私は今日、勇者を殺します。

夢空

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1.5章

犯罪レベル1 罪人に許しを、己が罪に向き合え

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GW 4日目


「ありがとよォ下野。後で父さんから昇進の電話くるからちゃんと出ろな」

普通車に乗る2人組。片方は警察の服を着る下野しものと呼ばれた男だ。そしてもう片方は、

「あぁまじ胸糞だわ。通報したの絶対アイツだよな。煩いからちょっと遊んだだけなのによォ!ここまで大事おおごとにしやがって………絶対に許さねぇ、後悔するまで嬲って、次は泣けないぐらいに壊してやるッッッ!」

目に狂気を浮かべた須川 猛すがわ たけるだ。
逮捕されてから3日もせずに釈放。裏の権力を匂わす彼は、下野の車で自宅まで送られている状況だ。

「ああ、その時は下野。お前も来いよ、送ってくれたお礼でお前にも……味わえさせてやるよ
まあ、俺が……壊した、あと……にな……」

不思議な感覚だ。
ふわふわとした心地のいい眠気はすぐに須川を包み込む。
徐々に声は小さくなり、言い終わる頃には言葉が続かなくなって、

「ふん」

鼻であしらう下野の声を最後に意識を失った。


***


『ジジッ』

ノイズ音が鼓膜を打つ。
次に肌に触れる硬い感触で意識が発露する。寝ている事すら気づかなかった。
首と肩が痛くて、重たい頭を上げる。するとその声が響いた。

『やぁ須川くんゲームをしよう』

弄ってるのか酷く低音の声。
酷く硬い床に須川は寝ていた。周囲は暗くて何も見えない。いや、小さな緑の点滅だけ腕が届く範囲に見える。
どうやら先程の声はそこから聞こえたようだ。

『君は凄腕のバスケットボールプレイヤーらしいじゃないか。
幼少期はその腕で優勝を何度も重ね、今の高校にもそれで入学出来たとか』

自身の個人情報が明らかにされていく。微睡んだ思考は一気に吹き飛び、その緑点滅を手に取る。
レコーダーだ。
前もって録音しておいた内容をリピートする機器だと須川は気づく。

『今回はそんな君にぴったりの舞台。そして、罪を清算するチャンスだ』

瞬間、視界が白くなった。
反射的に手で視界を塞ぐが何が起こったのか分からない。しかし時間が経つと視界がだいぶ慣れ、下の状況だけ理解できた。特徴的な床、テープで引かれた線引き、自分の履いているバッシュ。

「なんで俺…体育館に……?」

自身の周囲を理解してから先の光景が見える。
隣のコートの中央に、黒のテーブルクロスをかけられた長机、その上には3つのボールが意味ありげに置かれていて、

『君が最初にレイプした彼女、高本 美沙こうもと みさと協力してこのゲームに勝つんだ』

その先に記憶に根付く愛しくて恨めしい彼女がいた。
いつか那々木 美晴が言っていた、須川には数人の被害者がいると。その内の最初の被害者である高本美沙である。
何故ここにいるのか、と震える高本 美沙は須川を見ると顔を青くしてさらに震える。
会わなくなってから3年、言いたいことが積りに積もっているが、しかしそんなを気持ちをレコーダーの声が潰す。

『ゲーム名は、ロシアンシューター』

低い声。脳を直接殴るような不快感に顔を背けたくなるが、ここで聞かなければ後悔するという謎の直感が須川を止めた。
レコーダーはまだまだ続ける。

『今彼女には3つのバスケットボールを持ってもらっている。
それを須川くんに渡し、君はそこにあるゴールにシュートするだけだ。
ただしその中の2つは解除装置が内蔵されていて1つは君の首輪に、もう1つは彼女の首輪に繋がっている。
その首輪には刃が仕込んでいてね、このゲームに失敗すると刃が飛び出して首を斬ってしまうという仕組みだ。

だけど、安心して欲しい。私たちは君たちを殺したいわけじゃないんだ。

爆発までの10分以内に須川くんがシュートして解除出来れば君の勝利だ。
ボールは2回しか投げられないから、投げて入らなかったなんて頭の悪い終わり方はしないでくれ。
他の人にシュートを頼むのも無しだ。
これはバスケ好きの君に課せられたゲームなんだから、緊張して投げれないからって放棄しちゃいけないよ。
最後にこのゲームのコートはこの体育館全体だ。誤って体育館外に出たらゲーム終了だ、もちろん解除はされないよ。
ちなみに、ルール違反は死で終了バッドエンドだから気をつけて楽しんでくれ。

あと、その3つのボールのうちどれが誰の解除装置なのか、高本美沙は知っている。
おすすめは仲直りしてから協力する方法だ。

《罪人に許しを。己が罪と向き合え》

それじゃあ準備はいいかな。
────game start』

と、同時に重たい音を響かせてカウントがスタートした。見れば残りは9分55秒。


ボールを投げれるのは須川だけ、答えを知っているのは高本美沙だけ。
話したい事は色々あるが、まずはこれを終わらせてからにしよう。
そう考えて、まずは、

「おい美沙!今そこに行くから、」

「こ、こないで!」

まずは、会話をしなければならない。
そうしないと、どちらも助からないからだ。

そこまで俺は考えてんのに、アイツはなんで……!
俺が協力してやろうって言ってんのに

「おい、確かに俺ら昔色々あったけどよ、今はそれどころじゃないだろ!」

「ひッ……」

遠のく距離。言葉が通らない。
恐怖という壁がお互いのコミュニケーションを阻害している。

「なぁ待てって!」

「嫌ぁ!」

進む須川とたじろぐ美沙。
そして、刻一刻とゲームオーバーを知らせるカウントダウン。
いつの間にか息が荒れ、早くなる鼓動。彼女に対する感情が目まぐるしく変化し、疑問は罵倒へ変わって。
苛立たしくなる感情が────吹っ切れた。

────────あぁ、なんでこんなめんどいこと考えてんだ俺

「……これ考えた奴には悪ぃな」

カメラの向こうで考えてたんだろ。俺たちの関係を踏まえて、どんな駆け引きがあるのか、みっともない姿で俺が謝るのか、ってな。

姿勢を低くして一気に加速。飛ぶように青くなっている高本 美沙を押し倒した。

「んなもんするかボケェ!
こういうのはなぁ、いっぱいやってきたんだよ!なぁ美沙ァ!ほら、10回なぐるからよ、間違えずにちゃんと答える準備しとけよな!」

須川は手馴れたように振りかぶり振り下ろす。顔面の骨と須川の手の骨がぶつかり、何度も何度も音を響かせる。
そこが体育館だからか、そもそもの威力が高いからか、鈍い音を奏で、それが5回を超える頃には少女の意識は混濁していた。
起きてるような気を失ってるような、そんな感覚。ただ口の中の血の味だけはハッキリとしていて。
やめて、と言う言葉ですら、うわ言のようになり言葉を編めない。

そうして、暴力の終わりが来た。

「9ゥ、……10ゥゥ……!
はぁ、はぁ……ほら、俺のボールはどれだ? 早く言えよ美沙! ボールを投げれるのはここでは俺だけ。お前も助かりたかったら俺の言う事を聞け」

そう言うと、須川はゆっくりと高本美沙を抱きしめた。
しっかり抱きしめて、耳元で伝える。

「俺はお前も助けたいんだ。
だから先ず俺のボールを教えろ。ちゃんとお前も助けてやる。いいな?」

抱きしめられているから須川が今どんな顔をしているのか分からない。しかしその声色は優しくて、甘くて、思わず少女は頷いてしまった。
ふらつく足で立ち上がり、3つ並んだボールの所まで行くと、その一番左のボールを手に取る。

「お、そのボールか。
じゃあ──────は?」

理解できていない顔。
口をぱっくり開けてるマヌケ。
呆気に取られているそいつが余りにもおかしくて、情けなくて。

「は、あはは」

乾いた笑い、チラリと須川を見た血まみれの彼女はツーっと涙を流して、

「────ざまぁ」


ストン、とボールは綺麗にゴールにシュートされ、そして───

破裂

女生徒の首につけていた首輪が破裂し、中から鮮やかな血痕を辺りに散らす。
流しすぎたそれはもう人間ではない。ただの肉塊だ。
肉塊に自立機能はなく、当然のように地へと倒れ痙攣もなく潰えた。

『他の人がシュートしてはいけない』『ルール違反は死』そして、『シュートは2回まで』

あいつはルール違反を理解した上で、自分の知識という答えと2回という残り回数の両方を消すためにシュートをした。
ただ、俺を絶望させるためだけに。

「あ、あああああ、アイツゥゥゥ!クソがあああああ!!!」

吠える。
肺から息が無くなるまで吼える。

怒りにか……違う。
彼女の死にか……違う。
俺の信頼にまた泥を塗ったからだ!

