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宇宙召喚編
第21話 星間レース開幕
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これは西暦9980年のはるか未来のお話。
この時代に召喚されたマイは、恒星系の開発権を賭けた星間レースに参加する事になった。
そして他国の参加者が発表となる。
ゴンゴル三姉妹、それと伝説の激突王。
どちらも譲れない戦いだったのだ。
期待の超新星マイは、この相手達に対して、どの様な戦いを見せてくれるのだろうか。
星間レースは、今始まる!
マイとユアとケイの三人は、所定のスタート位置につく。
「ふぁー、やっと始まるねー。」
マイはサポートAIのアイに話しかける。
「ええ、もうひとエピソード挟むかと思いましたよ。75時間くらいあったから。」
アイの言葉に、マイもうなずく。
「ほんとほんと、色々ありましたなー。
ケイとゴンゴル三姉妹のエアレーとのエピソードとか。」
「宇宙怪獣をハントするお話でしたね。ケイとエアレーの友情が芽生えたお話でしたけれど、ケイは大丈夫でしょうか?
これからエアレーと戦う事になるかもしれません。」
「大丈夫だって。あんなの危機的状況で協力しただけだから。」
「そうだといいのですが。ケイはどこか無理して振る舞っている所がありますから、少し心配です。」
「ケイなら大丈夫。きっとうまくやってくれるよ。」
マイがそう言い終わると、ユアとケイとの仲間間の通信回路が開く。
「そろそろ時間よ。準備はいい?」
ユアの声が通信機を通じて聴こえてくる。
「いつでもオッケー。」
「こっちもいつでもいっけまーす。」
マイとケイも、ユアの声に答える。
「特にケイ、本当に大丈夫なの?」
ユアは、いつもの間の抜けた返事のケイに、聞いてみる。
この返事では、それが分からなかったからだ。本当にエアレーと戦えるのか。
「大丈夫だって、ちゃんと役割は果たすから。」
それは、ケイが何度も口にした答えだった。
星間レースの位置関係は、こんな感じだ。
太陽を中心にした時
零時方向に、第一、第三惑星
三時方向に、第二惑星
六時方向に、第五惑星
九時方向に、第四惑星
スタート位置は、
ブルレアのマイ達が、零時方向
レドリアのゴンゴル三姉妹が、四時方向
グリムアのダントッパが、八時方向
全ての惑星の北極点に設置されたゲートを通り、太陽の北極点のゴールを目指す。
そしておそらく、第四惑星と第五惑星との間で、ゴンゴル三姉妹とダントッパが鉢合わせになる。
この時の決闘は、ダントッパとゴンゴル三姉妹のうちの誰かと相打ちと、マイ達は予想。
つまり、ゴンゴル三姉妹のうちのふたりが生き残る。
マイ達三人は、第三惑星、第一惑星と周った後、ふたてに別れる。
ゴンゴル三姉妹のうちのふたりが来ると思われる、第四惑星の方向へふたり。
誰も来ないであろう第二惑星の方向に、ひとり。
このコース分けは、くじ引きで決まった。
マイが第二惑星方向で、他のふたりが第四惑星方向のゴンゴル三姉妹を受け持つ。
ふたりがゴンゴル三姉妹を足止めしてる間に、マイがゴールへと翔け抜ける。
マイとケイとで、役割交換しようか言ってみたが、ケイはエアレーとの決着をつけたいとの事だった。
それは、どこか無理してるように、マイ達には感じた。
そしてスタートの時が近づく。
スタート地点では、レッドシグナルが横に五つ点灯され、その横のグリーンシグナルが消灯状態である。
レッドシグナルが一つづつ消されていき、最後にグリーンシグナルが灯ったら、レーススタートである。
レッドシグナルが、一つ消える。
「トライフォース展開!」
ユアの声で、三人はトライフォースの三角形のイメージを展開。
最後のレッドシグナルが消えて、グリーンシグナルが灯った時、三人は急加速!
