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異次元からの侵略者

第95話 偽物と変態さんで泥沼化不可避!

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 これは西暦9980年のはるか未来のお話。
 人類が宇宙に飛び出したこの時代、人類は宇宙をまたにかけて争っていた。
 脱出用ポッドの出現により、誰も死なない戦争が可能になった事で、人々はゲーム感覚で戦争を始めてしまう。
 とはいえ、その戦争をするのは、主に過去の時代から、魂を召喚された者たちだった。
 しかし、そんな常識が、くつがえされてしまう。
 異次元からの侵略者には、そんな常識が通用しなかった。
 激戦を極めた北部戦線。
 未知の侵略者は、撃沈された戦闘機を再利用してるらしい。
 戦禍の途絶えた今、ユアとメドーラは、北部戦線の調査に向かう。
 そこで沈黙した機体をあさっていた人物は、ケイの姿をしていた。
 思わず虫酸をむしさんと読んでしまうユア。
 ここで疑問なのが、この作品の人物は、日本語で会話してるのだろうか、という事だ。
 一応主役のマイが日本人って事なので、言語は日本語に翻訳されている設定だ。
 つまり、誰もが母国語で話している。
 国籍判明してるのは、マイの他にマインのアメリカ人設定と、リムのこの時代の人物という設定だけだ。
 ユアが漢字を使う文化圏出身だとは、設定されていない。
 やはり、ユアも設定するべきだろうか。
 ちなみにケイは、千年前の人物で、この時代からタイムスリップしたケイが、千年前の自分と出会ってどうたらって妄想を、設定に昇華したいと思ってるが、どうもうまくいかない。


 ユアとメドーラの目の前に現れた、ふたりの人物。
 そのふたりは、ユアとメドーラだった。

 驚くユアとメドーラ。
 それを見てニヤける、ケイの姿をした謎の人物。
「驚いた?」
 謎の人物は、ユアとメドーラの表情を見て、つい説明したくなる。
「私はね、ある場所でこのふたりを見つけたんだ。」
「ある場所?」
 謎の人物も言葉に、メドーラは聞き返す。
「ポイントSのDの158地区。君達が模擬戦をやってた、あの区域さ。」
 謎の人物は、ある場所の名称を告げた。
 だが、メドーラ達はそんな呼び方をしない。
 普通に、第二演習場と呼んでいる。
 つまりこの謎の人物は、メドーラ達とは所属が違う。
 ケイの姿をしてても、やはり違うのだ。

 その演習場で、という事で、メドーラのパートナーであるサポートAIのアイツウには、覚えがあった。
「そう言えばマイが、退屈しのぎにふたりの立体映像を投影して、遊んでました。」
「え、マイお姉さまが?」
 あの訓練中、マイお姉さまがそんな事をしていたなんて、メドーラはもちろん知らない。

「ほう、その様子だと、心当たりがありそうだな。」
 謎の人物は、メドーラの様子から何かを察する。
 メドーラとアイツウとの会話は、このふたりにしか聞こえない。
 しかし、メドーラが何かを知った事は、メドーラを見ているだけでも、よく分かった。
 メドーラは謎の人物をにらむ。
 自分達の偽物に、嫌悪感はある。
 だが、これを作ったのがマイお姉さまだと知ると、なんと表現していいのか、分からない気持ちになる。

「私はね、このふたりから情報を得たんだ。」
 謎の人物は、メドーラの表情にニヤけながら、偽物のメドーラの頭に手を置く。
「作った人の愛があふれているよ。」
「え?」
 謎の人物の言葉に、メドーラの心も動く。
 謎の人物はそんなメドーラを尻目に、偽物のユアの胸をもむ。
「ひゃん。」
 本物のユアは、思わず自分の胸をおさえる。
 偽物のユアは、微動だにしない。
「うん、揉み心地も、本物と同じだ。
 これを作った人は、ほんと、君の事をよく分かっているね。」
 ケイの姿をした謎の人物は、ユアに笑顔を向ける。
 ユアは顔が赤くなる。
 この人物を怒る気持ちもある。
 だが、これを作ったのがマイだと知ると、何とも言えない気持ちになる。

「君はどうかな。」
 ケイの姿をした謎の人物は、今度は偽物のメドーラの胸に、手を伸ばす。

 ピッツォーン!

 メドーラは光線銃で威嚇射撃。
 謎の人物の手をかすめる。
「穢らわしい手で、触れないでください!」
 メドーラはどなる。
「おお、怖い。」
 謎の人物は、おどけてみせる。
「でも君は、これを作った人には、揉まれたいと思ってるんじゃないの?」
「な。」
 謎の人物の言葉に、メドーラの顔も赤くなる。
「実際、もんであげたら、すごい喜ぶんだよね、このこ。
 作った人も、そうしたいんじゃない?」
「マイお姉さまを、けがすなぁ!」
 ピッツォーン!
 メドーラは、思わず光線銃を発砲。
 だが、光線銃ははずれる。
 発砲の瞬間、メドーラの光線銃を握る右手を、ユアがソウルブレイドのクダで弾き上げたのだ。

「邪魔しないでください!」
 メドーラはもう一度、光線銃の狙いをつける。
「落ち着け、メドーラ!」
 ユアはメドーラをさとす。
「こいつは、この変態は、殺しちゃだめなんだ。」
「ユアお姉さま。」
 ユアのソウルブレイドを持つ手が震えている。
 ソウルブレイドは、精神力を武器に変える。
 ユアは偽物の胸をもまれる変態行為に、気が動転して、ソウルブレイドは二本ともクダ状に戻ってしまう。
「この変態からは、聞き出さなくちゃならない事が、山ほどあるんだ。」
 ユアは右手のソウルブレイドのクダを、ケイの姿をした謎の人物に向ける。

「だけどその前に。」
 ユアは謎の人物に向けたソウルブレイドのクダを、自分の偽物に向け直す。
「マイには悪いけど、偽物の私には消えてもらうわ。」
「そうですわね、ユアお姉さま。」
 メドーラも、光線銃を自分の偽物に向ける。
 ユアとメドーラの偽物も、武器を構える。

「ははは、どうやらこれを作った人は、まだ消されたくないみたいだな。」
 偽物のふたりが武器を構えるのを見て、謎の人物は笑う。
「く。」
 ユアもメドーラも、言い返す事が出来ない。
「おまえ達、後は頼むよ。」
 謎の人物は、偽物のふたりにそう声をかけると、この場を立ち去ろうとする。
「ま、待ちなさい!」
 近くにいたユアが、後を追おうとする。
 だが、ユアの偽物が立ちはだかる。
「ははは、私は私のすべき事をしてくるから、君達はそこでくたばってるんだな。」
 ケイの姿をした謎の人物は、この部屋から立ち去った。

 残されたのは、ユアとメドーラと、偽物のユアとメドーラだった。
 本物と偽物との間で、激しい闘いが今、始まる。
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