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第120話 ヤーコブの不満と銃の講義
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俺を呼び止めた衛兵は、白の団で副団長エルナ分隊に所属
している衛兵であった。此の者は副分隊長であるアンット
の部下で、アンットを治療している時に、アンットが暴れ
ない様に体を押さえていて貰っていたのだった。
「まさか、貴方様がこの様な場所に居るとは思ってもなか
ったです。宜しければ此処に居る理由を訊かせては貰えな
いでしょうか?」
アンットの部下から、何故俺が此の場所に居るかと問われ
たので、俺は正直に答えたのだった。
「なるほど!貴方が此処に居た理由は解りました!ですが
無理をされては駄目です!この様な場合は、直ぐに町に居
る衛兵に通報して下さい」
俺は、衛兵さんに叱られてしまったが、終わり良ければ全
て良しである。結果的に回復治療士のイルマも無事に救出
できたし、怪我人はイルマの旦那である医者のアウリスだ
けで済んだのだからだ。アウリスの怪我も軽い打撲だけだ
ったので、大した怪我ではなかったのだがな!
俺は、衛兵さんに怒られた後に、お咎め無しと判断されて
その場からは開放されたのだった。
イルマとアウリスが、嬉しそうに抱き合って喜んでいる所で
悪いのだが、俺は用件だけでも2人に伝えなければならなか
ったので、2人の近くに行き咳払いをしてから、2人に話掛
けたのだ。
「私達に協力して欲しいと言う事ですが、それは勿論、医者
と回復治療士としての力を借りたいのですね?」
俺は、アウリスの問いに答えて頷いたのだった。
「それで、怪我人は何処に居るのですか?それと何人くらい
の人が怪我をされているのですか?」
2人は、ベールプコヴァールト村と言う村を知っていますか?
その村は、魔獣に襲われて村は壊滅し、多くの村人は魔獣に殺
れてしまったのです。ですが、村の生き残りの者は近くにある
ケット・シー族の村を頼って逃げ延びたのですが、魔獣どもは
そのケット・シー族の村も襲い、また多くの者達が犠牲になっ
てしまいました。今回はその犠牲者の遺骸の回収とケット・シ
ー族の残してくれた遺産を回収する為にベールプコヴァールト
村とケット・シーの村に向かいます。
「ちょっと待って下さい!そんな危険な場所に、私や妻を向か
わせても何も出来ないまま殺されてしまいます!私達は戦いな
ど出来ないのですから!」
それは解ってます。ですからベールプコヴァールト村に拠点を
設営しますので、2人には村の拠点で、怪我をした者達を治療
して欲しいのです!
ベールプコヴァールト村は、生き残りの村人や傭兵団の一部が
守りを固めるので、魔獣と言えどおいそれとは襲って来れない
戦力を残して、俺はケット・シー族の村に向かいます。それと
2人にも、万が一に備えて戦える方法を教えます。
「戦うって、私達は剣など持った事もないですよ!」
剣で戦えと言ってる訳ではありません!俺に付いて来て貰えれば
どの様な方法で戦うかを御見せします。
《はぁ?》
2人は、訳が解らずに俺の言われたまま、俺に付いて来ていたのだ
そして、黒猫屋の裏にある試射場で練習に励む者達を見せたのだっ
た。
「この人達は何をしているのですか?凄い音と衝撃が伝わってきま
すが、私達にはさっぱり理解できないのですが」
俺は近くに居たヤーコブを呼び止めて、2人にシーランド銃の講義
をする様に頼んだのであった。
「好成さん!ボクを扱き使うのをいい加減に止めて貰えませんか?
ボクが頼まれたら断れないと知ってて、無理難題を押し付けている
でしょう?」
ヤーコブが俺を見つけると、直ぐに文句を言ってきたのだが、それは
講義とは別の話であった。シーランド銃の生産を手伝わせて居るのだ
が、ヤーコブは手先が器用なので、俺の仕事を手伝わせているのだ。
その事で俺に文句を言ってきただけであったのだ。
俺はヤーコブに謝ると、ヤーコブにアウリスとイルマの夫妻を紹介し
たのだった。
「ボクは、ハルネフェルド村の村長の息子でヤーコブと言います!
そこに居る好成さんの手伝いをする為に、此処に居ますが、此の人
は人使いが荒いので、気を付けて下さいね!」
ヤーコブは最近、口が悪くなった気がするのだが気のせいだろうか?
始めて会った時は、何でも言う事を訊いてくれていたのに、最近では
頼みごとをすると文句を言われてしまうのだ。
俺はヤーコブに無理難題など頼んだ事はないのだが、ヤーコブは最初
から無理とか出来ないなどと言って逃げるので、俺は根気良く、彼に
色々な事を教えただけなのだが、彼はその事を良く思ってはくれなか
ったのだろうな?
「ほら、なんな風に考え事をしている時は、好成さんが悪い事を考えて
いる最中なんです!そんな時は決して近くに行かないようにして下さい
ね!無理難題を頼まれますよ」
ヤーコブよ......聞えているからね!