彼女が死んだ事によるものでも、彼女が須川に絶望させるための行動に怒ったものでも無い。
独善的な愛。
自身は信じていない癖に、相手からは信用されないと気が済まない典型的なDV野郎。
ようやく姿を現した今の彼に、高本 美沙こうもと みさへの心配は欠片も残っていなかった。


残り時間は6分を切った。
答えの知っている女は自殺し、須川は手元の2つのボールに集中する。

どっちが、どっちが俺の解除装置だ!?
なにかヒントは無いのか?

隅から隅までボールを注視してると、

「これは……」

バスケットボールの線が交わる両端、その片方に俺の名前が荒く掘られている。
倒れてるそれ高本美沙に近づきそいつの服を漁ると、ポケットからカバー付きの彫刻刀が1本出てきた。やはりこの文字を掘ったのはそれ高本美沙のようだ。
それ高本美沙が残したボールは、名前の掘っているのと掘っていないボール。

「じゃあこれか?」

須川は『掘られていない方』のボールを広い、それから留まる。
どっちだ?アイツが本当の答えを俺に置いていくわけが無い。もしこのヒントが正解なら、あそこで自殺した意味が無い。
──────と、思わせるのがアイツの手口なはずだ。

アイツは楽しんでいるんだ。このヒントを俺は信じないと踏んでこれを置いていった。
掘っていない方のボールでシュートしている俺を想像して笑ってるに違いない。
だから─────と、名前の掘っている方のボールを手に取る。

残りシュート回数は1回

──────これで、決める。

息を着き、いつもの構え。
左手に乗せおでこの上へ、右手で添えて安定させる。呼吸を合わせ、視点を合わせ、そして目標地点を合わせる。
何度も何度も投げた。その為に何千回、いや何万回練習したか分からない。
息をつき、

投げて──────放物線を描くボールを眺めてふと思い出す。

─────そうだ、俺はこいつを極めるために何もかも捨てて、練習しまくって………なのに誰も褒めてくれなくて。
唯一褒めてくれたのが美沙お前だっけか。
そんなお前に拒否られて、訳分からくなって襲って。
なんで、何でこうなったんだろう。

『罪人に許しを、己が罪と向き合え』

そのフレーズが嫌に響く。頭から離れない。
あれが俺に対する問いかけなら、考えなくてはいけないのか。
俺の、罪。
それはきっと───────────。

奇しくも思考はそこ止まりで、放物線は終わりを迎える。

──────ゴールに入った。


ダンッダンッとゴール下でバウンドするバスケットボール。しかし、

「なんで、とまらねぇ!?」

カウントは試合続行の証だ。
選択ミスの死でもなくクリアの首輪が外れる訳でもない。
もしかして、と須川は死んだ高本 美沙を見る。
鮮血に塗れたそれは自身の命を文字通り投げ打ってシュート回数を減らしたが、もしかして。

『ルール違反はカウントされない』

そんな想定が浮かび上がる。
しかし気づけば納得出来た。だってこのゲームは須川しか投げられないと最初に言っていたでは無いか。

「ビビらせやがって。
結局犬死じゃねーか………馬鹿が」

そう言った声は不思議と寂しげで。
結局、残っていた名前の彫っていない方のボールを手に取り。
投げて─────────入る、そう確信した時気づいた。

シュート回数が判定されてないってことは、あいつの投げたボールも判定されてないことに───────?

ボールはゴールを通り、そして──────

肉を割く、重たい響きを体育館にこだまさせる。
首輪辺りから、どす黒い血が溢れ、止まらない。

「──────、あ、ああ、あああああ」

生きていて感じたことの無いそれ痛みに唸りながら、しかし体は床へと崩れ落ちる。
首輪から出た刃はそこまで長くなかったのか、首を切断するには至らず、しかし返って死までの絶望を長引かせた。

手が震え、頭が麻痺する。
現実味を帯びない。
こんな血の色を、俺は─────

そこで、気づいてしまった。

向こうで倒れている彼女の首からこんな色の血は出ていなかったことに。

「ほんっと、いい気味」

掠れ歪む視界に、それ死体はゆらり、と立ち上がる。
さっきまでの様子はどこへやら、倒れている須川 猛に蔑みの視線を浴びせてくる。

「……な、……んで………」

掠れる声で疑問を描く

「沢山機会は与えた。協力するべきだと言った。彫刻刀を持っている私がなぜ反抗しなかったのか、それに気づいて悔いてくれるならまだ私は許せたのかもしれない。結局、最後に伸ばした手すら、気づいて貰えなかったらしいし」

ちらりとゴール下で転がるボールを見る。
最初はこの男を助けるつもりだったのだ。しかし、その過程で久しぶりに見た。この男の悪辣さを、この男を憎む自分自身を。

「──────────」

「あぁ気づいた?さっきの録音の中は私。こっちが本物の録音機」

『game clear』

自殺という罪、そしてそれを浄化させる向き合う為の条件。
罪人自殺した私に許しを与え、己が罪自殺と向き合う。
ゲームを仕掛けられていたのは最初からだ。

「私は自分を責めてた。私が馬鹿だからアンタに遊ばれて、家庭は崩壊したって。
でも、気づいたの。私が死ぬべきなんじゃない。アンタが死ぬべきだったってこのゲームでようやく気づいた」

頭が床に近いからか、アイツの言っている事が分からない。聞こえない。聞きたくない。
聴覚は理解を手放して、しかし視覚だけはその姿をありありと知覚した。

「だからこれはゲームなんかじゃない。アンタを殺すための殺人。だってゲームを下されたのは私。あんたはその攻略に使うためのただの駒なんだから」

復讐する鬼。
この3年間の恨みを晴らす人型の鬼が須川を見下ろしていた。
そこで、須川の意識は途絶える。

暖かい血の池に落ちる須川。それが昔応援してた頃のユニフォーム姿の様で、皮肉にも笑ってしまった。


笑って、嗤って、哂って。
いつの間にか後ろに立つに少しの間気づかなかった。
顔は隠れ黒のローブを羽織るは体育館の入口からこちらに入ろうとしない。光に当たると死んでしまうのか、ドアの影からこちらを覗き、ゆっくりと拍手を始めた。

『おめでとうございます、高本 美沙様。軽被害者1名の罪、〈自殺〉。犯罪レベルは1であり反抗者解答者も適用されない最低レベルではありますが、無事クリア出来たことを心よりお喜び申し上げます。貴方様の身は犯罪浄化執行会が保護致します。なお、条件クリアを認めましたので、今回掛かりました経費はこちらの負担とさせていただきます。』

変声期。
姿だけじゃなく声すらも隠すこの何かは拍手の後にクリア特典について語ってくれる。
しかし、そのクリア特典に高本美沙は鼻で笑った。

廃校の体育館、刃物仕込みの首輪1つ、血糊仕込みの首輪1つ、レコーダー1つに特別製のバスケットボールとゴール。

「全部で3000万以下程度。
こんなの相続分で足りる。私に払わせて。これは皆の復讐なんだから」

『ふむ。では今回分はどこで補填いたしましょう。私たちは平等に対応しなくてはなりません。不要だから、だけで補填しない訳にはいかないのです』

暫く考える。
そのまま貰った所で高本美沙に使い道はない。
いっそ後輩や親戚にでも渡すかと考えて、ふと最近起きた事件を思い出す。
思えばあの事件があったからこそ須川をこのゲームに呼べたのだから。

「じゃあさ、この間のテレビでこいつ告発してた奴いたでしょ。そいつにやって。私にはもういらない」

それだけ言えば、もう用はないと何処かに歩き出した。第2の人生か、それとも愛すべき家族と合流か。
女は消え、そこには闇と声だけが残る。

『それは構いませんが。さて、』

少女はいない。暗闇の世界。居るのは住処をなくした亡霊だけ。
じきに日が出る。
亡霊は夜の世界に生きるのみ。暗闇に隠れるその刹那、

『───────この場合、どちらに渡せばよいものか』

卑しい笑みを漏らして、消えた。



─────────────────



真実とは一つであるが、しかし過程が一つとは限らない。無限に絡まる思惑は幾重にも張り巡らされ触れた者を肉塊にさせてしまう。ならば、ここらで理解し笑う者は触れても切れぬ亡霊のみ。
亡霊は嗤う。あまりに滑稽な事の顛末シナリオに。
だからと言って、それを他に伝えることは出来ない。探偵にも元凶にも、そしてエキストラにも。

死人に口なし。亡霊はただ見るだけだ。

いつだって舞台を動かすのは生きた人間なのだから。

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