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第15話 パーティー会場は恋の戦場?
しおりを挟むアーンドラー国の軍上層部は、今回の合同軍事演習での
戦果を踏まえて、余りにもアーンドラー国の被害が大き
かった事が、非常に上層部に危機感を与えていたのだ。
それもそうだろう、戦死判定689名!負傷判定230名も
の結果になったのだから!
矢の先や槍の先には、青油の実と言う1度付くと
水洗いしても中々に実の色が、落ちにくい物を
使っていたのだ。
その青油の実で付けられた傷を見ると、アーンドラー国の
兵士の大半は、胸の上部に集中して傷を負っていたのだ。
命中精度もさる事ながら、戦術の見事さも評価されていた。
ルクゼンフルグ国兵の被害は、負傷者だけだった事が、
更に輪をかけて、コンラーディン准将の名を高めていた。
コンラーディン准将の下には、アーンドラー国の軍上層部の
人間達で溢れ返っているのだった。
歩兵部隊の指揮官や騎馬部隊の指揮官など、様々な部隊の指揮官が
コンラーディン准将と話をする為に、准将に殺到していた。
詳しい話になったら、己等がコンラーディン准将の側に呼ばれて
説明を准将の変わりに、アーンドラー国の軍人にしている。
結構話をするだけでも、疲れるものだと実感したのだった。
合同演習終了パーティーも終りに近づいた時に、ある人物が准将に
頼み事をしていたのだ。
その人物とは、アーンドラー国の陸軍大臣と言う肩書きがある人物
だったのだ。
陸軍大臣の名は、アレクサンドル・スコカンと言うらしいのだ!
その陸軍大臣が言うには、是非とも我が国の軍事訓練の指導を
コンラーディン准将の訓練部隊にして貰いたいとの打診だった。
隣国の軍事同盟を結んでいる国の、陸軍大臣からの依頼であったの
だから、コンラーディン准将も無碍にはできないでいた。
コンラーディン准将の下に、ルクゼンフルグ国の陸軍大臣や元帥閣下
などが集まり、政治的な遣り取りが始まりだしたので、己等は此れで
パーティーを退散する事にしたのだ。
エリーヌとニネットはと言うと.....両国の高級軍人達に、言い寄られて
あしらっている最中であった。
エリーヌは嫌々とした感じで話をしていたが、ニネットと言うとだ....
玉の輿でも狙っているのか、目が鋭かった....まるで狩りをする獣の目
になっているのだ。
こんな場所で、婚活 をしないで貰いたいものだ!
これだから、行き遅れはだな.....ガツガツして困るのだ!
ニネットが結婚したら、エリーヌはどうするんだ?
旦那と一緒に、エリーヌと逃亡生活でもするとでも言うのか?
そんな馬鹿な!まさか.....ありえんな!
いや.....二ネットが結婚すると、結婚した二ネットの屋敷にエリーヌ
と己等は居候できる、何故ならば主従関係のエリーヌと二ネットの
関係だからだ!
己等はエリーヌの保護者でもあるから、当然と言う事で居候をする!
完璧ではないか!
これで家無しエリーヌが、家あり「居候」になるのだから素晴らしい
事ではないか、是非とも今回の計画を進めて欲しいものだ。
己等には、美味しい食事を毎日3回出す事を許してやろうではないか。
ドックフードなど無いから、高級な食事で勘弁してあげよう。
そこのイケメン軍人、早くニネットをお持ち帰りするんだ。
既成事実を作ってしまえ!
己等とエリーヌは許すぞ!
この事をエリーヌに言うと、エリーヌも納得してくれたようだ。
エリーヌも、豪華な食事を毎日3回出すようにと言っている。
エリーヌは良い所のお嬢様だからな、庶民の料理は口に合わない
と日頃から言っていたが、己等が贅沢は敵だ馬鹿者!
と言って殴っていたら、食べる様になってきたのだ。
まぁ~庶民の料理でも高級な料理でも、どっちも食べられる様に
しとけば、いざと言う時に困りはしないから便利ではある!
「エリーヌ!エリーヌ!ちょっと来い!」
「何よ?どうしたのよ?」
「あれ見ろ!あいつって准将の部隊の下っ端じゃないか?」
「誰よ.....あっ.....弟3斥候小隊の指揮官じゃない?確か階級は少尉よ!」
「ちょっと待て!そうなると貧乏貴族様ではないのか?」
「解んないわよ?もしかしたら、大貴族の次男坊か三男坊かも知れないわよ?」
「貧乏貴族だったら.....どうするよ?」
「そんなの決まってるじゃない!邪魔するわよ」
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