現代社会でファンタジー生活!?

和蔵(わくら)

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第8話 新たな脅威

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「ズールゼロ応答願います、こちらはフォックストロットリーダーFチーム
「ザァーザァーーー感度が悪い、こちらはズールゼロ、上手く聞き取れていない」
「Fチームリーダーからズールゼロ、目的地に到着繰り返す、目的地に到着」
「ズールゼロ聞こえましたか、目的地上空にV-22が飛来したが、友軍機かの確認
をされたし、もしも自衛隊機だとしたら、我々はどうすれば良いかを指示願います」
「待っててくれ、上に確認を取り次第、直ぐに返事をする」

<それから間もなくして>

「ズールゼロからFチーム聞こえるか、先程のV-22の件だが、我が軍ではない
繰り返す、現在V-22は東京上空で飛行していない」
「そうなると自衛隊機となるが、その対応に付いては如何に」
「上も困惑していたが、同盟国の自衛隊と交戦する訳にはいかんから、あくまでも
フレンドリーに対応せよ、それが上からの指示である」
「了解、我々はあくまでも自衛隊に対しては、フレンドリーに接するが、その他に
対しては交戦規定の範疇で行動をする、よろしいか」
「ズールゼロ了解した、Fチームの健闘と良い1日になる事を願っている」
「そちらも良い1日を、以上通信終わり」

フォックストロットリーダーであるセガール中尉は、部隊に直ぐに伝達する
自衛隊機が目的地に居るが、自衛隊との戦闘は全力で避けろとだけ伝えていたが、
自衛隊以外で攻撃されたら交戦規定に則り交戦は許可される。
セガール中尉は、そう部下に伝え終わり、一息つく為にタバコを箱から出していると
先頭のJLTV統合軽戦術車輌から無線連絡が入り、車列は一時停車し先頭のJLTVから
2等軍曹が車外に下りていた。

「中尉殿、窓から此方が見えますか、この物体は何でしょうね」
「此方の窓からは確認できない、全員下車して周囲の全周警戒をしろ」

部隊は直ぐに下車をはじめ、車列を取り囲む様に配置に付いていた。
2等軍曹のナンツの側に行くと、そこに横たわっていた物は、キャデラックSUV
程の大きさはある物体であった。
大トカゲと言っていいのか困る程の大きさで、地球上には居ないサイズであろう
とセガール中尉ナンツ2等軍曹は話し合っていた。

「中尉殿、こんな化け物サイズのトカゲは地球上の生物ではないですね」
「あぁーその様だな、まさにモンスターサイズと呼んで良い程だな」
「こいつを自衛隊が倒したんでしょうかね」
「自衛隊ならば、このモンスターは穴だらけになってるはずだが、口が裂け
脳天にナタか何かでの一撃が致命傷みたいだな」

2人は大トカゲの死骸を色々と調べながら、的確に状況を分析していっていた。
急に2等軍曹のナンツが笑いだしたので、何故笑ったのかと聞くと。

「本国で話題のドラマで、陸軍犯罪捜査班ってのがあるんですが、その主人公
みたいだと思って笑ったんですよ」
「ドラマと一緒にするな2等軍曹、これは実戦なんだぞ確りしてくれ」
「はっ了解であります」

軍曹は敬礼はしなかったが、凛々しい声で中尉に答えていた。
戦場では上官に敬礼を仕様ものなら、上官が狙撃兵などに狙われる可能性が
あるからである。
2人が大トカゲを見ていると、前方を警戒していた上等兵から、敵が前方から
向ってくるとの報告を受けると、中尉は直ぐに車両を横一列に並ばせ、銃座に
部下を配置に付かせていた。

車両の銃座に据え付けられているM240が、中尉の号令のもとで一斉に火を噴き
米軍BfSBに向って来た化け物を薙ぎ払ったのである。


ーーーーーーーーーーーーー

秋月さんは座り込み泣き崩れながら、しゃがんで話しかけていた俺に向って
胸に拳を何度も何度も振り下ろしていたが、集落の外からの銃声で集落内は
一瞬で緊張が走っていた。

髭2尉は集落の外壁から銃声のする方角に部下を向わせると、敵か味方かを
確認報告させていたのである。

「髭2尉、あれは米軍ですよ、敵ではないですが、やっかいな相手ですね」

髭2尉は部下の報告を聞くと、直ぐにオスプレイのコックピットにいる十条と
言う2尉の元に駆け寄っていた。

「十条2尉、集落の外で米軍の戦闘部隊が戦っている、直ぐに上に報告して
米軍が何故、ここに居るかを問いただして欲しい」

十条2尉は直ぐに頷くと、無線で駐屯地の上官に指示を仰いでいた。
そして、髭2尉は外壁と正面扉に部下を配置すると、米軍の援護をする様にと
部下に指示を下すと、部下の方達は小銃を米軍に向っていた敵に向け、髭2尉の
号令と共に撃ち始めていた。

