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王都編

魔法を学ぶ

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長さ的に2話相当です。
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 俺達はハイゴブリンに勝利すると被害者の女性と共にギルドへと向かった。
 
「お早いお戻りですね、まさかキングが?ん?そこの女性は?こちらへどうぞ。」

 受付の女性は、そう訪ねると助けた女性が横になれるようにとギルド職員の休憩室へと俺達を促した。
 そこで、俺達はこれまでの経緯を説明した。

 「なるほど。その女性は身元不明なわけですね。」
 「ええ、何しろ気絶してしまいましたから。」
 
 「承知しました。次にハイゴブリンの件ですが、キングもいることが十分に考えられますね。ハイゴブリンがボスであればお供二匹のみで移動するとは考えられません。」

 「俺も同感だ。」
 「そうなると、キングゴブリン討伐の依頼が出るんですか?」
 「まだ、キングが実際に確認されていないので、そこまではしません。しかし、より本格的な捜索隊を組むことになるかと思います。」
 「なるほど。」

 「もし、捜索隊が結成されればよろしければタロウさん達にも参加していただきたいのですがどうでしょうか?」
 「いいですよ。」
 「構わん。」

 「ありがとうございます。では、私は、ギルド長に今回の件について報告に行きますので失礼します。タロウさん達も帰っていただいて構いません。こちらの女性については他の女性職員に看てもらうので。」

 「わかりました。」

 こうして、俺達はギルドを後にした。

 「スラさん、まだ日も高いし、ちょっと本屋に行かない?魔法について学びたいんだ。」
 「いい心がけだ。行こうか。」
 プルン

 そして、スラさんの肩にスラゴンが乗ると、俺達は本屋へ向かった。

 本屋に着いてみると、そこは6畳程度の広さしかない店だった。駅構内にある小さな本屋と大きさは変わらない。もっともギッチリ本が埋まっている訳ではなく所々本が置いてある感じだ。
 
「すいません、魔法の基礎に関する本が欲しいんですがどれが一番人気ですかね?」

 タロウはこういう時は必ず支持者が多い本を選ぶ。それが必ずしもいいとは限らないがハズレる可能性は低い。

 「それならこの『ゴブリンでもわかる魔法入門』じゃな。」

 日本で言うところの「猿でもわかる~」という感じの本だろう。

 「じゃあ、それを下さい。」
 「一万Gじゃ。」

 高っ!だ。でも、法律書とか医学書も5000~10000円位するもんな。印刷技術がそこまで発達してないことからすれば逆に安いくらいか。

 「はい。」
 「たしかに。毎度有り。」

 「スラさんお待たせ、スラさんは何か用事ある?」
 「特には。」

 「じゃあ、宿に戻って本読んでいい?」
 「ああ、いいぞ。そして、分からんことがあったら聞いてくれ、総ては無理でも一部なら答えられるはずだ。」

 スラさんはほんとに中身もイケメンだ。そして、俺達は宿へ戻った。

 宿へ戻ると俺は、早速読み始めた。翻訳機能は文字にも作用する。

 「何々。まずは、魔力を感じるところから始めるのか。えーと、イメージは体内を廻る血液。おお、テンプレだ。」

 早速俺は、魔力を感じようとしてみた。

 「おっ、じん、ときた。召喚魔法の際にも感じたな。次は?属性診断?なになに手に魔葉まはを持ち葉に魔力を流すと。魔葉ないぞ。 
 スラさん、魔葉買ってきます。」
「うむ。」

 魔葉は道具屋で100Gで購入できた。魔葉は紅葉の形をしており6つのギザギザがある。順に火水土風闇光この先端の反応で属性がわかるらしい。

 「よし、魔力を流す…キタ!」

 魔力を流すと3と5の場所が光った。
 
「えーと、ここは土と闇か。」
「俺達と被らなくて良かったな。戦略の幅が広がる。」
 
「確かに!ラッキー!
   えっと次は、初級の魔法を覚えると。土はサンドボール、闇は黒霧か。両方直接ダメージを狙うより目眩まし的な感じなんだな。スラさんちょっと練習がてら外いってくるよ。あと、帰りに女性の件聞いてくる。」
「承知した。俺は、装備の点検をする。」

 俺は、門付近で魔法の練習をすることにした。

 「魔法については詠唱はないんだな。イメージを魔力で具現する感じね。ただし、「仲間と戦うときは事故防止のために呪文名を言うべし」、と。
 へぇ~詠唱ないんだ。某死神漫画的なのに憧れたんだけどな。あっ、でも詠唱必要ならスラゴン魔法使えないか。」

 俺は、スラゴンのウォーターボールの砂版をイメージして発射すると成功した。
 次に黒霧をすることに視界を塞ぐということで、アイマスクをイメージするとこれも成功した。

「ところで、この砂とか消えないのか?まぁ水とか火も消えたら面倒だからいいけど。ここら辺すごい納得できん。」

 そんなことを疑問に思いながら俺の訓練はあっさりと終え、俺は、ギルドへと向かう。

 「あっ、タロウさんちょうどいいところに。」
 「女性の件ですか?」
 「はい、それと捜索隊についてもです。」

 「では、教えてもらえますか?」
 「まず、女性についてですが名前はビオさんです。旦那さんと薬草の採取に来た際に、ゴブリンに襲われたらしいです。旦那さんについては行方不明です。」
 
 恐らく旦那さんはすでに……

 「そうですか、ビオさんは今どこに?」
 「ご帰宅なさっています。お礼がしたいそうなので都合のいい時間を伺いたいそうですが、いつになさいますか?」
 「その前に明日のゴブリン捜索が行われるか伺っても?」

 「そうですね、その方が予定が立てやすいですね。失礼しました。
   ゴブリン捜索については、今日中に依頼をだします。タロウさん達2名、他のDランク1名、Cランク1名のパーティーを予定しています。午前中に出て夕暮れまでは捜索していただくことになるでしょう。」

 「わかりました。では、スラさんに伝えときます。あと、時間の指定は明日の朝でいいですか?スラさんにも聞きたいので。」
 「ビオさんが確認に来るのは正午ですので構いません。」

 「では、そういうことでお願いします。」

 俺は、受付嬢と話を終えると宿へと戻った。


 宿に着くと俺は、スラさんにギルドでのことを伝えた。

 「旦那さん心配だな。
    さて、逢うのは18時にギルドでいいだろう。」
 「そうだね。」

  「魔法はどうだった?」
  「とりあえず初級は使えるよ。用途は目眩ましかな。」
 「なるほど。隙をついたり、逃げるのに便利だな。キングとの混戦になったらかなり有用だろう。」
 「出来れば戦いは避けたいけどね。」

 こうして、俺達は明日のことを話し合い、明日の準備等をして1日を終えた。
 
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