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二章 獣人の国
30 新生活
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狼族の村・カニス村につくと、例によって村長の家を訪ねた。
中に入りマルティンさんは村長と何かを話し始めたが聞き取れない。2週間の学習では『これはペンです』くらいの簡単なウィルド・ダムの文法と単語しか習得できていない。
話の行方を黙って見ていると、村長が部屋の中にいた別の人に話しかけ、その人が出て行ったかと思うとしばらくしておばあさんを連れて戻ってきた。
女性は70歳代くらいで人間に近い姿をしている。
「あの人、今は一人暮らしやから一緒に住んだらいいって言うてるわ」
「一緒に? 私は住まわせてもらえるならどこでも構いませんけど、了解されてます?」
「おう、あのおばあちゃんもいいって言うてるみたいやで」
宿なんてない村だから滞在場所が一番の問題だったけど、それはマルティンさんの交渉のおかげでクリアできた。
『ありがとうございます。よろしくお願いします』
私はおばあさんにウィルド・ダム語でお礼をした。
女性は『こちらこそ』と短く返答をくれた。しかし笑顔の一つもなく歓迎されているかは不明だ。
「ほんでここで治療魔法院をやるのも村長の許可は得られたで。ただ治療費がいくらになるんか聞かれたんやけど」
「ジルタニアでは金額は国で決められていて、脱臼、骨折、やけど治療あたりなら5000ヴィル、命に関わるほどの重傷なら100万ヴィルの請求の場合もあるけど、それは民間の保険に入っていれば保険金がおりるし、入っていなければ国の制度を使って年収の10%くらいの支払いになるかな」
マルティンさんが私の言った言葉を村長に伝えてくれた。
「この村はほとんど自給自足やから5000ヴィル……この国やと5万リオンくらいになるか、それは高すぎて治療は受けられへんって言うてるわ。あと治療費を物で払うのも許して欲しいって」
儲けなんて生きていけるだけあればいい。治療の正当な対価を貰えれば構わない。
マルティンさんに私の意思を伝えてもらうと、治療費は5000リオンから1万リオンの間で、物での支払いも可と決まった。
「ほんじゃあ話はまとまったな。でもほんまに大丈夫か? まだ言葉も全然分からんのに」
「心配してくれてありがとう。ここで頑張ってみます」
マルティンさんには本当にお世話になった。彼がいなかったら国境の街を出られたかも怪しい。そうなれば住むところから何から全部困ったはずだ。
「本当にありがとう」
彼をぎゅっと抱きしめた。このふわふわした毛並みにたくさんの癒やしと温もりをもらったものだ。
「そんなしんみりすんなや。これでお別れってわけじゃないんやから。また1カ月ちょっと後に来るし」
「そっか、そうね。じゃあまたね」
別れを済ませるとマルティンさんは村長と何かを話し、次に村長がおばあさんと話し、そして彼女は私に何かを言って部屋を出て行こうとしたので、私は慌ててついて行った。
夕方の大森林。しかも最奥ともなれば村の周囲は鬱蒼とした木々に囲まれて真っ暗で、夕日はそれらに遮られて直接見ることはできない。拓かれたここからは夕方の空だけが見えた。
『◆◉※⌘』
「え?」
おばあさんが何かを言っている。
『◆◉※⌘』
今度は自身を指差して同じ言葉を言った。
「あっ名前!? ナラタ、ナラタさん!」
おばあさん、ナラタさんは頷いた。
「私はナオ。ナ、オ」
自分を指差して伝えた。
『ナオ。⁂¢※⌘◉□』
名前の後に何を言ったのか分からなかったが、伝わっていなくてもナラタさんは構わないらしかった。
それからは無言で歩き、いくつかの家の前を通り過ぎて着いたのは他の家々より少し大きい2階建てのログハウス風の住居だった。
後に続いて中に入ると、そこは壁一面に引き出し付きの棚や瓶の置かれた棚で埋め尽くされた空間が広がっていた。息を吸えば様々なハーブか何かの混ざった匂いがする。
(薬局? 薬屋さんかしら)
『イルスク』
ナラタさんは棚の方を指差して言った。
(棚って意味? それとも薬?)
