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二章 獣人の国
32 マルティンさん再び
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それから数日してマルティンさんが村に到着したとナラタさんから聞き、私は村長の家に出向いた。
使用人に家の中へ入れてもらいマルティンさんのところまで連れて行ってもらった。
彼は前に来た時と同じリビングらしき部屋にいて、床にゴザを敷いてその上に座り村長とお茶をしていた。
「おぉ、ナオ! なんや早いな。後で俺の方から様子見に行こうと思ってたのに」
「お久しぶりです。もう雪が積もってきてるから来れないかと思った」
私はマルティンさんにぎゅっとしがみついた。やっぱりこのモフモフは癒やされる。
「ちょお、苦しいって。もう来るのはギリギリやな。次はもう積もり積もった雪が溶けるくらいになるまで来られへんわ」
それを聞いて胸がキュッとなった。
ナラタさんは親切にしてくれるがまだ言葉が上手く出てこないから気安く会話できない。それにマルティンさんと話すのは言葉の壁がない以上に親しみやすい人柄だから心の壁もない。この1カ月だって来る日をまだかまだかと待っていたのだ。
「寂しいです」
「この村で上手くやれてるんか? やっていけそうか?」
「大丈夫。ナラタさんはいい人で、たくさん言葉を教えてくれるの」
「そりゃよかったな。そうや、ウィルド・ダム語を覚えるのに要るかなと思って色々持ってきてん」
マルティンさんは床に置いていた手提げカバンから本をいくつか取り出した。
「これがこの国の神話が書かれた本。子供向けのやから勉強にちょうどいい。んでこっちがジルタニア語で書かれたウィルド・ダム語の辞典とウィルド・ダム語で書かれたジルタニア語辞典。これはお古で悪いけどな。それと小説をいくつか。雪が積もったら家にいるしかないから、本でも読んで勉強したらいいわ」
これらがあれば言語習得の大きな助けになるに違いない。
「こんなにたくさん……。ありがとうございます!」
「ここに来るついでや。本は荷物に入れても場所取らへんし」
マルティンさんにはお世話になりっぱなしで足を向けて寝られない。
「それとこれ。言葉の練習ついでに手紙でも書いてや。配達人はどんなに雪が降っても運んでくれるで」
そう言って差し出してくれたのは便箋と封筒。ペンとインクもつけてくれていた。
「こんなに貰って……。私返せるものがない」
「いいねん。返してもらおうと思ってやってないし」
そうは言われてもこんなに貰いっぱなしじゃ落ち着かない。
「晩ごはんご馳走するからウチに来て。あぁでも勝手に食い扶持増やしたら迷惑かしら……」
ほぼ自給自足のこの村では食料はお金に変えられない価値がある。特に今のような冬場では。
「ほんならオレの分の食料をオレから買ったらいいわ。今回は各家庭の冬の食糧備蓄用に色々食材を運んできてん」
なんと機転の効いた、仕事の出来る人だ。
私はマルティンさんの分の食料に加えて冬の間の備蓄も買い足した。
この日の夕食は久しぶりに会話の弾む場になった。
『今年の冬の寒さはそう厳しくなさそうですね』
『そうだね。積雪もあなたがまだこの村に来られたくらいだから』
マルティンさんが通訳してくれるので会話の内容が分かる。
『冬の間の食料は足りそうですか?』
『まぁ足りるだろう。今年の秋は豊作で分け前が多かった。でもさすがにナオの分までは賄えなかったから追加で買ったよ』
私がマルティンさんを通じて『渡したお金で足りたか』と聞くと、
『充分だったよ。食料の管理を間違えない限り冬は越せるだろうさ』
どうやらあのお金は一月分ではなく数カ月分の食料になったらしい。診療での実入りは少ないので懐が少々心許なかったがひとまず安心だ。
『それと、分け前? なに?』
自分で伝えられそうな言葉は頑張って言葉にしてみる。
『この狭い村じゃ薬屋をやってても閑古鳥が鳴くことがある。けど村を出ていかれたら困るわけさ。だから生活に困らないように村で獲れた収穫物のいくらかを分けてくれるのさ』