「中尉、集落から敵に向けて攻撃しています」
「自衛隊だな、こちらには攻撃して来ないならば、敵ではない前方の敵だけに
攻撃を集中させて殲滅を急げ」


それから10分もしない内に、銃声音は止み米軍は直ぐに車両に乗り込むと、移動を
開始して正門前までやって来ていた。

米軍が戦闘を終わらせる少し前に、駐屯地からの現場部隊への指示が下されていた。
その内容は、日米地位協定の範囲での協力はするが、それ以上の協力は現場に任せる
と、現場の人間に丸投げしたのである。
つまりは自衛隊の上層部の人間は、不都合が起きたら現場が暴走した事にし、責任
逃れを図ったと言う事である。

上層部の判断を聞いた十条2尉と髭2尉は、流石に困惑顔になっており、互いに顔を
見合っていたが、髭2尉から唐突に話しだした。

「現場判断での行動ができるが、責任は全て我々が負わされる事になるのか・・・」
「上層部のお偉いさんの意にそぐわなければ、我々2人の人生は終わりだ」

髭2尉の言葉に十条2尉は頷き、無理な事はしないと2人は取り決めの約束交わし
米軍部隊が来るであろう正面扉に歩き始めていた。

そんな中で俺は、未だに秋月さんを落ち着かせていたのだが、外の状況も同時に
気にはなっている。
そとから響いてきた銃声は、機関銃を言われる音である、そして、自衛官の人達が
米軍米軍と言っていたから、また厄介ごとが向こうから遣ってきた。
俺は、そう思いながら少し離れている正面扉を眺めていた。

<城砦集落の正面扉にて>

在日米軍の部隊だけあって日本語が堪能な兵士がいる様で、日本語でも英語でも
会話が出来ていた。英語が堪能な自衛官は十条2尉と下志津3尉である。
2人ともヘリパイロットだけあって英語が堪能で、米兵と問題なく話が進んでおり
自衛官は日本語が混じった会話でも話しは通じ、その逆で米兵は英語で話しても話
が通じていた。

「なるほど、貴官が言う事が真実ならば、その証拠を見せて欲しいのだが」

そう言うとセガール中尉と名乗る米兵は、俺や秋月さんや学者が居る場所まで
ズカズカと歩いて着ていた。
そして、綺麗な学者さんを目にした中尉は、いきなり日本語で「結婚せいへん、」
と流暢な関西弁で結婚を申し込んで肩膝を付き、学者さんの手を取っていた。
一同は目が点になっているが、中尉の部下達は呆れた表情で、中尉を学者さんから
引き剥がすと、直ぐに副官とおぼしき軍人が前に出て、中尉の代わりに話を聴き始
めていたのだ。

「自衛隊の十条が話してる事は本当の様ですね、これは現場だけの判断
で行動する訳にも行かなくなった」

そうカタコトの日本語で言っているのは、ロイ曹長と名乗る俺と同じ位の年齢のベテラン兵士だった。
セガール中尉と名乗っていた指揮官は、流暢に日本語を話していたが、標準語では
なく、何故か関西弁で話していたのだが、理由が日系の部下に日本語を教わったとか
で、その部下のご先祖は関西出身だったそうである。
それで中尉の話す言葉は、ちょっとおかしな関西弁なのだそうだ。

泣いて暴れていた秋月さんでさえ、目が点になってしまったのだから、外国人の
話す関西弁の破壊力の凄まじさは核ミサイル級であった。
中尉を置き去りにして、ロイ曹長・ナンツ2等軍曹・十条2尉・下志津3尉・髭2尉・
学者さんで話が淡々と進められていた。

そして、部下に怒られている中尉は、今度は秋月さんに近づいてきたと思うと、
ポケットからチョコを取り出すと「飴ちゃん舐めるか」と言い放っていた。
その光景を目の前で見せられた俺は、心の中で「それは飴じゃねぇーーーー」と
セガール中尉に突っ込みを入れたのである。

そして、秋月さんからの盛大な梯子外し、「のーさんきゅー」の言葉が中尉の
心に止めを刺したのだった・・・・・

「ほんま、人生ってのは辛くてかなわんわ」
「でも、お姉ちゃん少し元気になってよかったやんか、綺麗な顔なのに泣いてばかりでは、
その綺麗な顔が台無しやわ」

そう言うと、中尉は笑いながら部下2人が重要な話し合いをしている場所に、
真面目な顔付きで歩いて行ったのである。
因みにチョコは俺に押し付けられたけどね・・・



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