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第107話 姑の悪知恵と王弟殿下
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辺境伯の考えた策略は、妻のルートによって全てが明るみになった。
だが、知っている者はルートだけでもあるのだ。その他に知る者は
格騎士団のトップを勤める者達だけであった。
「ルートよ、そちが頭が良いのは知っていたが、まさか此処までの
儂の企みを全て言い当てるとは、思っても見なかったぞ!」
「うっふふふ!旦那様は隠している様でしたけど、顔は何やら悪い
顔をしている事には、気が付いて居られなかった様ですね?」
「えっ.....儂は、そんなに悪い顔をしていたのか?」
「はい、旦那様は悪い人では無いのですけど、悪巧みを考えて居る
時は、凄く悪い顔になりますわ!」
「こっ......今度から顔の表情にも気を付けるとするかの!」
「はい!それが宜しゅう御座います」
ルートは、辺境伯に娘の嫁ぎ先を聞いたのだが、辺境伯は困った顔
をしながら、渋々と答えたのであった。
「やはり、そんな事を考えて居たのですね!私が思った通りですわ!
でも、エーヴァとダニエルが、そんな事になっている何って!私とし
ては想定外ですね!2人は本当に好き合って居るのですよね?」
「儂も部下からの報告でしか知らないのだが、どうやら本当の事だそ
うだ!これは願っても無い事である!」
「旦那様、娘の結婚を政略に利用するなど、親として駄目ですわ!
もっと娘の幸せを考えてから、行動して下さいませ!」
「うむ......解っておる!儂とてエーヴァが幸せになる事は嬉しいのだ
それに相手は、ルートの兄であるオレークの息子なのだし、嬉しくな
い訳がない!インガ義母様も喜ばれよう!」
「お母様は、どちらも孫ですからね!内孫か外孫かの違いでしか無
いのです!きっと嬉しいに違いありませんわ!」
「うむ!そうじゃな」
「旦那様、問題は次女のラウラと王弟殿下です!もしも私が結婚の
準備を進めても良いのならば、私が全て取り仕切りラウラと王弟殿下
の結婚式を取り計らいます」
「王弟殿下とラウラの結婚を部下のヘレナに頼んだのだが、ヘレナが
シーランド本島の奥地に遠征に行くから、ルートに王弟殿下とラウラ
結婚の準備を頼んでも良いかも知れぬな!」
「流石は旦那様です!英断ですよ。そうと決まれば、直ぐにラウラと
王弟殿下を引き合わせて、お見合いをしましょう!形としては食事会
と言う形ですが、実質はお見合いです!その場で、王弟殿下には少し
趣向を凝らした宴を容易して、楽しんで貰いましょう!」
「えっ!?ルートよ.....宴とは、どんな宴なのかな?」
「それは、今は言えませんわ!ラウラの魅力を存分に王弟殿下に堪能
して貰える宴とでも、申し上げときますわ!」
「じゃがな!今は戦時じゃ!部下達が命がけで戦っておるのじゃ!
派手な宴は止めて欲しいのじゃ!」
「そう言う事ならば、仕方ありませんね!質素な宴になりますが、
王弟殿下も喜ばれる宴を考えるしかありませんね!」
こうして、王弟殿下と辺境伯の次女のラウラとの結婚に向けての
準備が始まったのだった。
ラウラ姫は、歳は13歳と若いが姉のエーヴァに良く似ていて利発で
活発であるが、勉学にも明るく将来は、学者などにもなれると期待
されている程であった。
王弟殿下は、歳は14歳と若いが、現国王の末の弟君で在らせられる!
