174 / 221
伝説の次元空間編
第174話 勇者預かり所を体験する
しおりを挟む
過去のサーイターマルドを模した次元世界に来た俺は、ユミコ以外の第三者、ルイージの酒場の店主ルイージさんに、勇者の子孫だとばれてしまった。
「そう言う事に、しときましょうか。」
俺の職業が勇者の子孫である事に、ルイージさんはユミコの説明で納得してくれた。
俺はどこか、納得出来ないけど。
「で、ユウタちゃんに合う装備を、引き取りにきたのね?」
酒場の店主なだけあって、ルイージさんも察しがいい。
「あ、いえ、引き取りに来たのは、照光子の杖です。」
なに?
ユミコからその単語が出たので、俺は思わずユミコに視線を向ける。
ここに有ったのか、照光子の杖。
なら、タカスナにもらいにいっても、ムダだったのか。
「照光子の杖?ユウタちゃん、魔法職には見えないけど。」
首をかしげてるルイージさん。
「いいんですよ、気にしないでください。あ、それと、ごにょごにょごにょ。」
ユミコはルイージさんの耳元でつぶやく。
「え、本当にいいの、それ。タカスナちゃん、怒らない?」
ユミコの言葉に、ルイージさんが驚いてる。
「いいのよ。こういう時のために、預けてあるんだから。」
「でもタカスナちゃん、あれでケチな所あるから。きっと怒るわよ。」
「大丈夫よ。私が言えば、タカスナも分かってくれるって。」
「ユミコちゃんの頼みなら、タカスナちゃんも聞いてくれるかもだけど、どうなっても知らないわよ。」
俺には何の事だか分からない会話を交わした後、ルイージさんは店の奥に消えてった。
「あの、何を話してたんです?」
「ここ?ここはルイージの酒場よ。」
ユミコは、俺が聞いてない事を答えてきた。
「そう、私がタカスナと初めて出会った場所よ。」
いや別に聞いてないけど。って、初めて?タカスナと冒険を始めたのが、ここって事?
「ええ、ここはタカスナが旅立った街。近くにタカスナの生家もあるわよ。」
「そうなんだ。」
って、ここって勇者ウラワの伝説が始まった街だったのか!
「お待たせー、持ってきたわよ。」
俺が驚いてると、奥からルイージさんが、大きな風呂敷包みを持って出てきた。
「あ、はい。ありがとうございます。」
ユミコは礼を言って、風呂敷包みを受け取る。
「本当にいいの?タカスナちゃん、怒らない?」
ルイージさんは心配してる。
「大丈夫ですって。タカスナもそんなにケツの穴小さくないですよ。」
「それもそうね。じゃ、ユウタちゃんも、しっかりやるのよ。」
ルイージさんは、なぜか俺にウインクする。
「は、はい。頑張ります。」
ルイージさんの意図は分からないが、一応そう答えた。
「それじゃあルイージさん、また来ますねー。」
ユミコはルイージさんに手を振る。
俺はペコリと頭を下げる。
この場に二度と来ない俺に、ユミコと同じセリフは言えなかった。
「そう言う事に、しときましょうか。」
俺の職業が勇者の子孫である事に、ルイージさんはユミコの説明で納得してくれた。
俺はどこか、納得出来ないけど。
「で、ユウタちゃんに合う装備を、引き取りにきたのね?」
酒場の店主なだけあって、ルイージさんも察しがいい。
「あ、いえ、引き取りに来たのは、照光子の杖です。」
なに?
ユミコからその単語が出たので、俺は思わずユミコに視線を向ける。
ここに有ったのか、照光子の杖。
なら、タカスナにもらいにいっても、ムダだったのか。
「照光子の杖?ユウタちゃん、魔法職には見えないけど。」
首をかしげてるルイージさん。
「いいんですよ、気にしないでください。あ、それと、ごにょごにょごにょ。」
ユミコはルイージさんの耳元でつぶやく。
「え、本当にいいの、それ。タカスナちゃん、怒らない?」
ユミコの言葉に、ルイージさんが驚いてる。
「いいのよ。こういう時のために、預けてあるんだから。」
「でもタカスナちゃん、あれでケチな所あるから。きっと怒るわよ。」
「大丈夫よ。私が言えば、タカスナも分かってくれるって。」
「ユミコちゃんの頼みなら、タカスナちゃんも聞いてくれるかもだけど、どうなっても知らないわよ。」
俺には何の事だか分からない会話を交わした後、ルイージさんは店の奥に消えてった。
「あの、何を話してたんです?」
「ここ?ここはルイージの酒場よ。」
ユミコは、俺が聞いてない事を答えてきた。
「そう、私がタカスナと初めて出会った場所よ。」
いや別に聞いてないけど。って、初めて?タカスナと冒険を始めたのが、ここって事?
