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勇者の証回収へ

第134話 勇者神託の地にたどり着く

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 ルギア様からのご神託で示された場所。
 そこは広大な腐った大地の中にあった。


 魔王の影響で、腐敗してしまった地面。
 濁った沼地といった感じで、膝下くらいまで、沼地に沈む。
 普通に居るだけでダメージを受けそうだ。

「魔王の影響がなければ、綺麗な湿地帯だったんだけどね。」
 ユミコは、以前のこの地の姿を解説する。
「だけど今では、生命の営みをはばむ毒の沼地。」
「毒?」
「そう、毒の沼地。ウラワの鎧を装備してるユウタは大丈夫だけど、それがないとダメージを受ける。だから、トラウマ。」

 ユミコは罠解除呪文を唱える。
 確かオオミヤ城のバリアを突破する時にも、使ったヤツだよな。
 俺はウラワの鎧の効果でノーダメージでも、ユミコは違うしな。

 そんなこんなで、俺は東に向かって歩く。
 こんな毒の沼地でも、普通に魔物が襲ってくるのは、驚きだ。
 膝下まで沼地に沈んでいても、こんな魔物どもに苦戦する事もなかった。
 魔物が落としたお金を拾うのは、ちと苦労したが。

「素敵なレディ、俺の今の座標軸は?」
 俺はローザの盗聴器に呼びかける。だけどローザからの反応がない。
「おい素敵なレディ。またお化粧でもしてんのか。」
「何よ、その呼び方。」
 ローザは涙声で返してくる。

 いや、ガキ呼ばわりしたら、おまえがヘソ曲げたんだろ。
 だから素敵なレディって呼んでやってるのに、何が不満なんだ。
 ユミコは相変わらずくすくす笑ってるし、ほんと、意味分からん。

「悪かったよ、ローザ。」
 このままだと話しが進まなそうなので、とりあえず謝った。
「今度からローザって呼んでくれなかったら、返事しないからね。」
 ローザはまだ涙声だ。

 たくぅ、だからローザはガキなんだよな。
「分かったよ、ローザ。」
 そんなガキの機嫌を損ねるのもアレなんで、俺はおとなの対応をする。
「うん、絶対だからね。えと、ユウタの今の座標軸は、東経2歩南緯40歩よ。」
「おー、つまりあと一歩だな。」

 俺はそのまま一歩東に移動する。
 が、何かにつまずき、毒の沼地に倒れこむ。
 沼地の底に、数センチの段差があり、それにつまずいてしまった。
「な、なんなんだ、これ。」
 俺は顔についた泥をぬぐう。

「私に任せて。バリア。」
 ユミコが絶対防御呪文を唱えると、ユミコの足元の泥が、おわん状に退いていく。
 ユミコがそのままご神託の位置へと歩く。
 そこには地下への入り口を閉ざす、マンホールみたいな扉があった。
 その扉の上に、何か乗っている。
 それは俺が持っているルギアのお守りに、そっくりだった。
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