111 / 215
異次元からの侵略者
第111話 別次元への扉を目指して
しおりを挟む
これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
この時代に召喚させられたマイは、一時休戦中の北部戦線の中心部、衛星基地ソゴムにきていた。
この異次元からの侵略者は、ケイの姿をしていた。
そして18時間後に総攻撃をかけると告げ、姿を消した。
マイの記憶を共有し、メドーラも知る事となる。
今回の侵略は、神武七龍神のひとり、ブルードラゴンが関わっている!
マイの戦闘機は、超広域レンジのワープ航法エンジンがいかれていた。
これは、18時間後に始まる総攻撃から逃れられない事を意味していた。
その戦闘空域は、0.5光年の広さにおよぶ。
今のマイの戦闘機が、ワープ航法なしでその戦闘空域を抜けるのには、およそ30時間かかる。
って、亜光速航行で光の速度以下なら、半年以上かかりそうな気も、しないでもない。
でも、超広域レンジ以外のワープなら、出来る。
でも、超広域レンジがいかれたため、他のレンジも効果は半減している。
おまけに今回は総攻撃らしい。
その戦闘空域も、今まで以上に広がるかもしれない。
そして今のマイは、脱出用システムが使えない。
今のマイの魂は、脱出用システムに耐えられないのだ。
戦闘機を墜とされたら、マイは死ぬ。
「ならばいっその事、こちらから攻めてみるのも手ですわ。」
マイの戦闘機の状態を不安視する中、メドーラが他の方法を提言する。
ケイの姿をした謎の人物が消えた時間、衛星基地ソゴムの奥底で、次元の歪みが生じていた事を、アイツウが突き止めていた。
そしてその次元の歪みは、今もくすぶっているという。
アイツウからその情報を共有する、アイとユウ。
「なるほど、これはいけるかもしれない。」
その情報に、ユウはうなずく。
衛星基地ソゴムは、地球の月の四分の一の大きさをしている。
マイ達のいる表層部から、次元の歪みがある場所へは、およそ二千キロといったところだ。
サポートAI達は、戦闘機から質量を持った立体映像を投影する。
それは、オフロードバイクだった。
これで二千キロをかっとばす寸法だ。
このオフロードバイクは、最高速度はマッハ2。
つまり時速換算で、およそ二千四百キロ。
次元の歪みまでは、一時間もあればたどり着く計算だ。
衛星基地ソゴムの内部情報も、召喚者達にダウンロード。
これで、二千キロ先の目的地までのナビゲートは完了。
あとは行くだけだ。
ユアとメドーラは、早速オフロードバイクをかっとばす。
最高速度はマッハ2とはいえ、衛星基地内では、そんな速度は出せない。
音速の衝撃波が、半壊した衛星基地内部を、さらにぶっ壊すからだ。
その崩壊に巻き込まれる可能性も、考えられる。
ユアとメドーラは、時速八百キロで、目的地を目指す。
それにひきかえ、マイは、時速六十キロが精一杯だった。
あっという間にマイの視界から、ユアとメドーラが消える。
「ちょっと、なんであのふたりは、あんなにかっとばせるのよー。」
衛星基地内の入り組んだ内部通路を、なぜ時速八百キロでかっとばせるのか、マイには分からなかった。
そしてマイのパートナーであるアイも、分からなかった。
なぜマイが時速六十キロしか出せないのかを。
「はあ、マイ、あんたねえ。いつもはもっととばしてるじゃん。」
アイは、戦闘機で飛ぶマイの姿を思い浮かべる。
そのイメージは、マイにも伝わる。
戦闘機でなら、準光速速度で、小惑星帯を突き抜ける。
「それとこれとは、別でしょ!」
「同じです!」
マイの反論を、アイは即座に否定する。
戦闘機とオフロードバイク。
それに違いがあるのか、という事だが、接する空間からの衝撃が、操縦者に直にくるという点では、別物だろう。
「同じ、かもしれないわね。」
だけどマイは、アイの言う事を信じはじめる。
頭の中には、衛星基地内のマップが叩き込まれている。
つまり、目を閉じていても、走破は可能。なはず。
小惑星帯を戦闘機で、亜光速で突き抜ける時は、小惑星の動きも加味しなければならない。
衛星基地内なら、それがない。
マイはオフロードバイクの速度を、徐々に上げる。
百キロ、二百キロ、三百キロ、四百キロ。
「ここから、ショートカット出来る。」
マイは速度を一度百キロまで落とす。
ソウルブレイドのクダを光線銃に変えると、数百メートル先の右前方の閉ざされたシャッターを撃つ!
ピッツオ!ピッツオ!ピッツオーン!
光線銃を三度撃つと、閉ざされたシャッターは壊され、新たな通路が現れる。
マイは左側面の壁を走り、そのまま天井を走り、右側面の壁に新たに現れた通路に、天井を走行しながら入る。
そしてその通路の左側面から床に降りる。
そこから一気に八百キロまで加速する!
