戦国の鍛冶師

和蔵(わくら)

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第11話 船旅と雑談

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中型船に帆とオールと言う船を漕ぐ棒が、沢山付いた船で
下流の村々と町に向かうそうだ。

オールと言う棒は、堺に居る南蛮人達が使ってるのを港で見た事が
何回もあったぞ!日ノ本で言う所の櫂《かい》だな。

櫂が船の左5本右に5本、全部で10本もの櫂が付いている船であった。
船の所有者の息子・ヤーコプに船の事を聞いてみる事にした。

何でも此の船は、ガレー船と言う船だそうだ。

風がある時は、櫂は使わないで帆だけの力で進む、無風の時は櫂で
漕いで進むそうだ。村で必要な物がある時は、この船を使ってから
下流の町まで買い物に行くそうだ!

このガレー船の値段は、中型船と言う事もあったので、相当な値段
だそうだ。銭で言うと1万ベルク、金貨1枚もするとの事だ!

個人で船を買うのなら、小型船ならば安く、人も物も少しは積める
と、ヤーコブに教えてもらえた。小型船で中古ならば、2000ベルク
で買えるそうだった。

銀貨2枚ならば、下流の町までに行く途中の村で行商して、商売を
すれば直ぐに貯まるだろうと、村の生き残りのアントンが言っていた。
アントンも船の事で、町に行くそうなので、アントンと一緒に船大工
の所に行けばいいな。

アントンの村も当分は、村の再建費用を稼ぐ為に、ハルネフェルド村に
居候しながら、船の行商と村での手伝いで、再興資金を稼ぐそうだ。

アンジェ達は住む場所を魔獣に、散々に破壊されたから住む場所を探さ
ないとわるいそうだ。アンジェ達の住んでいた場所には、まだ魔獣が
居座っていて、帰るに帰れないとアンジェは言っている。

そこで芳乃と静に秋と相談する事になった。

俺達4人で、アンジェ達と一緒に住めないかと、アンジェに提案する事に
話し合いで決まったのだ。全員一致でアンジェの頭や顎を撫でたい!

そう頭や顎を触りたいんだよぉ~~~!!!!

アンジェの尻尾を触らせて貰ったが、あの毛ざわりが堪らなくて、何度も
触りたくなるのだ。クセになる毛並みと言えるだろう!

アンジェ達は、船を買える銭も持ち合わせて居ないとか、それならば俺達と
一緒に住んで、助け合えば良いのではないだろうかと、アンジェに提案する
とアンジェが、泣きながらお礼を言い出していた。

ケット・シー族は、鉱物掘りや畑仕事なども出来ると、アンジェは自慢げに
話していたのだ。

鉱物掘り.....だと!

俺は鍛冶屋ではあるが、鉱夫ではないから、鉱山で働く事に慣れてないのだ!
それをケット・シー族がしてくれるならば、俺としても文句が無いくらい助か
る事なのだよ!

俺達が見つけた場所、温泉地がある場所の事だ!

そこの奥地には、岩山もあるから鉱山も直ぐにでも、ケット・シーならば見つ
ける事が出来るかも知れない。そうなれば、蹈鞴たたら製鉄なども出来る
かもしれないのだ。

そうなれば、俺が考えていた鍛冶屋と全然規模が違う、もっと大掛かりな鍛冶屋
が作れるのだ。そうなれば、色々な物を沢山作れる!

まず作るのは、刀だな!

ベールプコヴァールト村・ハルネフェルド村に売り込み、使い方や我が来一族の
居合い剣術の流派などを教える、そうすれば魔獣に遅れを取る事も減るであろう!

我が来一族の居合い剣術は、動きながらでも居合いが出来る事が、他の流派とは
一番の違いであるのだ。我が来一族が使ってる流派は、上泉信綱様の新陰流から
派生した流派で、主に居合い剣術と小太刀を使った流派である。

我が父、国吉が上泉信綱様から免許皆伝を貰い開いた流派だ。
来一族にしか伝えられてない、一族だけの剣でもある!

流派の名は、新陰一閃流と言い、居合い術・小太刀・鉄砲術
それに苦無なども教えている。

新陰流には鉄砲術があるのは、一閃流だけであろう!

村の者達には、居合い剣術は無理でも、小太刀や苦無術などならば
出来る可能性があるかも知れない!

一閃流を覚えれば、魔獣ともまともに戦える様になるであろう!
そうなれば、生活するには大分、楽になる事であろうな。

ケット・シー族には、何を教えるべきか.....猫の手.....肉球で剣は
持てるのだろうか?そこが解らなければ、剣術を教えられないな....

アンジェに聞いてみるべきなのか?

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