未来世界に戦争する為に召喚されました

あさぼらけex

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宇宙召喚編

第32話 対三姉妹戦決着

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 これは西暦9980年のはるか未来のお話。
 強敵ゴンゴル三姉妹との決戦の地、ぽんぽこ座のアルファ星域に向かう、マイとマイン。
 だがその途中で、ゴンゴル三姉妹のひとり、メドーの待ち伏せ攻撃を受ける。
 ステルス攻撃に少してこずるも、こちらはふたりいる強味を活かし、反撃に転じる。
 多次元空間にアンカーを打ち、メドーの機体を次元の亀裂で、航行不能にするのであった。


「これでトドメよ!」
 停止状態のメドーの機体へ、マインが突っ込む!
 メドーの機体を中心に、マインとは反対方向にいるマイも、同様に突っ込む!
 が、マイの機体は速度が上がらない。
 そしてそのまま停止してしまう。
 これは、ゴンゴル三姉妹のステルス攻撃!
 マイはいつの間にか、ゴンゴル三姉妹のステルス干渉を受けていた!

「動くな、アルファーツー!アルファーワンが死ぬぞ!」
 ゴンゴル三姉妹のひとり、ステーノの声だ。
 マインは停止させられたマイの機体の真後ろに、ステーノの機体を見る。
 マインの攻撃は既に、メドーの機体の推進装置を半壊させている。
 もう少しでメドーの機体を撃墜出来た所だった。
 マインはフルブレーキ。機体を上昇させてメドーの機体をかわそうとするが、なぜか上昇出来ない。
 マインもエアレーのステルス攻撃を受けていた。
 そのままメドーの機体に衝突。
 メドーの機体の船尾に、マインの機体の船首が、僅かに食い込む。

 これは、ゴンゴル三姉妹のステルス干渉。
 来る事が分かっていれば、対処は可能。
 マイとマインの機体、シリウスアルファーシリーズに、この攻撃は最早、通用しない。
 だが、不意打ちをくらえば、話しは別だった。
 マイの機体は完全に敵の術中に落ちてしまった。
 しかしマインの機体は、まだ落ちていない。
 ここからなら、対処可能。
 今、サポートAIのミサが全力で対応している。マイの機体が動かなくなったのにいち早く気づき、対応したのだ。

「お姉さま、助けに来てくれたのね。」
 身動き取れず、堕とされそうなメドーは、喜びの声を上げる。
「ああん?」
 ステーノはニヤけている。
「マインとか言ったかしら?早く私から離れなさい。お仲間さんが死ぬわよ!」
 メドーは強気にマインに迫る。
 だが、ステーノの狙いは違うらしい。
「あはは、何言ってるんだ、どっちみちこいつは死ぬんだよ!」
 ステーノは主砲にエネルギー充填し始める。
 マイの背後からの超至近距離で主砲をぶっ放すつもりだ。
「やめなさい!」
 マインも堪らず叫ぶ。
「マイを撃つなら、私も撃つわよ!」
 マインはメドーへめがけた、ミサイルの発射準備を見せつける。
「お好きにどうぞ。」
 それがステーノから返ってきた言葉だった。
「その結果がどうなるか、分かってて言ってるんだよな!ああん?」
 とステーノは付け加える。

 そう、ここら一帯で脱出用システムが起動すれば、強制的にレドリア合衆国に接収される。
 メドーも、普通にレドリア合衆国に帰るだけだ。
「卑劣な!」
 マインには、そう言う事しか出来ない。
 そしてメドーはショックを受ける。
「お姉さま、嘘よね、私がどうなってもいいなんて、思ってないよね?」
 だがステーノは冷静だ。
「お前は脱出用システムで無事だろうが!」
 だがメドーはとり乱す。
「いや、よ。撃墜なんてされたら、評価が下がるじゃない。
 もうお姉さま達と一緒に戦えなくなるじゃない。いやよ、そんなの!」
「大丈夫よ。」
 ここでゴンゴル三姉妹のもうひとり、エアレーが口を挟む。
「あなたは身を挺して敵を足止めしてくれたって、進言しといてあげるわ。たいした降格にはならないわ。また這い上がってきなさい。」
「いやよ、いやよそんなの、何年かかるのよ。」
 メドーは、前方のマイの機体を睨む。今、マインの機体とメドーの機体、そしてマイの機体は直線上に並んでいる。
「こうなったら、私がアルファーワンを落とす!」
 メドーはレーザー光線を乱れ打つ!
 それは全てマイのシールドバリアに阻まれた。
 そしてこの行為は、ステーノの逆鱗に触れる。
「メドー、お前私を攻撃したな。」
 ステーノの機体は、マイの機体の真後ろに位置していた。
「ち、違うわ、お姉さま!」
 メドーは反論するが、ステーノは聞く耳持たない。
「メドー、お前も一緒に葬ってやるよ。」
 ステーノは、主砲のエネルギー充填率をさらに高める。
「違うの、お姉さま!私はお姉さまを攻撃していない!」
「黙れメドー!お前は私に逆らったんだ!二度と私の前にそのツラ見せるな!」
「黙るのは、あなたよ!」
 ここでマイの怒りが爆発!
 マイは機体の向きを180度旋回させ、ステーノの機体と向きあう。
「なんで動けるんだ!」
 それを見てステーノが叫ぶ。

 ある程度の時間があれば、ステルス干渉の解除は可能。サポートAIのアイが、やってくれた。
 しかし、今問題なのは、そこじゃない。
「黙って聞いてれば、あなた妹を助ける気はないの!?」
「こんな無能なヤツ、なんで助けるんだよ!」
 マイの怒鳴りに、ステーノも怒鳴り返す。
「あんた達姉妹でしょ!姉妹なら、助けあいなさい!」
「あんなヤツ、妹でもなんでねー!」
 このステーノの言葉に、マイも冷静になれた。
「あんたがクズで、助かったわ。」
「何ぃ?」
 マイの突然のその言葉。ステーノは真意を計りかねる。
「そうね、私もこんなクズにビクついてたなんて、バカだったわ。」
 マインも、会話に加わる。
「黙れ、死にぞこないども!」
 ステーノは主砲を発射しようとし、異変に気づく。

 擬似ブレイブ発動。
 マイの二機の伴機と、マインの二機の伴機が、ステーノの機体とエアレーの機体を、お互いの伴機同士の直線内に捉えたのだ。
 多次元空間にアンカーを打ち、ステーノとエアレーの機体の動きを止めた。
「何をしたのか知らないが、お前は道連れだ!」
 ステーノの主砲に収束されたエネルギーが制御を失い、暴走を始める。
「黙れクズ!お前ひとりで逝け!」
 マイとマインの伴機の攻撃で、ステーノとエアレーの機体が爆発する。
 爆発の衝撃で吹き飛ぶマイの機体。
「これくらい、よい、しょっと。」
 マイは機体の向きを安定させ、機体を止める。
 マイの機体は、船首をメドーの機体の船首にめり込む形で止まった。

 メドーの機体は、船首をマイに、船尾をマインに、それぞれ挟まれてしまった。
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