戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)

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第32話 野営と楽しい夕飯!?

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野営をする為に、ダーンと俺とで薪拾いをして来たのだが
拾ってきた丸太を浜で、船の大砲を使い砲撃した事で、皆
に怒られてる最中なんです.......

一番怒ってる人は、オレークさんとアンジェなんです。
オレークさんが怒ってる理由は、船の大砲を使い、丸太を
吹っ飛ばして薪に変えた事を非難されました。

「鍛冶屋が、大砲を使って薪にするなど訊いた事も無いわ!
 神聖な大砲で、2人して遊ぶんじゃない!」

確かに!日ノ本の国でも、刀を遊びで使えば怒られるだろう!
それが、此方では大砲なのだ。大砲で遊んだと思われて怒られ
ているのだ。決して遊びで大砲を使った訳ではないと、オレー
クさんに説明したのだが、今後この様な大砲の使い方をしたら
許さないと言われてしまった。

オレークさんには、反省してますと伝えて、怒りを終ってもら
ったのだ。「鍛冶屋が、大砲で遊ぶなど言語道断!」とっまだ
小言を言ってるけど、その内に怒りも静まるだろう。

そして.....もう1人の怒ってるアンジェの言い分を訊くと!

「そんな楽しそうな事に、何であたいを誘ってくれなかったの?」

はい.....もう訊きたくないので、以下略で片付けます。

アンジェに取り合ってたら、時間が幾ら合っても足りなくなりそう
だから、片付けて良い時は、手早く片付けてしまいます。

「好成は、あたいに対して凄く冷たい対応しかしないよ!」

こっちもオレークさんと一緒で、小言を言ってますが、その内に
拗ねるのも収まる事だろうと思い、そのまま放置しておきました。

「好成!あたいにもっと構ってよ!寂しいよ!」

あぁ~~~何も聴こえない!

俺とダーンが、説教から解放されたと同時に、夕飯を食べる用意が
終ったそうなので、そのまま夕飯にする。芳乃が頃合を見計らって
用意してたんだろうな?芳乃は昔から、そう言う事は抜かりがなく
俺が怒られ終わったら、見計らって何か差し入れしてくれていたな。
芳乃は俺には勿体無い程の器量よしの許婚である。

芳乃に手をだす奴は、問答無用で斬り殺す!

オレークの娘のターニャが、主導して作った夕飯はと言うと、メイン
は干し肉なのだが、その干し肉をワインで煮込み、柔らかくした後に
野菜のスープに煮込んだワインと出汁を一緒に入れて煮込み、一時間
近く煮込んだ物だ。肉ワイン煮込みの野菜のスープと言うらしい。

肉も野菜も、トロトロになるまで煮込まれていて、肉を口に入れると
ほろほろと口の中で崩れていったのだ。硬い干し肉が、ワインで煮込
む事で、ここまでの柔らかさになった事に、俺は衝撃を覚えたのだ。

この肉ワイン煮込みの野菜スープは旨い!旨すぎる。

その野菜スープに付けて食べる為のパン、これも硬いだけの物とは
違い、焼き立てのパンは、熱々でふんわりとした手触りだった。
焼き立てのパンが、此れ程までに美味しい物とは知らなかった!?

ソーセージとサラダの盛り合わせ。

このサラダが、また旨かった!ソーセージにレタスとか言う物を巻いて
マヨネーズと言う調味料を掛けて食べるのだが、サクサクした中に、
マヨネーズの酸味が利いていて、何とも言えない味わいになっている
ソーセージにマヨネーズを付けて食べると、これが良く合う味わいだ。

「パリッ!」「シャクシャクッ」

この音が辺りに鳴り響いている。この音を訊くとソーセージしか思い出
せないだろうな?俺はもうソーセージの虜になってしまったのだ。
アンジェが、俺のソーセージを狙って、ホークを伸ばしてきたのだが、
俺の大事なソーセージをアンジェになどに、盗られてたまるか!?

「好成のソーセージは、あたいが食べてあげるから、早くよこしなよ」

アンジェの、この言い様ときたら.....誰がアンジェに遣るか!
ニヤニヤしたアンジェの顔を見ていると、無性に腹が立ったので、俺は海を指
指してこう言ったのだ。

「アンジェ海に何か居るぞ!?」

そうすると、その場にいた皆が海の方を見出していたのだ。その隙に
俺はと言うと、アンジェの後頭部の首の付け根に、掌底打ちしょうていうを入れたのだ。
誰にも見られてないはずだ?

アンジェが俺のソーセージを狙わなければ、この様な殺生をせずに済んだものを
恨むのならば、自身の傲慢を恨むんだな!

「アンジェ様?どうかされましたか?」

ダーンがアンジェの異変に気が付いたのだが、俺がアンジェの気絶させた事には
気が付いておらなんだ。そこで俺は、旅の疲れが出たんだろう?とか言って休ま
せる事を進めたのだ。ダーンと側近の侍女は、アンジェを担いでテントに運んだ
のだった。

つまらぬ者を殺めてしまった。だが俺のソーセージは守り抜いたから、一遍の悔い
はない。食い物の恨みは怖いのだよ諸君!皆も人の食事を狙う時は、命を掛けて
挑むのだな、そうでなければ、この様な悲惨な結末になるであろう!


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