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第56話 変装と報告
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御者長の大きな声が、部屋一杯に響き渡ったのだが、この人の声は非常に大きくて
煩いと言える位に、声が大きかったのだ。驚くにも程があると思いながらも、俺は
話を続けていたのである。
「そうすると、私共は魔獣が蠢く土地で、危険を顧みずに荷物を運べと仰るのです
ね?荷馬車の護衛は、どの様になって居るのですか?私共の安全であるのであれ
ば、此方としてもですね考えても良いですが、もしも、私共が危険に晒されるな
らば、今回の依頼は無かった事にさせてもらいます」
「荷馬車の護衛を任せて居るのは、シーランド兵団の兵団員30人です。それとです
ね、シーランド兵団の兵団員には、新武装として、シーランド銃を装備させます
ので、荷馬車隊は止まらずに目的地まで、荷物を運んで貰う事になります」
「止まらずに目的地まで荷物を運ぶと言いましたが、そんな事が可能なんですか?
グレーウルフ等の魔獣が、荷馬車に取り付いたら、まずは助かりませんよ!それ
なのに止まらないで運べと言ってますが、グレーウルフは弓などでは倒せません
よ。矢が10本当たっても襲うのを止めないのだから、そんな魔獣を相手にどうし
ろと言うのですか?」
「その答えが知りたかったら、まずは中庭をお借りできますかね?そこで答えを
お見せしましょう!」
俺はそう言うと、建築組合で披露したシーランド銃を御者組合でも披露する事にした
のだった。そして2人は中庭に出ると、撃っても良い目標を訊いてから、射撃を
開始しはじめた。
シーランド銃の威力を目にした御者長は、目を真ん丸にしたまま眺めているだけだっ
たのだ。我に返ってくるのに、幾分かの時間を要してしまったが、無事に戻って
くると、直ぐ俺にシーランド銃の事を詳しく訊かせて欲しいと頼み込んで来たのだ
った。
「シーランド銃と言う物は、大変に便利で使いやすそうな武器ですね。シーランド
銃は誰にでも扱う事が出来るのですか?もしも誰でもが扱う事が出来るのならば
御者台で荷馬車の操作をしていても、敵に対して撃てたりしますかね?」
御者長の質問に俺は、1つ1つ丁寧に答えて言た。そうすると、御者長は組合で、
シーランド銃を購入する事を会議で提案してくれると、言い出したのだった。
そうすると、将来のお得意様が出来る事になるな!
「御者と言う仕事は、簡単そうに見えますが、実は危険な仕事でもあるのですよ
頼まれれば、何処にでも荷物を運ばなければならないし、護衛も必要になりま
すし、色々と面倒な仕事なのです。危険を減らす事が出来るのであれば、私共
は喜んでシーランド銃を購入しますよ」
「将来的には、シーランド銃組合で銃を生産しますので、その時にお得意様になっ
て貰えるのは嬉しい事ですが、今は今回の依頼を引き受けて貰えるかどうかで、
我らシーランド銃組合の将来が決まると言っても、過言ではない状況なのです。
お答えを訊かせてもらえますかね?」
「此れは失礼をしましたな、今回の依頼を組合として引き受けさせて貰いますよ!
そして、将来的には、私共と取引をさせて下さい」
そう御者長さんが言うと、俺も肩の荷が降りた。此れで半分以上の人材を確保した
からである。だが、これから先は特殊な職種になるので、これまで通りに事が運ば
ない可能性もあるのだ。そうなった時には、1度オレークさん達に報告してから、
再度、依頼を頼みに行く事になるであろう!
俺は義者長さんに、明日から鍛冶屋の黒猫屋に来て、シーランド銃の取り扱い説明
をすると伝えると、御者組合を後にしたのだった。
~とある筋肉ムキムキな人物視点~
こんな鉄の筒に、この様な威力があるとは、正直言うと驚かされている。まさか、
此処まで凄い物とは思っても見なかったのだ。私は直ぐに上司である人物の元に
赴く事を決めて、行動を起こしていたのだ。
――様、大変ですよ。シーランド銃組合が何故、短期間で特殊組合に昇格出来たの
かが、解ったのです!――様?もしもし?聴こえてますか.......
