異世界を救ってくれと、妖精さんに頼まれました

あさぼらけex

文字の大きさ
23 / 29

第25話 鳳凰谷の決戦

しおりを挟む
 鳳凰谷へと、緑魔法舞空術で空を翔けるユウト。
 左肩には妖精体のフィーナがつかまり、お姫様抱っこされたミクは、しっかりとユウトにつかまる。


「怒ってる?」
 ミクは空から、この国の龍脈を見つめる。
 龍脈を流れる魔素は、怒っていた。
 それは緑の国の王妃様の意識。
 この龍脈の先のパワースポットで、我が娘が殺されようとしてるのだから、怒って当然と言える。
 だけどユウト達は知らない。
 そこで緑の国の為に戦う人がいる事を。

 ユウトも龍脈の流れを感じ取る。
 龍脈に沿って飛んで、鳳凰谷を目指す。

 鳳凰谷では、赤い線と緑の線が、激しくぶつかりあっていた。
 そこに赤黒い鎧を着た戦士が、赤い線に加勢して、緑の線を叩く。

 これは、妖精変化したルビーとコマチヌア。
 そして鎧の戦士は、山吹先輩だった。

「見てユウト。誰かが戦ってるわ。」
「あいつらが、サーファを泣かせたんだね。」
 ユウトは、山吹先輩に気づいていない。

 女性戦士の攻撃が、緑の線を捉える。
 緑の線を作り出していた妖精が、人間体に戻り地面に叩きつけられる。

「え、お姉さま?」
 ミクはその緑の妖精が、姉であるエメラルド・ジュエラル・コマチヌアである事に気づく。
 女性戦士はコマチヌアに近づき、剣を振り上げる。

「だ、駄目ぇ!」
 ミクはユウトにお姫様抱っこされて空を飛んでる状態から、弓矢を構える。
 矢を引き絞るミクの手が、ユウトにぶつかる。
 充分威力が乗らない状態で、矢はあらぬ方向へ放たれる。
「く、」
 そんな矢を、ミクは緑魔法烈風扇で操る。

 緑魔法烈風扇は、緑魔法そよ風の上位魔法。
 操る飛び道具の威力を増す事が、可能になる。

 トス。

 元々ユウトにぶつかって、あらぬ方向に飛んでた矢は、女性戦士の足元に落ちる。
 女性戦士は振り上げた剣を戻しながら、矢の飛んできた上空を見上げる。

「コマチお姉さまぁ!」
 ユウトが鳳凰谷に降り立つと、ミクは素早く倒れたコマチにかけよる。
「おまえがサーファを泣かせたんかぁ!」
 ユウトもウインドボウに物質精製魔法で作り出した矢をつがえ、素早く放つ。

 ざくっ。

 女性戦士は矢を切り落とす。
 ユウトは立て続けに、次々と矢を放つ。
 女性戦士は数本の矢を切り落とすが、かわしただけの矢は女性戦士の後方で、弧を描く様に上昇して、上空から女性戦士目がけて落ちてくる。

 女性戦士はバク転してかわしながら、距離をとる。

「コマチさん、無事?」
 妖精体のフィーナも倒れたコマチに近づき、回復魔法をかける。

「ミクさん、フィーナちゃん?」
 コマチもやっと意識を取り戻す。
「遅いわよ、ふたりとも。もっと早く来てよ。」
 コマチは涙ぐむ。
「ごめんなさい、コマチお姉さま。」
 ミクも涙ぐむ。
「私たちだって、精一杯やってるわよ。」
 フィーナは文句言うが、安堵した表情を浮かべる。

「ケーワイ、だらしないわね。」
 矢継ぎ早に、矢を放つユウト。
 緑魔法の魔素を込めた矢は、女性戦士を後ずさりさせる。
 そんな女性戦士に、ルビーは強化補助魔法をかける。

「ミク、あなた回復魔法は使える?」
 そんなルビーを見て、フィーナはミクに問う。
「はい、使えますが。」
「じゃあ、後は頼むわね。」
 フィーナはコマチの回復をミクに任せて、ルビーに突進する。

 回復魔法に関しては、フィーナの使う青魔法が優れている。
 しかし、受け手のコマチは緑の国の王女。
 そのためコマチにとっては、緑魔法の回復魔法の方が、相性は良かった。

「はあ!」
 ルビーから強化補助魔法を受けた女性戦士は、剣に炎をまとわせ、横一閃。
 炎を帯びた剣撃が、くうを斬り裂きユウトを襲う。
 ユウトは咄嗟に左にかわす。

 ユウトがかわした先には、距離をつめた女性戦士が剣を振りかぶっていた。
「はあ!」
 女性戦士は剣を振り下ろす!

