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束の間の平穏と嵐の夜の来訪者
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──そして三ヶ月。
「今日こそ貴様を屠ってくれるわ、『砂漠の魔龍』め!」
そう言って、その屈強な隻眼の騎士は、城の庭から、尖塔の窓辺に経つ白月を見上げ、白刃を向ける。白月はため息をついた。
「この間も吹き飛ばしてやったばかりでしょう。まだ懲りないの? 空見焔」
「黙れ! 貴様を殺して母上の呪いを解くまで、私は不退転の覚悟だ!」
そう、この空見焔という男は、あの詮議の場で白月の殺人を目撃したと偽証したあの女、不知火の息子だった。以来、執拗に白月を狙ってくるのだ。
「あの美しかった母上が……あんな無惨な傷を顔に負わされ、どれほど苦しんでいるか!」
「それは、あの女の偽証の結果でしょうよ」
「黙れ! 何が偽証か、この殺人者め! 大恩ある母上に、よくもあんな仕打ちができたものだ!」
白月は再度ため息をつく。
この男、焔は、よく言えばまっすぐで熱血、悪く言えば近視眼で思い込みが激しい。あの詮議の場で、白月を本当に殺人者だと思いこんでいた、数少ない参列者の一人だった。
次いで、母親が長年、白月を虐め抜いていたのにも気づいていない。
白月が空見家に引き取られたのは、龍宮家の一族がみな流行病で急死し、残るは白月独りになったからだ。白月の祖父が空見家の老当主と親友だったことから空見家が白月の成人までの保護者として名乗りを上げたのだが、白月の世話を任された不知火は、最初から、余計な仕事が増えたとして、白月を邪険にしていた。それでも、老当主が健在だった頃は良かった。彼が急逝してからは、白月の食事は明らかに粗末なものになり、龍宮家から持ち込んだ衣装や宝石は消え、白月が成人になるまで毎月渡されるはずの金銭も、不知火に奪われて、不知火はそれを使って贅沢放題だ。狭く古い物置部屋に押し込められ、行儀見習いと称して、使用人と同様の扱いでこき使われる毎日。ろくな教育も受けられず、白月はただただ、財産を受け継げる成人の日を待っていたが──それも、あの詮議の日で終り。
だが、残された虹蛇王国の者達は、それでは済まなかった。彼らはまず、白月が本当に龍に变化したことに仰天したのだ。龍宮一族が、建国の際初代王に忠誠を誓った龍の末裔であるという伝承は皆に知られていたが、建国から数百年を経て、それはすっかり、ただの言い伝え、龍宮一族の権威を示すための作り話だと思われていたのだ。
しかし、それは本当だった。虹蛇王国は、契約ある限り永劫に受けられるはずだった龍の加護を失ったのだと、そう皆が理解した。そうなれば、白月の処分に賛成していたはずの重臣たちからも、批判の声が上がる。そもそも殺害容疑が馬鹿げたものだったのだ。それは新王への批判にも至った。
新王は、その批判から目を逸らすため──そして、玉座の間を壊されたことへの報復と、領地から消えた龍宮家の財産の奪還も兼ね、白月を『邪悪な魔龍』として、討伐のために軍勢を送った。一夜にして砂漠に建った白亜の城は旅人たちの口の端に上っていたので、白月の居場所は明白だった。
が、王の送った軍勢は、龍の咆哮の一声だけで吹き飛ばされ、今に至るまでその本懐を遂げたことはない。
それでも、度重なる軍勢の来訪に、白月も嫌気が差してきて、ある日、城の図書館にあった魔導書を片手に、城の外に出た。
片手を上げ、魔力を集中させながら、魔導書にある呪文を読み上げる。
「わが城を守る城壁よ、現われよ、汝の色は何ものにも穢されぬ白、汝の背は何ものも通さぬ高さに聳え──」
呪文とともに、地面から城と同じ真珠色の城壁がせり上がってくる。その城壁には門がなく、そして、それが空飛ぶ生き物以外には決して越えられぬ高さになった時、白月は呪文を間違えた。城壁に防御の魔法を加える部分だった。
「──そして、この城壁に触れる者達よ。『己が魂の在るべき場所に還れ』」
言葉にした瞬間、まずい、と思った。
本当は、この部分は、『己が魂の還るべき場所に在れ』というのが正しいのだ。が、途中で詠唱をやめるわけにもいかず、白月は最後まで詠唱を続け、城壁を作り上げたのだった。