過疎地で税金を投入されて運営されている病院みたいなものだろうかと理解した。
『そうだ、今度この村に来るときはブタを連れてきておくれな』
『承りました。ここで飼うんですか?』
『そうさ。人手が増えたからね。餌やりや世話なんかはナオがしておくれ』
ナラタさんは私に新しい仕事を任せてくれた。それはただの客人ではなく身内に入れて貰えたようで嬉しくなる。
『ナオは役に立ってますか?』
『あぁ、十分すぎるくらいにね。水汲みなんかの重労働も進んでやってくれるし。この老体には楽な作業じゃないからね』
『もっと、頼って、いい』
『別にこれ以上は……。いや、それじゃあ薬屋の仕事も少し覚えてもらおうかね』
『難しい?』
『治療魔法師の試験に受かったアンタなら大丈夫さ。よく使う薬草とその調合を覚えてもらえたら、アタシが風邪ひいて寝込んでる時に別の病人のために働くはめにならずに済む』
この村唯一の薬師だからゆっくり寝込むこともできないのだ。
『手伝う。頑張る』
『助かるよ』
食事が終わってマルティンさんは村長の家に戻っていった。
私も自室に引き上げて、今日彼から貰った教材をペラペラとめくったりして確かめてみた。
2種類の辞書と小説、それから絵がついた本。
(これなら辞書を見ながら読めるかも)
文字数も多くなく、神話はこの国を知るいい教材にもなりそうだ。
私はその本の1ページ目を開いた。
はるか昔。
この世界には男神と女神がおられました。
2柱の神は最初にこの世界をお作りになり、
次に分身である人間をお作りになりました。
それから2柱の神が愛した動物に、
神に似た姿と知恵をお授けになりました。
こうしてこの世界はできたのです。
1時間以上をかけて1ページを読み終えた。
(……っ疲れたぁー。単語と文法を調べてたら全然進まなかった。にしても、この国の神話ってこんな感じなのね。この2柱の神様が信仰の対象なのかしら?)
これを読めば少しはこの国のことが分かるかもしれない。
(でも実際、どうやって獣人って生まれたんだろう? 動物の突然変異? それとも人間の? まさか本当に神様がいたはずはないだろうし)
今日は絵本を読み進めるのはこれくらいにして、出てきた単語をしっかりインプットしてからベッドに入った。
翌日マルティンさんは街の方に帰っていって、またナラタさんと2人の生活に戻ったが、前よりも気兼ねなく暮らせるようになりそうだ。
使用人に家の中へ入れてもらいマルティンさんのところまで連れて行ってもらった。
彼は前に来た時と同じリビングらしき部屋にいて、床にゴザを敷いてその上に座り村長とお茶をしていた。
「おぉ、ナオ! なんや早いな。後で俺の方から様子見に行こうと思ってたのに」
「お久しぶりです。もう雪が積もってきてるから来れないかと思った」
私はマルティンさんにぎゅっとしがみついた。やっぱりこのモフモフは癒やされる。
「ちょお、苦しいって。もう来るのはギリギリやな。次はもう積もり積もった雪が溶けるくらいになるまで来られへんわ」
それを聞いて胸がキュッとなった。
ナラタさんは親切にしてくれるがまだ言葉が上手く出てこないから気安く会話できない。それにマルティンさんと話すのは言葉の壁がない以上に親しみやすい人柄だから心の壁もない。この1カ月だって来る日をまだかまだかと待っていたのだ。
「寂しいです」
「この村で上手くやれてるんか? やっていけそうか?」
「大丈夫。ナラタさんはいい人で、たくさん言葉を教えてくれるの」
「そりゃよかったな。そうや、ウィルド・ダム語を覚えるのに要るかなと思って色々持ってきてん」
マルティンさんは床に置いていた手提げカバンから本をいくつか取り出した。
「これがこの国の神話が書かれた本。子供向けのやから勉強にちょうどいい。んでこっちがジルタニア語で書かれたウィルド・ダム語の辞典とウィルド・ダム語で書かれたジルタニア語辞典。これはお古で悪いけどな。それと小説をいくつか。雪が積もったら家にいるしかないから、本でも読んで勉強したらいいわ」
これらがあれば言語習得の大きな助けになるに違いない。
「こんなにたくさん……。ありがとうございます!」
「ここに来るついでや。本は荷物に入れても場所取らへんし」
