170 / 221
伝説の次元空間編
第170話 勇者気づく
しおりを挟む
過去のサーイターマルドを模した次元世界に来た俺は、ユミコに道具袋をあさられる。
ローザの盗聴器は取り戻したが、ルギアのお守りはユミコに取られてしまった。
ユミコはそれを勇者の証と勘違いした挙句、俺に投げつけてきた。
「ば、バカな!なぜおまえがそれに触れるんだ!」
ルギアのお守りを投げつけたユミコは、驚きの声をあげる。
おかげで俺は、貴重な物を粗末に扱うユミコを、叱りそこねた。
「精霊ルギアの加護を受けたアイテムは、魔物には触れられない。
当然、悪魔軍の手先にも、触れられないはず。
この私だって、賢者に転職して初めて、触れられるアイテムなのに。
なぜ悪魔ヘッドのおまえが、触れられるんだ!」
おいおい、俺が悪魔ヘッドなら、第何弾のヘッドだよ。
対になる天使ヘッドは、誰なんだ?
「あの、ユミコさん。なぜ俺の事を信じてくれないんですか?」
俺はルギアのお守りを、にぎにぎしてみせる。
この事実が、ユミコの中で答えを出してると思う。
だけどなぜか、ユミコは俺を敵視する。
「ありえないだろ。」
ユミコはおろおろ首を振る。
「同じ物は、同じ次元空間に、同時に存在出来ない。
おまえが言う事が本当なら、照光子の杖を持ち帰った時点で、世界は次元空間ごと滅ぶ。」
ユミコは恐ろしげな事を、平然とつぶやく。
だけど俺も、理解する。
だから俺を、認めないんだと。
「あー、えっと、俺が来た未来ってのは、厳密に言えば、この時代の時間軸の先にある未来では、ないんですよ。」
俺の言葉に、ユミコも怯えた感じで俺を見つめる。
「何が起きてる?」
「えと、この次元空間はですね、元の時代の次元空間を、コピーしたものなんです。」
確か元の時代のユミコが、そう言ってたよな。
この時代のユミコは、怯えた感じで俺を見ている。
「えと、俺の時代の照光子の杖が本来の使い方されてて、俺がゲットする事が出来ないから、このコピーした次元空間から、もらってこようと言う訳でして、この次元空間の照光子の杖をゲットしたら、なんか元の次元空間にも影響与えるかもしれないんで、この次元空間は、」
「まてまてまて!」
ユミコが愕然としてるんで、俺が覚えてる限りの説明をしてたら、ユミコが制止する。
「つまり、おまえは照光子の杖目当てで、この次元空間をわざわざ作ったのか?」
「まあ、そうなりますね。」
ユミコに問われ、俺はそう答える。
「この世界は、おまえが照光子の杖をゲットしたら、消されちゃう、と言う事か。」
「あ、」
ユミコに言われて、初めて気がついた。
この世界の人たちはみな、消されてしまう事に。
ローザの盗聴器は取り戻したが、ルギアのお守りはユミコに取られてしまった。
ユミコはそれを勇者の証と勘違いした挙句、俺に投げつけてきた。
「ば、バカな!なぜおまえがそれに触れるんだ!」
ルギアのお守りを投げつけたユミコは、驚きの声をあげる。
おかげで俺は、貴重な物を粗末に扱うユミコを、叱りそこねた。
「精霊ルギアの加護を受けたアイテムは、魔物には触れられない。
当然、悪魔軍の手先にも、触れられないはず。
この私だって、賢者に転職して初めて、触れられるアイテムなのに。
なぜ悪魔ヘッドのおまえが、触れられるんだ!」
おいおい、俺が悪魔ヘッドなら、第何弾のヘッドだよ。
対になる天使ヘッドは、誰なんだ?