結果として、この間違いには、良い面もあり、悪い面もあった。
良い面というのは、失敗した後、よくよくこの呪文を調べてみたら、『城壁に触れた人間の魂を、すべての魂が還る場所、すなわちあの世へ送る魔法』だったことだ。無辜の旅人がうっかり触れることもあろう。さすがにそこまで物騒なことは望んでいなかった。
悪い面というのは、呪文を間違えた結果、魔法の効果が『城壁に触れた人間を、その者が魂をかけるほど大切にしているものの場所に転送する』というものになってしまったことだ。この魔法は、様々な悲喜劇を産んだ。
軍勢の一員として無理やり徴兵された農民は、城壁に触れた次の瞬間、妻子のもとに帰っていた。それはいい。問題は、愛人のもとに帰ってしまって、妻子に激怒された男。逆に、妻子のもとに帰ってしまって、身請けを約束していた遊女に泣き崩れられた男もいた。
騎士の一人は騎士団の旗のもとに帰り、騎士の鏡と褒め称えられたが、気づけば空位の騎士団長の椅子に座っていた男は、恥知らずと罵られた。
長年探していた、生き別れた娘と再会した男もいた。娘は遊郭に売られており、今まさに客の男に抱かれようとしているところで、父親は客をぶん殴り、大騒ぎになった。
その魔法の城壁の話は国境を越えて広まり、大切な誰かを探している人間、自分にとって一番大事なものを知りたいと渇望している人間、手っ取り早く家族のもとに戻りたい旅人などが、続々と集まってきては、城壁を囲んで連日騒ぎ、白月の静寂を妨げるのだった。
だがまぁ、城壁の守りはうまく行っていると言えた。城壁に触れた者は、みな、己にとって大事なものの在る場所へ飛ばされ、多くはそのまま二度と戻ってこないからだ。
だが、二つだけ例外がある。それは、魂をかけるほど大切なものを持ち合わせていない人間。そして、白月自身に会うことを、強く求めている人間だ。
焔は後者だった。彼の白月への怒りと憎しみは、魂にまで至っているらしい。見上げたものだと感心しなくもない。
ただし、他の軍勢はみな城壁に触れた途端故郷その他に飛ばされ、散り散りになってしまうため、いつも彼一人しか城内には入れない。そして彼は、独りで龍に勝てるほどの英雄ではないのである。
今日も白月は龍に变化し、焔を一息で虹蛇王国まで吹き飛ばした。護りの呪文もかけてやったから、まぁ死にはしないだろう。これで当面、白月の平穏は保たれる──はずだった。
その平穏が破られたのは、とある嵐の夜だった。
白月の城には魔法の防護がかけてあり、嵐などものともしない。白月は部屋の中から窓の外を眺め、無数の雨の矢が地上を打ち抜き、砂漠に水の膜を作っていくのを面白がって見物していた。部屋には灯り一つ点けず、まったくの暗闇であったが、龍である白月の翠の目にはすべてが映っており、まるで問題ない。
その時だった。
「ごめんください……」
そんな高く細い声が聞こえたのは。そしてその声は、明らかに城内から聞こえた。
──侵入者だ。
白月は思わず立ち上がる。この嵐の夜に砂漠を越え、しかもあの城壁を越えてこられるものなどいないと、すっかり油断していた。城の一階、人間用の扉には、鍵をかけていなかったのだ。
白月は攻撃魔法の準備を整えながら、声のした方へ行く。城の人間用の扉を開けてすぐの玄関広間に、その招かれざる客はいた。否、客達、だ。
一人のまだ幼い少年が、さらに幼い子どもを背負って、広間の床に跪いている。元々着ているのが襤褸である上に、濡れそぼり、泥にまみれていた。暗闇の中でも、白月には少年の顔が見えた。年の頃は十二歳くらいだろうか。すっかり疲弊し、惨めでもあり、これ以上は一歩も動けないという顔だ。
その幼さと、あまりにひどい有様に、白月は準備していた攻撃魔法を消してしまった。同情心が先に立ったのだ。代わりに、暗闇の中で何も見えないだろう少年のために、灯りの魔法を使ってやる。玄関広間に無数の灯りが点き、少年は突然の光に眩しそうに目を細めた。
が、やがて光に慣れたのか、その目が白月を映す。襤褸雑巾のような少年にそぐわぬ、紫水晶のような美しい瞳。少年は震える声で尋ねた。
「あなたが……『砂漠の魔龍』?」
「そうも呼ばれている」
