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異次元からの侵略者
第107話 逆鱗に触れたもの
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これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
この時代、人類は全宇宙へと大きく飛躍していた。
様々な技術的ブレイクスルーを経験し、宇宙の果てまで辿り着いた。
しかし、と言うか当然と言うか、人類の歴史に争いがつきものである事は、この時代においても変わりはなかった。
脱出用システムの開発により、死なない戦争が可能になった。
このシステムの適応者は、魂の波長が合った者に限られた。
その適応者達は、過去の時代から召喚される事になる。
だが、この脱出用システムが通じない敵と、人類は遭遇する。
それが、北部戦線の戦いである。
異次元からの侵略者に、人類は無力だった。
北部戦線への侵略者は、四日間休み無く攻め続け、その後三日間、姿を消した。
戦禍のやんだ北部戦線の中心地、衛星基地ソゴムに調査に来たユアとメドーラ。
半壊した衛星基地ソゴムで、ユアとメドーラは、かつての仲間であるケイの姿をした侵略者の策略にはまってしまう。
ケイの姿をした謎の侵略者は、立体映像を投影したユアとメドーラの偽物を、本物のふたりにぶつける。
このふたりの偽物は、元はマイが何気なく投影した立体映像だった。
マイの想いが詰まってる分、本物より強かった。
苦戦する本物のユアとメドーラ。
この戦いで、メドーラはゴンゴル三姉妹時代の、メドーとしての記憶を覚醒させる。
苦しむメドーラを救い、苦戦するユアを助けられるのは、マイだけだった。
ふたりを救出するため、マイも衛星基地ソゴムに辿り着く。
「消えた?」
ケイの姿をした謎の人物は、マイの目の前から、姿を消した。
まるで、投影した映像を消すように。
謎の人物の言動には、マイも気になる事がある。
だけど今は、ユアとメドーラに合流する事が先決である。
それがここ、衛星基地ソゴムに来た当初の目的である。
マイは、ソゴムの奥へと駆け出した。
ソゴムの奥には、マイの分身体二体が先行している。
本来ならパートナーであるサポートAIのアイの協力で、分身体の行動を、マイも把握する事が出来た。
しかし、アイが戦闘機の自動操縦に労力を使う事により、今のマイはアイのサポートを受けられない状態だった。
だけどマイは、分身体の行動が、なんとなく分かる気がした。
マイが初めて走るソゴムの通路も、なぜか見覚えがあった。
それは、分身体がそこを通った記憶のような物だった。
マイの探しているユアとメドーラは、ソゴムに侵入した地点を目指す。
マイと合流するために。
だが、メドーラはゴンゴル三姉妹時代のメドーとして、覚醒してしまった。
メドーラはユアに襲いかかる。
ユアはメドーラの攻撃をかわしながら、マイとの合流を目指す。
「逃げてんじゃねーよ、ユア!」
応戦しないユアに、メドーラはいらだつ。
「く、好き勝手言ってくれちゃって。」
メドーラの叫びに、ユアも口元がゆるむ。
ユアも、今のメドーラと戦ってみたい気が、無いわけでもない。
だけど、今のメドーラは明らかに異常だ。
今のメドーラを正気に戻せるのは、メドーラがお姉さまと慕う、マイしかいないだろう。
ユアはマイとの合流を急ぐ。
とは言え、全力疾走で衛星基地ソゴムに侵入した地点に、向かうわけにもいかない。
今のメドーラ相手に、背を向けるのは、相当危険な行為である事を、ユアはひしひしと感じていた。
ユアはメドーラの攻撃を、バックステップでかわす。
そのまどろっこしさに、ユアの心に、ある考えが浮かんでくる。
これ、メドーラを黙らせた方が、早いんじゃないか?
メドーラの首の後ろをトンってやって、気絶させれば良くないか?
幸い、メドーラのソウルブレイドは二本とも、ユアが取り上げている。
やるか。
ユアがそう考えを改めた刹那、メドーラが叫ぶ。
「しゃがめ、ユア!」
ユアは思わずしゃがんでしまう。
メドーラは叫ぶと同時に飛び蹴りをかます!
メドーラは飛び蹴り状態で、ユアを飛び越える。
メドーラの飛び蹴りは、ユアの背後に迫っていた、ユアの偽者に命中!
ユアの偽者は、輪郭がぼやけていた。
ユアとメドーラの偽者は、ケイに似た謎の人物の改造により、マイが投影した立体映像とは、別物になっていた。
とはいえ、その存在の拠り所は、マイが投影した立体映像である。
マイが立体映像の投影スイッチを切った事により、その存在も不確かなものになっていた。
つまり、メドーラの飛び蹴りにより、ユアの偽者は消滅した。
「くっ。」
メドーラは着地と同時に、顔を歪める。
ユアの偽者を倒したのは、ちょうど曲がり角だった。
その曲がり角の向こうに、もう一体の立体映像がいた。
それは、ユアの偽者に攻撃しようとする、マイの分身体だった。
メドーラは飛び蹴りをした勢いのまま、回し蹴り一閃!
その蹴りは、マイの姿をした立体映像をすり抜ける。
マイの分身体は、存在するための質量が少なかった。
サポートAIのアイが、戦闘機の自動操縦で手一杯だったため、立体映像を投影するための演算処理が、おろそかになったのである。
マイの分身体はメドーラの蹴りをガードするが、メドーラの蹴りはマイの分身体の身体をすり抜ける。
そのままマイの分身体は消滅する。
「おのれー!」
マイの分身体の消滅に、メドーラは切れる。
「あの野郎、マイお姉さまをも汚しやがった!」
メドーラは、マイがこのソゴムに来ている事を知らない。
このマイの立体映像は、マイ自身が作り出した事も、知らない。
メドーラはこのソゴムに侵入した地点へと、駆け出した。
そこには、ケイの姿をした謎の人物がいる!
先ほどまでユアを攻撃していたメドーラであったが、すでにユアの事など、頭の中から消えていた。
それほど、マイを汚された事に激怒した。
この時代、人類は全宇宙へと大きく飛躍していた。
様々な技術的ブレイクスルーを経験し、宇宙の果てまで辿り着いた。
しかし、と言うか当然と言うか、人類の歴史に争いがつきものである事は、この時代においても変わりはなかった。
脱出用システムの開発により、死なない戦争が可能になった。
このシステムの適応者は、魂の波長が合った者に限られた。
その適応者達は、過去の時代から召喚される事になる。
だが、この脱出用システムが通じない敵と、人類は遭遇する。
それが、北部戦線の戦いである。
異次元からの侵略者に、人類は無力だった。
北部戦線への侵略者は、四日間休み無く攻め続け、その後三日間、姿を消した。
戦禍のやんだ北部戦線の中心地、衛星基地ソゴムに調査に来たユアとメドーラ。
半壊した衛星基地ソゴムで、ユアとメドーラは、かつての仲間であるケイの姿をした侵略者の策略にはまってしまう。
ケイの姿をした謎の侵略者は、立体映像を投影したユアとメドーラの偽物を、本物のふたりにぶつける。
このふたりの偽物は、元はマイが何気なく投影した立体映像だった。
マイの想いが詰まってる分、本物より強かった。
苦戦する本物のユアとメドーラ。
この戦いで、メドーラはゴンゴル三姉妹時代の、メドーとしての記憶を覚醒させる。
苦しむメドーラを救い、苦戦するユアを助けられるのは、マイだけだった。
ふたりを救出するため、マイも衛星基地ソゴムに辿り着く。
「消えた?」
ケイの姿をした謎の人物は、マイの目の前から、姿を消した。
まるで、投影した映像を消すように。
謎の人物の言動には、マイも気になる事がある。
だけど今は、ユアとメドーラに合流する事が先決である。
それがここ、衛星基地ソゴムに来た当初の目的である。
マイは、ソゴムの奥へと駆け出した。
ソゴムの奥には、マイの分身体二体が先行している。
本来ならパートナーであるサポートAIのアイの協力で、分身体の行動を、マイも把握する事が出来た。