 ガキん!

 ユウトは咄嗟にウインドボウで受け止める。
「甘いわよ、ユウト君!」
 女性戦士の剣から、炎が噴き出し、ウインドボウを燃やす。
 ユウトは思わずウインドボウから手を離し、剣が振り下ろされる。
 その炎の剣を、ユウトはバックステップでかわす。

「弱くなったわね、ユウト君。
 そんな武器に頼るなんて!」
 女性戦士は素早くユウトを追撃する。
「え?」
 そんな女性戦士の目の前に、ユウトは物質精製魔法で弓矢を作り出す。

「サーファを泣かすなぁ!」
 ユウトは超至近距離から、矢を放つ。
「くっ」
 剣の腹で矢を受け止めた女性戦士は、矢の勢いを抑えきれず、後方へと押される。
「はあ!」
 女性戦士は剣を振り上げ、矢をいなす。
 女性戦士は矢を目で追うが、その矢はすぐにかき消える。

 ユウトは物質精製魔法で作り出したウインドボウを消し、両手を振り上げる。
 そして物質精製魔法で刀を作り出しながら、両手を振り下ろす。
 剣撃がカマイタチとなって、一瞬よそ見をした女性戦士を襲う!

 パシん!

 女性戦士の兜をかち割り、山吹奏恵の素顔があらわになる。
「え、山吹先輩?」
 幼児退行していたユウトは、自分が戦ってた相手が山吹先輩だと、今初めて認識した。

「あんたもいい加減、しつこいわね。」
 フィーナの追撃をかわすルビー。
「しつこいのは、そっちでしょ!」
 フィーナは青の氷魔法、アイスロックを放つ。
 ルビーを襲う、無数の氷のつぶて。
 それをルビーは、赤の防御魔法、ファイヤーウオールで阻む。
 氷のつぶては、激しい水蒸気となって消えていく。
「そんな魔法、何度も通用するわけないじゃない。」
 ニヤけるルビー。
 だけど薄れる水蒸気の向こうに、フィーナの姿を確認出来ず、驚きの表情に変わる。

「そりゃ、そうよね!」
 フィーナはルビーの下方から、急上昇。
 氷のつぶてのひとつを、短剣代わりに逆手に持ち、ルビーの身体を斬りつける。
「くっ」
 ルビーは咄嗟にかわすが、かわしきれずに、左頬に傷を負う。
「観念なさい、ルビー!」
 フィーナはすかさず青の捕縛魔法、スパイダーネットを放つ。

 フィーナの一撃をかわしたルビーの眼に、兜を割られて狼狽するケーワイが入ってくる。
 ルビーはそのまま、ケーワイの方に向かう。
 この行動が結果的に、フィーナのスパイダーネットをかわす。

「ケーワイ、引きあげるわよ!」
 自分達の不利を悟ったルビーは、女性戦士の左肩に乗り、転移魔法を唱える。
「逃がさない!」
 フィーナは再びスパイダーネットを放つが、ルビーの転移魔法が一瞬先に発動し、ルビーと女性戦士を取り逃がす。

 ルビーを追って地表近くに降りてきたフィーナは、妖精体から人間体に戻り、地面に着地。
 そしてルビーが転移して行った方を見上げる。
「く、逃がしたか。」

「サーファを泣かしたヤツ、やっつけたよ。」
 ユウトはそう言うと、力尽きてその場に倒れた。



次回予告
 皆さま、ごきげんよう。ルビーです。
 ほんっとしつこいわね、サーファのヤツ。
 別の国にまで乗り込んで、私を邪魔するなんて、越権行為もはなはだしいわ。
 ジュエガルドの悲劇を止めるには、私がジュエガルド統一するしか無いってのに、ほんと、何考えてるのかしらね!
 ジュエガルドが滅んだら、サーファのせいだからね!
 え、何ケーワイ。
 ユーケイを引き入れたいですって?
 その望みは低いわ。あいつはサーファのお気に入りですからね。
 それにあいつ、緑系の魔素を暴走させて、力尽きたみたいだし、当分私たちの邪魔は出来ないわよ。
 次回、異世界を救ってくれと、妖精さんに頼まれました、燃える鳳凰谷。
 お楽しみに。

 ※毎度の事ながら、次回の話しはまだ考えてません。
 こうなってほしいなとは思いますが、どうなるかは分かりません。
 この予告と異なる可能性もありますが、ご了承下さい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...