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第102話 強敵と恩返し
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「おい、新入り!良く遣ったな!敵の将校らしき人物を仕留めた
とたんに、敵が一斉に引いて行きやがったぜぇ!」
「ふん、俺は俺の仕事をしただけに過ぎない!褒められる様な事
をした覚えもない」
新入りと呼ばれている傭兵団員は、使役している使い魔の魔獣を
下がらせると、不遜な態度を取りながら魔獣に跨っていたのだ。
使い魔にしていた魔獣は、アンピプテラと言う魔獣であった。
アンピプテラと言う魔獣は、見た目は大型犬にドラゴンの翼が
生えた状態で、前足の爪はクマの爪を数倍大きくした形状であ
ったのだ。良くキメラと勘違いされるが、キメラより上位種に
あたる種族で、攻撃力もキメラより数段上である。
そんなアンピプテラの攻撃を受けた、白の団の副団長・エルナ
は瀕死の状態であった。下手をすれば、そのまま死んでしまう
可能性もあるのだ。
エルナの部下の判断は、的確であったのが幸いしたから、エルナ
は戦場から離脱が出来たのだ!でも、逃げる最中に敵の矢が降り
注いだせいで、多くの白の団の団員が負傷する形となってしまっ
たのだ。
重装備の騎士が撤退する際に、後方で殿を務めたおかげで、死者
が出ずに済んだのだが、敵が使用した武器が悪かったのだ。
その武器とは、重クロスボウである!通常の倍の大きさを誇る物
で、通常のクロスボウより貫通力が高く、重プレートアーマーを
難なく貫く代物であった。
騎士達は、撤退する際に盾を背に背負って居たのが、即死に繋が
らなかった理由である。もしも背に盾を背負ってなければ、その
まま矢は、騎士たちの鎧を突き破り、多くの騎士達が命を落とし
た事だろう!
だが、即死はしなかっただけで、怪我の程度は酷い物であった。
騎士の中には、腰に矢が刺さり回復の見込みも立たない程の者も
居たのだ。傷が回復したとしても、また歩けるかどうかは、不明
である......
だが......
彼等は副団長のエルナを救いたいと言う一身で、窮地に陥った状態
からでも、エルナを無事に町に戻す事に成功したのだった。
町に戻った彼等は、直ぐに団長であるアイリに報告をすると、アイリ
は信じられないと言う顔をしていたのだ。それもそのはず、無理をす
るはずが無いと信じて送り出したエルナが、瀕死の状態で帰ってくれ
ば、誰しもが信じられないと思うだろう!
エルナの部下達も、悉く傷を負って居たのだ。だが彼等は、上司である
エルナの心配しかしておらず。重傷者も自分の足で救護所に歩いて向か
ったのである。
エルナは部下からの信頼が、とっても厚かった事が良く解る出来事で
あったのだ!
「団長、大変です!医者と回復術士の数が足りません!回復術士は
数人足りないだけですが、怪我の治療が出来る医者が、全然足りな
いのです!」
「なっ.....なんだと!」
アイリは直ぐに考え始めていた。魔物や魔獣と良く戦う者達の組合に
助けを求める様に、部下に命じ、直ぐに向かわせたのである。
そんな最中に、鍛冶屋の黒猫屋で仕事をしていた。来好成と芳乃に
静に秋は、朝から騒ぎが収まらない事に胸騒ぎを覚えていたのだ。
芳乃・静・秋!この音は斬り合う音だ。外に出ると騒ぎに巻き込まれ
てしまう。だから決して外には出るな!オレークさん達にも伝えてお
くとしよう!
好成は、そう言うと直ぐにオレークの家族やヤーコブ等に、外の騒ぎ
が、斬り合いである事を伝えたのだった。
「そうか、斬り合いが始まってしまったのか、此処は安全そうだし
騒ぎが収まるまで、外に出なければ怪我もしないだろう」
オレークは、事の次第を悟っていた。数日前に父の仇である貴族達が
大陸から来た貴族に、殺されたと報告を受けていたのだが、オレーク
には、それが真実ではないと解っていたのだ。辺境伯が約束どおりに
ケジメを取ってくれた事に、オレークは感謝をしていた。
そして!