私は上司の部屋の壁の中にある、隠し部屋から上司に話しかけていたのだが、
上司の反応が、まったく無く不安になったので、部屋に入る事にしたのだが、
部屋に入る事が出来なかったのだ。扉いは鍵がかけられている!?
これはいったいどうしたと言うのだ?
緊急事態だから、扉を壊しても仕方ない!私はそう決めると、
鍛えぬいた身体を使い、扉に突進をしたのだが、
1回や2回の突進では扉はビクともしなかったのだ。
こうなれば、音が大きくなるが、足で蹴破るしかない!
そう決めた私は、数回の蹴りを扉にしたのだった。
そして扉が開かれた時、部屋のには誰も居なかった。荒らされた形跡もなくて、
ただの留守であっただけだ。
「うおぉ~私は、また遣ってしまったのか~!?」
この男は仕事が出来るが、少々早合点する所がある様で、何回も今回みたいな事を
遣らかしているようなのだ。誠実で忠誠心が厚い者なれど、勘違いが激しくて、
時折だが、今回みたいな失敗を繰り返す男だったのだ。
「旦那様、帰られたのですか?今の物音はどうされたのですか?」
やばい!使用人が部屋に遣ってくるようだ。私の存在はばれてはいけない!
直ぐに姿を隠したのだが、部屋には壊された扉があり、そこを調べれば全て
が、ばれる恐れもあったのだが、辺りが暗くなってるせいもあり、今回だけ
は見つかることもなく、遣り過ごせたのだった。
後日の事.....
私は上司からお叱りを受けていた。それもそのはず、部屋の扉が壊されており
使用人に修理させたのだが、言い訳を考えるのに苦労しただの言っていたのだ。
私は、上司に全てを話しており、また給料から修理代を差し引くと言われたの
が辛かった。
煩いと言える位に、声が大きかったのだ。驚くにも程があると思いながらも、俺は
話を続けていたのである。
「そうすると、私共は魔獣が蠢く土地で、危険を顧みずに荷物を運べと仰るのです
ね?荷馬車の護衛は、どの様になって居るのですか?私共の安全であるのであれ
ば、此方としてもですね考えても良いですが、もしも、私共が危険に晒されるな
らば、今回の依頼は無かった事にさせてもらいます」
「荷馬車の護衛を任せて居るのは、シーランド兵団の兵団員30人です。それとです
ね、シーランド兵団の兵団員には、新武装として、シーランド銃を装備させます
ので、荷馬車隊は止まらずに目的地まで、荷物を運んで貰う事になります」
「止まらずに目的地まで荷物を運ぶと言いましたが、そんな事が可能なんですか?
グレーウルフ等の魔獣が、荷馬車に取り付いたら、まずは助かりませんよ!それ
なのに止まらないで運べと言ってますが、グレーウルフは弓などでは倒せません
よ。矢が10本当たっても襲うのを止めないのだから、そんな魔獣を相手にどうし
ろと言うのですか?」
「その答えが知りたかったら、まずは中庭をお借りできますかね?そこで答えを
お見せしましょう!」
俺はそう言うと、建築組合で披露したシーランド銃を御者組合でも披露する事にした
のだった。そして2人は中庭に出ると、撃っても良い目標を訊いてから、射撃を
開始しはじめた。
シーランド銃の威力を目にした御者長は、目を真ん丸にしたまま眺めているだけだっ
たのだ。我に返ってくるのに、幾分かの時間を要してしまったが、無事に戻って
くると、直ぐ俺にシーランド銃の事を詳しく訊かせて欲しいと頼み込んで来たのだ
った。
「シーランド銃と言う物は、大変に便利で使いやすそうな武器ですね。シーランド
銃は誰にでも扱う事が出来るのですか?もしも誰でもが扱う事が出来るのならば
御者台で荷馬車の操作をしていても、敵に対して撃てたりしますかね?」
御者長の質問に俺は、1つ1つ丁寧に答えて言た。そうすると、御者長は組合で、
シーランド銃を購入する事を会議で提案してくれると、言い出したのだった。
そうすると、将来のお得意様が出来る事になるな!