「ええ、ここはタカスナが旅立った街。近くにタカスナの生家もあるわよ。」
「そうなんだ。」
って、ここって勇者ウラワの伝説が始まった街だったのか!
「お待たせー、持ってきたわよ。」
俺が驚いてると、奥からルイージさんが、大きな風呂敷包みを持って出てきた。
「あ、はい。ありがとうございます。」
ユミコは礼を言って、風呂敷包みを受け取る。
「本当にいいの?タカスナちゃん、怒らない?」
ルイージさんは心配してる。
「大丈夫ですって。タカスナもそんなにケツの穴小さくないですよ。」
「それもそうね。じゃ、ユウタちゃんも、しっかりやるのよ。」
ルイージさんは、なぜか俺にウインクする。
「は、はい。頑張ります。」
ルイージさんの意図は分からないが、一応そう答えた。
「それじゃあルイージさん、また来ますねー。」
ユミコはルイージさんに手を振る。
俺はペコリと頭を下げる。
この場に二度と来ない俺に、ユミコと同じセリフは言えなかった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
集団転送で異世界へ。 ~神の気まぐれによって?異世界生活~
武雅
ファンタジー
永遠の時に存在する神ネレースの気まぐれによって? その創造神ネレースが管理する異世界に日本から30000人が転送されてしまう。
異世界に転送される前になぜか神ネレースとの面談があり、提示された職業に自分の思い通りの職業が無かったので神にダメ元で希望を言ってみたら希望の職業と望みを叶えられその代償として他の転送者よりも過酷な辺境にある秘境の山奥に送られ元の世界に戻りたい以前に速攻で生命の危機にさらされてしまう!
神が面白半分で決めた事象を達成するとその順位により様々な恩恵を授けるとのこと。
「とりあえず町を目指せ!村ではなく町だ!!」とそれ以外特に神ネレースより目的も与えられず転送された人々は・・
主人公は希望の職業を要求した代償としていきなり森を彷徨いゴブリンに追われることに。
神に与えられた職業の能力を使い、チートを目指し、無事に異世界を生き抜くことを目指しつつ自分と同じ転送された人々を探し現実世界への帰還を模索をはじめる。
習慣も風俗も法律も違う異世界はトラブルだらけで息つく暇もなく、転送されたほかの人たちも暴走し・迷走し、異世界からの人々をめぐって国家単位で争奪戦勃発!?
その時、日本では謎の集団集団失踪や、令和のミステリーとして国家もマスコミも世間も大騒ぎ?
転送された人々は無事に元の世界にかえれるのか、それとも異世界の住人になって一生をおえるのか。
それを眺め娯楽とする神の本当の目的は・・・。
※本作は完結まで完成している小説になりますので毎日投降致します。
初作品の為、右も左も分からず作った作品の為、ですます調、口調のブレが激しいですが温かい目でお読み頂ければ幸いでございます。
狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!
【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】
ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。
主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。
そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。
「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」
その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。
「もう2度と俺達の前に現れるな」
そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。
それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。
そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。
「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」
そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。
これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。
*他サイトにも掲載しています。
聖女なので公爵子息と結婚しました。でも彼には好きな人がいるそうです。
MIRICO
恋愛
癒しの力を持つ聖女、エヴリーヌ。彼女は聖女の嫁ぎ制度により、公爵子息であるカリス・ヴォルテールに嫁ぐことになった。しかしカリスは、ブラシェーロ公爵子息に嫁ぐ聖女、アティを愛していたのだ。
カリスはエヴリーヌに二年後の離婚を願う。王の命令で結婚することになったが、愛する人がいるためエヴリーヌを幸せにできないからだ。
勝手に決められた結婚なのに、二年で離婚!?
