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シリウスシスターズ襲撃編
第152話 勇者ユミコの寿命を知る
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俺とユミコの前に立ちはだかるシリウスシスターズの四人。
ユミコの次航法違反を指摘しながらも、ユミコを見逃し、この場から飛び去った。
「は、はは、なんだったんだ、あいつら。」
空に描かれる四本の飛行機雲を見上げながら、俺はつぶやく。
「ユウタのおかげで、助かったわ。」
「え、どう言う事?」
「とりあえず、歩きながら話しましょう。ホーリーバリア。」
ユミコは破邪呪文を唱える。
これでユミコのレベル以下の魔物は、一定時間襲ってこない。
「あ、うん。」
俺は歩きだしたユミコの後を追う。
「で、俺のおかげって、どう言う事?」
俺はもう一度聞いてみる。
「ユウタがサーイターマルドには存在しないって、言ってくれたじゃん。
だから私も、次航法を逃れる手段を見つけられたわ。」
「え?どゆ事?制定前だから、セーフなんでしょ?」
「とんでもない。」
俺の疑問に、ユミコは素っ頓狂な声をあげる。
「時間の流れなんて、次元空間によってまちまちよ。
だから、別の次元空間を挟めば、ここの次元を何億年も遡る事も出来るわよ。」
「え、何それ。」
「今を変えようと、過去を改変しようとする、時間犯罪者も存在するのよ。
だから次航法制定前の出来事にも、次航法は適用されるのよ。」
「え、じゃあマインさん達は、わざと見逃してくれたの?」
「ええ、そうなるわね。あの人たちも、ユウタが魔王を倒すまでの時間は、見逃したかったようね。」
「は、はは。なら別に、俺たちの前に、現れなければよかったじゃん。」
「そうもいかないわよ。それがあの人たちの任務なんだから。」
「任務って、あの人たちって、なんかのパトロール隊かなんかなの?」
「んー、よく分からないわね。最初はバカンスでこの次元に来て、いつの間にか、アイドル活動をするようになったみたいね。」
「えー、何それ。」
「このサーイターマルドに起こる出来事なら、私は何でも把握出来るのよ。」
「えー、何それ。」
「だって、そうじゃないと、ユウタに出会えなかったじゃない。」
「あ、うん、そうだね。」
ユミコの言葉に、俺は思わずユミコと手をつなぎたくなる。
「私の寿命も、もうすぐ尽きるから、その前に出会えて良かったわ。」
「え、何言ってんだ。」
それは、ルギア様にも聞かされた事。
ユミコに伸ばした俺の手の動きが止まる。
「ユウタも聞いたでしょ。私の寿命は、あと435時間だって。」
ユミコは中途半端に伸ばした俺の手を握る。
ユミコの次航法違反を指摘しながらも、ユミコを見逃し、この場から飛び去った。
「は、はは、なんだったんだ、あいつら。」
空に描かれる四本の飛行機雲を見上げながら、俺はつぶやく。
「ユウタのおかげで、助かったわ。」
「え、どう言う事?」
「とりあえず、歩きながら話しましょう。ホーリーバリア。」
ユミコは破邪呪文を唱える。
これでユミコのレベル以下の魔物は、一定時間襲ってこない。
「あ、うん。」
俺は歩きだしたユミコの後を追う。
「で、俺のおかげって、どう言う事?」
俺はもう一度聞いてみる。
「ユウタがサーイターマルドには存在しないって、言ってくれたじゃん。
だから私も、次航法を逃れる手段を見つけられたわ。」
「え?どゆ事?制定前だから、セーフなんでしょ?」
「とんでもない。」
俺の疑問に、ユミコは素っ頓狂な声をあげる。
「時間の流れなんて、次元空間によってまちまちよ。
だから、別の次元空間を挟めば、ここの次元を何億年も遡る事も出来るわよ。」
「え、何それ。」
「今を変えようと、過去を改変しようとする、時間犯罪者も存在するのよ。
だから次航法制定前の出来事にも、次航法は適用されるのよ。」
「え、じゃあマインさん達は、わざと見逃してくれたの?」
「ええ、そうなるわね。あの人たちも、ユウタが魔王を倒すまでの時間は、見逃したかったようね。」
「は、はは。なら別に、俺たちの前に、現れなければよかったじゃん。」
「そうもいかないわよ。それがあの人たちの任務なんだから。」
「任務って、あの人たちって、なんかのパトロール隊かなんかなの?」
「んー、よく分からないわね。最初はバカンスでこの次元に来て、いつの間にか、アイドル活動をするようになったみたいね。」
「えー、何それ。」
「このサーイターマルドに起こる出来事なら、私は何でも把握出来るのよ。」
「えー、何それ。」
「だって、そうじゃないと、ユウタに出会えなかったじゃない。」
「あ、うん、そうだね。」
ユミコの言葉に、俺は思わずユミコと手をつなぎたくなる。
「私の寿命も、もうすぐ尽きるから、その前に出会えて良かったわ。」
「え、何言ってんだ。」
それは、ルギア様にも聞かされた事。
ユミコに伸ばした俺の手の動きが止まる。
「ユウタも聞いたでしょ。私の寿命は、あと435時間だって。」
ユミコは中途半端に伸ばした俺の手を握る。
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