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095『折衝』
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銀河太平記
095『折衝』 加藤 恵
なぜゆえにダメなのでしょうか!?
言葉こそは丁寧だけども語気に裂ぱくの勢いを籠めて、兵二が吠えた。
兵二が交渉役首席を任せられたのは、その冷静さだけではないことがよく分かった。
元をただせば扶桑幕府将軍付小姓。勝負所を心得ている。
ここで引き下がっては、西ノ島の採鉱と販売の権限まで日本政府に握られてしまうと態度を一変させたんだ。
「穏やかに話しましょう」
「これまで、島の採掘と販売は我々島の住人に一任されてきました。それを、ここに至って全てのパルス鉱石を国の選鉱所を通さなければ販売できないというのは受け入れられないことです!」
「パルスガ鉱石は、政府の選鉱を経なければ販売できんのです。パルス鉱石法四条によって、品質は政府が保証することになっておりますから」
「ならば、パルス、パルスラについては従前どおり、島の裁量に任せられるべきでしょう!」
「西ノ島の鉱脈は地下で繋がっておるのです。従って、パルスガ鉱の分布は島内の鉱脈全てに包含されている可能性があるので、選鉱せねばならんのです」
「パルス、パルスラについては、島で選鉱して販売してきて、問題が起こったことはありません。従前どおり島の裁量に任せられるべきです」
「それでは、パルス、パルスラ鉱に混ざってパルスガ鉱が搬出される可能性があるのです」
「島の人間は、そんなことはしない。よって、島の人間によって運営せられる採鉱所が為すこともあり得ないことです」
「パルスガ鉱は、国際的にも戦略物資です。戦略物資法に照らしても、そうせざるを得んのです」
「本土の三池、夕張鉱山においてもパルスガ鉱は採掘されているが、鉱石全てを選鉱にかけることはしていないでしょう」
「それは、微量であるし、純度にもバラつきがあるために免除されておるのです。いまだに、純度、採掘量が確定しない西ノ島では認められません」
「それは、煎じ詰めれば両鉱山を信用してのことでしょう。商法における慣習法の尊重にあたる」
「いかにも、おっしゃる通りです」
「ならば、西ノ島においても、パルス、パルスラ鉱については、従前どおり島の裁量に任せられるべきではないですか」
「いや、ですから、先ほど申した通り、一定年限の間にパルスガ鉱の分布が確定されれば、従来の選鉱、販売方法が認められます」
「一定年限とは曖昧過ぎます。そちらの裁量によって相当期間延長される可能性があります。及川さんの見通しは?」
「それは、いかんとも……が、しかし、先ほど来申し上げてきたように、元来政府は民業を圧迫しないことが基本姿勢です」
「何度も申し上げますが信用できません。かつて日本政府は、必要もないのに様々な商品やサービスを統制してきました。理由は戦後復興のための統制。塩、酒類、タバコ、米、通信、鉄道、モノによっては、戦後50年も野放しにしてきました。及川さんの言葉だけでは信用できません」
「しかし、これは法に拠って決まっておることなので、本職の裁量によって、どうこうなることではないのでして……」
「裁量外と言われては言葉がありません……」
「申し訳ありません」
木で鼻を括ったよ……横で記録を取っていてもムカついてきた。
「加藤君から聞いておくことはないかい?」
これはカンパニーにも責任を持たせようという兵二の腹だ。
「わたしは書記だから、主席から聞いていただいた方が良いと思うのですが」
カンパニーの食堂で行われている折衝には、南のわたし(加藤) 東の本多兵二 西は主席(周温雷)自らが参加している。序列からいけば主席がリードしなければならないんだけど、初期段階で決裂しないようにという意味も込めて兵二に折衝の頭にしている。
兵二が顔を向けて促すが、主席は微笑んだまま首を横に振る。
「では、申し上げます」
三人の注目が集まる。
「すでに採掘したものは、従前どおりに販売していいんですね?」
「むろんです。ここで問題になっているのは、あくまで新規の採掘に関してです」
「了解しました」
「それだけ?」
「うん、十分です」
及川が「ん?」という顔をする。こいつに考える暇を与えてはいけない。
「では、予定の時間を五分すぎています。今日のところは散会ということで」
三人が穏やかに頷いて、それぞれのタブレットやハンベをオフにしようとしたところに、及川の下僚がやってきて、なにやら耳打ちした。
「…………」
「……島の銀行の頭取はニッパチという者なのですか?」
「はい……」
そう答えると、及川の頬に朱が差した……。
※ この章の主な登場人物
大石 一 (おおいし いち) 扶桑第三高校二年、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ) 扶桑第三高校二年、 扶桑政府若年寄穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく) 扶桑第三高校二年、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる) 扶桑第三高校二年、 飛び級で高二になった十歳の天才少女
加藤 恵 天狗党のメンバー 緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ) 扶桑第三高校の教師、四人の担任
扶桑 道隆 扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ) 将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶 小姓頭
児玉元帥 地球に帰還してからは越萌マイ
森ノ宮親王
ヨイチ 児玉元帥の副官
マーク ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン 太陽系一の賞金首
氷室 以仁 西ノ島 氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩)
村長 マヌエリト 西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷) 西ノ島 フートンの代表者
※ 事項
扶桑政府 火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ 扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略 百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
扶桑通信 修学旅行期間後、ヒコが始めたブログ通信
西ノ島 硫黄島近くの火山島 パルス鉱石の産地
095『折衝』 加藤 恵
なぜゆえにダメなのでしょうか!?
言葉こそは丁寧だけども語気に裂ぱくの勢いを籠めて、兵二が吠えた。
兵二が交渉役首席を任せられたのは、その冷静さだけではないことがよく分かった。
元をただせば扶桑幕府将軍付小姓。勝負所を心得ている。
ここで引き下がっては、西ノ島の採鉱と販売の権限まで日本政府に握られてしまうと態度を一変させたんだ。
「穏やかに話しましょう」
「これまで、島の採掘と販売は我々島の住人に一任されてきました。それを、ここに至って全てのパルス鉱石を国の選鉱所を通さなければ販売できないというのは受け入れられないことです!」
「パルスガ鉱石は、政府の選鉱を経なければ販売できんのです。パルス鉱石法四条によって、品質は政府が保証することになっておりますから」
「ならば、パルス、パルスラについては従前どおり、島の裁量に任せられるべきでしょう!」
「西ノ島の鉱脈は地下で繋がっておるのです。従って、パルスガ鉱の分布は島内の鉱脈全てに包含されている可能性があるので、選鉱せねばならんのです」
「パルス、パルスラについては、島で選鉱して販売してきて、問題が起こったことはありません。従前どおり島の裁量に任せられるべきです」
「それでは、パルス、パルスラ鉱に混ざってパルスガ鉱が搬出される可能性があるのです」
「島の人間は、そんなことはしない。よって、島の人間によって運営せられる採鉱所が為すこともあり得ないことです」
「パルスガ鉱は、国際的にも戦略物資です。戦略物資法に照らしても、そうせざるを得んのです」
「本土の三池、夕張鉱山においてもパルスガ鉱は採掘されているが、鉱石全てを選鉱にかけることはしていないでしょう」