しかし、アイが戦闘機の自動操縦に労力を使う事により、今のマイはアイのサポートを受けられない状態だった。
だけどマイは、分身体の行動が、なんとなく分かる気がした。
マイが初めて走るソゴムの通路も、なぜか見覚えがあった。
それは、分身体がそこを通った記憶のような物だった。
マイの探しているユアとメドーラは、ソゴムに侵入した地点を目指す。
マイと合流するために。
だが、メドーラはゴンゴル三姉妹時代のメドーとして、覚醒してしまった。
メドーラはユアに襲いかかる。
ユアはメドーラの攻撃をかわしながら、マイとの合流を目指す。
「逃げてんじゃねーよ、ユア!」
応戦しないユアに、メドーラはいらだつ。
「く、好き勝手言ってくれちゃって。」
メドーラの叫びに、ユアも口元がゆるむ。
ユアも、今のメドーラと戦ってみたい気が、無いわけでもない。
だけど、今のメドーラは明らかに異常だ。
今のメドーラを正気に戻せるのは、メドーラがお姉さまと慕う、マイしかいないだろう。
ユアはマイとの合流を急ぐ。
とは言え、全力疾走で衛星基地ソゴムに侵入した地点に、向かうわけにもいかない。
今のメドーラ相手に、背を向けるのは、相当危険な行為である事を、ユアはひしひしと感じていた。
ユアはメドーラの攻撃を、バックステップでかわす。
そのまどろっこしさに、ユアの心に、ある考えが浮かんでくる。
これ、メドーラを黙らせた方が、早いんじゃないか?
メドーラの首の後ろをトンってやって、気絶させれば良くないか?
幸い、メドーラのソウルブレイドは二本とも、ユアが取り上げている。
やるか。
ユアがそう考えを改めた刹那、メドーラが叫ぶ。
「しゃがめ、ユア!」
ユアは思わずしゃがんでしまう。
メドーラは叫ぶと同時に飛び蹴りをかます!
メドーラは飛び蹴り状態で、ユアを飛び越える。
メドーラの飛び蹴りは、ユアの背後に迫っていた、ユアの偽者に命中!
ユアの偽者は、輪郭がぼやけていた。
ユアとメドーラの偽者は、ケイに似た謎の人物の改造により、マイが投影した立体映像とは、別物になっていた。
とはいえ、その存在の拠り所は、マイが投影した立体映像である。
マイが立体映像の投影スイッチを切った事により、その存在も不確かなものになっていた。
つまり、メドーラの飛び蹴りにより、ユアの偽者は消滅した。
「くっ。」
メドーラは着地と同時に、顔を歪める。
ユアの偽者を倒したのは、ちょうど曲がり角だった。
その曲がり角の向こうに、もう一体の立体映像がいた。
それは、ユアの偽者に攻撃しようとする、マイの分身体だった。
メドーラは飛び蹴りをした勢いのまま、回し蹴り一閃!
その蹴りは、マイの姿をした立体映像をすり抜ける。
マイの分身体は、存在するための質量が少なかった。
サポートAIのアイが、戦闘機の自動操縦で手一杯だったため、立体映像を投影するための演算処理が、おろそかになったのである。
マイの分身体はメドーラの蹴りをガードするが、メドーラの蹴りはマイの分身体の身体をすり抜ける。
そのままマイの分身体は消滅する。
「おのれー!」
マイの分身体の消滅に、メドーラは切れる。
「あの野郎、マイお姉さまをも汚しやがった!」
メドーラは、マイがこのソゴムに来ている事を知らない。
このマイの立体映像は、マイ自身が作り出した事も、知らない。
メドーラはこのソゴムに侵入した地点へと、駆け出した。
そこには、ケイの姿をした謎の人物がいる!
先ほどまでユアを攻撃していたメドーラであったが、すでにユアの事など、頭の中から消えていた。
それほど、マイを汚された事に激怒した。
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