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第92話 謙遜と憧れ
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「止まれ!何処の所属の者か!?」
赤の精霊騎士団の団員は、正体不明の騎馬に対して停止する様に
促したのであるが、正体不明の騎馬は止まる気配を見せずにいた。
不審に思い、再度の停止勧告を仕様と団員が、更に前にと出た時
であった。
ドスッ!ドスッ!
赤の精霊騎士団の団員に、正体不明の騎馬から矢が放たれたので
あった。それを見ていた青の精霊騎士団の団員は、直ぐに青の団
の団長に報告していた。
「なにぃ!?赤の団の団員が矢で射られただと!?青の団の団員は、
直ぐに赤の団の団員を救出しろ!それと、正体不明の騎馬集団
は敵である!隊列を組んで包囲しろ!」
青の団の団長は、現場の指揮官としての判断を下していた。
指示を受けた団員達も、団長の指示に従い、直ぐに戦闘態勢
へと移行したのであった。
「なんだと!オッシが矢で射掛けられたと言うのか?オッシ
の容態は?大丈夫なのか!?青の団は既に戦闘態勢に移ってる
のに、何で赤の団は、まだ戦闘態勢をしていない!直ぐにも
隊列を組め!そして、青の団と挟撃を計り敵を殲滅するぞ!」
赤の団の団長は、団員が負傷した事で、団員達が動揺している
様を見て、直ぐに適切な指示を出したのである。負傷したオッシ
なる団員は矢を2本も刺さっていたが、命に別状はなかったのが
幸いしていた。急所には矢は刺さって居らず。全てが大事無いと
言える場所であったのだ。2本も矢が飛んできたのに、刺さった
場所は、腕と足であった!
騎馬の傭兵団の者達は、失敗を犯してしまったのだった!
矢を射るタイミングが早すぎてしまい、2つの騎士団に道を
塞がれてしまっていた。
「くっ!このままでは隊長と合流できないな.....相手は少人数だ
1人が敵を2人倒せば、問題なく此処を抜けられる!お前ら!
抜かるんじゃねぞ!?」
傭兵の分隊長は、そう言うと戦闘に突入して行ったのだ。
相手は、少人数と言えども騎士団である。フルプレートの
騎士団相手に、軽装備でしかない傭兵団が、どう戦うのか
は定かではないが、傭兵団などをしている者達である!
騎士団相手に戦う事などは、慣れている様子であったのだ!
ジリジリと2つの騎士団を押しているのは、傭兵団であった。
「よし!こいつ等は、さっきの奴等程ではないぞ!一気に片付け
てしまい、隊長が待っている宿に向かうぞ!」
《おうよ!》
「踏ん張れ!踏ん張るんだ!今に応援が駆けつけるから、それまで
は我慢して踏ん張るしか生き残る道はないぞ!」
赤の団の団長は、劣勢になりながらも良く頑張っていた。
それは、青の団の団長も同じである。2つの騎士団を合わせても
20人前後しか居なかったのだが、相手は10人前後である。普通に
考えれば、2つの騎士団が負ける訳はないのだが、相手が強すぎ
たのだった。徐々に2つの騎士団は押されていたのだ。
「騎士団なんざな!剣で斬り付けても意味は無いんだ!鈍器で
殴り付けて叩きのめせ!」
流石は傭兵団だけあって、騎士団相手の戦いでも引けを取っては
いなかった。だが彼等は、またしても失敗をしてしまったのだ。
何故ならば......
「あそこに居る奴等って、さっき逃げて行った奴等じゃね?」
「あぁ~~そうだな!さっきの奴等だな!」
傭兵団は、2つの騎士団を相手にしているから、後ろを見る余裕すら
なかったのだ。それなのに、黒の団の団員達は、音を立てずに傭兵団
の背後へと忍び寄ったのだった。
「好き勝手に遣ってくれますね?騎士団を相手にしたいのであれば、
俺達が相手になってやるよ?」
背後からの声で分隊長は冷や汗を顔一杯に掻いていたのだ。
「なぁ.....もう追いついて来やがったのかよ!ふぜけるんじゃねぞ!」
それが、分隊長の最後の言葉であった。
その頃、宿屋に居る傭兵隊長達は、と言うと!
