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第62話 教団と歴史
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俺は司祭様に、シーランド銃がどの様な物かを詳細に説明して行ったのだった。
司祭様もシーランド銃の使い方と威力などが、解った様で独り言を何やら呟いて
いたのだった。
「これは、まさに神のお導きに違いない!私とシーランド銃は、今日のこの日に
出会う運命だったのだ。そうに違いない!これぞ運命の出会いですぞ――」
まだ続きがあったが、何やら宗教的な意味の言葉だったので、俺が理解出来なかった
から以下略にしておいた。
「これさえあれば、精霊教を迫害をしている他の教会共を血祭りに出来ると言う物
ですな!人間至上主義の博愛教団に、帝国皇帝を神と崇める皇帝教団、この2つ
の宗教団体に、何回も教会を焼き討ちされたりされ、人間が住む地域での布教は
禁止されてるのに、向こうは精霊や妖精が済んでる場所でも布教し放題と言う、
ふざけた事ばっかりしているのに、それを抗議すれば、また迫害される始末なの
ですよ!もう我慢の限界なのです!我々精霊教団は、人間と精霊達が争わないで
共存共栄を志す教団なのです。それを邪教だの何だの言われているのです!」
気になった言葉だけを思い出しても、こんなに長い事を言っていたのだから、恨み
つらみが、どれだけ貯まっているのかが良く解る!三大宗派と言われているが、
精霊教団は、その中で一番勢力が小さいのだろうな!他の2つは人間しか教団に
居ないのならば、口裏を合わせて精霊教を迫害する事も簡単であろう!
そんな事をしていれば、精霊教から凄い恨みを買う事になるのだが、今の精霊教に
は、2つの宗派を相手に争うだけの武力が無かったのだが、俺が火に油を注いでし
まったのかな?一番やばい教団に、武器の使い方を教えてしまったのだ.....どうし
ようかな?とりあえず戦争が起こっても、俺は知らぬ存ぜぬを貫こう!そう心に
強く決めた好成だった。
俺が、シーランド銃を教えなくても、この島の教会は精霊教しかないのだから、
時間の問題だったのだ!そうに違いないわ!そして、精霊教団はシーランド銃を
持って、他の教団に攻め込んだであろう!他の教団は自業自得だろうな!攻撃さ
れたくなければ、手出しをするなと言う簡単な話でしかないのだから!
司祭様に、今度のケット・シー族の集落奪還の際に、ご助力をお願いしますと頼み
俺は、精霊教団から足早に後にしたのだった。
「神の使いの好成様!我々は貴方様の願いならば何でも聞きます」
教会から出る時に、司祭様が言った言葉が、凄く気になるが俺は聞こえないフリを
して教会を出たのだ。神の使い?いや.....神様には、お世話になったけど、使いでは
ないんだけどな.....争いがない世界で平和に暮らせるのでは、なかったのかな?
あれ~?何かおかしいな!?宿に帰ったら芳乃に、神様との遣り取りをまた訊いて
みよう!戦争になりそうな雰囲気なのは、俺の気のせいなのかな?そうだ!歴史に
詳しい人に訊いてみたら良いんだよ!
~帰り道にて~
魔道具専門店・魔法の杖に立ち寄っている。インガ婆様ならば、島以外の歴史にも
明るいはずなので、この人をおいて、この世界の歴史に詳しそうな人を俺は知らない!
「いらっしゃい!......何だいあんただったのか!今日はいったい何の用があるんだい
また魔力球が必要にでもなったのかい?」
インガ婆様に精霊教団の事を話すと、インガ婆様は、困惑顔になって俺に精霊教の
歴史を話してくれたのだった。
「あたいはね、元々は精霊教の信徒だったんだけど、旦那はね人間だったんだよ!
旦那は、人間至上主義の博愛教団の信徒だった。そんな2人が恋に落ちれば、家の
者達が黙っては居ないよ!2人を別れさせる為に、あれやこれやと様々な事をされ
たさね!それでも旦那はね、あたいの為にと改宗までして、結婚してくれたんだ。
そして、旦那は実家を追放されてしまったんだ。旦那の親族で、精霊教に入ってる、
ここの領主を頼って、この島に遣ってきたってのが、あたい達夫婦なのさね!この
世界には、精霊教しか元々は無かったんだけど、数百年前に人間至上主義を教義に
した博愛教団が、出来てからと言うもの、精霊教の人間達は博愛教に改宗しはじめ
てね、精霊教に残った人間は少なくなってしまったのさね!そして、約100年位前
に出来た。帝国が皇帝自身を神だと崇めだしてね。それ以来大陸では、帝国が他国
を侵略しては、侵略した国の人間達を改宗させて行ったんだよ!そうして行くうち
に、皇帝教団は大陸で一番強大な宗教団体になってしまったさね!そして、博愛教
団を脅して、精霊教を潰しに掛かってから、もう数十年にも及ぶかな、精霊教団は
迫害されている。その恨みつらみが、何時爆発してもおかしくはないんじゃ!好成
よ、宗教に係わると、お主達は不幸になる!決して宗教には係わるでないぞ!」
インガ婆様の有難い御話が、やっと終ったのだが、前半のくだりって要らないよね?
そこの部分は割愛できなかったのかな?そんな事を思っていると!
「旦那とあたいの話は、重要じゃったんじゃ!愛の逃避行の果てに、この楽園へと
2人は結ばれて、逃げて来たんじゃ!そして、2人は子宝にも恵まれて、1人は
鍛冶師をしている息子のオレークで、もう1人は現領主の正妃となっている、
可愛い愛娘がおるんじゃ!」
えっ!?現領主の奥さんが、インガ婆様の娘さんだって!?初耳だぞ。
インガ婆様に、支払いの事を全て任せようと思い、俺は直ぐに書類を
インガ婆様に預けて、現領主様に見せるように頼んだのだった。
オレークさんも、支払いはインガ婆様に任せると良いと言っていたのは
こう言う事だったのか!
俺は支払いの書類をインガ婆様に渡すと、魔道具専門店・魔法の杖を後にしたのだった。
司祭様もシーランド銃の使い方と威力などが、解った様で独り言を何やら呟いて
いたのだった。
「これは、まさに神のお導きに違いない!私とシーランド銃は、今日のこの日に
出会う運命だったのだ。そうに違いない!これぞ運命の出会いですぞ――」
まだ続きがあったが、何やら宗教的な意味の言葉だったので、俺が理解出来なかった
から以下略にしておいた。
「これさえあれば、精霊教を迫害をしている他の教会共を血祭りに出来ると言う物
ですな!人間至上主義の博愛教団に、帝国皇帝を神と崇める皇帝教団、この2つ
の宗教団体に、何回も教会を焼き討ちされたりされ、人間が住む地域での布教は
禁止されてるのに、向こうは精霊や妖精が済んでる場所でも布教し放題と言う、
ふざけた事ばっかりしているのに、それを抗議すれば、また迫害される始末なの
ですよ!もう我慢の限界なのです!我々精霊教団は、人間と精霊達が争わないで
共存共栄を志す教団なのです。それを邪教だの何だの言われているのです!」
気になった言葉だけを思い出しても、こんなに長い事を言っていたのだから、恨み
つらみが、どれだけ貯まっているのかが良く解る!三大宗派と言われているが、
精霊教団は、その中で一番勢力が小さいのだろうな!他の2つは人間しか教団に
居ないのならば、口裏を合わせて精霊教を迫害する事も簡単であろう!
そんな事をしていれば、精霊教から凄い恨みを買う事になるのだが、今の精霊教に
は、2つの宗派を相手に争うだけの武力が無かったのだが、俺が火に油を注いでし
まったのかな?一番やばい教団に、武器の使い方を教えてしまったのだ.....どうし
ようかな?とりあえず戦争が起こっても、俺は知らぬ存ぜぬを貫こう!そう心に
強く決めた好成だった。
俺が、シーランド銃を教えなくても、この島の教会は精霊教しかないのだから、
時間の問題だったのだ!そうに違いないわ!そして、精霊教団はシーランド銃を
持って、他の教団に攻め込んだであろう!他の教団は自業自得だろうな!攻撃さ
れたくなければ、手出しをするなと言う簡単な話でしかないのだから!
司祭様に、今度のケット・シー族の集落奪還の際に、ご助力をお願いしますと頼み
俺は、精霊教団から足早に後にしたのだった。
「神の使いの好成様!我々は貴方様の願いならば何でも聞きます」
教会から出る時に、司祭様が言った言葉が、凄く気になるが俺は聞こえないフリを
して教会を出たのだ。神の使い?いや.....神様には、お世話になったけど、使いでは
ないんだけどな.....争いがない世界で平和に暮らせるのでは、なかったのかな?
あれ~?何かおかしいな!?宿に帰ったら芳乃に、神様との遣り取りをまた訊いて
みよう!戦争になりそうな雰囲気なのは、俺の気のせいなのかな?そうだ!歴史に
詳しい人に訊いてみたら良いんだよ!
~帰り道にて~
魔道具専門店・魔法の杖に立ち寄っている。インガ婆様ならば、島以外の歴史にも
明るいはずなので、この人をおいて、この世界の歴史に詳しそうな人を俺は知らない!
「いらっしゃい!......何だいあんただったのか!今日はいったい何の用があるんだい
また魔力球が必要にでもなったのかい?」
インガ婆様に精霊教団の事を話すと、インガ婆様は、困惑顔になって俺に精霊教の
歴史を話してくれたのだった。
「あたいはね、元々は精霊教の信徒だったんだけど、旦那はね人間だったんだよ!
旦那は、人間至上主義の博愛教団の信徒だった。そんな2人が恋に落ちれば、家の
者達が黙っては居ないよ!2人を別れさせる為に、あれやこれやと様々な事をされ
たさね!それでも旦那はね、あたいの為にと改宗までして、結婚してくれたんだ。
そして、旦那は実家を追放されてしまったんだ。旦那の親族で、精霊教に入ってる、
ここの領主を頼って、この島に遣ってきたってのが、あたい達夫婦なのさね!この
世界には、精霊教しか元々は無かったんだけど、数百年前に人間至上主義を教義に
した博愛教団が、出来てからと言うもの、精霊教の人間達は博愛教に改宗しはじめ
てね、精霊教に残った人間は少なくなってしまったのさね!そして、約100年位前
に出来た。帝国が皇帝自身を神だと崇めだしてね。それ以来大陸では、帝国が他国
を侵略しては、侵略した国の人間達を改宗させて行ったんだよ!そうして行くうち
に、皇帝教団は大陸で一番強大な宗教団体になってしまったさね!そして、博愛教
団を脅して、精霊教を潰しに掛かってから、もう数十年にも及ぶかな、精霊教団は
迫害されている。その恨みつらみが、何時爆発してもおかしくはないんじゃ!好成
よ、宗教に係わると、お主達は不幸になる!決して宗教には係わるでないぞ!」
インガ婆様の有難い御話が、やっと終ったのだが、前半のくだりって要らないよね?
そこの部分は割愛できなかったのかな?そんな事を思っていると!
「旦那とあたいの話は、重要じゃったんじゃ!愛の逃避行の果てに、この楽園へと
2人は結ばれて、逃げて来たんじゃ!そして、2人は子宝にも恵まれて、1人は
鍛冶師をしている息子のオレークで、もう1人は現領主の正妃となっている、
可愛い愛娘がおるんじゃ!」
えっ!?現領主の奥さんが、インガ婆様の娘さんだって!?初耳だぞ。
インガ婆様に、支払いの事を全て任せようと思い、俺は直ぐに書類を
インガ婆様に預けて、現領主様に見せるように頼んだのだった。
オレークさんも、支払いはインガ婆様に任せると良いと言っていたのは
こう言う事だったのか!
俺は支払いの書類をインガ婆様に渡すと、魔道具専門店・魔法の杖を後にしたのだった。
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