そして、三人それぞれフォログラフ投影を二機分行った。一人でトライフォースの陣形を取れるように。
光速の89%まで加速しながら、第三、第一惑星を通過する。
ここでユアとケイは、速度を光速の40%まで落として、第四惑星方向へ向かう。
マイは速度を維持して、第二惑星方向へ向かう。
そしてその直後、異変が起きる。
なんとコースレーダーからゴンゴル三姉妹が消えたのだ。
ダントッパとゴンゴル三姉妹との接触。
そこからしばらくして、ゴンゴル三姉妹の反応が消えた。
これは、何を意味するのか?
ゴンゴル三姉妹はステルス機能を使う。
つまりこの現象は、ゴンゴル三姉妹が戦闘中だと思われる。
しかし、ダントッパは第五惑星に向かっているのだ。
真っ直ぐ一直線に!
「ユア、ケイ!レーダー見てる?」
マイは通信機に向かって叫ぶ。
「み、見てるわよ。」
「これ、何が起きてるの?」
ユアとケイは、何が起きたのか分からなかった。
いや、その可能性を考えたくなかっただけかもしれない。
「見ての通りでしょ!作戦変更よ!ふたりとも加速して!」
マイはフルブレーキでそう叫ぶ!
「分かった!」
ユアは即座に理解し、急加速する!
しかしケイは出遅れる。
あのエアレーが負けるなんて、信じられなかった。
そんな私情が判断を遅らせる。
「ケイ!早く!」
ユアは自分に付いて来ていないケイに叫ぶ!
「く!っそお!!」
ケイも急加速!
だけど方向は、第五惑星と第二惑星との中間地点!
「ちょっとケイ!そっちじゃないでしょ!」
ユアは思わずそう叫ぶが、ケイも叫び返す!
「レースはあんたに任せる!私は、ダントッパを落とす!
あいつは私が落とす。エアレーの仇は、私がとる!
マイ!あんたも邪魔しないでちょうだい!」
マイは、第二惑星を少し過ぎた地点で止まっている。
さてどうするべきか。
本来なら、第二惑星の後方、第三惑星よりで待ち構えるのが正しい。
しかし、ダントッパにケイが向かってる今は、状況が違う。
ケイとふたりでダントッパを討つべきか?
ゴンゴル三姉妹が敗北したって事は、複数機に対する備えが、あるのかもしれない。
そして今、ケイは冷静ではない。
ならば、答えはひとつでしょ。
マイは、戦闘機を前進させる。
「マイ!」
そんなマイの機体の通信機から、ユアの叫び声。
「あんたの位置は、そこじゃないでしょ!戻りなさい!」
その声に、マイはハッとする。
そう、レースの事を考えたら、ユアが通りやすいよう、第二惑星の後方でダントッパを迎え討つべき。
だけどそれは、ケイを見殺す事になる。
脱出用システムがあるとはいえ、それは目覚めが悪い。
「ケイ、ごめん。」
マイは小声でつぶやくと、定位置に急ぐ。
「なんで謝るのよ、なんで謝るの!」
マイからの通信が耳に入ってしまったケイは、思わずそう叫ぶ。
それを聞いて、マイは思う。
ああ、やっぱりエアレーとの間に友情があったんだ。
普段は素っ頓狂なおとぼけをかますキャラだが、本当は誰よりも仲間思い。
敵であるエアレーとも、通じ合うモノがあったのだろう。
そんなケイの事を思うと、マイの瞳に涙が光る。
ケイ、勝ってね。
マイはそう心の中でつぶやきながら、定位置につく。
「見えた、あいつがダントッパ!」
ケイとダントッパとの接触は、コースレーダーでマイにもユアにも見てとれた。
「な、なにあれ、あれが戦闘機なの?」
何かに驚くケイだが、ケイが見たモノは、マイ達には分からない。
このレースは、中継されている。
宇宙ステーションから観戦しているマインやリム、ジョーには伝説の全容が分かっても、マイ達には分からない。
ズガーン!
「何あれ、あれがブレイブ?」
ズガン!
「そんな、シールドバリアが、もたない?
くそ、落ちろ!」
ズガガガガ!
「かわすの?あれを?
ならば、テトラフォーメーション!ダブル!
