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異次元からの侵略者

第146話 未来の戦争と言ったら、合体ロボだよね

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 これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
 停戦中だった北部戦線にて、激しい戦闘が再び始まる。
 衛星基地ソゴムを破壊するため、コアブレイカーを撃ち込む。
 その前に、出来るだけ無力化しておきたかった。
 一方の側も、これを最後の戦闘にしようと、神武七龍神ブルードラゴンの最期のチカラを賭けた総攻撃を仕掛けるため、その下準備の攻撃を繰り広げていた。
 ブルードラゴンを死なせたくない。
 今衛星基地ソゴムに居る人々は、その想いだった。
 ブルードラゴンの説得に、マイ達は向かう。
 ブルードラゴンが、命を賭けた総攻撃までに、間に合うのだろうか。



 マイとユアとメドーラは、次元を超越し、神武七龍神ブルードラゴンの居る超高次元空間にたどり着く。

「ここが、超高次元空間。」
 マイは思わずつぶやく。
 ほのかに明るい暗闇の中、床と天井が、どこまでも続いている。
 この床と天井には、白い線がマス目状にはしっている。
 そして少し遠くの方が、うっすら青色に光っている。
 おそらくそこが、ブルードラゴンの居る所。

「な、何ここ?」
 ユアには燃えさかる炎の街並みが見える。
 それは、ユアの元いた時代の、ユアの故郷!
「やめてー、私をひとりにしないでー。」
「ユア、しっかりして!」
 叫び声をあげるユアに対して、思わずマイも叫ぶ。

「いやー。」
 そんなふたりにお構いなく、メドーラも叫ぶ。
 メドーラにも、元いた時代の故郷が見える。
 海辺のその故郷は、大地震の影響で、大津波とともに海に沈む。

「ふたりとも、どうしちゃったのよ!」
 マイには、ふたりの見えてるモノが分からない。
 つか、ふたりには別のモノが見えてるとは、思っていない。

「メドーラ!
 僕のプリンを勝手に食べちゃった事、怒ってないから!」
「ユア!
 僕がボディクリーナー使ってる時に僕の裸を見た事、怒ってないから!」
 マイは、ふたりに対して呼びかける。
「だからお願い!戻ってきてよ!」

 がぁーーーあ!

 そこへ、何者かの咆哮。
 悲しみに満ちたその咆哮は、ブルードラゴンのものだった。
 ほのかな青い光は、近づいてくる。
 それと同時に、この空間の床と天井が、はるかかなたに遠ざかる。

「マイ!」
「マイお姉さま!」
 ユアとメドーラは、光に包まれたマイの姿を見る。
 そのマイに向かって手を伸ばすと、戦闘機のコックピットに座っていた。
 だけど外に広がる景色は、変わらない。
 ふたりの故郷の滅ぶ様だ。
 そこに三機の機体が浮かんでいる。

「ふたりとも、正気に戻ったのね!」
「正気?いや、こんなの見ていたら、どうにかなっちまうぜ。」
 マイの言葉に、ユアは顔をゆがめる。
「その通りですわ。」
 メドーラもユアに続く。
「どうやら、見たくはないモノを、見せつけられてるみたいですね。」
 メドーラは現状を把握する。
 三人それぞれ、トラウマになる光景を見ている事を。

「く。」
 マイには、ほのかな青い光が近づくのが見えている。
 そして、三人のトライフォースが解けかかってるのを感じる。

「ふたりとも、合身いくよ。
 今こそ、ケイネシアから貰ったスティックを使う時!」
「わ、分かった。」
「今は、それが最善の様ですわね。」
 ユアもメドーラも、スティックを手にする。

「いくよ、三身合体トライフォース!」
 マイの掛け声で、三人は同時にスティックを挿し込む。
 と同時に三人の機体が輝きだし、かっこいい歌が流れ出す。


『暗い闇の底、光さえ届かない』
 ユアとメドーラの機体が前方へと飛んでいき、変形する。
 ガドガゴ、ギーン!
『誰もが希望を無くすとーきぃ』
 マイの機体は天高く上昇する。
 キュィーーン!
『心の奥に眠る、魂が雄叫びあげる』
 ユアとメドーラの機体は、マイの機体目がけて上昇しながら合身する。
 グゥーン、ガキッ!
『そうさ勇者の血が目覚めるのーさ』
 合身したユアとメドーラの機体が、変形する。
 ピシュー、ゴガゴガ!
『ゆくぜ今こそ、勝利のトライフォース!』
 マイの機体が変形しながら後方へ宙返り。
 シューウ、ピキーン!
『三つのチカラが合わさる時ぃ、奇跡は現実になるぅ』
 三人の機体が、ひとつになる!
 ガギガゴーン、ピカーン!
『そうさ今こそ、勝利のトライフォース!』
 機体の両脚の先から、くるぶしから先の部分が出てきて、直角に曲がる。
 シャキー、ドン!
『天を裂き、大地を割り、時を越えぇ、その時神はここにいる』
 両腕の先から、五本の指を伸ばした状態の手が出てきて、その手を握りしめる。
 シャキー、ドン!
『それが今こそ、勝利のトライフォース!』
 ユアとメドーラのコックピットの座席が後ろに下がり、シャッターが閉められる。
 ゴイーン、ズーン!
『トライフォース、トライフォース、トライフォース、』
 マイの両隣に、ユアとメドーラが現れ、コックピットの計器類が一新される。
『見せつけろ、勝利のトライフォーォスゥ』
 顔がニョキリと生えてきて、額にある角っぽいオブジェが左右に開き、眼が光る。
 ピキーーン!

「時代を越え、時空を超越した三つの心が重なる刻、奇跡は起きる。
 完成!三身合体オメガクロス!!」
 マイの掛け声の後で、人型に変形合体した三人の機体は、両肘を曲げて拳を腰の辺りに持ってきて、そこから左右のワンツーパンチを繰り出す。
 そして突き出した右拳を、右脇に降ろして、ポーズを決める。

「これが、三身合体」
「オメガクロス…。」
 ユアのつぶやきに、メドーラが続く。
 ふたりはあまりの衝撃に、それ以上言葉が出ない。
「ぼ、僕、何口走ってんだろ。」
 マイは、先ほどの台詞を、こっ恥ずかしく思う。
 自分の意思とは関係なく、言葉がひとりでに出てきた。
 そんなマイの事を、ユアとメドーラは呆然と見つめる。
 三身合体の衝撃から、まだ正気に戻ってなかった。

「い、行くよ、ふたりとも。」
 恥ずかしい気持ちを払拭するように、マイはふたりに声をかける。

 三身合体オメガクロスが今、出陣する!
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