マルティンさんにはお世話になりっぱなしで足を向けて寝られない。
「それとこれ。言葉の練習ついでに手紙でも書いてや。配達人はどんなに雪が降っても運んでくれるで」
そう言って差し出してくれたのは便箋と封筒。ペンとインクもつけてくれていた。
「こんなに貰って……。私返せるものがない」
「いいねん。返してもらおうと思ってやってないし」
そうは言われてもこんなに貰いっぱなしじゃ落ち着かない。
「晩ごはんご馳走するからウチに来て。あぁでも勝手に食い扶持増やしたら迷惑かしら……」
ほぼ自給自足のこの村では食料はお金に変えられない価値がある。特に今のような冬場では。
「ほんならオレの分の食料をオレから買ったらいいわ。今回は各家庭の冬の食糧備蓄用に色々食材を運んできてん」
なんと機転の効いた、仕事の出来る人だ。
私はマルティンさんの分の食料に加えて冬の間の備蓄も買い足した。
この日の夕食は久しぶりに会話の弾む場になった。
『今年の冬の寒さはそう厳しくなさそうですね』
『そうだね。積雪もあなたがまだこの村に来られたくらいだから』
マルティンさんが通訳してくれるので会話の内容が分かる。
『冬の間の食料は足りそうですか?』
『まぁ足りるだろう。今年の秋は豊作で分け前が多かった。でもさすがにナオの分までは賄えなかったから追加で買ったよ』
私がマルティンさんを通じて『渡したお金で足りたか』と聞くと、
『充分だったよ。食料の管理を間違えない限り冬は越せるだろうさ』
どうやらあのお金は一月分ではなく数カ月分の食料になったらしい。診療での実入りは少ないので懐が少々心許なかったがひとまず安心だ。
『それと、分け前? なに?』
自分で伝えられそうな言葉は頑張って言葉にしてみる。
『この狭い村じゃ薬屋をやってても閑古鳥が鳴くことがある。けど村を出ていかれたら困るわけさ。だから生活に困らないように村で獲れた収穫物のいくらかを分けてくれるのさ』
過疎地で税金を投入されて運営されている病院みたいなものだろうかと理解した。
『そうだ、今度この村に来るときはブタを連れてきておくれな』
『承りました。ここで飼うんですか?』
『そうさ。人手が増えたからね。餌やりや世話なんかはナオがしておくれ』
ナラタさんは私に新しい仕事を任せてくれた。それはただの客人ではなく身内に入れて貰えたようで嬉しくなる。
『ナオは役に立ってますか?』
『あぁ、十分すぎるくらいにね。水汲みなんかの重労働も進んでやってくれるし。この老体には楽な作業じゃないからね』
『もっと、頼って、いい』
『別にこれ以上は……。いや、それじゃあ薬屋の仕事も少し覚えてもらおうかね』
『難しい?』
『治療魔法師の試験に受かったアンタなら大丈夫さ。よく使う薬草とその調合を覚えてもらえたら、アタシが風邪ひいて寝込んでる時に別の病人のために働くはめにならずに済む』
この村唯一の薬師だからゆっくり寝込むこともできないのだ。
『手伝う。頑張る』
『助かるよ』
食事が終わってマルティンさんは村長の家に戻っていった。
私も自室に引き上げて、今日彼から貰った教材をペラペラとめくったりして確かめてみた。
2種類の辞書と小説、それから絵がついた本。
(これなら辞書を見ながら読めるかも)
文字数も多くなく、神話はこの国を知るいい教材にもなりそうだ。
私はその本の1ページ目を開いた。
はるか昔。
この世界には男神と女神がおられました。
2柱の神は最初にこの世界をお作りになり、
次に分身である人間をお作りになりました。
それから2柱の神が愛した動物に、
神に似た姿と知恵をお授けになりました。
こうしてこの世界はできたのです。
1時間以上をかけて1ページを読み終えた。
(……っ疲れたぁー。単語と文法を調べてたら全然進まなかった。にしても、この国の神話ってこんな感じなのね。この2柱の神様が信仰の対象なのかしら?)
これを読めば少しはこの国のことが分かるかもしれない。
(でも実際、どうやって獣人って生まれたんだろう? 動物の突然変異? それとも人間の? まさか本当に神様がいたはずはないだろうし)
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