「あの、ユミコさん。なぜ俺の事を信じてくれないんですか?」
俺はルギアのお守りを、にぎにぎしてみせる。
この事実が、ユミコの中で答えを出してると思う。
だけどなぜか、ユミコは俺を敵視する。
「ありえないだろ。」
ユミコはおろおろ首を振る。
「同じ物は、同じ次元空間に、同時に存在出来ない。
おまえが言う事が本当なら、照光子の杖を持ち帰った時点で、世界は次元空間ごと滅ぶ。」
ユミコは恐ろしげな事を、平然とつぶやく。
だけど俺も、理解する。
だから俺を、認めないんだと。
「あー、えっと、俺が来た未来ってのは、厳密に言えば、この時代の時間軸の先にある未来では、ないんですよ。」
俺の言葉に、ユミコも怯えた感じで俺を見つめる。
「何が起きてる?」
「えと、この次元空間はですね、元の時代の次元空間を、コピーしたものなんです。」
確か元の時代のユミコが、そう言ってたよな。
この時代のユミコは、怯えた感じで俺を見ている。
「えと、俺の時代の照光子の杖が本来の使い方されてて、俺がゲットする事が出来ないから、このコピーした次元空間から、もらってこようと言う訳でして、この次元空間の照光子の杖をゲットしたら、なんか元の次元空間にも影響与えるかもしれないんで、この次元空間は、」
「まてまてまて!」
ユミコが愕然としてるんで、俺が覚えてる限りの説明をしてたら、ユミコが制止する。
「つまり、おまえは照光子の杖目当てで、この次元空間をわざわざ作ったのか?」
「まあ、そうなりますね。」
ユミコに問われ、俺はそう答える。
「この世界は、おまえが照光子の杖をゲットしたら、消されちゃう、と言う事か。」
「あ、」
ユミコに言われて、初めて気がついた。
この世界の人たちはみな、消されてしまう事に。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
さようなら竜生、こんにちは人生
永島ひろあき
ファンタジー
最強最古の竜が、あまりにも長く生き過ぎた為に生きる事に飽き、自分を討伐しに来た勇者たちに討たれて死んだ。
竜はそのまま冥府で永劫の眠りにつくはずであったが、気づいた時、人間の赤子へと生まれ変わっていた。
竜から人間に生まれ変わり、生きる事への活力を取り戻した竜は、人間として生きてゆくことを選ぶ。
辺境の農民の子供として生を受けた竜は、魂の有する莫大な力を隠して生きてきたが、のちにラミアの少女、黒薔薇の妖精との出会いを経て魔法の力を見いだされて魔法学院へと入学する。
かつて竜であったその人間は、魔法学院で過ごす日々の中、美しく強い学友達やかつての友である大地母神や吸血鬼の女王、龍の女皇達との出会いを経て生きる事の喜びと幸福を知ってゆく。
※お陰様をもちまして2015年3月に書籍化いたしました。書籍化該当箇所はダイジェストと差し替えております。
このダイジェスト化は書籍の出版をしてくださっているアルファポリスさんとの契約に基づくものです。ご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。
※2016年9月より、ハーメルン様でも合わせて投稿させていただいております。
※2019年10月28日、完結いたしました。ありがとうございました!
転生ババァは見過ごせない! 元悪徳女帝の二周目ライフ
ナカノムラアヤスケ
ファンタジー
かつて世界を征服しようとした女皇帝がいた。
名をラウラリス・エルダヌス。
長きに渡り恐怖と暴力によって帝国を支配していた彼女は、その果てに勇者との戦いによって息絶える。
それから三百年の月日が流れた。
実はラウラリスは世界の為に悪役を演じていただけであり、その功績を神に認められた彼女は報酬として新たなる(若返った)肉体としがらみをもたない第二の人生を与えられることとなる。
これは悪役を演じきったババァの、第二の人生譚である。
聖女の地位も婚約者も全て差し上げます〜LV∞の聖女は冒険者になるらしい〜
みおな
ファンタジー
ティアラ・クリムゾンは伯爵家の令嬢であり、シンクレア王国の筆頭聖女である。
そして、王太子殿下の婚約者でもあった。
だが王太子は公爵令嬢と浮気をした挙句、ティアラのことを偽聖女と冤罪を突きつけ、婚約破棄を宣言する。
「聖女の地位も婚約者も全て差し上げます。ごきげんよう」
父親にも蔑ろにされていたティアラは、そのまま王宮から飛び出して家にも帰らず冒険者を目指すことにする。
異世界労働戦記☆スキル×レベル☆生産者ケンタ
のきび
ファンタジー
『女性にモテたいなら生産職』そんな持論でゲームを始めた葛城 健太郎(かつらぎ けんたろう)はゲーム内で生産職を極めた。そんな彼を女神は自分の受け持つスキル制の異世界を変える起爆剤として異世界転移させた。異世界に転移させられた健太郎は情報を集めるために酒場併設の宿屋に引きこもる。それをニートと判断した女神は健太郎を新たな異世界へと追いやる。しかし新たな世界はレベル制、健太郎は女神を呪うがその世界で健太郎は生産しながら暮らしていくうちに、いろいろな事件に巻き込まれていく。
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。
Gai
ファンタジー
不慮の事故で亡くなった後、異世界に転生した高校生、鬼島迅。
そんな彼が生まれ落ちた家は、貴族。
しかし、その家の住人たちは国内でも随一、乱暴者というイメージが染みついている家。
世間のその様なイメージは……あながち間違ってはいない。
そんな一家でも、迅……イシュドはある意味で狂った存在。
そしてイシュドは先々代当主、イシュドにとってひい爺ちゃんにあたる人物に目を付けられ、立派な暴君戦士への道を歩み始める。
「イシュド、学園に通ってくれねぇか」
「へ?」
そんなある日、父親であるアルバから予想外の頼み事をされた。
※主人公は一先ず五十後半の話で暴れます。
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる