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伝説の次元空間編
第156話 勇者装備をはずす
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照光子の杖をゲットするため、タカスナの時代をコピーした次元世界を創る。
その次元世界でユミコに幸せになってほしかったが、それは俺の消滅を意味していた。
「そうか、照光子の杖を受け取る事しか、出来ないんだな。
ユミコにも、幸せになってほしかったのに。」
折角新しく次元世界を作るのに、ユミコはそこでも、哀しい思いをしなければならない。
「ユウタ、それが歴史的事実。過去は変えられない。変えてはいけない。」
ユミコの言葉に、俺は涙が出てくる。
そんな俺を、ユミコがふわりと抱きしめる。
「過去は変えられない。でも、未来なら変えられる。」
「え?」
ユミコの言葉に、涙をこらえるために閉じてた瞳を開ける。
「私はユウタと出会えて、幸せよ。あなたと旅が出来て、ほんとによかった。」
「ユミコ。」
俺もユミコを抱きしめる。
ユミコの言ってる事は、本心だろうか。
本当に幸せだったとしても、その幸せは、タカスナと一緒になれた幸せよりも、劣ると思う。
「もう残された時間はないわ。急ぎましょう。」
ユミコは俺から離れると、部屋の奥へと向かう。
「あ、うん。」
俺はもうちょっとユミコのぬくもりを感じていたかったが、ユミコの後に続く。
そこには、ゴツいマッサージチェアと、怪しげな手術台のようなのがあった。
「ユウタ、これから過去の世界に行く事になるんだけど、同じ物体を同時に存在させる事は出来ないわ。」
「うん、分かった。」
俺の装備してるウラワの鎧は、当時のタカスナが装備していた鎧。
持って行く事は出来ない。
俺はウラワの鎧の装備を外し、空の宝箱に入れる。
この理屈で、聖なる霧吹き、勇者の証、騎神のいななきも宝箱に入れる。
念のため、やくそう8と魔法の鍵6も、置いていく。
炎の剣はどうしようかと思ったが、向こうで聞かれると面倒そうなので、置いて行く事にした。
所持金630円も、鋳造年代が最近なので、持って行けない。
今の俺のアイテムは、ルギアのお守りと、ローザの盗聴器しかない。
「ユウタ、その椅子に座って。」
ユミコに言われるままに、俺はゴツいマッサージチェアに座る。
このマッサージチェアには、頭部をすっぽり覆うようなヘルメットが付属されている。
「それと、はいこれ。」
ユミコから、大きなボタンがついた物体を手渡される。
「それが次元世界を発生させる、起動スイッチ。ボタンが光ったら押してね。」
と言いながら、ユミコは手術台に横になる。
ユミコの足首と手首が、手術台に固定される。
「ユウタ、あなたと旅が出来て、本当に良かった。」
ユミコの足元から、カプセル状の覆いが手術台を包んでいく。
「ああ、俺も楽しかった。」
俺もユミコを見つめて、ユミコに答える。
その次元世界でユミコに幸せになってほしかったが、それは俺の消滅を意味していた。
「そうか、照光子の杖を受け取る事しか、出来ないんだな。
ユミコにも、幸せになってほしかったのに。」
折角新しく次元世界を作るのに、ユミコはそこでも、哀しい思いをしなければならない。
「ユウタ、それが歴史的事実。過去は変えられない。変えてはいけない。」
ユミコの言葉に、俺は涙が出てくる。
そんな俺を、ユミコがふわりと抱きしめる。
「過去は変えられない。でも、未来なら変えられる。」
「え?」
ユミコの言葉に、涙をこらえるために閉じてた瞳を開ける。
「私はユウタと出会えて、幸せよ。あなたと旅が出来て、ほんとによかった。」
「ユミコ。」
俺もユミコを抱きしめる。
ユミコの言ってる事は、本心だろうか。
本当に幸せだったとしても、その幸せは、タカスナと一緒になれた幸せよりも、劣ると思う。
「もう残された時間はないわ。急ぎましょう。」
ユミコは俺から離れると、部屋の奥へと向かう。
「あ、うん。」
俺はもうちょっとユミコのぬくもりを感じていたかったが、ユミコの後に続く。
そこには、ゴツいマッサージチェアと、怪しげな手術台のようなのがあった。
「ユウタ、これから過去の世界に行く事になるんだけど、同じ物体を同時に存在させる事は出来ないわ。」
「うん、分かった。」
俺の装備してるウラワの鎧は、当時のタカスナが装備していた鎧。
持って行く事は出来ない。
俺はウラワの鎧の装備を外し、空の宝箱に入れる。
この理屈で、聖なる霧吹き、勇者の証、騎神のいななきも宝箱に入れる。
念のため、やくそう8と魔法の鍵6も、置いていく。
炎の剣はどうしようかと思ったが、向こうで聞かれると面倒そうなので、置いて行く事にした。
所持金630円も、鋳造年代が最近なので、持って行けない。
今の俺のアイテムは、ルギアのお守りと、ローザの盗聴器しかない。
「ユウタ、その椅子に座って。」
ユミコに言われるままに、俺はゴツいマッサージチェアに座る。
このマッサージチェアには、頭部をすっぽり覆うようなヘルメットが付属されている。
「それと、はいこれ。」
ユミコから、大きなボタンがついた物体を手渡される。
「それが次元世界を発生させる、起動スイッチ。ボタンが光ったら押してね。」
と言いながら、ユミコは手術台に横になる。
ユミコの足首と手首が、手術台に固定される。
「ユウタ、あなたと旅が出来て、本当に良かった。」
ユミコの足元から、カプセル状の覆いが手術台を包んでいく。
「ああ、俺も楽しかった。」
俺もユミコを見つめて、ユミコに答える。
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