戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)

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第15話 好成と権力者

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オーステルハウド村での取引も終ったので、次の村に向けて出発する。
次の村で毛皮が売れない場合は、町にあると言う毛皮職人組合なる場所
に売りに行く事にきまったのだ。

毛皮職人組合とは、毛皮・鞣し革などを扱う集団を言うのだとか、そこで
毛皮の売れ残りを全部売り払い、生活必需品を買い揃えると、アンジェから
教わっている!

アンジェは、何でも知っている頼れる先生になってしまった!

この世界の事を何も知らない、だから!誰かに訊かないと、生きては行けない
アンジェには悪いが、俺達はアンジェを頼らせてもらっているのだ。

船の事では、ダーンに頼らせてもらう事にしている。

その他にも魔法の事や、この世界の鍛冶の事なども、色々と知りたかったのだ。
魔力大砲や魔帆など、見た事も聞いた事も無い物が、目の前にあるのだから興味
が沸かないはずがなかったのだ。

鍛冶と魔法の組み合わせ、まずはこの事に興味をそそられている。
どうすれば作れるのか、今から考えただけでも胸が高鳴ってしまう!
俺が生きてきた中で、間違いなく一番胸の高鳴りであるだろうな。

早く町に着いて、鍛冶屋に行きたくてしょうがないのだ!
でも、その前にルールモンド村に、立ち寄らなければならなかった。

この地域の掟で、村に立ち寄らないと次の目的地には、行けないと言うのが
あるそうなのだ!何故かとアンジェに訊くと、内陸の村で問題や足りない物が
あった時などに、助け合いをする為の掟なのだそうだ。

その地域での掟には、従わないと悪いのは知っている。それを遣らなかったら
もしも自分が困った時には、誰も助けてくれないからだ。それでも良いのなら
掟などを破れば良いだけなのだ。

人間は1人では生きてはいけない、それは集団になっても一緒である。
1つの村だけでは、生きてはいけないのだ!だから助け合いをしてでも
皆で生きて行こうとするのだ。

好い風習がある地域ではないか!

俺は此処の風習は、嫌いではないと言うか、寧ろ好きな掟である!

人と人との絆があり、皆で助け合って生きて行くのだから、隣の住人同士で
憎みあって生きて行くよりは、大分と言うか凄く住みやすいだろう。
日ノ本も戦、戦で殺し合いしかしてなかったが、助け合って生きていた。

平和な世界って言うのも、悪くは無いな!

そろそろ次の村の、ルールモンド村に着くとヤーコブが、俺達に教えに来て
いた。ここの村は、町にも近いので、そんなに取引する量は無いとか言っている
町に近いのならば、それもそうだろう!

必要な物は町に、買出しに行くだろうし、急病人なども町に連れて行くか、
町から医者を呼ぶそうだ。なので、此処の村では挨拶程度の事しかしないとか!
そんな村があっても、別に良いと俺は思う。

気を使って商いするより、村の事情を話して、理解して貰った上での付き合いを
した方が、良い付き合いができると思うのだがな!いらない物を買ったり買わさ
れたりするのも、お金が掛かってしょうがないし。それならば挨拶程度でも良い
ので、立ち寄って貰って雑談などするだけでも、情報が入る方がお得な気がする!

町の最近の情報などが、町に着く前に解るのは、正直に言うと有難い!
何事も情報が先に解れば、手の内ようが有るからだ。ヤーコブ達もそれが
解っているのだろうな、情報を得る為に立ち寄るみたいな事を言っていた。

この世界の人間も、中々に逞しく生きているな。

この村は、ヤーコブと連れの従者しか上陸しないようだな?
それならば、桟橋でも好いから上陸して、腰を伸ばしたい。

流石に不慣れな船旅であるから、腰や膝などが痛くなっている。
腰が痛くなるような歳では無いのだが.....

船の隅で、座ってるだけでも腰は痛くなるのだ。

おっ!ヤーコブが戻ってきた。意外と早く戻ってきたんだな?
何かヤーコブが皆に対して、話し出しているな?訊いてみるかな!

「最近の事だそうだが、町に王族が着ているとか!町中では貴族には
                       近づかない様にしてくれ!」

町に王族が来ているのか?町の中の警備が厳重になっている可能性があるな?
俺が買い物に行く時に、警備が邪魔にならなければ良いのだがな?

王とか貴族の事は、堺の南蛮人から訊いた事があるぞ。
何でも威張っていて、大名と同じ位の権力があるとか言っていたな?
権力者は、俺は好かん!

威張りちらしてばっかりで、領民の暮らしを省みない奴ばっかりだ。
大名や公家なども好かん大嫌いだ。

町で王族や貴族に、会わねば問題はあるまい。
俺達に何かするならば、叩き斬ってやる!


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