「それは、微量であるし、純度にもバラつきがあるために免除されておるのです。いまだに、純度、採掘量が確定しない西ノ島では認められません」
「それは、煎じ詰めれば両鉱山を信用してのことでしょう。商法における慣習法の尊重にあたる」
「いかにも、おっしゃる通りです」
「ならば、西ノ島においても、パルス、パルスラ鉱については、従前どおり島の裁量に任せられるべきではないですか」
「いや、ですから、先ほど申した通り、一定年限の間にパルスガ鉱の分布が確定されれば、従来の選鉱、販売方法が認められます」
「一定年限とは曖昧過ぎます。そちらの裁量によって相当期間延長される可能性があります。及川さんの見通しは?」
「それは、いかんとも……が、しかし、先ほど来申し上げてきたように、元来政府は民業を圧迫しないことが基本姿勢です」
「何度も申し上げますが信用できません。かつて日本政府は、必要もないのに様々な商品やサービスを統制してきました。理由は戦後復興のための統制。塩、酒類、タバコ、米、通信、鉄道、モノによっては、戦後50年も野放しにしてきました。及川さんの言葉だけでは信用できません」
「しかし、これは法に拠って決まっておることなので、本職の裁量によって、どうこうなることではないのでして……」
「裁量外と言われては言葉がありません……」
「申し訳ありません」
木で鼻を括ったよ……横で記録を取っていてもムカついてきた。
「加藤君から聞いておくことはないかい?」
これはカンパニーにも責任を持たせようという兵二の腹だ。
「わたしは書記だから、主席から聞いていただいた方が良いと思うのですが」
カンパニーの食堂で行われている折衝には、南のわたし(加藤) 東の本多兵二 西は主席(周温雷)自らが参加している。序列からいけば主席がリードしなければならないんだけど、初期段階で決裂しないようにという意味も込めて兵二に折衝の頭にしている。
兵二が顔を向けて促すが、主席は微笑んだまま首を横に振る。
「では、申し上げます」
三人の注目が集まる。
「すでに採掘したものは、従前どおりに販売していいんですね?」
「むろんです。ここで問題になっているのは、あくまで新規の採掘に関してです」
「了解しました」
「それだけ?」
「うん、十分です」
及川が「ん?」という顔をする。こいつに考える暇を与えてはいけない。
「では、予定の時間を五分すぎています。今日のところは散会ということで」
三人が穏やかに頷いて、それぞれのタブレットやハンベをオフにしようとしたところに、及川の下僚がやってきて、なにやら耳打ちした。
「…………」
「……島の銀行の頭取はニッパチという者なのですか?」
「はい……」
そう答えると、及川の頬に朱が差した……。
※ この章の主な登場人物
大石 一 (おおいし いち) 扶桑第三高校二年、一をダッシュと呼ばれることが多い
穴山 彦 (あなやま ひこ) 扶桑第三高校二年、 扶桑政府若年寄穴山新右衛門の息子
緒方 未来(おがた みく) 扶桑第三高校二年、 一の幼なじみ、祖父は扶桑政府の老中を務めていた
平賀 照 (ひらが てる) 扶桑第三高校二年、 飛び級で高二になった十歳の天才少女
加藤 恵 天狗党のメンバー 緒方未来に擬態して、もとに戻らない
姉崎すみれ(あねざきすみれ) 扶桑第三高校の教師、四人の担任
扶桑 道隆 扶桑幕府将軍
本多 兵二(ほんだ へいじ) 将軍付小姓、彦と中学同窓
胡蝶 小姓頭
児玉元帥 地球に帰還してからは越萌マイ
森ノ宮親王
ヨイチ 児玉元帥の副官
マーク ファルコンZ船長 他に乗員(コスモス・越萌メイ バルス ミナホ ポチ)
アルルカン 太陽系一の賞金首
氷室 以仁 西ノ島 氷室カンパニー社長(部下=シゲ、ハナ、ニッパチ、お岩)
村長 マヌエリト 西ノ島 ナバホ村村長
主席(周 温雷) 西ノ島 フートンの代表者
※ 事項
扶桑政府 火星のアルカディア平原に作られた日本の植民地、独立後は扶桑政府、あるいは扶桑幕府と呼ばれる
カサギ 扶桑の辺境にあるアルルカンのアジトの一つ
グノーシス侵略 百年前に起こった正体不明の敵、グノーシスによる侵略
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