これで、囲む!」
底辺を同じにするふたつの三角錐、すなわち五機の機体がダントッパを取り囲む。
それを見て、ダントッパはつぶやく。
「何機でこようが、俺の相手は、常にひとつだ!」
その声は、ケイには聞こえない。
ケイの機体は、爆発した。
この時代に召喚されたマイは、恒星系の開発権を賭けた星間レースに参加する事になった。
そして他国の参加者が発表となる。
ゴンゴル三姉妹、それと伝説の激突王。
どちらも譲れない戦いだったのだ。
期待の超新星マイは、この相手達に対して、どの様な戦いを見せてくれるのだろうか。
星間レースは、今始まる!
マイとユアとケイの三人は、所定のスタート位置につく。
「ふぁー、やっと始まるねー。」
マイはサポートAIのアイに話しかける。
「ええ、もうひとエピソード挟むかと思いましたよ。75時間くらいあったから。」
アイの言葉に、マイもうなずく。
「ほんとほんと、色々ありましたなー。
ケイとゴンゴル三姉妹のエアレーとのエピソードとか。」
「宇宙怪獣をハントするお話でしたね。ケイとエアレーの友情が芽生えたお話でしたけれど、ケイは大丈夫でしょうか?
これからエアレーと戦う事になるかもしれません。」
「大丈夫だって。あんなの危機的状況で協力しただけだから。」
「そうだといいのですが。ケイはどこか無理して振る舞っている所がありますから、少し心配です。」
「ケイなら大丈夫。きっとうまくやってくれるよ。」
マイがそう言い終わると、ユアとケイとの仲間間の通信回路が開く。
「そろそろ時間よ。準備はいい?」
ユアの声が通信機を通じて聴こえてくる。
「いつでもオッケー。」
「こっちもいつでもいっけまーす。」
マイとケイも、ユアの声に答える。
「特にケイ、本当に大丈夫なの?」
ユアは、いつもの間の抜けた返事のケイに、聞いてみる。
この返事では、それが分からなかったからだ。本当にエアレーと戦えるのか。
「大丈夫だって、ちゃんと役割は果たすから。」
それは、ケイが何度も口にした答えだった。
星間レースの位置関係は、こんな感じだ。
太陽を中心にした時
零時方向に、第一、第三惑星
三時方向に、第二惑星
六時方向に、第五惑星
九時方向に、第四惑星
スタート位置は、
ブルレアのマイ達が、零時方向
レドリアのゴンゴル三姉妹が、四時方向
グリムアのダントッパが、八時方向
全ての惑星の北極点に設置されたゲートを通り、太陽の北極点のゴールを目指す。
そしておそらく、第四惑星と第五惑星との間で、ゴンゴル三姉妹とダントッパが鉢合わせになる。
この時の決闘は、ダントッパとゴンゴル三姉妹のうちの誰かと相打ちと、マイ達は予想。
つまり、ゴンゴル三姉妹のうちのふたりが生き残る。
マイ達三人は、第三惑星、第一惑星と周った後、ふたてに別れる。
ゴンゴル三姉妹のうちのふたりが来ると思われる、第四惑星の方向へふたり。
誰も来ないであろう第二惑星の方向に、ひとり。
このコース分けは、くじ引きで決まった。
マイが第二惑星方向で、他のふたりが第四惑星方向のゴンゴル三姉妹を受け持つ。
ふたりがゴンゴル三姉妹を足止めしてる間に、マイがゴールへと翔け抜ける。
マイとケイとで、役割交換しようか言ってみたが、ケイはエアレーとの決着をつけたいとの事だった。
それは、どこか無理してるように、マイ達には感じた。
そしてスタートの時が近づく。
スタート地点では、レッドシグナルが横に五つ点灯され、その横のグリーンシグナルが消灯状態である。
レッドシグナルが一つづつ消されていき、最後にグリーンシグナルが灯ったら、レーススタートである。
レッドシグナルが、一つ消える。
「トライフォース展開!」
ユアの声で、三人はトライフォースの三角形のイメージを展開。
最後のレッドシグナルが消えて、グリーンシグナルが灯った時、三人は急加速!
そして、三人それぞれフォログラフ投影を二機分行った。一人でトライフォースの陣形を取れるように。
光速の89%まで加速しながら、第三、第一惑星を通過する。
ここでユアとケイは、速度を光速の40%まで落として、第四惑星方向へ向かう。
マイは速度を維持して、第二惑星方向へ向かう。
そしてその直後、異変が起きる。
なんとコースレーダーからゴンゴル三姉妹が消えたのだ。
ダントッパとゴンゴル三姉妹との接触。
そこからしばらくして、ゴンゴル三姉妹の反応が消えた。
これは、何を意味するのか?
ゴンゴル三姉妹はステルス機能を使う。
つまりこの現象は、ゴンゴル三姉妹が戦闘中だと思われる。
しかし、ダントッパは第五惑星に向かっているのだ。
真っ直ぐ一直線に!
「ユア、ケイ!レーダー見てる?」
マイは通信機に向かって叫ぶ。
「み、見てるわよ。」
「これ、何が起きてるの?」
ユアとケイは、何が起きたのか分からなかった。
いや、その可能性を考えたくなかっただけかもしれない。
「見ての通りでしょ!作戦変更よ!ふたりとも加速して!」
マイはフルブレーキでそう叫ぶ!
「分かった!」
ユアは即座に理解し、急加速する!
しかしケイは出遅れる。
あのエアレーが負けるなんて、信じられなかった。
そんな私情が判断を遅らせる。
「ケイ!早く!」
ユアは自分に付いて来ていないケイに叫ぶ!
「く!っそお!!」
ケイも急加速!
だけど方向は、第五惑星と第二惑星との中間地点!
「ちょっとケイ!そっちじゃないでしょ!」
ユアは思わずそう叫ぶが、ケイも叫び返す!
「レースはあんたに任せる!私は、ダントッパを落とす!
あいつは私が落とす。エアレーの仇は、私がとる!
マイ!あんたも邪魔しないでちょうだい!」
マイは、第二惑星を少し過ぎた地点で止まっている。
さてどうするべきか。
本来なら、第二惑星の後方、第三惑星よりで待ち構えるのが正しい。
しかし、ダントッパにケイが向かってる今は、状況が違う。
ケイとふたりでダントッパを討つべきか?
ゴンゴル三姉妹が敗北したって事は、複数機に対する備えが、あるのかもしれない。
そして今、ケイは冷静ではない。
ならば、答えはひとつでしょ。
マイは、戦闘機を前進させる。
「マイ!」
そんなマイの機体の通信機から、ユアの叫び声。
「あんたの位置は、そこじゃないでしょ!戻りなさい!」
その声に、マイはハッとする。
そう、レースの事を考えたら、ユアが通りやすいよう、第二惑星の後方でダントッパを迎え討つべき。
だけどそれは、ケイを見殺す事になる。
脱出用システムがあるとはいえ、それは目覚めが悪い。
「ケイ、ごめん。」
マイは小声でつぶやくと、定位置に急ぐ。
「なんで謝るのよ、なんで謝るの!」
マイからの通信が耳に入ってしまったケイは、思わずそう叫ぶ。
それを聞いて、マイは思う。
ああ、やっぱりエアレーとの間に友情があったんだ。
普段は素っ頓狂なおとぼけをかますキャラだが、本当は誰よりも仲間思い。
敵であるエアレーとも、通じ合うモノがあったのだろう。
そんなケイの事を思うと、マイの瞳に涙が光る。
ケイ、勝ってね。
マイはそう心の中でつぶやきながら、定位置につく。
「見えた、あいつがダントッパ!」
ケイとダントッパとの接触は、コースレーダーでマイにもユアにも見てとれた。
「な、なにあれ、あれが戦闘機なの?」
何かに驚くケイだが、ケイが見たモノは、マイ達には分からない。
このレースは、中継されている。
宇宙ステーションから観戦しているマインやリム、ジョーには伝説の全容が分かっても、マイ達には分からない。
ズガーン!
「何あれ、あれがブレイブ?」
ズガン!
「そんな、シールドバリアが、もたない?
くそ、落ちろ!」
ズガガガガ!
「かわすの?あれを?
ならば、テトラフォーメーション!ダブル!
これで、囲む!」
底辺を同じにするふたつの三角錐、すなわち五機の機体がダントッパを取り囲む。
それを見て、ダントッパはつぶやく。
「何機でこようが、俺の相手は、常にひとつだ!」
その声は、ケイには聞こえない。
ケイの機体は、爆発した。
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小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間/月間1位、四半期2位、年間/累計3位の実績あり。
カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。
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