一六銀行の鵜飼くん

芝桜 のの

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暑い日9

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そう、汚れてる大人を観ても萌えは感じない。
フレッシュがいい!あの爽やかさが日々の流されていく日常には必要なんだよ。
「じゃあ、一六くんと付き合うという発想はないわけね」
グイグイ念押ししてくるなぁ。ゴシップ記者か!
大体、何でそう私ごときの事を知りたがるかな?不思議でたまらん。
「ありえません」
言い切れる。私にとっての鵜飼くんは2.5次元です。
「ふーん、森さんは金でも若さでもないわけだ」
いやいや、財力も体力も勢いも大事だよ。
中でも金は大好きだ。
っーか、真っ昼間から和食屋でする話でもないだろうが!
もっとホンワリと和む話をしてくれないと!
笠原は話が直接的でいかん。もっと話を包め。オーガンジーみたいな布でふんわり包んで話をしろ。
さっきの言葉は聞こえてなかったことにしてやろう。話題を反らすか
「笠原さんは体育会系ですね。学生時代は何かスポーツしてました?」
多分、野球?もしくは厳しい方(サボりの少ない方の)のサッカー?
おお!自分に興味持ってくれた!?って目を輝かせるな。興味は持ってない。話のツマミだ。
「野球部!ピッチャーだったんだ!」
やっぱりな。まあ、この話はもういい。
話をふっておいて悪いけど、野球のルールを知らないから。玉を投げて打った方がクルクル回る位しか判らない。あと、やたら試合が長い。10回もある上に表と裏があるなんて!20回もやって解らなくならんのか?そして、背番号が何番で、って言われてもその番号が良いのか悪いのかも判断つかない。大体、一チーム何人でやるのかも知らないし。
野球の話をふったのが悪かった。笠原は水を得た魚のように話が止まらないが、もう、野球は終了したい。
終了のホイッスル鳴らすぞ!土を持って家に帰れ~(試合終了のイメージ)
「そう言う森さんは何部だった?」
私?私は…
高校の頃は趣味全開に文芸部だった。文学、漫画、アニメと多岐に渡り色んなジャンルが集まりつつも、結局はオタクの集まりだ。
あの頃は周りも気にせず趣味に没頭出来た。いい時代だ。今は大人だし、外聞を気にしなければいけないからな。
「文芸部です」
と、話を広げるでもなく誤魔化した。
「ぽいね~」
と納得してる辺り「文芸部」の内情を知らない「一般」の人らしい。
まぁ、若気の至りだ。
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