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第54話 過去と現在
しおりを挟むシーランド銃の元になったのは、火縄銃と呼ばれる火薬を使った鉄砲です。
鉄砲を元に、シーランド銃を開発して行き、今の形状になったのですよ。
開発には失敗が続き、今の名称になる前までには、試作品としての形式名称
が付けられていました。魔力鉄砲銃と言うのが、試作品で付けられていた
名前なのです。1式は魔力球が破損すると言う事が解り、1式の製造は中止さ
れましたが、2式で進化を遂げる事に繋がって行きました。その際に、魔力球
のだ出し入れ場所も変更され、今の形状に近づいたんです。
そして、2式でも不具合が判明した為に、2式も生産が中止されて、続いて出来
たのが3式です。今のシーランド銃は3式を大量生産しており、此れが今後の銃
の元になって行くでしょう!そこから、新しく開発されるであろう、新型銃も
将来的には普及して行き、どんどんシーランド銃は進化を遂げて行くのです。
「先生、質問しても宜しいでしょうか?」
「はい、支部長さん質問をどうぞ!」
「シーランド銃の開発の歴史を覚える事に、何の意味があるのでしょうか?」
「それはですね、今のシーランド銃は2種類に分類されている事が、要因になり
ます。開発の歴史を理解しないで、銃の扱いを覚えても、銃の理解は深まりは
しないはずです。ですから、開発の歴史を覚えて貰い、銃の理解力を深めると
共に、シーランド銃の素晴らしさを知って下さい」
この講習会は、支部長さんと棟梁監督に対しての、ただの嫌がらせの意味合いで
開いているだけに過ぎないのだが、此処は適当な事を言って、嫌がらせを続けた
いと思う。
「理解力をあげると、シーランド銃の扱いが上手くなるのですか?」
「はい、棟梁監督さんが、今すごく良い事を言いましたね!理解力を上げると
扱いが上手くなるのですか?この質問の答えは、上手くなると言いましょう
何故ならば、シーランド銃は作りを理解してないと、整備が出来ないからで
す。整備不良のシーランド銃で、貴方達は魔獣と戦いたいのですか?違うと
思いますけど、まさか魔獣に整備不良を起こすかもしれない銃で、挑むとか
自殺したい人でないとしませんよね?」
《おぉ~なるほどな!》
シーランド銃には、2種類ある事は、先程話をしましたが、その2種類の違いに
付いて説明して行きますよ。オレーク式は、銃剣と言われる物が、銃身に付い
ており、接近された時に、銃剣を使い敵を怯ませる、突く、防ぐが出来ます。
そして、中距離までの射撃が出来ますが、成人男性でないと持ち運びに射撃が
非常に困難で、女性や子供では撃つのは、慣れてないと辛いですね!
続きましては、来式の説明に入ります。この銃の特徴としては、望遠鏡を取り
付ける事が出来る様にしてあり、その為に長距離射撃が可能になっています。
ですが、銃剣が無い分、接近されると直ぐに剣に持ち代えないと、魔獣や魔物
に遣られてしまいます。でも、銃剣が付いていない分、オレーク式より軽くて
女性や子供でも射撃が出来るのです。ですが明くまでも、この銃の運用は、遠
くから撃つ事なので、敵が接近すると白兵戦をしないと行けません!
2種類の銃の説明も終えた所で、今ある来式を使って、取り扱いを説明して行き
たいと思います。此処までで質問とかは無いですか?
2人とも静かだったので、俺は淡々と銃の取り扱いを説明して行ったのだった。
まずは、銃に魔力球を入れる場所から説明して行き、その都度、魔方陣が描かれ
て居る場所だとか、色々な事を説明して行ったのだった。
「なるほど、これでシーランド銃が撃てるのですね!先生、撃っても良いですか」
支部長さんは、そう言うと的に銃を向けてから、引き金を引こうとするが、俺は
撃つのを待って貰ったのだった。何故かと言うと、変な体勢での射撃をしていた
からだ。反動は火縄銃よりは弱いが、反動がまったく無い訳ではないのだ。下手
な格好で撃つと、それは怪我の元になりかねないのだ。
俺は、支部長さんの後ろに行き、銃の正しい構え方を支部長さんの後ろから、
姿勢を正して行く事で、身につけて貰っていたのだ。それが功を奏したから
支部長さんは、射撃を上手く行えており、怪我をする事も少なくなったはず
である。
続いては、棟梁監督さんが、俺に教えられながら銃を構えているが、棟梁監督
さんは、緊張しているせいか、身体が硬くなっており、体勢を変えるのに苦労
させられてしまった。
「うおぉ!若い男の身体が、自分のお尻に触れている!」
ちょっと、何を考えてるのか、俺にはさっぱり解らないな!
身体が硬くなっているから、先程、拾ってきた木の枝で、膝や肩などを叩くか!
「先生、イタイ.....イタイです」
2人ともシーランド銃の扱いにも慣れた様で、的には命中する事は、まだ早いが
それでも、3発に1回は的の端に当たる様にはなっていたのだ。廃村に出発する頃
までには、的に全弾命中させる事を目標に、大工職人と左官職人を鍛えて行こう
そうすれば、拠点の防衛は、人夫と職人だけで十分に出来るからだ。
「先生.....自分をもっと叩いて貰えませんか?」
《へっ!?》
約1名だけ、猛訓練を希望する猛者が居る事を芳乃達に伝えておこう!
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