末の弟君と言う事で、有力な貴族の後ろ盾も無いまま育ち、後ろ盾が
付いたと思えば、成り上がり者の元帝国貴族の男爵であったのだが、
それも、今では無いに等しいのだ。
そんな王弟殿下の新しい後ろ盾と成るべく、名乗りを上げたのが、
王国屈指の名家であるシーランド家であった!爵位も辺境伯を賜る
程に高く、後ろ盾としては申し分がなかったのだ。もしも王弟殿下
が、国王の座を狙おう者ならば、一波乱が起きるが王弟殿下は国王
の座に座る事も可能なのだ。
王弟殿下としても、願っても無い事であったのだが、問題は婚姻が
出来るかどうかなのだ。王弟殿下が婚姻を嫌がれば全てが台無しで
あり、此れから先の予定が全て未定にも成りかねないのだ。
王弟殿下は、シーランド本島に遣って来た際に、領主である辺境伯
の屋敷に泊まる様に取り計らったのが幸いしていた。もしも、あの
貴族と一緒に町にある宿屋に泊まっていたならば、王弟殿下を盾に
しながら、あの貴族は逃げたに違いなかったからだ!
コンコン!!!
「誰か?」
「王弟殿下、ルートで御座います!部屋に入っても宜しいでしょうか?」
「うむ!入って良いぞ」
そう王弟殿下が言うと、ルートは王弟殿下が泊まっている部屋へと入った
のだ。ルートの他にも1人ルートと一緒に部屋に入った者が居たのだが、
王弟殿下は、その事には気にも留める事はなかったのだが、ルートに目を
遣ると自然に、もう1人の人物に目が行ってしまったのだ。
「きょ......今日はどうしたのだ辺境伯夫人!夫人、その後ろに控えている娘
は一体だれなのか?」
「はっ!王弟殿下の身の回りの世話をさせようと思い、我が娘であるラウラ
を殿下のお傍に置きたく連れて参りました」
「そちの娘とな!何と美しい娘なのだ」
ルートは辺境伯の注意を気にして、宴を取り止めたのだった。そして考え付
いた策が、娘を王弟殿下の傍らに置く事で、娘のラウラを王弟殿下に気に入っ
て貰おうとしたのだった。
ベタベタな作戦であったが、以外にもハニートラップは若い王弟殿下には、
打って付けの罠であった様である!
「王弟殿下、もしも宜しければ娘のラウラとお食事を一緒に食べませんか?」
「うっ.....うむ!夫人とラウラ嬢と食事をしようか......」
だが、知っている者はルートだけでもあるのだ。その他に知る者は
格騎士団のトップを勤める者達だけであった。
「ルートよ、そちが頭が良いのは知っていたが、まさか此処までの
儂の企みを全て言い当てるとは、思っても見なかったぞ!」
「うっふふふ!旦那様は隠している様でしたけど、顔は何やら悪い
顔をしている事には、気が付いて居られなかった様ですね?」
「えっ.....儂は、そんなに悪い顔をしていたのか?」
「はい、旦那様は悪い人では無いのですけど、悪巧みを考えて居る
時は、凄く悪い顔になりますわ!」
「こっ......今度から顔の表情にも気を付けるとするかの!」
「はい!それが宜しゅう御座います」
ルートは、辺境伯に娘の嫁ぎ先を聞いたのだが、辺境伯は困った顔
をしながら、渋々と答えたのであった。
「やはり、そんな事を考えて居たのですね!私が思った通りですわ!
でも、エーヴァとダニエルが、そんな事になっている何って!私とし
ては想定外ですね!2人は本当に好き合って居るのですよね?」
「儂も部下からの報告でしか知らないのだが、どうやら本当の事だそ
うだ!これは願っても無い事である!」
「旦那様、娘の結婚を政略に利用するなど、親として駄目ですわ!