判断がつかず、私は瓶に入った薬草らしきものを指差して、
『イルスク?』
『ヤイ』
ナラタさんはそうだと肯首した。それから1階全体を指差して、
『イルスクエシム』
と言った。
「『エシム』。店のことかしら。多分そうよね。『アッタ! アッタ!』」
私は分かったとサムズアップをして答えたが、もちろんこのハンドサインは通じない。
ナラタさんと私は店のカウンターの奥にあった階段から2階に上がった。
2階には部屋が3つあり、私は一番奥の部屋に案内された。
『エティオ、ツゥオミ』
荷物を置いて、と言ったんだと思う。ナラタさんがカバンを置くような動作をした。つまりこの部屋を使っていいということか。ナラタさんは私の手からトランクを奪い取って床に置いて、部屋を出て手招きした。
再び1階に降りて店舗の奥の部屋に入ると、そこはダイニングキッチン、というと現代的すぎてふさわしくない、台所と居間というべきか。台所は釜戸でガスはなく火を起こすタイプのもので横に薪が積んである。そして驚くべきことに洗い場に水道の蛇口がなく、隣に置いてある桶の水を使っているようだ。
(ここまでだとは思わなかった……)
ここに来るまでの間はお客さんの身分だったのでトイレが汲み取り式だったことくらいしか不便を感じなかったが、ここでの暮らしは相当労力がかかりそうだ。
ナラタさんはさっそく夕食の支度に取り掛かるようで、私も隣に立って手伝った。
ナラタさんはじゃがいもを手に取って『ジョミアガ』と言い、包丁を持ち『ホチュ』と言った。一つ一つ単語を教えてくれているらしい。
ナラタさんは笑わない。けれどもとても親切だ。そもそも私のような流れ者を受け入れてくれただけでも相当良い人なのは間違いない。
約1時間をかけて作ったのはマッシュポテトと肉と玉ねぎとキャベツの入った塩味のシチュー。
(狼は肉食動物だけど、植物も食べる習性があったかな?)
お肉多めのゴロゴロシチューの中には野菜も入っているし、パンも少しだがついている。
私はここでの食生活に馴染めそうで安心した。
ナラタさんはスプーンやお皿、シチューの単語を言ってから、
『トゥレバ スチ』
と言ってシチューを食べた。
(スチがシチューだったから、多分シチューを食べるって教えてくれたのね)
彼女の教え方は上手かった。それはまるで小さな子供に言葉を教えるようで、簡単で分かりやすい。
(ナラタさんには子供がいたのかな)
2階には貸してもらった自室の他にも部屋があったから、ずっと一人暮らしだったわけではなさそうだ。
会話をするのは難しいので無言で夕食を食べ終えてから、ふと気づいた。
(ここでお世話になるんだからいくらかお金を渡さなきゃ)
これから食料確保が難しくなるであろう冬に向かっていくこの時期に一人分の食い扶持が増えたのだ。せめて食費くらいは出さねば。
私はポケットに入れっぱなしにしていた財布を取り出した。
ただ物価が分からなかったので、とりあえずワンピース3着分を机の上に出して差し出した。ここに来るまでの道中で行った治療行為の対価に少額ではあるがお金ももらっていたのだ。
ナラタさんはそのお金を受け取るか少し迷って、半分だけ取って残りは私に返した。
(とりあえず1カ月分とか? また来月あたりに同額渡してみよう)
こうして私のウィルド・ダムのカニス村での生活が始まった。
中に入りマルティンさんは村長と何かを話し始めたが聞き取れない。2週間の学習では『これはペンです』くらいの簡単なウィルド・ダムの文法と単語しか習得できていない。
話の行方を黙って見ていると、村長が部屋の中にいた別の人に話しかけ、その人が出て行ったかと思うとしばらくしておばあさんを連れて戻ってきた。
女性は70歳代くらいで人間に近い姿をしている。
「あの人、今は一人暮らしやから一緒に住んだらいいって言うてるわ」
「一緒に? 私は住まわせてもらえるならどこでも構いませんけど、了解されてます?」
「おう、あのおばあちゃんもいいって言うてるみたいやで」
宿なんてない村だから滞在場所が一番の問題だったけど、それはマルティンさんの交渉のおかげでクリアできた。
『ありがとうございます。よろしくお願いします』
私はおばあさんにウィルド・ダム語でお礼をした。
女性は『こちらこそ』と短く返答をくれた。しかし笑顔の一つもなく歓迎されているかは不明だ。
「ほんでここで治療魔法院をやるのも村長の許可は得られたで。ただ治療費がいくらになるんか聞かれたんやけど」
「ジルタニアでは金額は国で決められていて、脱臼、骨折、やけど治療あたりなら5000ヴィル、命に関わるほどの重傷なら100万ヴィルの請求の場合もあるけど、それは民間の保険に入っていれば保険金がおりるし、入っていなければ国の制度を使って年収の10%くらいの支払いになるかな」
マルティンさんが私の言った言葉を村長に伝えてくれた。
「この村はほとんど自給自足やから5000ヴィル……この国やと5万リオンくらいになるか、それは高すぎて治療は受けられへんって言うてるわ。あと治療費を物で払うのも許して欲しいって」
儲けなんて生きていけるだけあればいい。治療の正当な対価を貰えれば構わない。
マルティンさんに私の意思を伝えてもらうと、治療費は5000リオンから1万リオンの間で、物での支払いも可と決まった。