白月が答えると、少年は瞳に、縋るような色が浮かぶ。
「お願いします! どうか妹を、助けてください!!」
「今日こそ貴様を屠ってくれるわ、『砂漠の魔龍』め!」
そう言って、その屈強な隻眼の騎士は、城の庭から、尖塔の窓辺に経つ白月を見上げ、白刃を向ける。白月はため息をついた。
「この間も吹き飛ばしてやったばかりでしょう。まだ懲りないの? 空見焔」
「黙れ! 貴様を殺して母上の呪いを解くまで、私は不退転の覚悟だ!」
そう、この空見焔という男は、あの詮議の場で白月の殺人を目撃したと偽証したあの女、不知火の息子だった。以来、執拗に白月を狙ってくるのだ。
「あの美しかった母上が……あんな無惨な傷を顔に負わされ、どれほど苦しんでいるか!」
「それは、あの女の偽証の結果でしょうよ」
「黙れ! 何が偽証か、この殺人者め! 大恩ある母上に、よくもあんな仕打ちができたものだ!」
白月は再度ため息をつく。
この男、焔は、よく言えばまっすぐで熱血、悪く言えば近視眼で思い込みが激しい。あの詮議の場で、白月を本当に殺人者だと思いこんでいた、数少ない参列者の一人だった。
次いで、母親が長年、白月を虐め抜いていたのにも気づいていない。
白月が空見家に引き取られたのは、龍宮家の一族がみな流行病で急死し、残るは白月独りになったからだ。白月の祖父が空見家の老当主と親友だったことから空見家が白月の成人までの保護者として名乗りを上げたのだが、白月の世話を任された不知火は、最初から、余計な仕事が増えたとして、白月を邪険にしていた。それでも、老当主が健在だった頃は良かった。彼が急逝してからは、白月の食事は明らかに粗末なものになり、龍宮家から持ち込んだ衣装や宝石は消え、白月が成人になるまで毎月渡されるはずの金銭も、不知火に奪われて、不知火はそれを使って贅沢放題だ。狭く古い物置部屋に押し込められ、行儀見習いと称して、使用人と同様の扱いでこき使われる毎日。ろくな教育も受けられず、白月はただただ、財産を受け継げる成人の日を待っていたが──それも、あの詮議の日で終り。
だが、残された虹蛇王国の者達は、それでは済まなかった。彼らはまず、白月が本当に龍に变化したことに仰天したのだ。龍宮一族が、建国の際初代王に忠誠を誓った龍の末裔であるという伝承は皆に知られていたが、建国から数百年を経て、それはすっかり、ただの言い伝え、龍宮一族の権威を示すための作り話だと思われていたのだ。
しかし、それは本当だった。虹蛇王国は、契約ある限り永劫に受けられるはずだった龍の加護を失ったのだと、そう皆が理解した。そうなれば、白月の処分に賛成していたはずの重臣たちからも、批判の声が上がる。そもそも殺害容疑が馬鹿げたものだったのだ。それは新王への批判にも至った。
新王は、その批判から目を逸らすため──そして、玉座の間を壊されたことへの報復と、領地から消えた龍宮家の財産の奪還も兼ね、白月を『邪悪な魔龍』として、討伐のために軍勢を送った。一夜にして砂漠に建った白亜の城は旅人たちの口の端に上っていたので、白月の居場所は明白だった。
が、王の送った軍勢は、龍の咆哮の一声だけで吹き飛ばされ、今に至るまでその本懐を遂げたことはない。
それでも、度重なる軍勢の来訪に、白月も嫌気が差してきて、ある日、城の図書館にあった魔導書を片手に、城の外に出た。
片手を上げ、魔力を集中させながら、魔導書にある呪文を読み上げる。
「わが城を守る城壁よ、現われよ、汝の色は何ものにも穢されぬ白、汝の背は何ものも通さぬ高さに聳え──」
呪文とともに、地面から城と同じ真珠色の城壁がせり上がってくる。その城壁には門がなく、そして、それが空飛ぶ生き物以外には決して越えられぬ高さになった時、白月は呪文を間違えた。城壁に防御の魔法を加える部分だった。
「──そして、この城壁に触れる者達よ。『己が魂の在るべき場所に還れ』」
言葉にした瞬間、まずい、と思った。
本当は、この部分は、『己が魂の還るべき場所に在れ』というのが正しいのだ。が、途中で詠唱をやめるわけにもいかず、白月は最後まで詠唱を続け、城壁を作り上げたのだった。
結果として、この間違いには、良い面もあり、悪い面もあった。
