Seventh Love

一学期

chapter01 April Fool

(※プロローグを見てない方は是非そちらからご覧ください)

まずい。非常にまずい。
新学期あるある「知り合いがいない現象」
一年間穏便におんびんに過ごしていくためには誰か信頼できるやつが必要不可欠だ。顔を見たことあるやつならチラホラいるが、株式会社コミュ力皆無 でくの坊支局 陰キャラ代表の僕に話しかける勇気などn
「早川はやかわぁ」
だれだ。食い気味に俺の思考を止めたやつは。
「お前学級委員やれよ」
「は？」
話しかけてきたのは同中どうちゅうで野球部の稲田大志いなだたいし。あまり接点はないが、身体は小さいクセに態度はデカいことで有名だ。
「は？じゃなくてさ、お前グループ幹部とかどうせやらねぇだろ？だったら学級委員やってくれよ。お前地味だし。」
グループ幹部とは、毎年4グループの対抗戦たいこうせんで行われる体育祭の準備から本番までグループ全体を指揮しきする言わばリーダーのようなものだ。各グループ5人ずつで構成され、その中の1人をグル長ぐるちょう、残りの4人を副グルふくぐると呼んでいる。
「嫌だよ、なんで僕が」
人前に出るのは苦手だ。学級委員だけは何としても回避しなければ。
「副グルとかやるなら話は別だけどな～」
学校の決まりで、学級委員と副グルは兼任けんにんできないことになっていた。
「……やるよ副グル。」
「……は？」
「僕、副グルやるよ。だから、学級委員にはなれない。」

うちの学校は特殊でほかの学校と比べて始業式が早い。
今日は四月一日。
そう、エイプリルフールだ。