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勇者の証回収へ
第133話 勇者神託の地に向かう
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素敵なレディのローザの機嫌を損ねてしまった。
そんなローザの機嫌を直すのに、ユミコにまでつらい思いをさせてしまった。
つか、なんでローザに通信したんだっけか?
「ローザ、お前なら分かるんだろ、俺の今居る座標軸が。」
「な、何よいきなり。」
この通信ネタだけで、すでに何話費やした事か。
これ以上引っ張る訳には、いかない!
「教えてくれよ、東経3歩南緯40歩って、どこなんだよ。」
「そ、それは、そこから南南東の方角ね。」
「南南東?じゃあ、今の俺の座標軸は?」
「ユウタが今居る座標軸は、東経2歩南緯33歩って所ね。」
「なるほど。」
どこが基準点なのかは知らんが、ここから南に行って、ちょっと東にずれた所か。
「教えてくれて、ありがとう。近くになったら、また連絡する。」
「ちょ、ちょっと待ってよ、」
ローザがまだ何か言いかけたが、そのまま通信を切ってしまった。
もう一度回線つないで、聞いてみる必要もないだろう。
「あの、ユミコ。」
次の目的地が決まったが、俺はユミコに対して申し訳なかった。
前回、勇者ウラワの事を触れさせてしまったからだ。
「くすくす、素敵なレディの成長が、楽しみね。」
「べ、別に楽しみじゃないよ。」
俺の気持ちを知ってか知らずか、ユミコははぐらかす。
「くすくす、さ、早く行きましょう。」
ユミコははぐらかしたまま、俺を急がせる。
ご神託の場所は、チチブの南南東。
だけどチチブの南には、高い岩山がそびえていて、大きく迂回しなくちゃいけない。
確かチチブに来る時、橋を渡って北東に進路をとった。
その北東に進軍中、東に向かう橋があった。
その橋を渡れば、ご神託の場所に行けるはずだ。
俺はチチブの武器屋で鉄の盾を買って、向かう事にした。
やはり盾を装備してないと、落ち着かない。
しかしこの鉄の盾。ピザより安いんだよな。
おかげで買えたんだけど、ここら辺の経済感覚が、いまいち分からん。
俺はチチブの街を出る。
街の入り口では、半人半馬のゴーレムが街を守っている。
「じゃ、この街とルギア神殿を頼むぜ。」
俺はゴーレムの肩を、ぽんぽん叩く。
ゴーレムは、微動だにしなかった。
道中現れる魔物は、炎の剣の前に、ほぼ一撃で沈んだ。
まれに生き延びても、ウラワの鎧の前に、たいしたダメージも受けなかった。
そして問題の橋を渡ってしばらく行くと、広大な腐った大地が姿を現す。
腐敗した沼地とでも言うべきか、居るだけでダメージを受けそうだ。
「あーあー、素敵なレディのローザさん、俺の座標軸を教えてください。」
俺はローザの盗聴器に呼びかける。
「何よその呼び方。ユウタの位置は、西経9歩南緯39歩よ。」
つまり目的地は、ここからほぼ真東って訳か。
そんなローザの機嫌を直すのに、ユミコにまでつらい思いをさせてしまった。
つか、なんでローザに通信したんだっけか?
「ローザ、お前なら分かるんだろ、俺の今居る座標軸が。」
「な、何よいきなり。」
この通信ネタだけで、すでに何話費やした事か。
これ以上引っ張る訳には、いかない!
「教えてくれよ、東経3歩南緯40歩って、どこなんだよ。」
「そ、それは、そこから南南東の方角ね。」
「南南東?じゃあ、今の俺の座標軸は?」
「ユウタが今居る座標軸は、東経2歩南緯33歩って所ね。」
「なるほど。」
どこが基準点なのかは知らんが、ここから南に行って、ちょっと東にずれた所か。
「教えてくれて、ありがとう。近くになったら、また連絡する。」
「ちょ、ちょっと待ってよ、」
ローザがまだ何か言いかけたが、そのまま通信を切ってしまった。
もう一度回線つないで、聞いてみる必要もないだろう。
「あの、ユミコ。」
次の目的地が決まったが、俺はユミコに対して申し訳なかった。
前回、勇者ウラワの事を触れさせてしまったからだ。
「くすくす、素敵なレディの成長が、楽しみね。」
「べ、別に楽しみじゃないよ。」
俺の気持ちを知ってか知らずか、ユミコははぐらかす。
「くすくす、さ、早く行きましょう。」
ユミコははぐらかしたまま、俺を急がせる。
ご神託の場所は、チチブの南南東。
だけどチチブの南には、高い岩山がそびえていて、大きく迂回しなくちゃいけない。
確かチチブに来る時、橋を渡って北東に進路をとった。
その北東に進軍中、東に向かう橋があった。
その橋を渡れば、ご神託の場所に行けるはずだ。
俺はチチブの武器屋で鉄の盾を買って、向かう事にした。
やはり盾を装備してないと、落ち着かない。
しかしこの鉄の盾。ピザより安いんだよな。
おかげで買えたんだけど、ここら辺の経済感覚が、いまいち分からん。
俺はチチブの街を出る。
街の入り口では、半人半馬のゴーレムが街を守っている。
「じゃ、この街とルギア神殿を頼むぜ。」
俺はゴーレムの肩を、ぽんぽん叩く。
ゴーレムは、微動だにしなかった。
道中現れる魔物は、炎の剣の前に、ほぼ一撃で沈んだ。
まれに生き延びても、ウラワの鎧の前に、たいしたダメージも受けなかった。
そして問題の橋を渡ってしばらく行くと、広大な腐った大地が姿を現す。
腐敗した沼地とでも言うべきか、居るだけでダメージを受けそうだ。
「あーあー、素敵なレディのローザさん、俺の座標軸を教えてください。」
俺はローザの盗聴器に呼びかける。
「何よその呼び方。ユウタの位置は、西経9歩南緯39歩よ。」
つまり目的地は、ここからほぼ真東って訳か。
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