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第1-1話 秩序の崩壊(前編)
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毎朝、目を覚ますと何時もの日常が始まったのだが、その日は違っていた。
夜が白みかけだした早朝に、巨大地震が全世界で発生し人類に襲い掛かった。
その巨大地震で、数千、数万の建物が倒壊し、半壊していた。
震源地に近い建物ほど被害が酷く、悲惨な状況のようだ。
幸いにして私が住んでいる地域は、地震の震源地からは遠かったらしく
建物の被害は免れ、さして被害と呼べる物は室内の荷物ぐらいである。
室内のタンスや戸棚の物が床に散乱していたが、私はそんな事には目もくれずに
直ぐにPCでネットを開き、被害状況を調べだしたのだが・・・・・愕然となった。
東京の街の所々が壊滅的打撃を受けている。
TV局の取材ヘリからの上空撮影の動画などが、既にネットで拡散されて広がっていたのだ。
特に衝撃的な物が、ネットで直ぐに情報サイトをお気に入りから開くと、そこには最初に投稿された動画が衝撃だったのだ。
動画が撮影されたのは、東京都港区の青山霊園らしく、その近くにある大学から
撮影された動画だったのだが、地震の後に青山霊園の方から音がする事に気が付いた
撮影者が急いで撮影を開始しているのが、動画から窺えていた。
「なんなんだ今の振動は地震なのか?」
「外の被害状況はどうなっているんだ」
手振れが酷かったのだが、開始30秒程で手振れもなくなり、鮮明になっていた動画には、目を疑いたくなる物が映し出されていた。
大学の周りの建物は倒壊しており、それが現実なのかと疑っている様であった。
大学の周りの木造の建物は全て倒壊しており、コンクリートの建物でも古い物は
半壊になっている、撮影者は大学に居たから助かったのだろうと言っていたが、
本当にその通りなのだろう。
余りにも地震の被害が酷すぎるのが動画から伺えてくる。
背の高いマンションやビルが傾いていたり、隣の建物に寄りかかっていたり
したからだ。
そんな状況の中で、二度目の振動が起こって、被災者に追い討ちをかけたのだった。
二度目の振動に恐怖した人々は、直ぐに安全な近くの公園や学校に避難する様子が
撮影されていた。
「公園に・・・公園に避難しないと・・・」
「助けてー誰か助けてー」
「早くこっちに来るんだ」
二度目の地震は一回目の地震より小さかったが、それでも被害を出した建物には
止めを刺された形となっている物もあった。
完全に倒壊したからだ。
三階建ての鉄筋コンクリートの建物は倒壊を免れていたが、高層マンションが
激しい振動で中層からポッキリ折れて、落下などして隣のビルや建物に被害を
出していた。
そして、人々の上に瓦礫が降り注いぎ、瓦礫の下敷になり亡くなる人も
少なくなかったようだ。
それだけの内容の動画だけでも、平和な日本では衝撃的なのに、追い討ちを
かけるかの様な信じられない物が、次の瞬間に目に入ってきていた。
先程まで、墓地だった場所が無くなり、新しくそこにあったモノは・・・
小さな小山にうっそうとした林なのか森なのか、わからないが兎にも角にも
今まで無かったモノが、急に目の前に現れたからだ。
小高い山からは、薄気味悪いガタガタした音がどんどん大きくなり振動も
小さかったが徐々に大きな振動に変わっていた。
何かが動いた為に起こった振動なのか、それとも別の何かが起こっているのか
直ぐにそれは撮影された動画に映し出され、振動と音の正体が解った。
歩くガイコツ達が無数に墓地の跡地から湧き出していたからである。
誰も最初は、歩くガイコツ達の事を理解できなかった。