「遅い!あいつ等は何をモタモタしてやがる?もうとっくに此処に
着いていても、おかしくない時間だぞ!それなのに何故、姿を見せ
ないんだ?」
「傭兵隊長よ!もう分隊を待たずに此処を脱出してしまおう!もう
分隊は全滅したんじゃ!待っても無駄じゃ」
貴族の発言に、傭兵隊長は頭に血が上り、貴族の襟首を握り締める
と凄い勢いで、貴族を持ち上げたのであった。
「ふざけんなよ、おっさん!あいつ等はな、俺と共に数々の戦場を
渡り歩いてきた古強者達なんだ。早々に遣られる筈がねんだよ!」
そんな仲間割れをしている最中に、正面玄関の方から馬の蹄の音が
してきたのであった。
「ほらみろ!あいつ等が遣って来たに違いなね!」
そう言うと、傭兵隊長は部屋の窓を開けて、外を見たのだったが、
馬は部下達が乗っていた馬であったが、乗っていたのは黒の団の
団員であったのだ。
「なんだと!あいつ等の馬じゃねーか!何で敵が乗って来たんだ」
傭兵隊長は、外の光景が信じられないと言った風で、体がよろめく
のだった。
「伝令!伝令!副団長は何処におわすか?」
「おう!俺は此処だ!そんなに慌ててどうしたんだ?」
「はっ!傭兵団の別働隊を探していた者達が、別働隊と突発的な戦闘
に入りました。そして、重軽傷者を出しながらも、別働隊を殲滅する
事に成功しました!その際に、赤の団と青の団の2つの騎士団のご助成
もあり、一度は逃がした別働隊の生き残りを2つの騎士団が、食い止め
めてくれた事により、殲滅する事に成功したしだいです!」
「そうか!ご苦労だった。下がって休んでいろ!」
《はっ!》
「訊きましたがアイリ様!傭兵団の別働隊は全て殲滅したと言う事です」
「黒の団の方々には、何とお礼を言って良いのやら、ありがとうございます」
「いえ、さっきも言ってましたが、突発的な戦闘になったと言ってましたか
らね!戦闘する気で出向いた訳ではないのです。たまたま戦闘になっただけ
の話です」
「それでも、相手は30人前後は居ると報告を受けてましたが、それなのに
死傷者は居ないと言うのは、日頃の副団長殿の訓練の成果ですね」
「部下を死なせない為の訓練です!こんな日の為に常日頃から、実践を想定
して訓練している成果が出ただけですぞ」
「ご謙遜を....ポッ」
赤の精霊騎士団の団員は、正体不明の騎馬に対して停止する様に
促したのであるが、正体不明の騎馬は止まる気配を見せずにいた。
不審に思い、再度の停止勧告を仕様と団員が、更に前にと出た時
であった。
ドスッ!ドスッ!
赤の精霊騎士団の団員に、正体不明の騎馬から矢が放たれたので
あった。それを見ていた青の精霊騎士団の団員は、直ぐに青の団
の団長に報告していた。
「なにぃ!?赤の団の団員が矢で射られただと!?青の団の団員は、
直ぐに赤の団の団員を救出しろ!それと、正体不明の騎馬集団
は敵である!隊列を組んで包囲しろ!」
青の団の団長は、現場の指揮官としての判断を下していた。
指示を受けた団員達も、団長の指示に従い、直ぐに戦闘態勢
へと移行したのであった。
「なんだと!オッシが矢で射掛けられたと言うのか?オッシ
の容態は?大丈夫なのか!?青の団は既に戦闘態勢に移ってる
のに、何で赤の団は、まだ戦闘態勢をしていない!直ぐにも
隊列を組め!そして、青の団と挟撃を計り敵を殲滅するぞ!」
赤の団の団長は、団員が負傷した事で、団員達が動揺している
様を見て、直ぐに適切な指示を出したのである。負傷したオッシ
なる団員は矢を2本も刺さっていたが、命に別状はなかったのが
幸いしていた。急所には矢は刺さって居らず。全てが大事無いと
言える場所であったのだ。2本も矢が飛んできたのに、刺さった
場所は、腕と足であった!
騎馬の傭兵団の者達は、失敗を犯してしまったのだった!
矢を射るタイミングが早すぎてしまい、2つの騎士団に道を
塞がれてしまっていた。
「くっ!このままでは隊長と合流できないな.....相手は少人数だ
1人が敵を2人倒せば、問題なく此処を抜けられる!お前ら!
抜かるんじゃねぞ!?」
傭兵の分隊長は、そう言うと戦闘に突入して行ったのだ。
相手は、少人数と言えども騎士団である。フルプレートの
騎士団相手に、軽装備でしかない傭兵団が、どう戦うのか
は定かではないが、傭兵団などをしている者達である!
