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章なしで行きたいんだが~オオミヤからチチブへ
第128話 勇者寄付金足りない
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チチブの商店街の奥で、俺はルギアのお守りを購入する。
売ってくれたシスターは、何か訳ありのようだった。
俺に『ルギアのお守り』を売ってくれたシスターは、何度も俺に頭を下げてる。
俺も片手を上げて、シスターに答える。したらシスターは頭を下げて、俺は片手を上げてを繰り返す。
それは、俺が角を曲がるまで繰り返された。
「で、これって何に使うんかな?」
シスターが見えなくなった所で、俺はユミコに聞いてみる。
「さあ?ルギアの加護があるんでしょ?」
つまり、ユミコにも分からないらしい。
「ルギア様の加護、か。」
よく分からんが、これが無駄金にならない事を祈ろう。
チチブの街中は、相変わらず異様な雰囲気だ。
ムサシから逃げてきた人たちと、元からチチブにいる人たちとで、混乱が起きようとしている。
「ルギア様。どうか俺が魔王を倒すまで、この街が平和でありますよーに。」
俺はルギアのお守りを握りしめ、祈ってみた。
これくらいのご利益は、あってほしいぞ。
俺とユミコは、まっすぐルギア神殿に向かう。
あまり寄り道したくない気分だった。
ルギア神殿に着くと、ルギアのお守りがほのかに輝く。
そして魔法の鍵のかかった扉が、ひとりでに開く。
「あら、ご利益あったみたいね。」
それを見て、ユミコがつぶやく。
つまり、ルギア神殿に入れるために使う、魔法の鍵の代金が浮くのか。
まさか、これだけのために、有り金全部巻き上げられたんじゃないよな。
ルギア神殿に入ってみても、宝箱なんてあるのかな?
少なくとも、以前来た時は、見つけられなかった。
俺は神殿の巫女さんに聞いてみる。
「ここは偉大なる精霊神、ルギアを祀った神殿です。」
「かつて勇者ウラワは、太陽の光を大気中の水蒸気でプリズム反射させ、虹の橋を作ったそうです。」
「虹の橋を作るのに最適な場所。それが神帝のほこらと言われてます。」
うん、前にも聞いたよ、それ。
とりあえず、ルギア様の像がある本殿にでも、行ってみるか。
「げ。」
本殿の扉の前には、あの巫女さんがいた。
中に入りたいなら、16000円寄付しろって言ってたあの巫女さん。
まあ、以前は無視して入ったから、今回も同じでいいだろ。
と思ったら、ルギアのお守りがほのかに輝く。
いや、俺はこの輝きに気づかなかったんだけど。
「あ、あなた様はもしや、」
無視して素通りしようとしたら、いきなり話しかけられ、俺はキョドる。
「き、寄付する金なんて無いからな。」
今の所持金は33円。16000円には程遠い。
それで本殿に入ろうとしてるのだから、我ながらいい度胸してるよな。
売ってくれたシスターは、何か訳ありのようだった。
俺に『ルギアのお守り』を売ってくれたシスターは、何度も俺に頭を下げてる。
俺も片手を上げて、シスターに答える。したらシスターは頭を下げて、俺は片手を上げてを繰り返す。
それは、俺が角を曲がるまで繰り返された。
「で、これって何に使うんかな?」
シスターが見えなくなった所で、俺はユミコに聞いてみる。
「さあ?ルギアの加護があるんでしょ?」
つまり、ユミコにも分からないらしい。
「ルギア様の加護、か。」
よく分からんが、これが無駄金にならない事を祈ろう。
チチブの街中は、相変わらず異様な雰囲気だ。
ムサシから逃げてきた人たちと、元からチチブにいる人たちとで、混乱が起きようとしている。
「ルギア様。どうか俺が魔王を倒すまで、この街が平和でありますよーに。」
俺はルギアのお守りを握りしめ、祈ってみた。
これくらいのご利益は、あってほしいぞ。
俺とユミコは、まっすぐルギア神殿に向かう。
あまり寄り道したくない気分だった。
ルギア神殿に着くと、ルギアのお守りがほのかに輝く。
そして魔法の鍵のかかった扉が、ひとりでに開く。
「あら、ご利益あったみたいね。」
それを見て、ユミコがつぶやく。
つまり、ルギア神殿に入れるために使う、魔法の鍵の代金が浮くのか。
まさか、これだけのために、有り金全部巻き上げられたんじゃないよな。
ルギア神殿に入ってみても、宝箱なんてあるのかな?
少なくとも、以前来た時は、見つけられなかった。
俺は神殿の巫女さんに聞いてみる。
「ここは偉大なる精霊神、ルギアを祀った神殿です。」
「かつて勇者ウラワは、太陽の光を大気中の水蒸気でプリズム反射させ、虹の橋を作ったそうです。」
「虹の橋を作るのに最適な場所。それが神帝のほこらと言われてます。」
うん、前にも聞いたよ、それ。
とりあえず、ルギア様の像がある本殿にでも、行ってみるか。
「げ。」
本殿の扉の前には、あの巫女さんがいた。
中に入りたいなら、16000円寄付しろって言ってたあの巫女さん。
まあ、以前は無視して入ったから、今回も同じでいいだろ。
と思ったら、ルギアのお守りがほのかに輝く。
いや、俺はこの輝きに気づかなかったんだけど。
「あ、あなた様はもしや、」
無視して素通りしようとしたら、いきなり話しかけられ、俺はキョドる。
「き、寄付する金なんて無いからな。」
今の所持金は33円。16000円には程遠い。
それで本殿に入ろうとしてるのだから、我ながらいい度胸してるよな。
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