外での斬り合いも収まり、辺りが静かになった時である。騎士姿の者達
が血相を変えて走って回っていたのだ。
「頼む!誰か怪我の治療が出来る者は居ないか!我らは辺境伯様の兵で
ある。助けてくれ!頼む!」
「好成、何処に行こうと言うんだ?」
オレークさん!俺は戦で戦った経験があるんだ。そんな経験があるから
怪我の治療も少しは出来る。辺境伯様ってのは領主様の事だよな?それ
ならば、此処の領主様には世話になっているんだ。こんな困ってる時に
助け合わないで、何時助けると言うんだ!
そう言うと好成は、黒猫屋を飛び出すと直ぐに、走り回っていた騎士に
駆け寄って事情を説明したのであった。
「それは有難い!救護所は、この先の教会に設置されている!急いで
向かって欲しい!辺境伯様の兵が傷付き苦しんでいるんだ」
騎士は、それだけ言うと港の方に走りながら、怪我人を治療できる人物
を探し回っていたのだ。
好成は、大声で芳乃・静・秋を呼ぶと、直ぐに教会に向かったのだった!
「静ちゃんと秋ちゃんは、怪我の治療をした事はあるの?私は父から教わ
って居るから、刀傷でも治療はできるわ」
「秋は、刀傷等の治療はした事がないですが、私は僧兵達の怪我の治療を
してました。芳乃様は、何でも出来る凄い方ですね!」
「静ちゃん!私だって怪我の治療の手伝い位は、した事があるんだから!」
好成達は、急いで教会に向かって駆け出したのだった。
「旦那様、旦那様!急いで居るなら己等達に乗って下さい!」
後方から走って来たのは、シーランドリス族ニーロと、その家族であった。
彼等も、また騒ぎが収まった事で、外に出歩く事が出来たのだ!
とたんに、敵が一斉に引いて行きやがったぜぇ!」
「ふん、俺は俺の仕事をしただけに過ぎない!褒められる様な事
をした覚えもない」
新入りと呼ばれている傭兵団員は、使役している使い魔の魔獣を
下がらせると、不遜な態度を取りながら魔獣に跨っていたのだ。
使い魔にしていた魔獣は、アンピプテラと言う魔獣であった。
アンピプテラと言う魔獣は、見た目は大型犬にドラゴンの翼が
生えた状態で、前足の爪はクマの爪を数倍大きくした形状であ
ったのだ。良くキメラと勘違いされるが、キメラより上位種に
あたる種族で、攻撃力もキメラより数段上である。
そんなアンピプテラの攻撃を受けた、白の団の副団長・エルナ
は瀕死の状態であった。下手をすれば、そのまま死んでしまう
可能性もあるのだ。
エルナの部下の判断は、的確であったのが幸いしたから、エルナ
は戦場から離脱が出来たのだ!でも、逃げる最中に敵の矢が降り
注いだせいで、多くの白の団の団員が負傷する形となってしまっ
たのだ。
重装備の騎士が撤退する際に、後方で殿を務めたおかげで、死者
が出ずに済んだのだが、敵が使用した武器が悪かったのだ。
その武器とは、重クロスボウである!通常の倍の大きさを誇る物
で、通常のクロスボウより貫通力が高く、重プレートアーマーを
難なく貫く代物であった。
騎士達は、撤退する際に盾を背に背負って居たのが、即死に繋が
らなかった理由である。もしも背に盾を背負ってなければ、その
まま矢は、騎士たちの鎧を突き破り、多くの騎士達が命を落とし
た事だろう!
だが、即死はしなかっただけで、怪我の程度は酷い物であった。
騎士の中には、腰に矢が刺さり回復の見込みも立たない程の者も
居たのだ。傷が回復したとしても、また歩けるかどうかは、不明
である......
