上 下
192 / 221
荒野を行く

第192話 勇者六魔将の息子を撃破する(ネタバレ禁止!

しおりを挟む
 魔王の島で出会ったスズキークJr.ジュニア
 彼は父である魔王軍六魔将のひとりスズキくんより高い壁となって、俺の前に立ちはだかる。


 スズキークJr.の蹴りで、俺は吹き飛ばされ、距離が出来る。
 スズキークJr.は、素早く両手で印を結ぶ。
 それは上級電撃呪文ピカラリアへの予備動作!

「ぴかぴーか!」
 俺は咄嗟に中級雷撃呪文ぴかぴーかを唱える!
 呪文の威力はピカラリアの方が上だが、予備動作の無いぴかぴーかの方が早く出せる!

 ドゴん!
 俺のぴかぴーかがスズキークJr.に炸裂!

「く、やるじゃねーか。」
 スズキークJr.は、口のはしから血を流す。そして膝がガクつく。
 それを見て俺は思う。こいつ、耐久力は低いんじゃないか。
 呪文と体術は極めていても、意外に打たれ弱い!
 ならば速攻あるのみ!

「いくぞ、土竜閃!」
 俺は炎の剣を振りかぶり、思いっきり地面に打ちつける!
 跳ね上がった大量の石つぶてが、スズキークJr.を襲う!

「あーたたたたたー!」
 スズキークJr.は、石つぶてをパンチの連打で叩き落とす!

「こんなんで、俺を倒せると思ってるのか!」
「ああ、思ってねーよ。」

 石つぶては単なる目くらまし。
 俺はスズキークJr.との距離をつめる。
「はあ!」
 俺は炎の剣を下方から上方へと振り上げ、スズキークJr.に斬撃を叩き込む!

 ザシュ!
「ぐ、」
 スズキークJr.の肉体に、血の直線が引かれる。

「はあ!」
 俺は振り上げた炎の剣を、今度は来た軌道を振り下ろす!

 ザシュ!
「ぐはあ!」
 スズキークJr.の肉体に刻まれた血の直線を、再びなぞる!

 ドサ!
 スズキークJr.を倒した!
 440円落ちていた!

「や、やるじゃねーか。」
 俺に敗れたスズキークJr.は、倒れたまま俺に話しかけてくる。
「お、俺は攻撃力に全振りしてる分、ぼ、防御力が低い。だ、だから、初撃で倒せなかった時点で、俺の負けだったのかもしれん。ぐはっ。」
 スズキークJr.は口から血をはいた。
 と同時にマッチョだったスズキークJr.の肉体が、ヒョロガリにしぼむ。

「くそ、俺の肉体進化の秘法は、まだ未完成!せめて黄金の腕輪がゲット出来ていれば、こんな事にはならなかったのに。」
 スズキークJr.は、涙を流す。
 敵とは言え、魔王を憎む者。こいつとは分かりあえたかもしれない。
「ならばなぜ、完成させなかったんだよ!」
 俺は中途半端な状態で出撃した、スズキークJr.を責める。

「はは、そりゃあ、もう時間がないからだ。誰かが次元干渉なんてしやがったから、魔王の完全支配まで、時間が残されていない。」
「何?」
 俺はその言葉に、思わずルギアのお守りを見る。

 19:48:23

 それが残された時間だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

引退した嫌われS級冒険者はスローライフに浸りたいのに!~気が付いたら辺境が世界最強の村になっていました~

微炭酸
ファンタジー
「第17回ファンタジー小説大賞」にて『キャラクター賞』をいただきました! ありがとうございます! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 嫌われもののS級冒険者ロアは、引退と共に自由を手に入れた。 S級冒険者しかたどり着けない危険地帯で、念願のスローライフをしてやる! もう、誰にも干渉されず、一人で好きに生きるんだ! そう思っていたはずなのに、どうして次から次へとS級冒険者が集まって来るんだ!?

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

彼女の幸福

豆狸
恋愛
私の首は体に繋がっています。今は、まだ。

ペンギン転生 異世界でペンギンになったが美少女に飼われたので別に良い

レオナール D
ファンタジー
イジメが原因で引きこもっていたら、クラスメイトが一度に行方不明になった。急に教室が光って消えたらしい。 いや、それって異世界召喚だろ。今頃、アイツら大変な思いをしてるんだろうな、ざまあ。 そんなことを考えていたら僕も召喚された。ペンギンになって美少女に使役されているが可愛いのでギリ許す。  ※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~ 「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」  国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。  ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。  その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。  だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。  城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。  この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。

処理中です...