「それでは、シーランド銃の取り扱い説明を開始しましょう!」
「シーランド銃とは武器なんでしょうか?」
「魔法武器です!ですので、怪我をしない様に確りと説明を訊いていて
下さい。それと武器の取り扱いは、くれぐれも慎重にお願いします」
ヤーコブは、俺に聞えてるとしるや、急いで2人に講義を始めだしたのだ
った。それを見届けると俺は、その場をヤーコブに任せて違う場所に向か
ったのだった。
している衛兵であった。此の者は副分隊長であるアンット
の部下で、アンットを治療している時に、アンットが暴れ
ない様に体を押さえていて貰っていたのだった。
「まさか、貴方様がこの様な場所に居るとは思ってもなか
ったです。宜しければ此処に居る理由を訊かせては貰えな
いでしょうか?」
アンットの部下から、何故俺が此の場所に居るかと問われ
たので、俺は正直に答えたのだった。
「なるほど!貴方が此処に居た理由は解りました!ですが
無理をされては駄目です!この様な場合は、直ぐに町に居
る衛兵に通報して下さい」
俺は、衛兵さんに叱られてしまったが、終わり良ければ全
て良しである。結果的に回復治療士のイルマも無事に救出
できたし、怪我人はイルマの旦那である医者のアウリスだ
けで済んだのだからだ。アウリスの怪我も軽い打撲だけだ
ったので、大した怪我ではなかったのだがな!
俺は、衛兵さんに怒られた後に、お咎め無しと判断されて
その場からは開放されたのだった。
イルマとアウリスが、嬉しそうに抱き合って喜んでいる所で
悪いのだが、俺は用件だけでも2人に伝えなければならなか
ったので、2人の近くに行き咳払いをしてから、2人に話掛
けたのだ。
「私達に協力して欲しいと言う事ですが、それは勿論、医者
と回復治療士としての力を借りたいのですね?」
俺は、アウリスの問いに答えて頷いたのだった。
「それで、怪我人は何処に居るのですか?それと何人くらい
の人が怪我をされているのですか?」
2人は、ベールプコヴァールト村と言う村を知っていますか?
その村は、魔獣に襲われて村は壊滅し、多くの村人は魔獣に殺
れてしまったのです。ですが、村の生き残りの者は近くにある
ケット・シー族の村を頼って逃げ延びたのですが、魔獣どもは
そのケット・シー族の村も襲い、また多くの者達が犠牲になっ
てしまいました。今回はその犠牲者の遺骸の回収とケット・シ
ー族の残してくれた遺産を回収する為にベールプコヴァールト
村とケット・シーの村に向かいます。
「ちょっと待って下さい!そんな危険な場所に、私や妻を向か
わせても何も出来ないまま殺されてしまいます!私達は戦いな
ど出来ないのですから!」
それは解ってます。ですからベールプコヴァールト村に拠点を
設営しますので、2人には村の拠点で、怪我をした者達を治療
して欲しいのです!
ベールプコヴァールト村は、生き残りの村人や傭兵団の一部が
守りを固めるので、魔獣と言えどおいそれとは襲って来れない
戦力を残して、俺はケット・シー族の村に向かいます。それと
2人にも、万が一に備えて戦える方法を教えます。
「戦うって、私達は剣など持った事もないですよ!」
剣で戦えと言ってる訳ではありません!俺に付いて来て貰えれば
どの様な方法で戦うかを御見せします。
《はぁ?》
2人は、訳が解らずに俺の言われたまま、俺に付いて来ていたのだ
そして、黒猫屋の裏にある試射場で練習に励む者達を見せたのだっ
た。
「この人達は何をしているのですか?凄い音と衝撃が伝わってきま
すが、私達にはさっぱり理解できないのですが」
俺は近くに居たヤーコブを呼び止めて、2人にシーランド銃の講義
をする様に頼んだのであった。
「好成さん!ボクを扱き使うのをいい加減に止めて貰えませんか?
ボクが頼まれたら断れないと知ってて、無理難題を押し付けている
でしょう?」
ヤーコブが俺を見つけると、直ぐに文句を言ってきたのだが、それは
講義とは別の話であった。シーランド銃の生産を手伝わせて居るのだ
が、ヤーコブは手先が器用なので、俺の仕事を手伝わせているのだ。
その事で俺に文句を言ってきただけであったのだ。
俺はヤーコブに謝ると、ヤーコブにアウリスとイルマの夫妻を紹介し
たのだった。
「ボクは、ハルネフェルド村の村長の息子でヤーコブと言います!
そこに居る好成さんの手伝いをする為に、此処に居ますが、此の人
は人使いが荒いので、気を付けて下さいね!」
ヤーコブは最近、口が悪くなった気がするのだが気のせいだろうか?
始めて会った時は、何でも言う事を訊いてくれていたのに、最近では
頼みごとをすると文句を言われてしまうのだ。
俺はヤーコブに無理難題など頼んだ事はないのだが、ヤーコブは最初
から無理とか出来ないなどと言って逃げるので、俺は根気良く、彼に
色々な事を教えただけなのだが、彼はその事を良く思ってはくれなか
ったのだろうな?
「ほら、なんな風に考え事をしている時は、好成さんが悪い事を考えて
いる最中なんです!そんな時は決して近くに行かないようにして下さい
ね!無理難題を頼まれますよ」
ヤーコブよ......聞えているからね!
「それでは、シーランド銃の取り扱い説明を開始しましょう!」
「シーランド銃とは武器なんでしょうか?」
「魔法武器です!ですので、怪我をしない様に確りと説明を訊いていて
下さい。それと武器の取り扱いは、くれぐれも慎重にお願いします」
ヤーコブは、俺に聞えてるとしるや、急いで2人に講義を始めだしたのだ
った。それを見届けると俺は、その場をヤーコブに任せて違う場所に向か
ったのだった。
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