142 / 221
ローザ姫との密会編
第142話 勇者後悔する
しおりを挟む
俺に魅了呪文をかけたのは、ユミコではないらしい。
ならばローザが犯人だと思うのだが、ローザは魅了呪文を使えない。
ならば、真犯人はいったい、誰なんだ?
「じゃあ、俺に魅了呪文をかけたのは、誰なんだよ!」
「ふふふ、さあ?誰なんでしょうね?」
俺が真剣に悩んでるのに、ローザはニヤけてやがる。
そこがムカつくのだが、そこが魅力的なのもまた事実。
「屈しないからな。」
俺はローザをにらみつけて、虚勢をはる。
誰の陰謀だか知らんが、このままローザに惚れる訳にはいかない!
「その虚勢、いつまで保つかしら。」
ローザはこれ見よがしに、満面の笑みを見せつける。
「く」
俺はドキっとしながら、視線をそむける。
瞳を閉じたら、まぶたの裏にローザの笑顔が焼き付いていやがる!
「ねえユウタってさあ、私の事嫌いなの?」
ローザが悲しげな口調で聞いてくる。
それまでの挑発的な口調とのギャップが、俺のハートを鷲掴む。
「私、嫌われるような事、何かしたかな。」
「え?」
ローザに言われて、俺は考えこむ。
そう言えば、なんで俺はローザの事を拒絶してるんだ。
「ローザはかわいい。ロリコンじゃない俺でも、ローザのかわいさは、認めざるをえない。
じゃあなぜ、俺はローザを拒絶する?最初の出会いはどうだった?そこから考えれば、何か答えが出るかもしれない。
確か、ドラゴンさんを倒したから、仇と狙われてんだよな。いきなり蹴りを入れられたし。
あの蹴りは効いた。俺はダウンして、あ、あの時ローザの上に倒れたんじゃないか?
え、幼女を押し倒したの?ただのロリコンじゃん。
そうか、俺はロリコンを否定したいから、ローザに惚れる訳にはいかないんだ。
ローザがガキじゃなければ、普通に惚れても問題ないんだろう。
ローザもスーシ姫くらいのお年頃だったら、そうか、タカスナがスーシ姫に落とされたのも、そのせいか。」
「ユウタ、そんな事考えてたの?」
なぜかローザがドン引いてる。
「え?考えてたのって、おまえ、人の心が読めるのか!」
俺はローザの固有スキルに驚く。
「そうかこいつ、俺をもて遊んでやがるんだ。
誰かに魅了呪文を使わせて、俺の心を読んで!
くそ、ドラゴンさんを倒したばっかりに、ローザの性根を歪ませてしまったのか!
済まない、ドラゴンさん。あんたが守ってたローザを、俺はとんでもない性悪女にしてしまった!」
パシん!
いきなりローザにぶたれた。
「ドラゴンさんは、関係ないでしょ!」
ローザは瞳に涙を溜めている。
ならばローザが犯人だと思うのだが、ローザは魅了呪文を使えない。
ならば、真犯人はいったい、誰なんだ?
「じゃあ、俺に魅了呪文をかけたのは、誰なんだよ!」
「ふふふ、さあ?誰なんでしょうね?」
俺が真剣に悩んでるのに、ローザはニヤけてやがる。
そこがムカつくのだが、そこが魅力的なのもまた事実。
「屈しないからな。」
俺はローザをにらみつけて、虚勢をはる。
誰の陰謀だか知らんが、このままローザに惚れる訳にはいかない!
「その虚勢、いつまで保つかしら。」
ローザはこれ見よがしに、満面の笑みを見せつける。
「く」
俺はドキっとしながら、視線をそむける。
瞳を閉じたら、まぶたの裏にローザの笑顔が焼き付いていやがる!
「ねえユウタってさあ、私の事嫌いなの?」
ローザが悲しげな口調で聞いてくる。
それまでの挑発的な口調とのギャップが、俺のハートを鷲掴む。
「私、嫌われるような事、何かしたかな。」
「え?」
ローザに言われて、俺は考えこむ。
そう言えば、なんで俺はローザの事を拒絶してるんだ。
「ローザはかわいい。ロリコンじゃない俺でも、ローザのかわいさは、認めざるをえない。
じゃあなぜ、俺はローザを拒絶する?最初の出会いはどうだった?そこから考えれば、何か答えが出るかもしれない。
確か、ドラゴンさんを倒したから、仇と狙われてんだよな。いきなり蹴りを入れられたし。
あの蹴りは効いた。俺はダウンして、あ、あの時ローザの上に倒れたんじゃないか?
え、幼女を押し倒したの?ただのロリコンじゃん。
そうか、俺はロリコンを否定したいから、ローザに惚れる訳にはいかないんだ。
ローザがガキじゃなければ、普通に惚れても問題ないんだろう。
ローザもスーシ姫くらいのお年頃だったら、そうか、タカスナがスーシ姫に落とされたのも、そのせいか。」
「ユウタ、そんな事考えてたの?」
なぜかローザがドン引いてる。
「え?考えてたのって、おまえ、人の心が読めるのか!」
俺はローザの固有スキルに驚く。
「そうかこいつ、俺をもて遊んでやがるんだ。
誰かに魅了呪文を使わせて、俺の心を読んで!
くそ、ドラゴンさんを倒したばっかりに、ローザの性根を歪ませてしまったのか!
済まない、ドラゴンさん。あんたが守ってたローザを、俺はとんでもない性悪女にしてしまった!」
パシん!
いきなりローザにぶたれた。
「ドラゴンさんは、関係ないでしょ!」
ローザは瞳に涙を溜めている。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。
【完結】元・おっさんの異世界サバイバル~前世の記憶を頼りに、無人島から脱出を目指します~
コル
ファンタジー
現実世界に生きていた山本聡は、会社帰りに居眠り運転の車に轢かれてしまい不幸にも死亡してしまう。
彼の魂は輪廻転生の女神の力によって新しい生命として生まれ変わる事になるが、生まれ変わった先は現実世界ではなくモンスターが存在する異世界、更に本来消えるはずの記憶も持ったまま貴族の娘として生まれてしまうのだった。
最初は動揺するも悩んでいても、この世界で生まれてしまったからには仕方ないと第二の人生アンとして生きていく事にする。
そして10年の月日が経ち、アンの誕生日に家族旅行で旅客船に乗船するが嵐に襲われ沈没してしまう。
アンが目を覚ますとそこは砂浜の上、人は獣人の侍女ケイトの姿しかなかった。
現在の場所を把握する為、目の前にある山へと登るが頂上につきアンは絶望してしてしまう。
辺りを見わたすと360度海に囲まれ人が住んでいる形跡も一切ない、アン達は無人島に流れ着いてしまっていたのだ。
その後ケイトの励ましによりアンは元気を取り戻し、現実世界で得たサバイバル知識を駆使して仲間と共に救助される事を信じ無人島で生活を始めるのだった。
※この作品は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さん、「ノベルアップ+」さん、「ノベリズム」さんとのマルチ投稿です。
神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか
佐藤醤油
ファンタジー
主人公を神様が転生させたが上手くいかない。
最初は生まれる前に死亡。次は生まれた直後に親に捨てられ死亡。ネズミにかじられ死亡。毒キノコを食べて死亡。何度も何度も転生を繰り返すのだが成功しない。
「神様、もう少し暮らしぶりの良いところに転生できないのですか」
そうして転生を続け、ようやく王家に生まれる事ができた。
さあ、この転生は成功するのか?
注:ギャグ小説ではありません。
最後まで投稿して公開設定もしたので、完結にしたら公開前に完結になった。
なんで?
坊、投稿サイトは公開まで完結にならないのに。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
ヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる