上 下
193 / 221
荒野を行く

第193話 勇者六魔将を撃(ネタバレ禁止!

しおりを挟む
 魔王の島に渡った俺は、魔王軍六魔将のひとりスズキくんの息子、スズキークJr.ジュニアを激戦の末、なんとか撃破した。


「勇者ユウタよ、頼む。魔王を倒してくれ。」
 スズキークJr.は、涙を流す。
「ああ、最初からそのつもりだ。」
 俺は力強く、うなずく。
 それを見て、スズキークJr.はほくそ笑む。

「た、頼んだぜ。魔王は玉座の裏の、隠し階段の奥にいる。魔王だけは、絶対、倒して、く、れ、」
 スズキークJr.の身体は、砂となって崩れさる。
 これが魔物の末路。
 死して屍を晒す事無し。
 自殺願望のある誰かには、羨ましいかぎりだ。

「分かったよ、スズキークJr.。俺が必ず、魔王を倒してみせるぜ!」
 俺は決意も新たに、先へ進む。

 先には、魔物が待ち構えている。

 ツチノコに翼をつけて、宙に浮いたピンク色の魔物。
 ザシュ!
 たやすく撃破!

 小汚い黄色い布切れで身体を覆うチビデブな魔物。
 ドガ!
 なんなく撃破!

 二足歩行する金色の毛並みで、服を着たオオカミの魔物。
 ガゴ!
 かるがる撃破!

 はあはあ、流石は魔王の島。敵の本拠地。
 魔物の大軍が俺の行手をはばむ。

 周囲を岩山に囲まれた一本道のためか、一匹ずつでしか襲ってこないのが、救いか。
 いや、俺に手傷さえ負わせられない烏合の衆。まとめてかかってきてくれた方が、助かる。
 魔物の中には、俺に一度襲いかかってきたくせに、俺にビビって逃げるヤツもいる。
 だったら始めから、襲ってくるなよと。

 そんな感じで、俺が魔王の城にたどり着くのに、すげー時間がかかった。

「ほう、あの数を蹴散らしたか。ここまで来るとは、思いもしなかったぞ。」
 城門の前には、一匹の魔物がいた。

 モヒカン頭のオレンジ色の甲冑の魔物で、斧と盾を装備している。
「俺は魔王軍六魔将のひとり、しにがみの騎士!」

 しにがみの騎士は、いきなり襲ってきた!
 しにがみの騎士の攻撃!
 ドガ!
 俺は軽微なダメージを受ける!

 俺は炎の剣で攻撃!
 ザシュ!
 そこそこのダメージを与える!

 しにがみの騎士はぴかぴーかの呪文を唱える!
 ザガ!
 俺はそれなりのダメージを受ける!

 俺は炎の剣で攻撃!
 ピロっ。
 なんとしにがみの騎士は、かわしやがった!

 しにがみの騎士の攻撃!
 ドガ!
 俺は僅かなダメージを受ける!

 俺は炎の剣で攻撃!
 ザシュ!
 そこそこのダメージを与える!

 しにがみの騎士はぴかぴーかの呪文を唱える!
 ザダ!
 俺はそこそこのダメージを受ける!

 俺は炎の剣で攻撃!
 ザシュ!
 しにがみの騎士を倒した!
 320円落ちていた!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

錬金術師カレンはもう妥協しません

山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」 前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。 病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。 自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。 それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。 依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。 王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。 前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。 ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。 仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。 錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。 ※小説家になろうにも投稿中。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!  【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】 ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。  主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。  そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。 「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」  その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。 「もう2度と俺達の前に現れるな」  そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。  それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。  そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。 「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」  そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。  これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。 *他サイトにも掲載しています。

転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す

エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】 転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた! 元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。 相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ! ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。 お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。 金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。

スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ
ファンタジー
主人公ーヒルフェは、唯一の家族である祖母を失くした。 彼女の葬式の真っ只中で、蒸発した両親の借金を取り立てに来た男に連れ去られてしまい、齢五歳で奴隷と成り果てる。 それから彼は、十年も劣悪な環境で働かされた。 だが、ある日に突然、そんな地獄から解放され、一度も会った事もなかった祖父のもとに引き取られていく。 その身には、奇妙なスキル【疲れ知らず】を宿して。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる
ファンタジー
「我が宿敵!! あなたに、私の夫となる権利をあげるわ!!」 そう、王国騎士『マルクエン・クライス』は、敵対していた魔剣士の女『ラミッタ・ピラ』にプロポーズを受けのだ。

処理中です...