騎士団相手に戦う事などは、慣れている様子であったのだ!
ジリジリと2つの騎士団を押しているのは、傭兵団であった。
「よし!こいつ等は、さっきの奴等程ではないぞ!一気に片付け
てしまい、隊長が待っている宿に向かうぞ!」
《おうよ!》
「踏ん張れ!踏ん張るんだ!今に応援が駆けつけるから、それまで
は我慢して踏ん張るしか生き残る道はないぞ!」
赤の団の団長は、劣勢になりながらも良く頑張っていた。
それは、青の団の団長も同じである。2つの騎士団を合わせても
20人前後しか居なかったのだが、相手は10人前後である。普通に
考えれば、2つの騎士団が負ける訳はないのだが、相手が強すぎ
たのだった。徐々に2つの騎士団は押されていたのだ。
「騎士団なんざな!剣で斬り付けても意味は無いんだ!鈍器で
殴り付けて叩きのめせ!」
流石は傭兵団だけあって、騎士団相手の戦いでも引けを取っては
いなかった。だが彼等は、またしても失敗をしてしまったのだ。
何故ならば......
「あそこに居る奴等って、さっき逃げて行った奴等じゃね?」
「あぁ~~そうだな!さっきの奴等だな!」
傭兵団は、2つの騎士団を相手にしているから、後ろを見る余裕すら
なかったのだ。それなのに、黒の団の団員達は、音を立てずに傭兵団
の背後へと忍び寄ったのだった。
「好き勝手に遣ってくれますね?騎士団を相手にしたいのであれば、
俺達が相手になってやるよ?」
背後からの声で分隊長は冷や汗を顔一杯に掻いていたのだ。
「なぁ.....もう追いついて来やがったのかよ!ふぜけるんじゃねぞ!」
それが、分隊長の最後の言葉であった。
その頃、宿屋に居る傭兵隊長達は、と言うと!
「遅い!あいつ等は何をモタモタしてやがる?もうとっくに此処に
着いていても、おかしくない時間だぞ!それなのに何故、姿を見せ
ないんだ?」
「傭兵隊長よ!もう分隊を待たずに此処を脱出してしまおう!もう
分隊は全滅したんじゃ!待っても無駄じゃ」
貴族の発言に、傭兵隊長は頭に血が上り、貴族の襟首を握り締める
と凄い勢いで、貴族を持ち上げたのであった。
「ふざけんなよ、おっさん!あいつ等はな、俺と共に数々の戦場を
渡り歩いてきた古強者達なんだ。早々に遣られる筈がねんだよ!」
そんな仲間割れをしている最中に、正面玄関の方から馬の蹄の音が
してきたのであった。
「ほらみろ!あいつ等が遣って来たに違いなね!」
そう言うと、傭兵隊長は部屋の窓を開けて、外を見たのだったが、
馬は部下達が乗っていた馬であったが、乗っていたのは黒の団の
団員であったのだ。
「なんだと!あいつ等の馬じゃねーか!何で敵が乗って来たんだ」
傭兵隊長は、外の光景が信じられないと言った風で、体がよろめく
のだった。
「伝令!伝令!副団長は何処におわすか?」
「おう!俺は此処だ!そんなに慌ててどうしたんだ?」
「はっ!傭兵団の別働隊を探していた者達が、別働隊と突発的な戦闘
に入りました。そして、重軽傷者を出しながらも、別働隊を殲滅する
事に成功しました!その際に、赤の団と青の団の2つの騎士団のご助成
もあり、一度は逃がした別働隊の生き残りを2つの騎士団が、食い止め
めてくれた事により、殲滅する事に成功したしだいです!」
「そうか!ご苦労だった。下がって休んでいろ!」
《はっ!》
「訊きましたがアイリ様!傭兵団の別働隊は全て殲滅したと言う事です」
「黒の団の方々には、何とお礼を言って良いのやら、ありがとうございます」
「いえ、さっきも言ってましたが、突発的な戦闘になったと言ってましたか
らね!戦闘する気で出向いた訳ではないのです。たまたま戦闘になっただけ
の話です」
「それでも、相手は30人前後は居ると報告を受けてましたが、それなのに
死傷者は居ないと言うのは、日頃の副団長殿の訓練の成果ですね」
「部下を死なせない為の訓練です!こんな日の為に常日頃から、実践を想定
して訓練している成果が出ただけですぞ」
「ご謙遜を....ポッ」
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