78 / 215
惑星ファンタジー迷走編
第78話 封印されていたもの
しおりを挟む
これは西暦9980年のはるか未来のお話。
この時代に召喚されたマイは、行方不明になった仲間のケイを探しに、惑星ドルフレアの地に降り立った。
鉱物資源の密輸調査に来ていたケイは、罠にはめられ、千年前にタイムスリップさせられてしまっていた!
ケイは千年前の時代に、鉱物資源を封印した三つのほこらを建てて、千年後のマイ達に託す。
マイ達は、三つのほこらの封印を解き終えた。
ふたつの封印を解くのに、凄い話数を使ったのに、最後の封印は、一話で解きやがった。
このジャンル詐欺状態から、早く抜け出したい覚悟が感じられる。
描かれる事は無かったが、ふたつ目の封印を解く前後に、バッドメアカンパニーに家宅捜索が入る。
これにより、密輸を行なっていた営業特課が摘発される。
規模の大きい密輸は無くなった。
だが、密輸組織は他にもある。大規模な密輸は無くなっても、細ぼそとした密輸は、後をたたない。
そして、この湖の鉱物資源であるブルーウオーターを拝借するエアレーとでくわす。
エアレーとメドーラとの戦いのエピソードを、はさみ忘れた。
ふたつに割れた湖は元に戻り、その反動で水面が荒れ狂う。
「はあ、はあ。」
無茶なソウルブレイドの展開させたマイとメドーラは、その場にへたりこんで、息をきらす。
「ねえ、封印は解けたの?」
マイは誰に聞くでもなく、その言葉を発する。
それは、この場でソウルブレイドを展開させた三人には分からない事だからだ。
ナツキがいてくれればとマイが思う矢先、ミイが答える。
「封印は無事に、解けました。」
「良かった。」
ミイの言葉にマイは安堵すると、疲れて眠くなる。
「マイお姉さま、行儀が悪いですわ。」
メドーラはマイを膝枕する。
「ちょ、ちょっとメドーラ。恥ずかしいよ。」
照れるマイだが、この気持ち良さには抗えない。
「ダメですよ、マイお姉さま。しっかり休んでくださらないと。」
「メドーラも疲れてるでしょ。僕が膝枕するよ。」
「マイお姉さまの方が、お疲れでしょ。」
メドーラはマイの頭を撫でる。
言い返そうとしたマイだが、言葉を発する前に、眠りに落ちた。
ほどなく、メドーラも眠りにつく。
「どっちがお姉さまだか、分からないね。」
「ほんとにそうね。」
ローラスの言葉に、ミイはくすりと笑う。
ローラスはメドーラと背中合わせに座ると、眠っているメドーラが寄りかかってくる。
「あんたも、よく眠りなさいよ。」
ローラスは優しくつぶやく。
「ところで、この湖のほこらに封印されていたのは、なんだったのかしら。」
ローラスはミイに聞いてみる。
これまでのほこらには、ケイの遺した物が封印されていた。
この湖の底にも、何かあるのかもしれない。
「さあ、何かしら。」
そう答えるミイであるが、実は知っている。
ケイのチップから、ケイの記憶を読み取っているのだから、分からないはずはなかった。
その辺りの事は、ローラスには少しうとかった。
「確かめる必要があるわね。」
ミイは湖に足を踏み入れる。
「ちょっと待って。」
ローラスはミイの行為に慌てる。
入水自殺にしか見えない行為だが、止めたくても背中にメドーラがよりかかってるので、動く事が出来ない。
「大丈夫よ。私はサポートAIだから。呼吸なんて無用だから。」
ミイは三歩ほど湖を進むと、身体を前方に倒して、両手を頭の上に伸ばす。
そのまま頭から湖に飛び込んだ。
青色一色の透明度もないこの湖を、センサーを駆使して湖底のほこらを目指す。
ほこらには、ケイの脱出用ポッドが封印されていた。
この場に脱出用ポッドが封印されている意味を、ミイは知っている。
ケイの記憶は読み取ったから。
ミイは脱出用ポッドの重要な部位を剥ぎ取ると、湖畔へと戻る。
ほどなくして、マイとメドーラは目を覚ます。
ふたりも、ほこらに封印されていた物が気になっていた。
脱出用ポッドだと答えるミイ。
メドーラは首をかしげる。
てっきり、ケイの機体だと思ってたからだ。
それが脱出用ポッドだけである。これは、何を意味するのだろうか。
マイは泣いた。
てっきりこの時代に戻るための何かだと思ってたからだ。
脱出用ポッドがここにあるという事は、ケイが戻ってこれない事を意味している。
行方不明のケイを捜索するという任務は、今回の封印の解除をもって、終わりとなった。
後は宇宙ステーションに帰るだけである。
だが、ひとつ問題があった。
ミイの帰還手段である。
マイ達の戦闘機にふたり乗りするも、数千万光年離れている。
つまりワープ航法が必須なのだが、このワープ航法にふたり乗りだと対応出来ないのだ。
この星に迎えをよこすにしても、今の戦況では不可能だ。
この辺りは星間パトロールが頻繁に行われているが、それはどれも単身の任務だ。
ミイは、この星に残る事を決めている。
パートナーを失ったミイは、すでに用済みだった。
ミイはアイとは違い、召喚されるケイに合わせて創られたサポートAIだ。
新たな召喚者を召喚するにしても、ミイは一度分解され、リサイクルされる。
それを拒む事は、本来なら許されない。だが、帰還方法の無い今は、幸いだった。
とりあえず今晩は、ローラスの屋敷で厄介になる事にした。
この時代に召喚されたマイは、行方不明になった仲間のケイを探しに、惑星ドルフレアの地に降り立った。
鉱物資源の密輸調査に来ていたケイは、罠にはめられ、千年前にタイムスリップさせられてしまっていた!
