110 / 221
ローザ姫救出編
第110話 勇者姫と供に凱旋する
しおりを挟む
ローザを海底洞窟から救い出した俺は、ユミコに魅了呪文をかけられてしまう。
ユミコは俺をロリコン犯罪者に仕立てて、何がしたいのだろうか。
ローザをお姫様抱っこする俺の前に、バレーボールに目と口をつけた様な魔物が現れる。
あ、破邪呪文使うの忘れてた。
お姫様抱っこで両手がふさがってるが、何とかなるだろう。
と思ってたら、魔物は逃げだした。
ふ、残念だったな、ローザ。
魔物に俺を殺させるおまえの企みは、見事に外れたぞ。
と思ってたら、ローザはなぜか安堵してやがる。
なんだこいつ。やっぱ魔物が怖いのか?
なんて思ってたら、オオミヤ城が見えてきた。
「ここはオオミヤ城です。ま、まさかその御方は、」
お城の門番が、俺にお姫様抱っこされたローザを見て、言葉を失う。
ローザはニコリとうなずく。
「ま、まさか、ローザ姫は死んだはず。」
門番は顔が青ざめている。
まあ、死んだと思ってたローザが、生きていたんだ。無理もない。
俺はそんな門番を無視して、お城に入る。
「ローザ姫さまが、生きてたんだって?」
「勇者様が、ローザ姫さまを救ってくださった。」
「おお、ローザ姫さまの美しさは、損なわれていない。」
「なんてお美しい。」
「やはりローザ姫さまのお美しさは、この国の宝。」
「ローザ姫さま、ばんざーい。」
「ち、あいつ、勇者だからって、馴れ馴れしいな。」
「くそ、あの役目は、俺の役目だったのに。」
「俺たちのローザ姫さまに手を出したあいつは、万死に値する!」
俺たちは、熱烈歓迎を受ける。
俺にお姫様抱っこされたローザは、にこやかに手を振って、みんなの声に答える。
「さ、勇者様。王様がお待ちかねです。
一刻も早く、ローザ姫さまを王様の元へ。」
階段のそばの兵士が、そう告げる。
一刻も早くって言うなら、話しかけてくるなよ。
その分遅れるだろうが。
ともかく俺は階段を登る。
と同時に、にこやかだったローザの表情も影る。
俺にかけられてた魅了呪文の効果も、切れたのだろうか。
カスカベの宿屋ではあんなにドギマギしたのに、オオミヤ城での笑顔を見ても、普通にかわいいとしか思わなかった。
「ふう、これから面倒な事が起こるわ。
ほんと、私の事なんか、そっとしといてくれれば良かったのに。」
「え?」
ローザは俺にしか聞こえない様な小声で、はっきりと俺に告げてきた。
だけど、ローザの言葉の意味が分からない。
俺の後ろを歩くユミコには、聞こえなかったらしい。
ユミコは顔色ひとつ変えず、普通に歩いている。
すでに階段を登りきり、玉座の間のすぐそばまで来ているので、聞き返すだけの時間的、距離的余裕はなかった。
ユミコは俺をロリコン犯罪者に仕立てて、何がしたいのだろうか。
ローザをお姫様抱っこする俺の前に、バレーボールに目と口をつけた様な魔物が現れる。
あ、破邪呪文使うの忘れてた。
お姫様抱っこで両手がふさがってるが、何とかなるだろう。
と思ってたら、魔物は逃げだした。
ふ、残念だったな、ローザ。
魔物に俺を殺させるおまえの企みは、見事に外れたぞ。
と思ってたら、ローザはなぜか安堵してやがる。
なんだこいつ。やっぱ魔物が怖いのか?