それもそうであろう、この現代日本でガイコツが歩くなど、誰が信じようか
地震で被災したから頭が錯乱してるのかと、人々はそう思ってもそれは仕方ない
徐々にガイコツ達は被災者の人々に近づいていたが、人々は固まった状態で
動けないでいた。
ガイコツが近づき、しばらくしてから起こる悲鳴、泣き叫ぶ人々の声、阿鼻叫喚
で人々が何を言っているのかも解らないが、助けを求めて逃げ出しているのは
動きで、何となく察した。
撮影者も「何なんだこれ」「信じられない」などを口で連呼するだけで
現実を受け入れないでいる様だった。
そこで、この動画は終わっていた。
動画の撮影時間は大体10分くらいだったが、地震が起きてから10分で
今までの平和な社会が崩壊し、崩れ去ってしまったのだ。
ガイコツが公園に避難していた20~30人を殺し終わるのに1分もかかって
いなかったのも驚愕だが、動画に映し出されたガイコツの量も凄すぎていた。
墓地の跡地方面を見渡して観ても、数など解らない程の量のガイコツで
埋め尽くされており、表現で表すと「あたり一面」と表現するのが正しい
かもしれない。
何回も何回も動画を見直していたら、先程の撮影者から新しい動画が投稿
されていた。
一回目の動画では、部屋の中から撮影されていたが、二回目の動画では
屋上だろうことが窺える、そして公園から大学の敷地内を写している事が
撮影者から伝えられた。
墓地跡から出現したガイコツ達は、最初は何も持ってなかったが、大学の
敷地内に姿を現したガイコツ達の一部には、短刀や斧やナイフを手にした
ガイコツの姿が窺えた。
そのガイコツ達の武器は、最初から持っていた物か、そうでないのかは解らず
今言える事は、武器を持ち歩く危険な何かが撮影者に迫っている、とだけは理解
できた。
構内から聞こえ始めたきた悲鳴や怒号、そんな中で撮影者がカメラを一点に
集中して映し出した。
素手で被災者を殺したガイコツが、急に光だしたかと思ったら、次の瞬間には
何も持っていなかった手に、武器が現れていたからである。
そして繰り返される殺戮、ガイコツ達は殺戮を凄い勢いで進めているが
人々を殺しては、死んだ人間から何か白い靄なような物を吸い取っている。
先程までは、ゆっくりしか歩けなかったのに、今では普通に小走りまで出来る
状況になっている事に驚きを隠せない。
そんな呟きが動画の音声から聴こえてきて間もなく、ガイコツの足音が撮影者に
迫ってくる音が聞こえだしていたのだ。
撮影者は急いで今まで見た状況をカメラに向かい伝えると、動画は終わりを向えた
のだった。
ガイコツは被災者を虐殺して周り、人々を殺すと生気を吸い取り、ガイコツ自身
をレベルアップさせるのではないかと、撮影者は仮説を立てている。
ファンタジー的な話だが、歩くガイコツが人々を襲っている状況を受け入れたのなら
それが現実だとなる。
もしも、人間がガイコツを倒せたならば、人間でもレベルアップが出来るのではないか、そうでないと人類は絶滅しかねないなどの事を撮影者は、動画のなかで仮説をたて皆に伝えたかったのだろう。
撮影者の言っている事が真実ならば、警察や自衛隊や米軍が健在な日本では、直ぐに
この状況は収まるのではないかと、自分の中でも考えを廻らせている。
確か目黒区と世田谷には陸上自衛隊の駐屯地がある、戦闘部隊は居ないが警務隊には
小銃が少ないはずだがあるはずだ。
世田谷の警視庁第三機動隊と連携して戦えば、少しは時間が稼げるし、そうなれば
朝霞駐屯地や練馬駐屯地から援軍が到着するだろう。
だが、この時に私は知らなかったのである、事件が港区だけでない事に・・・
ネットを見始めた時に見た画像を思い出せば、所々の場所が壊滅していたことに・・・思いを廻らせれば、その場所の全てが異界な場所に変わり果てているなど