「御者と言う仕事は、簡単そうに見えますが、実は危険な仕事でもあるのですよ
頼まれれば、何処にでも荷物を運ばなければならないし、護衛も必要になりま
すし、色々と面倒な仕事なのです。危険を減らす事が出来るのであれば、私共
は喜んでシーランド銃を購入しますよ」
「将来的には、シーランド銃組合で銃を生産しますので、その時にお得意様になっ
て貰えるのは嬉しい事ですが、今は今回の依頼を引き受けて貰えるかどうかで、
我らシーランド銃組合の将来が決まると言っても、過言ではない状況なのです。
お答えを訊かせてもらえますかね?」
「此れは失礼をしましたな、今回の依頼を組合として引き受けさせて貰いますよ!
そして、将来的には、私共と取引をさせて下さい」
そう御者長さんが言うと、俺も肩の荷が降りた。此れで半分以上の人材を確保した
からである。だが、これから先は特殊な職種になるので、これまで通りに事が運ば
ない可能性もあるのだ。そうなった時には、1度オレークさん達に報告してから、
再度、依頼を頼みに行く事になるであろう!
俺は義者長さんに、明日から鍛冶屋の黒猫屋に来て、シーランド銃の取り扱い説明
をすると伝えると、御者組合を後にしたのだった。
~とある筋肉ムキムキな人物視点~
こんな鉄の筒に、この様な威力があるとは、正直言うと驚かされている。まさか、
此処まで凄い物とは思っても見なかったのだ。私は直ぐに上司である人物の元に
赴く事を決めて、行動を起こしていたのだ。
――様、大変ですよ。シーランド銃組合が何故、短期間で特殊組合に昇格出来たの
かが、解ったのです!――様?もしもし?聴こえてますか.......
私は上司の部屋の壁の中にある、隠し部屋から上司に話しかけていたのだが、
上司の反応が、まったく無く不安になったので、部屋に入る事にしたのだが、
部屋に入る事が出来なかったのだ。扉いは鍵がかけられている!?
これはいったいどうしたと言うのだ?
緊急事態だから、扉を壊しても仕方ない!私はそう決めると、
鍛えぬいた身体を使い、扉に突進をしたのだが、
1回や2回の突進では扉はビクともしなかったのだ。
こうなれば、音が大きくなるが、足で蹴破るしかない!
そう決めた私は、数回の蹴りを扉にしたのだった。
そして扉が開かれた時、部屋のには誰も居なかった。荒らされた形跡もなくて、
ただの留守であっただけだ。
「うおぉ~私は、また遣ってしまったのか~!?」
この男は仕事が出来るが、少々早合点する所がある様で、何回も今回みたいな事を
遣らかしているようなのだ。誠実で忠誠心が厚い者なれど、勘違いが激しくて、
時折だが、今回みたいな失敗を繰り返す男だったのだ。
「旦那様、帰られたのですか?今の物音はどうされたのですか?」
やばい!使用人が部屋に遣ってくるようだ。私の存在はばれてはいけない!
直ぐに姿を隠したのだが、部屋には壊された扉があり、そこを調べれば全て
が、ばれる恐れもあったのだが、辺りが暗くなってるせいもあり、今回だけ
は見つかることもなく、遣り過ごせたのだった。
後日の事.....
私は上司からお叱りを受けていた。それもそのはず、部屋の扉が壊されており
使用人に修理させたのだが、言い訳を考えるのに苦労しただの言っていたのだ。
私は、上司に全てを話しており、また給料から修理代を差し引くと言われたの
が辛かった。
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