「公園?」
次元の歪みがあるとされる場所は、公園のようだった。
球体をした衛星基地の中心近くに、なぜこの様な場所があるのかは知らないが、ここは普通に公園だった。
ユアとメドーラは、その公園で、オフロードバイクを停める。
「そう言えば、マイお姉さまがいませんですわね。」
メドーラはここで初めて、マイがついて来てない事に気づく。
「あれ、本当だ。まさか、マイの身に何かが。」
ユアもその事に気づき、少し不安になる。
時速八百キロで走り抜けると言う事は、定められた行動を完璧にこなすと言う事だ。
そこに、一瞬の判断とかはない。
定められた行動から少しでも外れれば、死ぬだけだ。
「ひょっとしてマイって、高速走行の訓練を受けてないんじゃない?」
ここでユアは、ひとつの疑問が生じた。
マッハ2は出せるオフロードバイク。
こんなもん、プライベートで使う事は、まずない。
自家用車の最高速度は、およそ時速二百キロ。
これは西暦9980年のこの時代まで、一貫している。
自動操縦が一般化した時代でも、最高速度は百キロ以下だった。
発点と終点が定まってる自動操縦なら、リニアカーを使用して時速五百キロの時代もあった。
しかし、専用道路も必要となるリニアカーが実用された期間は、短かった。
つまり、それ以上の速度を出せる乗り物なら、乗りこなす訓練が必要となる。
そんな訓練、マイは受けていなかった。
マイの魂の資質的に、その様な任務につく事は、考えられなかったからだ。
別に後付けで思いついた事を、始めからやってる訳がないだろとか、そんな話しではない。
そんなマイであるが、マイも次元の歪みがある公園に、たどり着く。
ユアとメドーラとは、違った通路から。
この時代に召喚させられたマイは、一時休戦中の北部戦線の中心部、衛星基地ソゴムにきていた。
この異次元からの侵略者は、ケイの姿をしていた。
そして18時間後に総攻撃をかけると告げ、姿を消した。
マイの記憶を共有し、メドーラも知る事となる。
今回の侵略は、神武七龍神のひとり、ブルードラゴンが関わっている!
マイの戦闘機は、超広域レンジのワープ航法エンジンがいかれていた。
これは、18時間後に始まる総攻撃から逃れられない事を意味していた。
その戦闘空域は、0.5光年の広さにおよぶ。
今のマイの戦闘機が、ワープ航法なしでその戦闘空域を抜けるのには、およそ30時間かかる。
って、亜光速航行で光の速度以下なら、半年以上かかりそうな気も、しないでもない。
でも、超広域レンジ以外のワープなら、出来る。
でも、超広域レンジがいかれたため、他のレンジも効果は半減している。
おまけに今回は総攻撃らしい。
その戦闘空域も、今まで以上に広がるかもしれない。
そして今のマイは、脱出用システムが使えない。
今のマイの魂は、脱出用システムに耐えられないのだ。
戦闘機を墜とされたら、マイは死ぬ。
「ならばいっその事、こちらから攻めてみるのも手ですわ。」
マイの戦闘機の状態を不安視する中、メドーラが他の方法を提言する。
ケイの姿をした謎の人物が消えた時間、衛星基地ソゴムの奥底で、次元の歪みが生じていた事を、アイツウが突き止めていた。
そしてその次元の歪みは、今もくすぶっているという。
アイツウからその情報を共有する、アイとユウ。
「なるほど、これはいけるかもしれない。」
その情報に、ユウはうなずく。
衛星基地ソゴムは、地球の月の四分の一の大きさをしている。
マイ達のいる表層部から、次元の歪みがある場所へは、およそ二千キロといったところだ。
サポートAI達は、戦闘機から質量を持った立体映像を投影する。
それは、オフロードバイクだった。
これで二千キロをかっとばす寸法だ。
このオフロードバイクは、最高速度はマッハ2。
つまり時速換算で、およそ二千四百キロ。
次元の歪みまでは、一時間もあればたどり着く計算だ。
衛星基地ソゴムの内部情報も、召喚者達にダウンロード。
これで、二千キロ先の目的地までのナビゲートは完了。
あとは行くだけだ。
ユアとメドーラは、早速オフロードバイクをかっとばす。
最高速度はマッハ2とはいえ、衛星基地内では、そんな速度は出せない。
音速の衝撃波が、半壊した衛星基地内部を、さらにぶっ壊すからだ。
その崩壊に巻き込まれる可能性も、考えられる。
ユアとメドーラは、時速八百キロで、目的地を目指す。
それにひきかえ、マイは、時速六十キロが精一杯だった。
あっという間にマイの視界から、ユアとメドーラが消える。
「ちょっと、なんであのふたりは、あんなにかっとばせるのよー。」
衛星基地内の入り組んだ内部通路を、なぜ時速八百キロでかっとばせるのか、マイには分からなかった。