もっと娘の幸せを考えてから、行動して下さいませ!」
「うむ......解っておる!儂とてエーヴァが幸せになる事は嬉しいのだ
それに相手は、ルートの兄であるオレークの息子なのだし、嬉しくな
い訳がない!インガ義母様も喜ばれよう!」
「お母様は、どちらも孫ですからね!内孫か外孫かの違いでしか無
いのです!きっと嬉しいに違いありませんわ!」
「うむ!そうじゃな」
「旦那様、問題は次女のラウラと王弟殿下です!もしも私が結婚の
準備を進めても良いのならば、私が全て取り仕切りラウラと王弟殿下
の結婚式を取り計らいます」
「王弟殿下とラウラの結婚を部下のヘレナに頼んだのだが、ヘレナが
シーランド本島の奥地に遠征に行くから、ルートに王弟殿下とラウラ
結婚の準備を頼んでも良いかも知れぬな!」
「流石は旦那様です!英断ですよ。そうと決まれば、直ぐにラウラと
王弟殿下を引き合わせて、お見合いをしましょう!形としては食事会
と言う形ですが、実質はお見合いです!その場で、王弟殿下には少し
趣向を凝らした宴を容易して、楽しんで貰いましょう!」
「えっ!?ルートよ.....宴とは、どんな宴なのかな?」
「それは、今は言えませんわ!ラウラの魅力を存分に王弟殿下に堪能
して貰える宴とでも、申し上げときますわ!」
「じゃがな!今は戦時じゃ!部下達が命がけで戦っておるのじゃ!
派手な宴は止めて欲しいのじゃ!」
「そう言う事ならば、仕方ありませんね!質素な宴になりますが、
王弟殿下も喜ばれる宴を考えるしかありませんね!」
こうして、王弟殿下と辺境伯の次女のラウラとの結婚に向けての
準備が始まったのだった。
ラウラ姫は、歳は13歳と若いが姉のエーヴァに良く似ていて利発で
活発であるが、勉学にも明るく将来は、学者などにもなれると期待
されている程であった。
王弟殿下は、歳は14歳と若いが、現国王の末の弟君で在らせられる!
末の弟君と言う事で、有力な貴族の後ろ盾も無いまま育ち、後ろ盾が
付いたと思えば、成り上がり者の元帝国貴族の男爵であったのだが、
それも、今では無いに等しいのだ。
そんな王弟殿下の新しい後ろ盾と成るべく、名乗りを上げたのが、
王国屈指の名家であるシーランド家であった!爵位も辺境伯を賜る
程に高く、後ろ盾としては申し分がなかったのだ。もしも王弟殿下
が、国王の座を狙おう者ならば、一波乱が起きるが王弟殿下は国王
の座に座る事も可能なのだ。
王弟殿下としても、願っても無い事であったのだが、問題は婚姻が
出来るかどうかなのだ。王弟殿下が婚姻を嫌がれば全てが台無しで
あり、此れから先の予定が全て未定にも成りかねないのだ。
王弟殿下は、シーランド本島に遣って来た際に、領主である辺境伯
の屋敷に泊まる様に取り計らったのが幸いしていた。もしも、あの
貴族と一緒に町にある宿屋に泊まっていたならば、王弟殿下を盾に
しながら、あの貴族は逃げたに違いなかったからだ!
コンコン!!!
「誰か?」
「王弟殿下、ルートで御座います!部屋に入っても宜しいでしょうか?」
「うむ!入って良いぞ」
そう王弟殿下が言うと、ルートは王弟殿下が泊まっている部屋へと入った
のだ。ルートの他にも1人ルートと一緒に部屋に入った者が居たのだが、
王弟殿下は、その事には気にも留める事はなかったのだが、ルートに目を
遣ると自然に、もう1人の人物に目が行ってしまったのだ。
「きょ......今日はどうしたのだ辺境伯夫人!夫人、その後ろに控えている娘
は一体だれなのか?」
「はっ!王弟殿下の身の回りの世話をさせようと思い、我が娘であるラウラ
を殿下のお傍に置きたく連れて参りました」
「そちの娘とな!何と美しい娘なのだ」
ルートは辺境伯の注意を気にして、宴を取り止めたのだった。そして考え付
いた策が、娘を王弟殿下の傍らに置く事で、娘のラウラを王弟殿下に気に入っ
て貰おうとしたのだった。
ベタベタな作戦であったが、以外にもハニートラップは若い王弟殿下には、
打って付けの罠であった様である!
「王弟殿下、もしも宜しければ娘のラウラとお食事を一緒に食べませんか?」
「うっ.....うむ!夫人とラウラ嬢と食事をしようか......」
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