未来世界に戦争する為に召喚されました

あさぼらけex

文字の大きさ
35 / 215
宇宙召喚編

第35話 同居人は敵なのか?

しおりを挟む
 これは西暦9980年のはるか未来のお話。
 この時代に召喚されたマイは、敵であったメドーを基地へと連れ帰る。
 対ゴンゴル三姉妹戦は、色々名場面が浮かんだのだが、それを線で繋ぐ事が出来なかった。
 そう、やりたかった構想と、大分違ってしまった。
 基地に連れ帰るのも、三姉妹全員のつもりだったのだが、なぜかメドーひとりになってしまった。
 そしてメドーだけを連れ帰った事が、仲の良かったマインとの間に不協和音を生む。
 捕虜とは、マイン達の時代とこの時代とでは、意味が違った。
 その事にマインもマイも、気付いてはいない。


「マイン、どうしちゃったのかな?」
 マインの変貌に、驚くマイ。
「ほんと、どうしちゃったんだろね?」
 ケイもそう言葉を続けるが、そのニヤけた表情は、そんな事も分からないの?って言ってるようなものだった。
 マイは気づかないが。
「サポートAIか。部屋をどうするかより、こっちが問題だったなぁ。」
 メドーのサポートAIに対する問いかけ。
 それが事の重大さをジョーに、再認識させるきっかけになった。
 召喚者にはサポートAIがつく。
 そう、この区画は召喚者達の区画なのだ。
 この区画で暮らすなら、当然メドーにも必要となる。
 捕虜として扱うなら、その限りではないが。
「部屋をどうするかは、大問題でしょ?」
 考え事をするジョーに、マイが言う。
「まさか、ジョーと一緒なの?それは危険すぎるわ。」
「おいおい、何が危険なんだよ。」
「ねえ、」
 マイとジョーの会話に、メドーがわりこむ。
「なんでお兄さんの事、呼び捨てなの?
 マイってお兄さんの恋人なの?」
 メドーの瞳は、恐ろしいまでに冷えきっている。
 これだけで、人が殺せそうなほどだった。
「うーん、どうなんだろ?」
 考えこむジョー。
「ちょっとジョー、違うでしょ。私達はなんでもないのよ、メドー。」
 否定するマイ。
「でも、ジョーから告白してるのよね。」
 深刻な表情のケイ。
「ああ、それな、キモいって言われて、盛大に振られたんだっけ。」
 ジョーはニカっと笑いながら言う。
「なーんだ、そうだったんだ。」
 ケイも笑い顔で続く。
「い、今はそんな事どうでもいいでしょ!」
 マイは顔を赤らめてどなる。
「お兄さん、こういうのが好みなの?
 ならチャンスだわ。
 マイと同じ部屋なら、マイをずっと観察出来るわ。
 お兄さんの好みもよく研究出来るし、私がそれよりいい女になればいいのよ。
 お兄さんのハートはいちころよ。
 お兄さんは私のものよ。
 マイ、これからよろしくね。」
 メドーはマイににっこり微笑む。
「あのね、心の中で思った事は、口に出さないでいいのよ。」
 マイは苦笑いで応えた。

「サポートAIの事なんだが、」
 メドーの部屋の問題が解決した?ところで、ジョーは次の問題をきりだす。
「やっぱりアイにパートナーのふりをしてもらうのが、一番だと思う。」
「え、私がですか?マイひとりでも手がかかるんですが。」
 アイはやんわり否定するが、ジョーには通じない。
「だって黒髪のサポートAIはお前だけだし、新しくサポートAIを作るには、戦闘機の機体から作らなくちゃいけないのは、お前も分かってるだろ?」
 つまり、メドー専用のサポートAIは、事実上不可能。
 可能だとしても、時間がかかる。
「仕方ないですね。ではメドー、この鉢巻をして下さい。」
 アイはどこからともなく取り出した鉢巻を、メドーに渡す。
 しかし、メドーは受け取ろうとはしない。
「あの、メドーさん?これしめてくれないと、困るんですが。」
 アイはメドーにうながすが、メドーは拒否する。
「えー、私もあんなダサい格好するんですか?」
 メドーはマイとケイを指差す。
「これって、ダサいのかな?」
 マイはケイに聞いてみる。
「私は気に入ってるんだけどなー。」
 ケイはちょっと苦笑い。
「いや、絶対似合うと思うんだけどな。」
 ジョーは、メドーに言う。
「え、そうかしら。お兄さんがそう言うなら。」
 メドーは鉢巻をしめる。
「どう、似合うかしら。」
 鉢巻をしめたメドーは、ジョーに聞いてみる。
「ああ、すげー似合ってる。かわいさが倍増したよ。」
 ジョーはメドーの鉢巻姿を褒める。

 そしてその裏で。
「ぐっ。」
 メドーが鉢巻をしめたその瞬間、アイは苦悶の表情を浮かべる。
「どうしたの、アイ。」
 マイは言葉にせず、心の中からアイに呼びかける。
 こうした方がいいと、とっさに思ったからだ。
「メドーがハッキングしてきたわ。緩衝地帯を設けて、なんとか防いだわ。」
「それって、メドーのスパイ活動?」
「多分違う。無意識の行動だったから。」
「でも、用心した方がよさそうね。」
 かわいそうな、かわいい美少女。
 そんなメドーも、レドリアの最強の一角、ゴンゴル三姉妹のひとり。
 マイは、改めてその事を実感する。そんな事、すっかり忘れていたが。

 メドーをここに置く問題点として、メドーの呼び名をどうするのかが、問題だった。
 この基地には、メドーに堕とされた被害者も多い。
 だが、あのゴンゴル三姉妹のメドーが、こんな幼い美少女だとは、誰も思わんだろうと言う事で、そのままメドー呼びで行く事にした。
 そしてメドーは、戦闘用のゴツいヘルメットを、あまり脱いだ事がないようだった。
 四六時中戦場を飛び回り、休息は専用のメディカルカプセルで急速睡眠だった。
 つまり、基地内にいるレドリアの捕虜達も、メドーの素顔は知らない。

 こうしてメドーは、マイの部屋でやっかいになる事になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――

黒鯛の刺身♪
SF
主人公の飯富晴信(16)はしがない高校生。 ある朝目覚めると、そこは見たことのない工場の中だった。 この工場は宇宙船を作るための設備であり、材料さえあれば巨大な宇宙船を造ることもできた。 未知の世界を開拓しながら、主人公は現地の生物達とも交流。 そして時には、戦乱にも巻き込まれ……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...