思いもよらなかったのである。
想像力の欠如、いや・・・誰がそんな事を想像できたであろうか、誰も予想など
出来はしないだろう。
人類は、これからどうなるのかさえ、今は解らないのだから・・・
夜が白みかけだした早朝に、巨大地震が全世界で発生し人類に襲い掛かった。
その巨大地震で、数千、数万の建物が倒壊し、半壊していた。
震源地に近い建物ほど被害が酷く、悲惨な状況のようだ。
幸いにして私が住んでいる地域は、地震の震源地からは遠かったらしく
建物の被害は免れ、さして被害と呼べる物は室内の荷物ぐらいである。
室内のタンスや戸棚の物が床に散乱していたが、私はそんな事には目もくれずに
直ぐにPCでネットを開き、被害状況を調べだしたのだが・・・・・愕然となった。
東京の街の所々が壊滅的打撃を受けている。
TV局の取材ヘリからの上空撮影の動画などが、既にネットで拡散されて広がっていたのだ。
特に衝撃的な物が、ネットで直ぐに情報サイトをお気に入りから開くと、そこには最初に投稿された動画が衝撃だったのだ。
動画が撮影されたのは、東京都港区の青山霊園らしく、その近くにある大学から
撮影された動画だったのだが、地震の後に青山霊園の方から音がする事に気が付いた
撮影者が急いで撮影を開始しているのが、動画から窺えていた。
「なんなんだ今の振動は地震なのか?」
「外の被害状況はどうなっているんだ」
手振れが酷かったのだが、開始30秒程で手振れもなくなり、鮮明になっていた動画には、目を疑いたくなる物が映し出されていた。
大学の周りの建物は倒壊しており、それが現実なのかと疑っている様であった。
大学の周りの木造の建物は全て倒壊しており、コンクリートの建物でも古い物は
半壊になっている、撮影者は大学に居たから助かったのだろうと言っていたが、
本当にその通りなのだろう。
余りにも地震の被害が酷すぎるのが動画から伺えてくる。
背の高いマンションやビルが傾いていたり、隣の建物に寄りかかっていたり
したからだ。
そんな状況の中で、二度目の振動が起こって、被災者に追い討ちをかけたのだった。
二度目の振動に恐怖した人々は、直ぐに安全な近くの公園や学校に避難する様子が
撮影されていた。
「公園に・・・公園に避難しないと・・・」
「助けてー誰か助けてー」
「早くこっちに来るんだ」
二度目の地震は一回目の地震より小さかったが、それでも被害を出した建物には
止めを刺された形となっている物もあった。
完全に倒壊したからだ。
三階建ての鉄筋コンクリートの建物は倒壊を免れていたが、高層マンションが
激しい振動で中層からポッキリ折れて、落下などして隣のビルや建物に被害を
出していた。
そして、人々の上に瓦礫が降り注いぎ、瓦礫の下敷になり亡くなる人も
少なくなかったようだ。
それだけの内容の動画だけでも、平和な日本では衝撃的なのに、追い討ちを
かけるかの様な信じられない物が、次の瞬間に目に入ってきていた。
先程まで、墓地だった場所が無くなり、新しくそこにあったモノは・・・
小さな小山にうっそうとした林なのか森なのか、わからないが兎にも角にも
今まで無かったモノが、急に目の前に現れたからだ。
小高い山からは、薄気味悪いガタガタした音がどんどん大きくなり振動も
小さかったが徐々に大きな振動に変わっていた。
何かが動いた為に起こった振動なのか、それとも別の何かが起こっているのか
直ぐにそれは撮影された動画に映し出され、振動と音の正体が解った。
歩くガイコツ達が無数に墓地の跡地から湧き出していたからである。
誰も最初は、歩くガイコツ達の事を理解できなかった。
それもそうであろう、この現代日本でガイコツが歩くなど、誰が信じようか
地震で被災したから頭が錯乱してるのかと、人々はそう思ってもそれは仕方ない
