職人は旅をする

和蔵(わくら)

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第20話 トッテンカン

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{町の防具屋に来ている}

〈ね~ボクに似合う防具って、どんなのかな?
         やっぱり~賢者風が似合うかな?〉

「アンが賢者風の格好ですって?1万年早いわ!」
『いや!100万年早いぞ!』
せめて、1年か2年にしてあげなよ...

〈きぃ~~ボクを馬鹿にしないでよ!〉
「魔法使いのマントだけで、良いでしょ?」
≪うんうん≫

〈マントだけって.....アンジェは胸当て付けてるのに?〉
「私は、良いのよ!身体が大きいから。」
『胸も大きかったら、良かったのにの?』

どっご!

『うぅぅ.....いいパンチじゃ......バタッ!』
ヨハン爺さん...一言多いって...本人は気にしてるんだから。

「気にしてないわよ!育ち盛りなんだから。」
〈貴方達って...馬鹿ね...〉

アン額に付ける、鉢がねを胸当て代わりにしてみたら?
〈これを?胸に付けるの?ボクだって育ち盛りだよ!〉
「でも、鉢がねを加工すれば、丁度、身体に合わないかな?」

ちょっと貸してみて!アン少しだけ触るよ。
〈えっ!?触るって何処を?〉

サイズを合わせないと、鉢がねを加工出来ないでしょう?
〈うぅ...うん...解ったわよ!変な場所は触らないでよ。〉

『触る場所が無いくせに、見栄を張りおってからに!』
〈精霊パンチ!〉

ボッコ!
『......』

「ホントこの爺さんは、一言が多いわね...」
あははは(汗)

長さは、この位にして、この辺で凹みを付けてから.....
〈ちょ.....くすぐったい.....いや.....〉
「レオン...夢中になってない?」

えっ?なってないよ.....ん?
「それなら、良いのだけどね。」

〈まだ終らないの?ボク疲れたよ...〉
もう少しだから、我慢しててよ!見栄えが良い胸当てが良いでしょ?
「このフリフリとか付けれないかな?」

〈それ可愛いね。ボクの胸当てが可愛くなっるのは歓迎だよ。〉
えっ?何を付けろって言うんだい?

「これこれ!」
んっ.....これを胸当てに付けるの?
〈レオン!ボクの装備に付けてよ。〉

身体を守れれば、それで良くない?
「解ってないわねレオン、女の子は可愛い装備を求めているのよ、」
〈そうだ!そうだ!〉

そうなんだ.....理解に苦しむよ。
「文句言ってないで、これを付けれるでしょ?

ま~付けれるけどさ....時間がかかるよ?鉢がねに穴を開けないと悪いし
         業職人ギルドで、工房を借りてから制作しないと駄目だね。
「業職人ギルドって工房を貸してくれるんだ?」
〈この後に何処か行くの?〉

2人が無理言うからだよ!ついでにアンジェの胸当てにも、
            アンとお揃いのフリフリを付けてあげようか?
「ホント!?やった~!」
『儂の胸当てには、レッド・ウルフのなめし革を付けてくれ。』

えっ!!!ヨハン爺さんの防具にも着けるの?
「いいじゃない?この際、レオンの胸当てにも付けたら?」
≪うんうん!≫

しょうがないな~何日か掛かるけど、それでも良いんだね?
≪問題なし!≫

マントと鉢がねをアンジェ買ってきてよ。
「それとフリフリの布も、買っていいでしょ?」
〈買っちゃっていいよ~!〉

うん!ヨハン爺さんのは、荷物にグレー・ウルフの皮が
        2枚あるから、それを鞣してから使って良いかな?
『レッド・ウルフが良いんじゃが.....』

贅沢は敵だよ!ある物で済まそう。
『おっ.....おう!』

「代金の払いを終らせてきたわよ。」
外に出ようか!
≪うん≫



このグレー・ウルフの皮は鞣してないから、そこから始めても好いかな?
≪はい≫

宿に行こうか!

                  

......................................................



桶に薬剤を入れるから、こぼさないようにね!その桶に皮を
  入れて置いて、薬剤が馴染んだら、水洗いして薬剤を洗い流すからね。
≪うん≫

皮を鞣す間に、皆の胸当てに穴を開ける位置を決めておくね。
≪うん≫

あっ!アンの胸当ては、まだ途中だったから続きをしようか!
〈くすぐったいのだけど.....〉

文句を言わないの!ほら、始めるよ。
〈仕方ないな.....〉



......................................................



{数日後、此処は業職人ギルドの貸し工房}


よし!作業を始めようかな!ヨハン爺さん窯に火を入れてくれるかな?
『任せとけ!アローふぁい.....』

ボコッ!

「この部屋を壊す気なの?」
〈部屋の中で魔法を使う?信じられないよ!〉

何してるの?壊したら修理代払ってよねヨハン爺さん!
『すまんかった...』


{窯も温まって来たみたいだ}


よしっと!この位の熱さで十分かな?装備を熱して穴を
       開けるから、装備を素手で持たないようにしてよ。
≪うん≫

ボォー.....ジュ~.....ボォー.....ジュ~.....

カン!カン!カン!カン!

後は綺麗にバリを取ってしまって、.....よし!

また火であぶるからね、素手で触らない事!
≪解った!≫

カンカンカン!カンカンカン!カンカンカン!

凹みも此れで、綺麗になったかな?.....んっ~!よしっ完璧!

後は水で冷やしてと、.....ジュ~!

水から出したら、綺麗に装備の水分を拭き取って貰えるかな?
≪了解!フキフキフキ...≫

水分は無くなってるね?ん.....良いね!

革用の接着剤を装備の裏側に、塗るからね触らないでよね!
≪うん≫

ヌリヌリヌリ!ヌリヌリヌリ!

これで、3分位接着剤を乾かしてと.....

格サイズに切って置いた、革を貼り付けます!貼った後に木のハンマーで

トッテンカン!トッテンカン!トッテンカン!

鉄と革の間に入ってる、空気を抜いたら終りだよ。

後はアンジェのお仕事だね!

「では、宿に帰ってから裁縫仕事をするわよ。」
〈ボクのフリフリの胸当て~!〉
『防具の裏側の革が、中々の肌触りじゃわい!気に入ったぞ。』

宿屋に帰る前に、此処の後片付けはオレ1人でするの?手伝うよね?
『あっ...』〈えっ?〉「んっ...?」

はい.....女子2人は正座!2人だけ何で部屋の外に居るのかな?
怒ってないから、俺に説明してよ(ニッコリ)


{レオンの説教が行われた...ざまぁ!}


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