良い面というのは、失敗した後、よくよくこの呪文を調べてみたら、『城壁に触れた人間の魂を、すべての魂が還る場所、すなわちあの世へ送る魔法』だったことだ。無辜の旅人がうっかり触れることもあろう。さすがにそこまで物騒なことは望んでいなかった。
悪い面というのは、呪文を間違えた結果、魔法の効果が『城壁に触れた人間を、その者が魂をかけるほど大切にしているものの場所に転送する』というものになってしまったことだ。この魔法は、様々な悲喜劇を産んだ。
軍勢の一員として無理やり徴兵された農民は、城壁に触れた次の瞬間、妻子のもとに帰っていた。それはいい。問題は、愛人のもとに帰ってしまって、妻子に激怒された男。逆に、妻子のもとに帰ってしまって、身請けを約束していた遊女に泣き崩れられた男もいた。
騎士の一人は騎士団の旗のもとに帰り、騎士の鏡と褒め称えられたが、気づけば空位の騎士団長の椅子に座っていた男は、恥知らずと罵られた。
長年探していた、生き別れた娘と再会した男もいた。娘は遊郭に売られており、今まさに客の男に抱かれようとしているところで、父親は客をぶん殴り、大騒ぎになった。
その魔法の城壁の話は国境を越えて広まり、大切な誰かを探している人間、自分にとって一番大事なものを知りたいと渇望している人間、手っ取り早く家族のもとに戻りたい旅人などが、続々と集まってきては、城壁を囲んで連日騒ぎ、白月の静寂を妨げるのだった。
だがまぁ、城壁の守りはうまく行っていると言えた。城壁に触れた者は、みな、己にとって大事なものの在る場所へ飛ばされ、多くはそのまま二度と戻ってこないからだ。
だが、二つだけ例外がある。それは、魂をかけるほど大切なものを持ち合わせていない人間。そして、白月自身に会うことを、強く求めている人間だ。
焔は後者だった。彼の白月への怒りと憎しみは、魂にまで至っているらしい。見上げたものだと感心しなくもない。
ただし、他の軍勢はみな城壁に触れた途端故郷その他に飛ばされ、散り散りになってしまうため、いつも彼一人しか城内には入れない。そして彼は、独りで龍に勝てるほどの英雄ではないのである。
今日も白月は龍に变化し、焔を一息で虹蛇王国まで吹き飛ばした。護りの呪文もかけてやったから、まぁ死にはしないだろう。これで当面、白月の平穏は保たれる──はずだった。
その平穏が破られたのは、とある嵐の夜だった。
白月の城には魔法の防護がかけてあり、嵐などものともしない。白月は部屋の中から窓の外を眺め、無数の雨の矢が地上を打ち抜き、砂漠に水の膜を作っていくのを面白がって見物していた。部屋には灯り一つ点けず、まったくの暗闇であったが、龍である白月の翠の目にはすべてが映っており、まるで問題ない。
その時だった。
「ごめんください……」
そんな高く細い声が聞こえたのは。そしてその声は、明らかに城内から聞こえた。
──侵入者だ。
白月は思わず立ち上がる。この嵐の夜に砂漠を越え、しかもあの城壁を越えてこられるものなどいないと、すっかり油断していた。城の一階、人間用の扉には、鍵をかけていなかったのだ。
白月は攻撃魔法の準備を整えながら、声のした方へ行く。城の人間用の扉を開けてすぐの玄関広間に、その招かれざる客はいた。否、客達、だ。
一人のまだ幼い少年が、さらに幼い子どもを背負って、広間の床に跪いている。元々着ているのが襤褸である上に、濡れそぼり、泥にまみれていた。暗闇の中でも、白月には少年の顔が見えた。年の頃は十二歳くらいだろうか。すっかり疲弊し、惨めでもあり、これ以上は一歩も動けないという顔だ。
その幼さと、あまりにひどい有様に、白月は準備していた攻撃魔法を消してしまった。同情心が先に立ったのだ。代わりに、暗闇の中で何も見えないだろう少年のために、灯りの魔法を使ってやる。玄関広間に無数の灯りが点き、少年は突然の光に眩しそうに目を細めた。
が、やがて光に慣れたのか、その目が白月を映す。襤褸雑巾のような少年にそぐわぬ、紫水晶のような美しい瞳。少年は震える声で尋ねた。
「あなたが……『砂漠の魔龍』?」
「そうも呼ばれている」
白月が答えると、少年は瞳に、縋るような色が浮かぶ。
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