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エピローグ
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そうして、『砂漠の白龍』は砂漠の城で、平穏な暮らしを続けた──わけではない。
「いやあ、長老、まだ怒っててさぁ。今はほとぼりを覚ましたいんだよね」
と笑って、勝手に紅茶を淹れて飲む彗。
「頼もう! 白月、騎士たるもの、負けたままでは終わらんぞ!!」
と城の庭で怒鳴る焔。
「お邪魔します……お会いしたいと心から願えば城門の内に入れるとお聞きし、参りました。『砂漠の白龍』様、どうぞ私の願いをお聞き届けください……」
そう言って白月に縋る、困りごとを抱えた民衆たち。
「全員出ていけ」
白月の毎日は、まだまだ賑やかになりそうだ。
「いやあ、長老、まだ怒っててさぁ。今はほとぼりを覚ましたいんだよね」
と笑って、勝手に紅茶を淹れて飲む彗。
「頼もう! 白月、騎士たるもの、負けたままでは終わらんぞ!!」
と城の庭で怒鳴る焔。
「お邪魔します……お会いしたいと心から願えば城門の内に入れるとお聞きし、参りました。『砂漠の白龍』様、どうぞ私の願いをお聞き届けください……」
そう言って白月に縋る、困りごとを抱えた民衆たち。
「全員出ていけ」
白月の毎日は、まだまだ賑やかになりそうだ。
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