そしてマイのパートナーであるアイも、分からなかった。
なぜマイが時速六十キロしか出せないのかを。
「はあ、マイ、あんたねえ。いつもはもっととばしてるじゃん。」
アイは、戦闘機で飛ぶマイの姿を思い浮かべる。
そのイメージは、マイにも伝わる。
戦闘機でなら、準光速速度で、小惑星帯を突き抜ける。
「それとこれとは、別でしょ!」
「同じです!」
マイの反論を、アイは即座に否定する。
戦闘機とオフロードバイク。
それに違いがあるのか、という事だが、接する空間からの衝撃が、操縦者に直にくるという点では、別物だろう。
「同じ、かもしれないわね。」
だけどマイは、アイの言う事を信じはじめる。
頭の中には、衛星基地内のマップが叩き込まれている。
つまり、目を閉じていても、走破は可能。なはず。
小惑星帯を戦闘機で、亜光速で突き抜ける時は、小惑星の動きも加味しなければならない。
衛星基地内なら、それがない。
マイはオフロードバイクの速度を、徐々に上げる。
百キロ、二百キロ、三百キロ、四百キロ。
「ここから、ショートカット出来る。」
マイは速度を一度百キロまで落とす。
ソウルブレイドのクダを光線銃に変えると、数百メートル先の右前方の閉ざされたシャッターを撃つ!
ピッツオ!ピッツオ!ピッツオーン!
光線銃を三度撃つと、閉ざされたシャッターは壊され、新たな通路が現れる。
マイは左側面の壁を走り、そのまま天井を走り、右側面の壁に新たに現れた通路に、天井を走行しながら入る。
そしてその通路の左側面から床に降りる。
そこから一気に八百キロまで加速する!
「公園?」
次元の歪みがあるとされる場所は、公園のようだった。
球体をした衛星基地の中心近くに、なぜこの様な場所があるのかは知らないが、ここは普通に公園だった。
ユアとメドーラは、その公園で、オフロードバイクを停める。
「そう言えば、マイお姉さまがいませんですわね。」
メドーラはここで初めて、マイがついて来てない事に気づく。
「あれ、本当だ。まさか、マイの身に何かが。」
ユアもその事に気づき、少し不安になる。
時速八百キロで走り抜けると言う事は、定められた行動を完璧にこなすと言う事だ。
そこに、一瞬の判断とかはない。
定められた行動から少しでも外れれば、死ぬだけだ。
「ひょっとしてマイって、高速走行の訓練を受けてないんじゃない?」
ここでユアは、ひとつの疑問が生じた。
マッハ2は出せるオフロードバイク。
こんなもん、プライベートで使う事は、まずない。
自家用車の最高速度は、およそ時速二百キロ。
これは西暦9980年のこの時代まで、一貫している。
自動操縦が一般化した時代でも、最高速度は百キロ以下だった。
発点と終点が定まってる自動操縦なら、リニアカーを使用して時速五百キロの時代もあった。
しかし、専用道路も必要となるリニアカーが実用された期間は、短かった。
つまり、それ以上の速度を出せる乗り物なら、乗りこなす訓練が必要となる。
そんな訓練、マイは受けていなかった。
マイの魂の資質的に、その様な任務につく事は、考えられなかったからだ。
別に後付けで思いついた事を、始めからやってる訳がないだろとか、そんな話しではない。
そんなマイであるが、マイも次元の歪みがある公園に、たどり着く。
ユアとメドーラとは、違った通路から。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
TS調教施設 ~敵国に捕らえられ女体化ナノマシンで快楽調教されました~
エルトリア
SF
世界有数の大国ロタール連邦の軍人アルフ・エーベルバッハ。彼は敵国アウライ帝国との戦争で数え切れぬ武勲をあげ、僅か四年で少佐にまで昇進し、救国の英雄となる道を歩んでいた。
しかし、所属している基地が突如大規模な攻撃を受け、捕虜になったことにより、アルフの人生は一変する。
「さっさと殺すことだな」
そう鋭く静かに言い放った彼に待ち受けていたものは死よりも残酷で屈辱的な扱いだった。
「こ、これは。私の身体なのか…!?」
ナノマシンによる肉体改造によりアルフの身体は年端もいかない少女へと変容してしまう。
怒りに震えるアルフ。調教師と呼ばれる男はそれを見ながら言い放つ。
「お前は食事ではなく精液でしか栄養を摂取出来ない身体になったんだよ」
こうしてアルフは089という囚人番号を与えられ、雌奴隷として調教される第二の人生を歩み始めた。
※個人制作でコミカライズ版を配信しました。作品下部バナーでご検索ください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる