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伝説の次元空間編

第161話 勇者歴史上の美女に惚れられる

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 過去のサーイターマルドを模した次元世界に来た俺は、ノブヒコさんがアケミの夫だという、驚愕の事実を知る。
 元の時代では女性同士なのに、なぜこの次元世界では夫婦なんだ?


「怪しいわね、こいつ。」
 俺の今までの態度を見て、ユミコがつぶやく。

 やばい、アケミの胸に誘惑されて、うまい言い訳を考えつかなかった!
 この時代のユミコも、鋭い!

「そ、それじゃあ、俺はこれで。助けてくれて、ありがとうございました。」
 俺は、そそくさと立ち去ろうとする。
 タカスナとの接触は、また今度だ。今度こそうまくやろう。
 そう、今度こそタカスナとだけに会うんだ!

「待ちなさいって。」
 そんな俺を、ノブヒコさんが呼びとめる。
「あなた道に迷ったんでしょ?ひとりで行かせる訳には、いきませんよ。」
「は、はい。実はそうなんです。ここがどこかも分からなくて、困ってるんです。」
 ナイスだノブヒコさん。実に自然な言い訳が出来た。

 だが、アケミとユミコは無表情で俺を見つめる。
「どう思う、ユミコ。」
「怪しさ満点ね。ろくな装備もなしで、こんな所をうろつくなんて、あり得ないわね。」
「そうだよな。あいつは迷ったって言ってるけど、どこから来て、どこに行くつもりなのか。」
「しばらく、監視する必要がありそうね。」

 アケミとユミコは、何か小声で話してる。
 俺にはよく聞こえなかったが、何話してんだろ?

「それじゃあ君、街まで私たちが送るよ。」
 とノブヒコさんが言ってくれた。
「あ、ありがとうございます。助かります。」
 俺はノブヒコさんの提案を受け入れる。
 うまくいけば、タカスナと会える。タカスナとふたりきりになれるかもしれない。

「私はノブヒコ。あのふたりはアケミさんとユミコさん。」
 ノブヒコさんは、メンバーを紹介してくれる。
 うん、普通に呼びあってたから、すでに知ってるけどね。
「俺は、ユウタって言います。よろしくお願いします、ノブヒコさん。」
 俺は隣りを歩くノブヒコさんに、自己紹介。
 アケミとユミコは、俺たちの後ろからついてくる。

 俺も、ここで名乗っていいものかと思ったが、深く考えない事にした。

 それにしてもアケミとユミコ。
 俺の後ろから、熱い視線を送ってきやがる。
 まさか、俺に惚れたって事はないよな。
 俺は惚れそうだが。

 アケミは人妻。
 下手したらノブヒコさんと、血みどろなバトルになりかねない。
 ノブヒコさんは見た感じ、ヒーラー。俺が本気だせば勝てるかもしれない。
 そしてユミコ。
 この次元世界で俺と一緒になったら、元の時代のユミコとか、色々どうなるんだろう。

 くう、モテる男はつらいぜ!
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