アティを愛していても、他の公爵子息の妻となったアティと結婚するわけにもいかない。離婚した後は独身のまま、後継者も親戚の子に渡すことを辞さない。そんなカリスの切実な純情の前に、エヴリーヌは二年後の離婚を承諾した。
なんてやつ。そうは思ったけれど、カリスは心優しく、二年後の離婚が決まってもエヴリーヌを蔑ろにしない、誠実な男だった。
やめて、優しくしないで。私が好きになっちゃうから!!
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。誤字もお知らせくださりありがとうございます。修正します。ご感想お返事ネタバレになりそうなので控えさせていただきます。
転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!
しりうす。
ファンタジー
VRゲーム【Another world・Online】βテストをソロでクリアした主人公──────雲母八雲。
βテスト最後のボスを倒すと、謎のアイテム【スキルの素】を入手する。不思議に思いつつも、もうこのゲームの中に居る必要はないためアイテムの事を深く考えずにログアウトする。
そして、本サービス開始時刻と同時に【Another world・Online】にダイブし、そこで謎アイテム【スキルの素】が出てきてチート級スキルを10個作ることに。
そこで作ったチート級スキルを手に、【Another world・Online】の世界をやりたいことだけ謳歌する!
※ゆるーくやっていくので、戦闘シーンなどの描写には期待しないでください。
※処女作ですので、誤字脱字、設定の矛盾などがあると思います。あったら是非教えてください!
※感想は出来るだけ返信します。わからない点、意味不明な点があったら教えてください。(アンチコメはスルーします)
異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い
八神 凪
ファンタジー
旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い
【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】
高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
彼女も居ないごく普通の男である。
そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
繁華街へ繰り出す陸。
まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。
陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。
魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。
次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。
「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。
困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。
『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』
そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。
「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」
陸はしがないただのサラリーマン。
しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。
今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
ラスト・バスティオン伝説 ~最後の勇者と最後の砦~
Tea
ファンタジー
かつて勇者が魔王を打ち倒してから数千年。
人々は平穏な暮らしを謳歌し、幸せに生活していた。
何不自由のない穏やかな日々。
だが、そんな日々も終わりを告げる。
数千年に渡り魔物から世界を護り続けた堅牢な城塞が陥落し、世界中に魔物が溢れ出したのだ。
平和な生活は一瞬で瓦解し、人々は魔物に怯える日々を過ごすこととなった。
そして、この事態を引き起こしたのは『魔王』だというのだ。
凄まじい力を持つ魔王にとって、人類はおもちゃに過ぎないのだろう。
ジワジワと時間をかけながら世界を闇に染めていく。
そんな世界で人々が望むことは唯一つ。
『勇者』の再臨だけだ
だが、この物語の主人公は勇者と言うにはほど遠い。
シルト、ロゼ、リヒトの三人はいたって普通の若者であり、立派な冒険者を夢見るどこにでもいるようなパーティーだ。
冒険者とは魔物を倒したり、人からの依頼をこなすことでお金を稼ぐ職業である。
そんな三人は冒険者となり、日々泥臭く依頼をこなしていく。
彼らの姿勢は多くの人から共感を呼び、いつのまにか後ろには支持する者たちが着いてくるのだ。
人を引き付ける魅力こそが彼らの強みなのである。
そんな日々の冒険を通して成長を続ける彼らは、いつの日か英雄と呼ばれることになり、世界が待ち望む『勇者』へと覚醒を果たす日が来るのだ。
~~~~~~
同作者の「世界に光をもたらすのは奴隷の猫娘と最強の女冒険者でした」「将来を有望視されていた俺は騎士団を追放された、だからカワイイ幼馴染と共に冒険者として第二の人生を歩むことにしよう」「異世界転生を果たした僕はできる範囲で世界を救ってみようと思う」と同じ世界観の中での物語になります。
いずれ物語は重なりそして動き出す。
小説家になろう
https://ncode.syosetu.com/n3159em/
カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885962399
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる