睨する小菊。
そうなんだ、こういう時の小菊は鼻を膨らませてドヤ顔になる。
そのドヤ顔が息を吸い込んだ状態で固まってしまった。
「……どう……した?」
「……ま、まさか!?」
小菊はダッシュして合格発表の掲示板に駆け戻った。
「あ、小菊ちゃん、なにかもめてますよ」
シグマが指差したところを見ると、小菊が堂本ともめている。
「だめだよ、触っちゃ!」
「だって、48の8って、3の左半分書き足したのかもしれないでしょ! だって43が無いもん!」
人だかりがし始めているので、俺は慌てて駆け寄った。
「落ち着け小菊! おまえの前は47、後が49、48以外には入りようがないだろが!」
「でも43は!?」
「それは落ちた子の受験番号だからよ」
松ネエがしごく足り前な答えを言う。
「そ、そっか、やっぱホントに合格したんだ……」
四大現役合格者の説明に、やっと小菊は納得した。
「あれ、おまえの妹か?」
機嫌よく校門を出て行く後姿の小菊を顎でしゃくりながら堂本が聞く。
「え、あ、ま、一応」
「フン」
鼻息一発かまして堂本は校舎に消えた。
「じゃ、あたしバイトに行くわ」
松ネエも校門に向かい、駅方向の道へ急ぐ。
松ネエが居なければ、堂本の鼻息だけでは済まなかっただろう。
「なかなか可愛いところがあるんですね小菊ちゃん」
この騒動をひとり楽しんだシグマが締めくくる。
「えと、なんで合格発表の日に登校してんの?」
一年のシグマが合格発表に来る理由は無いはずだ。
「はい、新入生の勧誘です!」
Σに口を尖らせながら胸を張るシグマ。
「え?」
シグマって部活やってたのか?
「えと、作ったんです『サブカルチャー研究部』! ま、同好会だから、今のとこは研究会ですけど」
「そうなんだ、部員は?」
「あたし一人、だからこその勧誘なんです」
なるほど、そう言えば合格発表の日の午後の説明会から部活の勧誘とかやってたっけ。
「先輩のお蔭なんですよ。先輩もエロ……いやパソコンゲームに興味あるでしょ、この学校であたし一人だけかとしょぼくれてたんですけどね。それに、先輩んちで勉強会とかやらせてもらって、ちょっぴり人を相手にすることに慣れたんです!」
うん、それはいいことだ。
だけど、俺はエロゲファンでは断じてない。ないけどシグマには言えないよな、こんなにキラキラしてんのに。
俺は「がんばれよ!」のエールを送って学校を後にした。
で、一晩たった今朝、小菊に質問された。
「ね、あの宝くじ学校の茶封筒に入れといたはずなんだけど、どうして持ってたの?」
言葉に詰まる俺だった。
あ、それから、バイトから帰ってきた松ねえが言ってたんだけど。F組 127448は組違賞で、賞金5万円。
だけど、FをEに書き換えちまってるから無効……親父のビックリは、きっとそれなんだけど、娘に甘い親父は言えなかったんだ。
あ、これって内緒な。
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
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