170 / 277
158『47人救えた』
しおりを挟む
銀河太平記
158『47人救えた』メグミ
47人救えた。
西海岸で集めた半導体で使えるものは半分に満たない。
予想に反して上陸用舟艇も作業機械も旧式のものは少なく、中には見かけだけ旧式で中身は最新というものもあった。
フェイクなのか間に合わせなのかは分からないけど、漢明の装備は見かけほどにポンコツではない。
せっかくマイさん(児玉元帥)が時間を稼いでくれたのに申し訳ない。
「なあに、こっちも色々分かったし、橋頭保としては使い物にならないくらい破壊できたし、問題ないわよ」
明るく答えるマイさんだけど、手足の包帯が痛々しい。
「手足にパルス砲を仕込んでたんですね」
「あ、ナイショね。これ使う時って凄い格好になるから(^_^;)」
「すみません、大きなことを言っておきながら半分しか救えませんでした」
「ううん、47人救えた。忠臣蔵と同じ数で縁起がいいわよ」
「ちょっといいかな」
「あ、市長」
目の下にクマを作った市長が、さっき提出した報告書を手に割り込んできた。
「蘇生完了のロボット数なんだけどね」
「すみません、全員救えなくて」
「あ、いやいや、47人も救ってもらって感謝してます」
「なにか不具合が?」
「人(にん)という表記が困るんです」
「え?」
西之島では人もロボットも区別しない。数え方は人(にん)だ。
市長は元々は島に派遣された国交省の役人、ちょっと杓子定規。マイさんも白けた顔をしている。
「いや、戦いが終わったら日本政府に経費やら損害賠償を請求しようと思ってるんです。日本政府の書式ではロボットは『〇台』あるいは『〇機』と表現するんです」
「あ、ああ(^▽^)!」
「ロボット平等法とかありますけど、手続きや書式は旧態依然でしてね。まあ、二重線で消して『人』に直して訂正印押しとけばいいことですから」
「はい、分かりました」
チャッチャと訂正、でも、市長は、まだ屈託あり気な顔のまま。
「実は、これが本題なんでありますが……」
う、言葉が丁寧になってきた。こういう丁寧モードに入ると市長は無理なことや困ったことを言う。
「なんでしょうか?」
こっちもつられて丁寧になる。
「こちらの被害もけっこうな量になりまして、ニッパチを本土に送ってやる機材がないんです」
「東のブンカ―に予備のボートがあったはずです」
救急の連絡を受けて、直前に確認した。
「たった今、敵の襲撃を受けて、撃退はしたのですが、ボートは二隻とも……」
「修理は出来ないんですか?」
「ちょっと難しいようです」
「実は……」
マイさんが口を開いた。
「南の空港で王春華という凄腕と渡り合ってきました、大統領府直属の戦闘ヒュ-マノイドです。敵勢力は粗かた駆逐しましたが、王春華は健康なままです」
「そのヒューマノイドが?」
「こちらの手の内を知っているわけでなありませんが、一矢報いるために手近な東のブンカ―を襲ったのでしょう」
ガチャガチャガチャ
直してやったばかりのロボットたちが、いびつな音をたてながら集まってきた。
「ちょ、あんたたち、駆動系とかはリペアしきれてないんだから!」
ガチャ
代表めいたのが、一歩前に出てきた。
「ワタシタチ モ イッシムクイマショウ!」
「アハハ、気持ちは嬉しいけど、まだ駄目だって(^_^;)」
「労基法にも抵触するから、おさえておさえて(^o^;)」
「いいわ、ニッパチの輸送は任せて」
「元帥、いや、マイさん!?」
「ヨイチ准尉!」
「はい、御用でありましょうか、閣下?」
「至急、パルス車を出してくれ」
「お戻りになるんですか?」
「後送の任務だ、要人一名を軍の技研まで送ってくれ。敵の囲みは厳しいが、貴様の技量なら大丈夫だろ」
「はい、多少の欺瞞進路をとりますので、通常の倍は掛かるかと思います」
「かまわん、確実なことが大事な任務だ。後送するのはニッパチ、西之島技研の要員でもあり、西之島銀行の頭取でもある。安全第一でいけ」
「帰りが明後日以降になるおそれがあります」
「戻って来んでいい。任務が終わったら江ノ島で待機していてくれ」
「それでは、戦闘に加われません」
「戦闘は、これが最後ではない」
「しかし」
「大丈夫、この戦争には勝つ。以上だ」
「……了解しました。ヨイチ准尉ニッパチ殿を本土技研まで後送いたします」
「よし、かかれ!」
ビシッと敬礼を決めると准尉は行ってしまった。
「なにかな?」
「完全に元帥に戻ってますけど」
「あ……あははは、今のは見なかったということでぇ……さ、そろそろ作戦会議の時間ですので、これで失礼しますね」
それでも軍人丸出しの回れ右をきめて、作戦室のラッタルを上がるマイさんだった。
☆彡この章の主な登場人物
大石 一 (おおいし いち) 扶桑第三高校二年、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ) 扶桑第三高校二年、 扶桑政府若年寄穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく) 扶桑第三高校二年、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる) 扶桑第三高校二年、 飛び級で高二になった十歳の天才少女
加藤 恵 天狗党のメンバー 緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ) 扶桑第三高校の教師、四人の担任
扶桑 道隆 扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ) 将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶 小姓頭
児玉元帥(児玉隆三) 地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人) 児玉元帥の友人
森ノ宮茂仁親王 心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ 児玉元帥の副官
マーク ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン 太陽系一の賞金首
氷室(氷室 睦仁) 西ノ島 氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平)
村長(マヌエリト) 西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷) 西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平 西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん) 今上陛下の妹宮の娘
劉 宏 漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官
王 春華 漢明国大統領付き通訳兼秘書
※ 事項
扶桑政府 火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ 扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略 百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信 修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島 硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱 23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社 シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
158『47人救えた』メグミ
47人救えた。
西海岸で集めた半導体で使えるものは半分に満たない。
予想に反して上陸用舟艇も作業機械も旧式のものは少なく、中には見かけだけ旧式で中身は最新というものもあった。
フェイクなのか間に合わせなのかは分からないけど、漢明の装備は見かけほどにポンコツではない。
せっかくマイさん(児玉元帥)が時間を稼いでくれたのに申し訳ない。
「なあに、こっちも色々分かったし、橋頭保としては使い物にならないくらい破壊できたし、問題ないわよ」
明るく答えるマイさんだけど、手足の包帯が痛々しい。
「手足にパルス砲を仕込んでたんですね」
「あ、ナイショね。これ使う時って凄い格好になるから(^_^;)」
「すみません、大きなことを言っておきながら半分しか救えませんでした」
「ううん、47人救えた。忠臣蔵と同じ数で縁起がいいわよ」
「ちょっといいかな」
「あ、市長」
目の下にクマを作った市長が、さっき提出した報告書を手に割り込んできた。
「蘇生完了のロボット数なんだけどね」
「すみません、全員救えなくて」
「あ、いやいや、47人も救ってもらって感謝してます」
「なにか不具合が?」
「人(にん)という表記が困るんです」
「え?」
西之島では人もロボットも区別しない。数え方は人(にん)だ。
市長は元々は島に派遣された国交省の役人、ちょっと杓子定規。マイさんも白けた顔をしている。
「いや、戦いが終わったら日本政府に経費やら損害賠償を請求しようと思ってるんです。日本政府の書式ではロボットは『〇台』あるいは『〇機』と表現するんです」
「あ、ああ(^▽^)!」
「ロボット平等法とかありますけど、手続きや書式は旧態依然でしてね。まあ、二重線で消して『人』に直して訂正印押しとけばいいことですから」
「はい、分かりました」
チャッチャと訂正、でも、市長は、まだ屈託あり気な顔のまま。
「実は、これが本題なんでありますが……」
う、言葉が丁寧になってきた。こういう丁寧モードに入ると市長は無理なことや困ったことを言う。
「なんでしょうか?」
こっちもつられて丁寧になる。
「こちらの被害もけっこうな量になりまして、ニッパチを本土に送ってやる機材がないんです」
「東のブンカ―に予備のボートがあったはずです」
救急の連絡を受けて、直前に確認した。
「たった今、敵の襲撃を受けて、撃退はしたのですが、ボートは二隻とも……」
「修理は出来ないんですか?」
「ちょっと難しいようです」
「実は……」
マイさんが口を開いた。
「南の空港で王春華という凄腕と渡り合ってきました、大統領府直属の戦闘ヒュ-マノイドです。敵勢力は粗かた駆逐しましたが、王春華は健康なままです」
「そのヒューマノイドが?」
「こちらの手の内を知っているわけでなありませんが、一矢報いるために手近な東のブンカ―を襲ったのでしょう」
ガチャガチャガチャ
直してやったばかりのロボットたちが、いびつな音をたてながら集まってきた。
「ちょ、あんたたち、駆動系とかはリペアしきれてないんだから!」
ガチャ
代表めいたのが、一歩前に出てきた。
「ワタシタチ モ イッシムクイマショウ!」
「アハハ、気持ちは嬉しいけど、まだ駄目だって(^_^;)」
「労基法にも抵触するから、おさえておさえて(^o^;)」
「いいわ、ニッパチの輸送は任せて」
「元帥、いや、マイさん!?」
「ヨイチ准尉!」
「はい、御用でありましょうか、閣下?」
「至急、パルス車を出してくれ」
「お戻りになるんですか?」
「後送の任務だ、要人一名を軍の技研まで送ってくれ。敵の囲みは厳しいが、貴様の技量なら大丈夫だろ」
「はい、多少の欺瞞進路をとりますので、通常の倍は掛かるかと思います」
「かまわん、確実なことが大事な任務だ。後送するのはニッパチ、西之島技研の要員でもあり、西之島銀行の頭取でもある。安全第一でいけ」
「帰りが明後日以降になるおそれがあります」
「戻って来んでいい。任務が終わったら江ノ島で待機していてくれ」
「それでは、戦闘に加われません」
「戦闘は、これが最後ではない」
「しかし」
「大丈夫、この戦争には勝つ。以上だ」
「……了解しました。ヨイチ准尉ニッパチ殿を本土技研まで後送いたします」
「よし、かかれ!」
ビシッと敬礼を決めると准尉は行ってしまった。
「なにかな?」
「完全に元帥に戻ってますけど」
「あ……あははは、今のは見なかったということでぇ……さ、そろそろ作戦会議の時間ですので、これで失礼しますね」
それでも軍人丸出しの回れ右をきめて、作戦室のラッタルを上がるマイさんだった。
☆彡この章の主な登場人物
大石 一 (おおいし いち) 扶桑第三高校二年、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ) 扶桑第三高校二年、 扶桑政府若年寄穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく) 扶桑第三高校二年、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる) 扶桑第三高校二年、 飛び級で高二になった十歳の天才少女
加藤 恵 天狗党のメンバー 緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ) 扶桑第三高校の教師、四人の担任
扶桑 道隆 扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ) 将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶 小姓頭
児玉元帥(児玉隆三) 地球に帰還してからは越萌マイ
孫 悟兵(孫大人) 児玉元帥の友人
森ノ宮茂仁親王 心子内親王はシゲさんと呼ぶ
ヨイチ 児玉元帥の副官
マーク ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン 太陽系一の賞金首
氷室(氷室 睦仁) 西ノ島 氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩、及川軍平)
村長(マヌエリト) 西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷) 西ノ島 フートンの代表者
及川 軍平 西之島市市長
須磨宮心子内親王(ココちゃん) 今上陛下の妹宮の娘
劉 宏 漢明国大統領 満漢戦争の英雄的指揮官
王 春華 漢明国大統領付き通訳兼秘書
※ 事項
扶桑政府 火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ 扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略 百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信 修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島 硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
パルス鉱 23世紀の主要エネルギー源(パルス パルスラ パルスガ パルスギ)
氷室神社 シゲがカンパニーの南端に作った神社 御祭神=秋宮空子内親王
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
―異質― 激突の編/日本国の〝隊〟 その異世界を掻き回す重金奏――
EPIC
SF
日本国の戦闘団、護衛隊群、そして戦闘機と飛行場基地。続々異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
大規模な演習の最中に異常現象に巻き込まれ、未知なる世界へと飛ばされてしまった、日本国陸隊の有事官〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟と、各職種混成の約1個中隊。
そこは、剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する世界であった。
そんな世界で手探りでの調査に乗り出した日本国隊。時に異世界の人々と交流し、時に救い、時には脅威となる存在と苛烈な戦いを繰り広げ、潜り抜けて来た。
そんな彼らの元へ、陸隊の戦闘団。海隊の護衛艦船。航空隊の戦闘機から果ては航空基地までもが、続々と転移合流して来る。
そしてそれを狙い図ったかのように、異世界の各地で不穏な動きが見え始める。
果たして日本国隊は、そして異世界はいかなる道をたどるのか。
未知なる地で、日本国隊と、未知なる力が激突する――
注意事項(1 当お話は第2部となります。ですがここから読み始めても差して支障は無いかと思います、きっと、たぶん、メイビー。
注意事項(2 このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
注意事項(3 部隊単位で続々転移して来る形式の転移物となります。
注意事項(4 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。かなりなんでも有りです。
注意事項(5 小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
セルリアン
吉谷新次
SF
銀河連邦軍の上官と拗れたことをキッカケに銀河連邦から離れて、
賞金稼ぎをすることとなったセルリアン・リップルは、
希少な資源を手に入れることに成功する。
しかし、突如として現れたカッツィ団という
魔界から独立を試みる団体によって襲撃を受け、資源の強奪をされたうえ、
賞金稼ぎの相棒を暗殺されてしまう。
人界の銀河連邦と魔界が一触即発となっている時代。
各星団から独立を試みる団体が増える傾向にあり、
無所属の団体や個人が無法地帯で衝突する事件も多発し始めていた。
リップルは強靭な身体と念力を持ち合わせていたため、
生きたままカッツィ団のゴミと一緒に魔界の惑星に捨てられてしまう。
その惑星で出会ったランスという見習い魔術師の少女に助けられ、
次第に会話が弾み、意気投合する。
だが、またしても、
カッツィ団の襲撃とランスの誘拐を目の当たりにしてしまう。
リップルにとってカッツィ団に対する敵対心が強まり、
賞金稼ぎとしてではなく、一個人として、
カッツィ団の頭首ジャンに会いに行くことを決意する。
カッツィ団のいる惑星に侵入するためには、
ブーチという女性操縦士がいる輸送船が必要となり、
彼女を説得することから始まる。
また、その輸送船は、
魔術師から見つからないように隠す迷彩妖術が必要となるため、
妖精の住む惑星で同行ができる妖精を募集する。
加えて、魔界が人界科学の真似事をしている、ということで、
警備システムを弱体化できるハッキング技術の習得者を探すことになる。
リップルは強引な手段を使ってでも、
ランスの救出とカッツィ団の頭首に会うことを目的に行動を起こす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる