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伝説の次元空間編
第180話 勇者ユミコと別れる
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俺に照光子の杖をゲットさせるため、力を使い果たしたユミコ。
ほぼ人形と化し、動けないユミコ。だけど寿命が尽きる時間は、変わらない。
それは、俺が魔王を倒してくれば、ユミコの最期の時まで一緒に居られるって事だ。
「じゃあユミコ。俺は魔王を倒して戻ってくるからさ、そしたら最初に出会った時みたいに話そうよ。壁を挟んで。」
ユミコは今の姿を見られたくない。
ならば、壁越しに話せばいい。
「ふふふ、そうね。ユウタにも見られたくない姿を見られた訳だし、ここでこのまま別れたら、私はユウタの子孫の力にならなくちゃ、いけないわね。」
「ユミコ?」
ユミコの言葉の意味が、俺には分からなかった。
つまりユミコは、さらに生きるつもりなのか、と。
「ふふ、私もこれ以上生きられないわ。だからユウタ。早く魔王を倒して、ここへ戻ってきてね。」
ユミコは俺の心配してる事を察する。
「うん、分かったよ。じゃあ行ってくるから、待ってて。」
俺はうなずくと、ユミコの棺から離れる。
そして、ユミコのほこらを後にした。
しかし、なぜだろう。
これが今生の別れの様な気がしてならない。
ほこらから出た俺は、とりあえずアイテム欄を確認する。
やくそう8
魔法の鍵6
騎神のいななき
ローザの盗聴器
ルギアのお守り
勇者の証
聖なる霧吹き
照光子の杖
そして今の装備は、こんな感じ。
炎の剣
ウラワの鎧
水鏡の盾
所持金は630円。
うーん、転移の翼とたいまつくらいは、買っておくべきかな?
勇者ウラワが魔王を倒したとされるウラワの剣も、どこかにあるらしい。
よーし、とりあえず神帝のほこらに向かうか。
あそこで虹の橋をゲットすれば、いいんだろ?
俺は、初めてユミコと旅をした時の事を思い出す。
そう、イワツキの村でのユミコ争奪戦の後の事だ。
ユミコは笛を演奏してくれたんだっけ。
え、笛?
そう言えば、笛はどこ行った?
そう、精霊の笛。
いつに間にか、俺の記憶からも消えていた。
そして、物語からも除外されてしまった。
な、なんだ、この感覚は!
そうだ、この感覚は、朝起きた時、見た夢を思い出せない感覚に近い!
やばい!
ユミコとの思い出が、凄い勢いで忘却の彼方へと、消し飛んでいく!
「ユミコ!」
俺は思わず叫ぶ。
って、ユミコって誰だっけ?
俺は後ろを振り返る。
少し遠くに、地下へと続く階段が見える。
あの階段の先に何があるのか、思い出せない。
それを確かめに行きたいと思うが、なぜか魔王を倒すまで、ここに来ては行けない気がする。
「ユミコ、魔王を倒したら、また来るよ。」
俺はそうつぶやいた。
なぜこの言葉をつぶやいたのか、俺にも分からなかった。
ほぼ人形と化し、動けないユミコ。だけど寿命が尽きる時間は、変わらない。
それは、俺が魔王を倒してくれば、ユミコの最期の時まで一緒に居られるって事だ。
「じゃあユミコ。俺は魔王を倒して戻ってくるからさ、そしたら最初に出会った時みたいに話そうよ。壁を挟んで。」
ユミコは今の姿を見られたくない。
ならば、壁越しに話せばいい。
「ふふふ、そうね。ユウタにも見られたくない姿を見られた訳だし、ここでこのまま別れたら、私はユウタの子孫の力にならなくちゃ、いけないわね。」
「ユミコ?」
ユミコの言葉の意味が、俺には分からなかった。
つまりユミコは、さらに生きるつもりなのか、と。
「ふふ、私もこれ以上生きられないわ。だからユウタ。早く魔王を倒して、ここへ戻ってきてね。」
ユミコは俺の心配してる事を察する。
「うん、分かったよ。じゃあ行ってくるから、待ってて。」
俺はうなずくと、ユミコの棺から離れる。
そして、ユミコのほこらを後にした。
しかし、なぜだろう。
これが今生の別れの様な気がしてならない。
ほこらから出た俺は、とりあえずアイテム欄を確認する。
やくそう8
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勇者の証
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照光子の杖
そして今の装備は、こんな感じ。
炎の剣
ウラワの鎧
水鏡の盾
所持金は630円。
うーん、転移の翼とたいまつくらいは、買っておくべきかな?
勇者ウラワが魔王を倒したとされるウラワの剣も、どこかにあるらしい。
よーし、とりあえず神帝のほこらに向かうか。
あそこで虹の橋をゲットすれば、いいんだろ?
俺は、初めてユミコと旅をした時の事を思い出す。
そう、イワツキの村でのユミコ争奪戦の後の事だ。
ユミコは笛を演奏してくれたんだっけ。
え、笛?
そう言えば、笛はどこ行った?
そう、精霊の笛。
いつに間にか、俺の記憶からも消えていた。
そして、物語からも除外されてしまった。
な、なんだ、この感覚は!
そうだ、この感覚は、朝起きた時、見た夢を思い出せない感覚に近い!
やばい!
ユミコとの思い出が、凄い勢いで忘却の彼方へと、消し飛んでいく!
「ユミコ!」
俺は思わず叫ぶ。
って、ユミコって誰だっけ?
俺は後ろを振り返る。
少し遠くに、地下へと続く階段が見える。
あの階段の先に何があるのか、思い出せない。
それを確かめに行きたいと思うが、なぜか魔王を倒すまで、ここに来ては行けない気がする。
「ユミコ、魔王を倒したら、また来るよ。」
俺はそうつぶやいた。
なぜこの言葉をつぶやいたのか、俺にも分からなかった。
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