だが......
彼等は副団長のエルナを救いたいと言う一身で、窮地に陥った状態
からでも、エルナを無事に町に戻す事に成功したのだった。
町に戻った彼等は、直ぐに団長であるアイリに報告をすると、アイリ
は信じられないと言う顔をしていたのだ。それもそのはず、無理をす
るはずが無いと信じて送り出したエルナが、瀕死の状態で帰ってくれ
ば、誰しもが信じられないと思うだろう!
エルナの部下達も、悉く傷を負って居たのだ。だが彼等は、上司である
エルナの心配しかしておらず。重傷者も自分の足で救護所に歩いて向か
ったのである。
エルナは部下からの信頼が、とっても厚かった事が良く解る出来事で
あったのだ!
「団長、大変です!医者と回復術士の数が足りません!回復術士は
数人足りないだけですが、怪我の治療が出来る医者が、全然足りな
いのです!」
「なっ.....なんだと!」
アイリは直ぐに考え始めていた。魔物や魔獣と良く戦う者達の組合に
助けを求める様に、部下に命じ、直ぐに向かわせたのである。
そんな最中に、鍛冶屋の黒猫屋で仕事をしていた。来好成と芳乃に
静に秋は、朝から騒ぎが収まらない事に胸騒ぎを覚えていたのだ。
芳乃・静・秋!この音は斬り合う音だ。外に出ると騒ぎに巻き込まれ
てしまう。だから決して外には出るな!オレークさん達にも伝えてお
くとしよう!
好成は、そう言うと直ぐにオレークの家族やヤーコブ等に、外の騒ぎ
が、斬り合いである事を伝えたのだった。
「そうか、斬り合いが始まってしまったのか、此処は安全そうだし
騒ぎが収まるまで、外に出なければ怪我もしないだろう」
オレークは、事の次第を悟っていた。数日前に父の仇である貴族達が
大陸から来た貴族に、殺されたと報告を受けていたのだが、オレーク
には、それが真実ではないと解っていたのだ。辺境伯が約束どおりに
ケジメを取ってくれた事に、オレークは感謝をしていた。
そして!
外での斬り合いも収まり、辺りが静かになった時である。騎士姿の者達
が血相を変えて走って回っていたのだ。
「頼む!誰か怪我の治療が出来る者は居ないか!我らは辺境伯様の兵で
ある。助けてくれ!頼む!」
「好成、何処に行こうと言うんだ?」
オレークさん!俺は戦で戦った経験があるんだ。そんな経験があるから
怪我の治療も少しは出来る。辺境伯様ってのは領主様の事だよな?それ
ならば、此処の領主様には世話になっているんだ。こんな困ってる時に
助け合わないで、何時助けると言うんだ!
そう言うと好成は、黒猫屋を飛び出すと直ぐに、走り回っていた騎士に
駆け寄って事情を説明したのであった。
「それは有難い!救護所は、この先の教会に設置されている!急いで
向かって欲しい!辺境伯様の兵が傷付き苦しんでいるんだ」
騎士は、それだけ言うと港の方に走りながら、怪我人を治療できる人物
を探し回っていたのだ。
好成は、大声で芳乃・静・秋を呼ぶと、直ぐに教会に向かったのだった!
「静ちゃんと秋ちゃんは、怪我の治療をした事はあるの?私は父から教わ
って居るから、刀傷でも治療はできるわ」
「秋は、刀傷等の治療はした事がないですが、私は僧兵達の怪我の治療を
してました。芳乃様は、何でも出来る凄い方ですね!」
「静ちゃん!私だって怪我の治療の手伝い位は、した事があるんだから!」
好成達は、急いで教会に向かって駆け出したのだった。
「旦那様、旦那様!急いで居るなら己等達に乗って下さい!」
後方から走って来たのは、シーランドリス族ニーロと、その家族であった。
彼等も、また騒ぎが収まった事で、外に出歩く事が出来たのだ!
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