己等は犬の冒険者

和蔵(わくら)

文字の大きさ
上 下
1 / 15

はじまり

しおりを挟む

己等おいらは冒険探索犬の葉月だ!

己等の犬種は秋田犬!ご主人様と世界中を飛び回り
冒険の旅をしてる途中に、不幸な事故に会ってしまた。
そのまま、あの世行きと思っていたのだが、どうも
違うようである。何故ならば.....己等は.....


......................................................



{とある国のとある洞窟の中}

まずは、己等のご主人様の紹介をしようか!

己等のご主人様は、とある有名な探検家なのである。
有名大学のお偉い学者でもあった、ご主人様とは何度も
世界中を探検の旅を一緒に行っていた仲である!

今回も、また中南米の古代遺跡の、探索を行なっていたのである!
その遺跡は、アメリカって国の考古学者が、発掘し尽した場所でも
あったなのに、ご主人様は此処に来たのである。

何も発見する物等ないだろうに、また何で此処に来たのかが己等には
さっぱり解らなかった。己等は犬なのだから解らなくても良いのだ!
ご主人様と一緒に居られるなら、何処にでも着いて行くだけである。

探索の準備が出来たのであろう、探索隊のメンバー達が、洞窟の中に
続々と入っていったのである。洞窟の中は探索された洞窟だったので
比較的に綺麗にされていた、己等は埃臭くなくて助かる!

そうして、辿り着いた最下層の部屋で、事件は起こったのである!
隠し部屋を発見した、ご主人様達は喜んで居たのも束の間だった。
直ぐに喜びの顔が、恐怖の顔に変わったのである!

現地ガイドのシモンが、共産ゲリラを連れて登場したからである!
共産ゲリラは、ご主人様達を皆殺しにした挙句に、己等にも銃を
向けて発砲したのである。

己等も殺られまいと、必死の抵抗をしたのだが.....善戦虚しく.....
撃たれて薄れ行く意識の中で、あいつ等の遣った事を記憶に焼き付けた
この恨みは、忘れない.....殺してやる!

それが、己等が覚えている最後の記憶であった!


......................................................


{白い空間にて}

“葉月!葉月よ!”

己等の名前を呼ぶ声が聞こえて来る.....ご主人様?声が違うし
ご主人様の匂いもしない.....誰だ?まさか.....アイツ等なのか?
殺ころしてやる!ご主人様の仇を取ってやる!

“葉月よ!目を覚ませ!”

声のする方向は解った!後は奴が己等の側まで来たら、奴の喉仏に
己等の牙を食い込ませてやる!覚悟するがいいわ!

“目が覚めているのであろう!此方を見よ!”

そうだ、そのまま己等の側に、もっと近づけ!そうしたら殺してやる!
己等は怒りで、怒りの呻き声を出さないように、気をつけながら復讐の
時を待っていたのだ。

“儂は狗神と言うものじゃ!此方を向け葉月!”

狗神ってなんだ?神と付くから神様の事だろうか?本当に神様なのか?
妖しい.....やっぱり殺そう!さぁ~己等の側に来るが良いわ!

“面倒な奴じゃわい!てぇ~い!”

{ドッカ~!}

ゴッホ!ゴッホ!コイツはやはり敵だ!殺るしかない!
殺らないと、また殺られてしまう!こうなれば.....飛び掛る!


{ガルゥ~~~ルルゥゥ!}

“狗神の儂に牙を剝くか!この戯けめが!”

{キャィ~~~ン}


コイツ強いぞ!何者だ?本当に神様なのか?
信じられない!顔を良く拝んでやるわ!

...............

体は人の体が、顔は犬の顔だった!化け物じゃないか!?
己等を食べる気なのか?己等は美味しくないぞ?
何が目的だ!?

“儂はな、不幸な犬を天国に送る仕事をしている神じゃ!”

不幸な犬だと?己等はご主人様から愛されていた!
決して虐待何って受けてないし!幸せだった。

“そうではない!御主とご主人の関係には問題は無い!”

ならば、何が問題なんだよ?

“御主が死んだ時の状況が問題なのじゃ!”

己等が死んだ時の状況.....あっ!

“思い出したか?御主は恨みを抱いて死んだからじゃ!”

そうだった.....もう忘れていた.....

“恨みを抱いたままでは、人に害をなす物にしか生らぬから困るのじゃ!”

そうなのか?

“そうなのじゃ!だから御主を此のまま天国に送る訳にはイカン!”

己等は、どうなるんだ?

“そこでだ、儂も鬼ではない!御主にチャンスをあげようではないか!”

チャンスとは?

“違う世界で恨みを消してから、成仏をしてくれたら良いだけじゃ!”

それは詰り、普通に生きて、普通に死ねと言ってるのか?

“詰りは、そう言うことじゃな!”

どんな世界に行けば良い?

“剣と魔法の世界とかは、どうじゃろうか?魔法とか好きか?”

魔法なんって知らないし!好きでもない!

“ならば、剣と魔法の世界で決定な?異論は認めない!”

己等は、好きでもないって言ったのに?

“黙りなさい!儂は狗神じゃ!狗の中で一番偉いのじゃ!”

偉い犬ならば、己等の意見も聞いてよ!

“犬1匹1匹の意見を聞いてたら、時間が幾らあっても足りないわ!”

ならば、最初から己等に聞くなよ!

“ま~儂の我が儘であるから、1つだけ良い物を御主に遣ろうではないか!”

どうせ~禄でも無い物でしょ?

“要らないのなら別にあげないよ?人の姿になれる種族になれたのに?”

な....なんですと!?神様....それ欲しいです!

“最初から素直に、そう言えば良かったのじゃ!”

すいません.....

“クー・シーは、その姿になれば強いが!満月の夜は無敵になれる種族じゃ!”

無敵?

“そうじゃ無敵じゃ!どんな敵にも負けやせぬ!......多分な”

凄いよ!己等が無敵になれるんだ!

“その力で悪さなどをするでないぞ?”

アイツを殺ってやる!

“おい!そこの馬鹿犬!儂の話をちゃんと聞け!”

んっ?殺りまくる為の能力だろう?

“御主を殺した奴は、もう居ないのだ!殺る必要は無い!”

そうなのか?ならば己等は、何をすれば良いのだ?

“面倒くさいの.....達者でな~!......それ!”

{ガッコン}

えっ!?..........えぇ――――

“次の仕事はっと.....おぉ~美人の雌犬かぁ~儂はり切って仕事しちゃうぞ!”
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)
ファンタジー
戦国の時代、摂津と堺の国境に鍛冶師達が住んでいたのだ。 「来一族」の鍛冶師であり一族の直系の1人、来好成は現一族党首の次男坊だった。 刀鍛冶・鉄砲鍛冶と学び一人前の腕を有していた。そんな来好成は、織田家の本願寺攻めの 最中に消息を絶つのだった!そうして気が付くと、そこは見た事も無い不思議な世界であった。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【書籍化進行中、完結】私だけが知らない

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...