徐々にガイコツ達は被災者の人々に近づいていたが、人々は固まった状態で
動けないでいた。
ガイコツが近づき、しばらくしてから起こる悲鳴、泣き叫ぶ人々の声、阿鼻叫喚
で人々が何を言っているのかも解らないが、助けを求めて逃げ出しているのは
動きで、何となく察した。
撮影者も「何なんだこれ」「信じられない」などを口で連呼するだけで
現実を受け入れないでいる様だった。
そこで、この動画は終わっていた。
動画の撮影時間は大体10分くらいだったが、地震が起きてから10分で
今までの平和な社会が崩壊し、崩れ去ってしまったのだ。
ガイコツが公園に避難していた20~30人を殺し終わるのに1分もかかって
いなかったのも驚愕だが、動画に映し出されたガイコツの量も凄すぎていた。
墓地の跡地方面を見渡して観ても、数など解らない程の量のガイコツで
埋め尽くされており、表現で表すと「あたり一面」と表現するのが正しい
かもしれない。
何回も何回も動画を見直していたら、先程の撮影者から新しい動画が投稿
されていた。
一回目の動画では、部屋の中から撮影されていたが、二回目の動画では
屋上だろうことが窺える、そして公園から大学の敷地内を写している事が
撮影者から伝えられた。
墓地跡から出現したガイコツ達は、最初は何も持ってなかったが、大学の
敷地内に姿を現したガイコツ達の一部には、短刀や斧やナイフを手にした
ガイコツの姿が窺えた。
そのガイコツ達の武器は、最初から持っていた物か、そうでないのかは解らず
今言える事は、武器を持ち歩く危険な何かが撮影者に迫っている、とだけは理解
できた。
構内から聞こえ始めたきた悲鳴や怒号、そんな中で撮影者がカメラを一点に
集中して映し出した。
素手で被災者を殺したガイコツが、急に光だしたかと思ったら、次の瞬間には
何も持っていなかった手に、武器が現れていたからである。
そして繰り返される殺戮、ガイコツ達は殺戮を凄い勢いで進めているが
人々を殺しては、死んだ人間から何か白い靄なような物を吸い取っている。
先程までは、ゆっくりしか歩けなかったのに、今では普通に小走りまで出来る
状況になっている事に驚きを隠せない。
そんな呟きが動画の音声から聴こえてきて間もなく、ガイコツの足音が撮影者に
迫ってくる音が聞こえだしていたのだ。
撮影者は急いで今まで見た状況をカメラに向かい伝えると、動画は終わりを向えた
のだった。
ガイコツは被災者を虐殺して周り、人々を殺すと生気を吸い取り、ガイコツ自身
をレベルアップさせるのではないかと、撮影者は仮説を立てている。
ファンタジー的な話だが、歩くガイコツが人々を襲っている状況を受け入れたのなら
それが現実だとなる。
もしも、人間がガイコツを倒せたならば、人間でもレベルアップが出来るのではないか、そうでないと人類は絶滅しかねないなどの事を撮影者は、動画のなかで仮説をたて皆に伝えたかったのだろう。
撮影者の言っている事が真実ならば、警察や自衛隊や米軍が健在な日本では、直ぐに
この状況は収まるのではないかと、自分の中でも考えを廻らせている。
確か目黒区と世田谷には陸上自衛隊の駐屯地がある、戦闘部隊は居ないが警務隊には
小銃が少ないはずだがあるはずだ。
世田谷の警視庁第三機動隊と連携して戦えば、少しは時間が稼げるし、そうなれば
朝霞駐屯地や練馬駐屯地から援軍が到着するだろう。
だが、この時に私は知らなかったのである、事件が港区だけでない事に・・・
ネットを見始めた時に見た画像を思い出せば、所々の場所が壊滅していたことに・・・思いを廻らせれば、その場所の全てが異界な場所に変わり果てているなど
思いもよらなかったのである。
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