ケイは千年前の時代に、鉱物資源を封印した三つのほこらを建てて、千年後のマイ達に託す。
マイ達は、三つのほこらの封印を解き終えた。
ふたつの封印を解くのに、凄い話数を使ったのに、最後の封印は、一話で解きやがった。
このジャンル詐欺状態から、早く抜け出したい覚悟が感じられる。
描かれる事は無かったが、ふたつ目の封印を解く前後に、バッドメアカンパニーに家宅捜索が入る。
これにより、密輸を行なっていた営業特課が摘発される。
規模の大きい密輸は無くなった。
だが、密輸組織は他にもある。大規模な密輸は無くなっても、細ぼそとした密輸は、後をたたない。
そして、この湖の鉱物資源であるブルーウオーターを拝借するエアレーとでくわす。
エアレーとメドーラとの戦いのエピソードを、はさみ忘れた。
ふたつに割れた湖は元に戻り、その反動で水面が荒れ狂う。
「はあ、はあ。」
無茶なソウルブレイドの展開させたマイとメドーラは、その場にへたりこんで、息をきらす。
「ねえ、封印は解けたの?」
マイは誰に聞くでもなく、その言葉を発する。
それは、この場でソウルブレイドを展開させた三人には分からない事だからだ。
ナツキがいてくれればとマイが思う矢先、ミイが答える。
「封印は無事に、解けました。」
「良かった。」
ミイの言葉にマイは安堵すると、疲れて眠くなる。
「マイお姉さま、行儀が悪いですわ。」
メドーラはマイを膝枕する。
「ちょ、ちょっとメドーラ。恥ずかしいよ。」
照れるマイだが、この気持ち良さには抗えない。
「ダメですよ、マイお姉さま。しっかり休んでくださらないと。」
「メドーラも疲れてるでしょ。僕が膝枕するよ。」
「マイお姉さまの方が、お疲れでしょ。」
メドーラはマイの頭を撫でる。
言い返そうとしたマイだが、言葉を発する前に、眠りに落ちた。
ほどなく、メドーラも眠りにつく。
「どっちがお姉さまだか、分からないね。」
「ほんとにそうね。」
ローラスの言葉に、ミイはくすりと笑う。
ローラスはメドーラと背中合わせに座ると、眠っているメドーラが寄りかかってくる。
「あんたも、よく眠りなさいよ。」
ローラスは優しくつぶやく。
「ところで、この湖のほこらに封印されていたのは、なんだったのかしら。」
ローラスはミイに聞いてみる。
これまでのほこらには、ケイの遺した物が封印されていた。
この湖の底にも、何かあるのかもしれない。
「さあ、何かしら。」
そう答えるミイであるが、実は知っている。
ケイのチップから、ケイの記憶を読み取っているのだから、分からないはずはなかった。
その辺りの事は、ローラスには少しうとかった。
「確かめる必要があるわね。」
ミイは湖に足を踏み入れる。
「ちょっと待って。」
ローラスはミイの行為に慌てる。
入水自殺にしか見えない行為だが、止めたくても背中にメドーラがよりかかってるので、動く事が出来ない。
「大丈夫よ。私はサポートAIだから。呼吸なんて無用だから。」
ミイは三歩ほど湖を進むと、身体を前方に倒して、両手を頭の上に伸ばす。
そのまま頭から湖に飛び込んだ。
青色一色の透明度もないこの湖を、センサーを駆使して湖底のほこらを目指す。
ほこらには、ケイの脱出用ポッドが封印されていた。
この場に脱出用ポッドが封印されている意味を、ミイは知っている。
ケイの記憶は読み取ったから。
ミイは脱出用ポッドの重要な部位を剥ぎ取ると、湖畔へと戻る。
ほどなくして、マイとメドーラは目を覚ます。
ふたりも、ほこらに封印されていた物が気になっていた。
脱出用ポッドだと答えるミイ。
メドーラは首をかしげる。
てっきり、ケイの機体だと思ってたからだ。
それが脱出用ポッドだけである。これは、何を意味するのだろうか。
マイは泣いた。
てっきりこの時代に戻るための何かだと思ってたからだ。
脱出用ポッドがここにあるという事は、ケイが戻ってこれない事を意味している。
行方不明のケイを捜索するという任務は、今回の封印の解除をもって、終わりとなった。
後は宇宙ステーションに帰るだけである。
だが、ひとつ問題があった。
ミイの帰還手段である。
マイ達の戦闘機にふたり乗りするも、数千万光年離れている。
つまりワープ航法が必須なのだが、このワープ航法にふたり乗りだと対応出来ないのだ。
この星に迎えをよこすにしても、今の戦況では不可能だ。
この辺りは星間パトロールが頻繁に行われているが、それはどれも単身の任務だ。
ミイは、この星に残る事を決めている。
パートナーを失ったミイは、すでに用済みだった。
ミイはアイとは違い、召喚されるケイに合わせて創られたサポートAIだ。
新たな召喚者を召喚するにしても、ミイは一度分解され、リサイクルされる。
それを拒む事は、本来なら許されない。だが、帰還方法の無い今は、幸いだった。
とりあえず今晩は、ローラスの屋敷で厄介になる事にした。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
おじさんと戦艦少女
とき
SF
副官の少女ネリーは15歳。艦長のダリルはダブルスコアだった。 戦争のない平和な世界、彼女は大の戦艦好きで、わざわざ戦艦乗りに志願したのだ。 だが彼女が配属になったその日、起こるはずのない戦争が勃発する。 戦争を知らない彼女たちは生き延びることができるのか……?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる