戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)

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第33話 狩りと採取

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朝起きてきたアンジェと挨拶を交わした時に、昨夜の事を訊かれた
のだが、俺は知らぬ存ぜぬを貫いていたのだ。アンジェも首筋に衝撃
があった事を覚えていた様で、俺にしつこく問い詰めてきたのだが、
俺はアンジェを相手にしないで、ターニャと女子衆が作った朝飯を食べ
はじめている。

コーヒーなる飲み物も、最初は苦いだけの飲み物だったが、最近では
癖になってしまった。砂糖とミルクをコーヒーに入れると、これがまた
堪らなく美味しいのだ。

焼き立てのパンに、卵をフライパンで焼いたスクランブルエッグなる卵
料理が、パンの上に乗せられおり、その上にマヨネーズが掛けられた、
パンを食べたのだった。

これがまた、美味しいの何のって、癖になる味である!日ノ本に居たら
この様な料理は、一生食べられなかったであろうな!仏様に感謝しない
と行けないな!?仏様に感謝何って、こっちの世界に来てからしてない
なかったな......南無阿弥陀仏――――

朝食も食べ終わったので、ダーンと俺とで話し合い、狩りに行く場所を
決めて出発した。野営地から森に入り、小島の中央にある池まで行くの
だ。池まで行く途中で出くわす魔物や魔獣を倒すのと、アンジェがある
事を労働組合・ユニオンから依頼を受けてきていたのだ。

それは

この小島でしか採取できない万能な薬草だそうで、この薬草を何時でも
取りに来れる様にする為に、此処の小島の魔物や魔獣を倒しておくのだ
そうだ。そうしないと直ぐに、この小島は魔物や魔獣で溢れかえってし
まい、薬草の採取も出来なくなるとダーンが言っていた。

薬草は小島の中央の池の周辺でしか取れないのだ。

森と言っても、草が生い茂った感じではなく、木々が等間隔で植わって
おり、見た目的にも綺麗な森と言った感じだ。杉林を思い浮かべれば、
想像できるだろうな?そんな感じだな!

小島の中央に向かうに連れて、小高い山になっており、ちょっとした感じ
の山登りをしてる感じを覚えている。出発して半刻程たったかな?そんな
時に森が開けた場所に出たのだ。そこから海が見えており、野営地も見え
たのだが、何とも美しい土地なのだろう。

蒼い海に蒼い空、白い大きな入道雲と照りつける太陽が、俺達を歓迎して
くれているようだ。俺の輸送用ダウ船型の帆も、太陽に照らされていて、
絵になるな!輸送用ダウ船型も荷物と11名を載せてきただけあって、上か
から見ると、大きさが良く解る!

船を見ていた俺をダーンが、急いで来て欲しいと言う声が聞こえてきたのだ。
ダーンの側に行くと、魔獣の鹿の化け物がいた!この鹿の化け物は温泉地で
も居た奴だな!名前はデュー・ホーンと言うらしい。大きな鹿の角が特徴的
であり、この角が硬くて折れないから、倒すのに苦労させられた覚えがある
だが、俺と芳乃は、倒し方を心得ており、もう難なくデュー・ホーンを倒せ
る事ができるのだ。

デュー・ホーンは突進は早いが、早いだけで躱す事は簡単にできる。他の者
には無理かもしれないが、俺達ならば躱す事は可能なのだ。突進をギリギリ
で躱して、その直後に横からの斬撃で仕留める方法を取った。その方が安全
で確実だからだ。

俺の愛刀・摂津国源くにもとがデュー・ホーンの太い首を難なくと切り落としていた。
俺の父親・国源が、元服した時にくれた物だ。

摂津国源は、総じて身幅広く、反り高く、中切先が猪首となった姿で、反りは、
刃長の中程に反りの中心がある鳥居反り(輪反り、京反り)となるっている。
切れ味は、群を抜いて良く、手にも良く馴染んでおる。
それが、我が愛刀の摂津国源だ。

国康兄には、摂津国吉が元服した時に送られておる。祖父の国吉の作品であり
時期頭首の証になりつつある刀でもある。俺は次男坊なので、名前にも国が無
くて、好成となっている。もしも俺が頭首ならば、名前は国成となったであろう
だが、俺は次男坊なのだ。好成と言う名前だが、この名が好きだ。不満は無い!

そんな事を思っていると。

ワイド・ボアと言う猪の魔獣が、池に付くまでに5頭も出現してきたのだ。
流石に数が多すぎるので、刀で切り倒すのは無理だと判断して、魔力鉄砲を
撃って倒して行った。この島に着てから倒した物は、砂浜ヤドカリが3匹に
デュー・ホーンが1頭にワイド・ボアが5頭だった。

あと1頭倒せば、ダーンの依頼は完了できるのだ。

その前に、池に到着したので、お昼を食べる事にしたのだ。食べ終わったら薬草
の採取をして帰る予定で居る。昼飯はバスケットと言う箱に、食べ物が詰っており、
それを皆で食べたのだった。サンドイッチと言うパンに野菜やハムを挟んで
マヨネーズやカラシなどの調味料が塗られたパンだったのだ。

飲み物は、水筒に紅茶が入っており、コップに注いでもらってから飲んだ。
ミルクを紅茶にいれると、これが中々に癖になる味なのだ。

昼飯も美味しかったが、夕飯はまだ美味しい物が出てくるのだろうか?
そんな事を思いながら、サンドイッチを口に運んでいる好成だった。


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