「ほんじゃあ話はまとまったな。でもほんまに大丈夫か? まだ言葉も全然分からんのに」
「心配してくれてありがとう。ここで頑張ってみます」
マルティンさんには本当にお世話になった。彼がいなかったら国境の街を出られたかも怪しい。そうなれば住むところから何から全部困ったはずだ。
「本当にありがとう」
彼をぎゅっと抱きしめた。このふわふわした毛並みにたくさんの癒やしと温もりをもらったものだ。
「そんなしんみりすんなや。これでお別れってわけじゃないんやから。また1カ月ちょっと後に来るし」
「そっか、そうね。じゃあまたね」
別れを済ませるとマルティンさんは村長と何かを話し、次に村長がおばあさんと話し、そして彼女は私に何かを言って部屋を出て行こうとしたので、私は慌ててついて行った。
夕方の大森林。しかも最奥ともなれば村の周囲は鬱蒼とした木々に囲まれて真っ暗で、夕日はそれらに遮られて直接見ることはできない。拓かれたここからは夕方の空だけが見えた。
『◆◉※⌘』
「え?」
おばあさんが何かを言っている。
『◆◉※⌘』
今度は自身を指差して同じ言葉を言った。
「あっ名前!? ナラタ、ナラタさん!」
おばあさん、ナラタさんは頷いた。
「私はナオ。ナ、オ」
自分を指差して伝えた。
『ナオ。⁂¢※⌘◉□』
名前の後に何を言ったのか分からなかったが、伝わっていなくてもナラタさんは構わないらしかった。
それからは無言で歩き、いくつかの家の前を通り過ぎて着いたのは他の家々より少し大きい2階建てのログハウス風の住居だった。
後に続いて中に入ると、そこは壁一面に引き出し付きの棚や瓶の置かれた棚で埋め尽くされた空間が広がっていた。息を吸えば様々なハーブか何かの混ざった匂いがする。
(薬局? 薬屋さんかしら)
『イルスク』
ナラタさんは棚の方を指差して言った。
(棚って意味? それとも薬?)
判断がつかず、私は瓶に入った薬草らしきものを指差して、
『イルスク?』
『ヤイ』
ナラタさんはそうだと肯首した。それから1階全体を指差して、
『イルスクエシム』
と言った。
「『エシム』。店のことかしら。多分そうよね。『アッタ! アッタ!』」
私は分かったとサムズアップをして答えたが、もちろんこのハンドサインは通じない。
ナラタさんと私は店のカウンターの奥にあった階段から2階に上がった。
2階には部屋が3つあり、私は一番奥の部屋に案内された。
『エティオ、ツゥオミ』
荷物を置いて、と言ったんだと思う。ナラタさんがカバンを置くような動作をした。つまりこの部屋を使っていいということか。ナラタさんは私の手からトランクを奪い取って床に置いて、部屋を出て手招きした。
再び1階に降りて店舗の奥の部屋に入ると、そこはダイニングキッチン、というと現代的すぎてふさわしくない、台所と居間というべきか。台所は釜戸でガスはなく火を起こすタイプのもので横に薪が積んである。そして驚くべきことに洗い場に水道の蛇口がなく、隣に置いてある桶の水を使っているようだ。
(ここまでだとは思わなかった……)
ここに来るまでの間はお客さんの身分だったのでトイレが汲み取り式だったことくらいしか不便を感じなかったが、ここでの暮らしは相当労力がかかりそうだ。
ナラタさんはさっそく夕食の支度に取り掛かるようで、私も隣に立って手伝った。
ナラタさんはじゃがいもを手に取って『ジョミアガ』と言い、包丁を持ち『ホチュ』と言った。一つ一つ単語を教えてくれているらしい。
ナラタさんは笑わない。けれどもとても親切だ。そもそも私のような流れ者を受け入れてくれただけでも相当良い人なのは間違いない。
約1時間をかけて作ったのはマッシュポテトと肉と玉ねぎとキャベツの入った塩味のシチュー。
(狼は肉食動物だけど、植物も食べる習性があったかな?)
お肉多めのゴロゴロシチューの中には野菜も入っているし、パンも少しだがついている。
私はここでの食生活に馴染めそうで安心した。
ナラタさんはスプーンやお皿、シチューの単語を言ってから、
『トゥレバ スチ』
と言ってシチューを食べた。
(スチがシチューだったから、多分シチューを食べるって教えてくれたのね)
彼女の教え方は上手かった。それはまるで小さな子供に言葉を教えるようで、簡単で分かりやすい。
(ナラタさんには子供がいたのかな)
2階には貸してもらった自室の他にも部屋があったから、ずっと一人暮らしだったわけではなさそうだ。
会話をするのは難しいので無言で夕食を食べ終えてから、ふと気づいた。
(ここでお世話になるんだからいくらかお金を渡さなきゃ)
これから食料確保が難しくなるであろう冬に向かっていくこの時期に一人分の食い扶持が増えたのだ。せめて食費くらいは出さねば。
私はポケットに入れっぱなしにしていた財布を取り出した。
ただ物価が分からなかったので、とりあえずワンピース3着分を机の上に出して差し出した。ここに来るまでの道中で行った治療行為の対価に少額ではあるがお金ももらっていたのだ。
ナラタさんはそのお金を受け取るか少し迷って、半分だけ取って残りは私に返した。
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