なんて思ってたら、オオミヤ城が見えてきた。
「ここはオオミヤ城です。ま、まさかその御方は、」
お城の門番が、俺にお姫様抱っこされたローザを見て、言葉を失う。
ローザはニコリとうなずく。
「ま、まさか、ローザ姫は死んだはず。」
門番は顔が青ざめている。
まあ、死んだと思ってたローザが、生きていたんだ。無理もない。
俺はそんな門番を無視して、お城に入る。
「ローザ姫さまが、生きてたんだって?」
「勇者様が、ローザ姫さまを救ってくださった。」
「おお、ローザ姫さまの美しさは、損なわれていない。」
「なんてお美しい。」
「やはりローザ姫さまのお美しさは、この国の宝。」
「ローザ姫さま、ばんざーい。」
「ち、あいつ、勇者だからって、馴れ馴れしいな。」
「くそ、あの役目は、俺の役目だったのに。」
「俺たちのローザ姫さまに手を出したあいつは、万死に値する!」
俺たちは、熱烈歓迎を受ける。
俺にお姫様抱っこされたローザは、にこやかに手を振って、みんなの声に答える。
「さ、勇者様。王様がお待ちかねです。
一刻も早く、ローザ姫さまを王様の元へ。」
階段のそばの兵士が、そう告げる。
一刻も早くって言うなら、話しかけてくるなよ。
その分遅れるだろうが。
ともかく俺は階段を登る。
と同時に、にこやかだったローザの表情も影る。
俺にかけられてた魅了呪文の効果も、切れたのだろうか。
カスカベの宿屋ではあんなにドギマギしたのに、オオミヤ城での笑顔を見ても、普通にかわいいとしか思わなかった。
「ふう、これから面倒な事が起こるわ。
ほんと、私の事なんか、そっとしといてくれれば良かったのに。」
「え?」
ローザは俺にしか聞こえない様な小声で、はっきりと俺に告げてきた。
だけど、ローザの言葉の意味が分からない。
俺の後ろを歩くユミコには、聞こえなかったらしい。
ユミコは顔色ひとつ変えず、普通に歩いている。
すでに階段を登りきり、玉座の間のすぐそばまで来ているので、聞き返すだけの時間的、距離的余裕はなかった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
ちょっと神様!私もうステータス調整されてるんですが!!
べちてん
ファンタジー
アニメ、マンガ、ラノベに小説好きの典型的な陰キャ高校生の西園千成はある日河川敷に花見に来ていた。人混みに酔い、体調が悪くなったので少し離れた路地で休憩していたらいつの間にか神域に迷い込んでしまっていた!!もう元居た世界には戻れないとのことなので魔法の世界へ転移することに。申し訳ないとか何とかでステータスを古龍の半分にしてもらったのだが、別の神様がそれを知らずに私のステータスをそこからさらに2倍にしてしまった!ちょっと神様!もうステータス調整されてるんですが!!
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
きんぎょ転生〜金魚と一緒に異世界転生してしまったのでとりあえず金魚増やします〜
荒瀬ヤヒロ
ファンタジー
貧乏男爵令嬢アカリアはある日、前世を思い出した。
金魚すくい大会の帰りに車に轢かれた記憶が蘇ると同時に、自分の傍に漂う存在に気づく。
この世界には存在しないはずの――金魚に。
「私の『スキル』って金魚出すだけ!?なにこれ金魚の呪い!?」
これは「きんぎょ創造」の『スキル』を与えられた少女が、魚を鑑賞する文化のない世界に金魚を広めて貧乏脱出しようと奮闘する物語である。
ふんわり設定の異世界きんぎょファンタジー。
転生王子はダラけたい
朝比奈 和
ファンタジー
大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。
束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!
と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!
ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!
ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり!
※2016年11月。第1巻
2017年 4月。第2巻
2017年 9月。第3巻
2017年12月。第4巻
2018年 3月。第5巻
2018年 8月。第6巻
2018年12月。第7巻
2019年 5月。第8巻
2019年10月。第9巻
2020年 6月。第10巻
2020年12月。第11巻 出版しました。
PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。
投稿継続中です。よろしくお願いします!
勇者パーティを追放されてしまったおっさん冒険者37歳……実はパーティメンバーにヤバいほど慕われていた
秋月静流
ファンタジー
勇者パーティを追放されたおっさん冒険者ガリウス・ノーザン37歳。
しかし彼を追放した筈のメンバーは実はヤバいほど彼を慕っていて……
テンプレ的な展開を逆手に取ったコメディーファンタジーの連載版です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる